京太郎、デュボアの右に沈む。覚悟を決めてカウンターを狙いにいった京太郎に感動しました。日本ヘビー級の歴史が動いた【結果・感想】

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ロンドンイメージ
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2019年12月21日(日本時間22日)、英・ロンドンで行われたWBOヘビー級インターナショナルタイトルマッチ。同級王者でWBO5位のダニエル・デュボアにWBA同級13位、WBO15位の藤本京太郎が挑んだ一戦は、2R2分10秒KOでデュボアの勝利。王座防衛に成功するとともに空位のWBC同級シルバー王座も獲得した試合である。
 
 
日本ヘビー級の第一人者藤本京太郎が同級プロスペクトとして注目されるダニエル・デュボアに挑んだ今回。
開始直後から足を使って動き回る京太郎だが、デュボアの左に身体を揺らされ防戦一方に。何度かロープに吹き飛ばされるなど、デュボアのパワーを抑えきれない。
 
2Rに入ると、足を止めて自ら射程内へ踏み込む京太郎。
至近距離での差し合いを挑むものの、デュボアのジャブを顔面に被弾し尻餅をつくようにダウン。その後も果敢にカウンターを狙うが、2分過ぎにコーナーで強烈な右をもらい大の字に倒れる。
 
この1発で深いダメージを負った京太郎は仰向けになったまま立てずに試合終了。
日本人未踏のリングに上がった藤本京太郎だったが、残念ながら力の差は大きく7年ぶりの敗戦となった。
 
「僕の2019年ベストバウト6選完結編。“僕の”印象に残った試合第2、1位を発表する。いや、ホントに感動したんだってw」
 

京太郎はこんな化け物とやらなきゃいかんのか…。でも、K-1時代からデカい相手とやってたし可能性はゼロじゃない

日本の藤本京太郎がヘビー級トッププロスペクト、ダニエル・デュボアに挑んだ今回。
 
僕自身、試合を組むのも困難な日本ヘビー級でがんばる京太郎のことは前々から応援していて、この試合が決まった際はアホほどテンションが上がった。
 
だが、相手のデュボアを観たところ、いやこりゃすげえなと
京太郎はこんなのとやらなきゃアカンのかと。
 
ここ最近アンソニー・ジョシュア、デオンティ・ワイルダー、タイソン・フューリーの3強に引っ張られてヘビー級のレベルアップが著しいが、その中でもダニエル・デュボアはすごい。確かに王者候補に挙げられるだけはある。
一部ではすでにアンソニー・ジョシュアに匹敵するとも言われているようだが、あながち間違いではない? かも?。
 
「京太郎vsデュボア! 角海老は夜王の力で京太郎をプッシュしろとは思ったけど、いきなりこんなヤツとは…」
 
もちろん僕は京太郎を全力で応援するが、正直どうやって勝てばいいのかはまったくわからない。
 
予想もクソもないが、とにかくがんばれ京太郎。
圧倒的不利とは言われているが、決して可能性はゼロじゃない。
なぜならヘビー級だから。


K-1時代にセーム・シュルトやピーター・アーツなど、自分よりも大きな相手に善戦してきた京太郎なら何かを起こせるかもしれん。
 
そんな感じで試合を観たわけだが……。
 

開始直後に左でいきなり足がもつれる京太郎。足を使っても追いつかれるし、近場の差し合いでも上をいかれる

まあ、ヤバかったですよね。
 
開始直後にデュボアの左が京太郎の顔を軽く捉えるのだが、京太郎はその1発で少し足がもつれてしまう。
いきなりガードの間を割られて面食らったのか、想定よりもデュボアの左が伸びたのか。明らかに本人は狼狽していたように思う。
 
足を使ってリングを回る京太郎に対してデュボアは焦らず距離を詰めて左を出す。京太郎はこの左を何とかスウェーでかわし、頭を下げてクリンチにいく。
 
おいおい、すげえな。
まだ何もやってないのにクリンチって……。
 
左の1発1発がすでにとんでもない威力で、なおかつ向かい合っているだけで相当な圧力を受けている感じ。
 
本人は試合前のインタビューで足を使って後半勝負に持ち込む的なことを言っていた覚えがあるが、いや、そんなことをやってる場合じゃねえぞ。動き回ってもどこかで必ず捕まるし、あのジャブをもらっているだけでダメージが溜まる。
 
自分から動かないと、マジで何もできずに終わる。
 
「ジョシュアがルイスJr.を再戦で塩漬け。ジョシュアの安全策とルイスの動きの悪さが…。そっくりさん同士の試合か?」
 
そして、45秒過ぎ。
京太郎をロープに追い詰めたデュボアが遠い位置から踏み込み、右ボディ。
パンチの戻り際を狙って前に出た京太郎だが、デュボアは下がりながらショートの右を顔面に当て、流れで京太郎の左をガードする。
さらに京太郎の返しの右に合わせて内側から右カウンターをねじ込む。
 
