プロ野球開幕!! 俺的阪神戦力分析&セリーグ順位予想!! 金本阪神超変革は成功するのか?【2016年】
2016年のプロ野球が開幕した。
「超変革」をスローガンに掲げ、5年ぶりにオープン戦をVで終えた阪神タイガース。
勢いのある金本新監督、そして新戦力と若手の台頭。
各評論家がこぞって優勝候補にその名を挙げるなど、2015年終了時からは想像もつかない前評判の高さを見せつけたままシーズンに突入している。
阪神ファンの間でも「今年は楽しみだ」「楽しい野球が見られそう」「去年とはひと味違う」という声が聞かれ、否応なしの注目度である。
果たして2016年の阪神タイガースはどこまでやれるのか。
本当にファンの期待に答えられるような成績を残すことができるのか。
今回は「プロ野球開幕!! 俺的阪神戦力分析&セリーグ順位予想!!」と題して、オープン戦から開幕カードを観た感想を交えつつ、自分なりに戦力分析をしてみようと思う。
「マエケンのメジャー成績予想。前田健太(ドジャース)はMLB1年目でどこまでできるのか?」
一応申し上げておくと、僕は阪神ファンでも何でもない。
ただ、2015年の和田采配のあまりの有能さに震えるほど感動した結果、そこから先の動向が気になって仕方がないというよくわからん立場の人間である。
「有能or無能? 阪神タイガース和田監督の采配がいかに有能だったかを考えるの巻」
阪神【打撃編】
最初は打撃陣について。
とりあえず当初予想した開幕オーダーは下記である。
6.鳥谷
4.西岡
9.福留
3.ゴメス
5.ヘイグ
8.上本
7.江越
2.梅野
「阪神順位予想2016!! やれんのか阪神? 開幕オーダー予想」
そして、正解はこちらだ。
7.髙山
8.横田
5.ヘイグ
6.福留
3.ゴメス
6.鳥谷
4.西岡
2.岡﨑
もうびっくりするくらい外している。
「ここまで外すか? おい」というレベルである。まさか4番ゴメスまで外れるとは思わなかった。
しかも8番キャッチャー岡崎?
何じゃそりゃ?
恐れ入りました。
いや、マジで。
では、この開幕オーダーを見た感想を僕なりに申し上げていこう。
まず開幕1番を勝ち取ったルーキー髙山。
僕はこの選手をちょっと侮っていた。大学時代の映像を見たときの印象は「バットコントロールは抜群だけど、当てにいくようなスイングで力強さが足りない」というものだった。あのスイングだと、プロのスピードボールには負けるのではないかと予想していた。
恐らく1年目は2軍で強く振ることへの意識づけに費やす。1軍に上がるとしてもシーズン後半からではないかと思っていた。
「鳥谷敬守備劣化と絶不調の原因はレーシック? 成績低迷で阪神ファンの堪忍袋が限界に」
だが、実際は見ての通りである。スタートこそ2軍だったものの、すぐに頭角を現しヒットを量産。大学時代のスイングが嘘のようにオープン戦では力強いスイングを見せつけ、右へ左へ打球を飛ばす。
スムーズなスイングとバットコントロールのよさはそのままで、さらに力強さも加わり、堂々の開幕1番スタメンを勝ち取ってしまったのである。
力のあるボールをインコースに投げられた際に差し込まれるのではないかという懸念はあるが、完全に即戦力のリードオフマンである。
そして、同じく開幕2番を勝ち取った高卒3年目の横田。
金本監督期待の若手の1人で、将来的には40本打つことを至上命題とされている左の大砲候補である。2016年シーズンは俊足を買われ「併殺になりにくい」という理由で2番に抜擢されている。
オープン戦では首位打者を獲得するなど絶好調で、こちらも文句なしの開幕スタメンである。
当然ファンからの期待も大きい横田だが、実を言うと僕はこの選手は案外苦戦するのではないかと予想している。
どうもピークをオープン戦に持ってきてしまった感が強い。ここからだんだん相手投手の調子も上がってくるし、成績は下り坂を辿るのではないだろうか。