これでガクッと腰を落とす京太郎。
何とか持ちこたえて再びガードを上げるが、デュボアの右をガードの上から受けてまたしてもロープに吹き飛ばされてしまう。
 
マジか……。
スピード勝負でも近場の打ち合いでもこんなに差があるんか……。
どうにか得意のカウンターを打ち込む間合いに入れればと思っていたが、それをさせてもらえる気配すらない。
 
まだ開始1分強だが、ヘビー級トップクラスの壁の高さを山ほど見せつけられた気がする。
 

カウンターの1発でデュボアの出足を鈍らせる京太郎。勝機を見出すにはこれしかないよな

ところが。
 
残り1分を切ったところで、京太郎がデュボアの左に右ストレートを合わせにいく。
デュボアはとっさに腰を落としてこれをかわし、さらに右ストレートを京太郎の顔面に。またしてもロープまで吹っ飛ばされた京太郎だが、この1発でわずかに流れが変わる。
 
それまで無遠慮に距離を詰めて左を出していたデュボアが、京太郎の懐に入るのを躊躇する様子を見せる。
 
おおおお!!
今の1発で警戒したかデュボア?
 
だよな。
何と言ってもヘビー級だからな
どんな状況だろうと1発当たればすべてが逆転する階級だからな。
 
そして、この試合で京太郎が活路を見出すにはこれしかない。
 
勇気を持って1発を合わせ、先に当たれば最高。もらっちゃったらごめんなさい。
苦労の末にたどり着いたこの舞台で一か八かの賭けに出ることが正しいかは何とも言えないが、とにかく京太郎が勝つにはカウンターの1発しかない(気がする)。
 
「村田覚醒? 強敵バトラーを壮絶左フックで5RTKO。ついに自分の馬力に気づいちゃったか? 前に出て腕を振れば相手は下がる」
 

デュボアの射程内で対峙する京太郎。覚悟を決めてカウンターの1発に賭けるか

続く2R。
1Rと違い、京太郎はこのラウンドから動きを抑え気味にしてデュボアと対峙。これまではひたすら左右に動き回っていたものを、足を止めてデュボアのパンチに同時打ちでカウンターを合わせにいく。
 
上体を振り、デュボアの左をガードし踏み込みのタイミングを測る京太郎。
パンチの戻り際にそのつど前に出て腕を振る。
 
やっばい……。
京太郎がデュボアと至近距離で向かい合ってるよ。
 
射程内にとどまるだけでも相当なプレッシャーがあるだろうし、そこにカウンターを合わせにいく恐怖はとてもじゃないが僕には想像できない。
初回の絶望的な立ち上がりからどう立て直すかに注目していたが、マジで覚悟を決めた感じか。
 

デュボア相手にカウンターを狙いにいった京太郎に感動しました。日本ヘビー級の歴史が動いた

50秒過ぎの左の打ち合いでのダウン。
そこから何度も右を合わせにいき、最後は右のカウンターが届かずKO負けを喫するわけだが、とにかくすごかった。
 
画面越しに観ているだけの僕は「カウンターの1発に賭けるしかない」などと無責任に言えるが、実際こんな化け物相手にそれをやれる選手がどれだけいるの? という話。
結果だけ見れば完敗に違いないが、京太郎は間違いなく勝ちにいっていた。一瞬だがその可能性も見せてくれた(と思う)。
 
この試合を「無謀だった」「記念挑戦w」と嘲笑する人間はさすがにいないと思うが、もしいるとするなら僕は全力で軽蔑させていただく。
 
「井岡一翔vsシントロン予想。シントロンはそこそこよさげだけど、井岡の勝ち方が楽しみですね。パワーでねじ伏せたら最高かな」
 
K-1から転向以降、試合を組むのも大変な日本ヘビー級で8年間も踏ん張ってきた藤本京太郎には尊敬しかないし、この試合を実現するために尽力した陣営もすばらしい。
 
京太郎が今後どうするのかは不明だが、とにかくめちゃくちゃ感動した。ホントにナイスファイトだった。
本気で勝ちにいった選手に対して「挑戦することに意義がある」と言うのはどうかと思うが、それだけ大きな意味を持った試合だった気がする。
 
そして、これを機に日本ヘビー級が少しでも活性化してくれればいいとも思う。
 
だって、ファイトマネー1億円(推定)でしょ?
ボクシングのヘビー級、夢しかないじゃん。
 
京太郎はここまで8年かかったけど、人材が増えればもっとスムーズにビッグマッチにたどり着ける可能性も生まれるんじゃないの?
 
「ヘビー級の歴史を作れるか」じゃねえんだよ。


日本人がこの舞台に立ったことですでに歴史が動いてるんだよ。
 
これから藤本京太郎は「史上最もヘビー級王者に近づいた日本人」と紹介されるし、今後ヘビー級のトップ戦線に絡む選手が出てきたとしたら、そのたびに先駆者として名前が挙がるんだよ。
 
藤本京太郎が日本ヘビー級の時計の針を動かしたんだよ(大げさw)。
 
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