オープン戦で調子のピークを迎えてしまい、シーズンが開幕したところで調子を落とすというパターンは意外に多い。特に1軍当落線上の若手や来日1年目の外国人に多く見られる傾向で、伝説のダメ外人として名高い2013年のコンラッドなどがまさにその典型である。
恐らく日本のキャンプの長さに慣れていなかったのだろう。オープン戦序盤で調子のピークを迎えて打ちまくり、終盤にかけてパタっと当たりが止まる。案の定シーズンではまったく打てず、まさかの本塁打・打点ゼロという記録を残しての帰国である。
守備面での不安も大きく影響したのだと思われるが、日本のキャンプにうまく適応できなかったせいで、非常に気の毒な結果に終わってしまった選手の1人である。
さすがに生え抜き3年目の横田にコンラッドほどの罵声が浴びせられるとは思わないが、この先わりと早い段階で苦労するのではないかと予想している。
次に新外国人のヘイグ。
以前の記事で「この選手は悪くない」と申し上げているのだが、正直オープン戦を見た感じだとどうなるかがまったくわからない。大コケする可能性もあるし、案外打率を残しそうにも思える。
「阪神マット・ヘイグ(マット・ハグ)は活躍・成功できるか?」
テイクバックで大きくヒッチしてヘッドが逆向きに入る欠点をずっと指摘されているが、来日前の映像で見たときは「日本のピッチャーのスピードなら大丈夫だろう」と考えていた。
だが、オープン戦で実際のプレーを見ると予想以上にヒッチの幅が大きく、もしかしたら外れかもしれないと思い始めていた。
実際インコースの球に差し込まれ、始動を速くしたところに外スラを落とされてクルクルというパターンに見事にハマっていた。唯一打てるのが真ん中やや外寄りに抜けてきたスライダーくらいで、これはちょっとマズいぞ、外れ臭がすごいぞと思って見ていたところである。
だが開幕2試合連続で打点を上げるなど、今のところ結果は出ている。打った球自体は得意な真ん中付近の緩い変化球なのであまり参考にはならないが、いいスタートを切れたことがきっかけになって爆発する可能性もなきにしもあらずである。
繰り返しになるが、この選手に関しては現時点では本当にわからない。
全体的には即戦力の髙山が加わって厚みが増したが、ヘイグの活躍次第でつながりのある打線になるか迫力のない小粒な打線になるかといったところだろうか。
まあ、最終的には今シーズンも福留、ゴメス、鳥谷の主力頼み。この3人がいかに打つかに浮沈がかかっているといっても過言ではない。この3人が2015年並みもしくはそれ以上の活躍することがすべての前提なので、結局そういうことなのだろう。
阪神【投手編】
次は投手陣についてである。
まずは新戦力のマテオ。
オープン戦を見る限り、まあまあやれるのではないだろうか。
金本監督も言っていたようにスライダーの鋭さはピカイチで、右打者相手には相当の強さを発揮しそうである。左打者相手でもあのスライダーが膝元に決まっていればそう打てるものではない。ストレートも速いし、予想どおり持っているポテンシャル自体はかなり高いと言えそうである。
「阪神の新外国人、守護神マテオの2016年の成績を予想する」
ただ、スライダーに依存し過ぎなところと連投への耐性、調子の悪いときのリカバリーの仕方など未知の部分は多く、呉昇桓の代わりが見つかったと喜ぶのは早計だ。
僕としては余裕さえあればこの選手は「右打者絶対抑えるマン」として中継ぎでブルペンに待機していてもらいたい。オリックスの比嘉やベイスターズの加賀の最上位互換として、貴重な右専用機に使いたいところである。もちろん阪神にそれができるほどの戦力的余裕はないのだが。
次は同じく新戦力のドリス。
この選手に関しても僕はだいぶ見誤っていた。
オープン戦と紅白戦での投球を見ただけだが、能力は相当高い。
ストレートではあまり空振りがとれないと思っていたが、実際はバンバン空振りを奪うことができ、さらに落差の大きなフォークは決め球として一級品である。
「阪神、ドリス獲得? 来季守護神はダブルストッパー? デトロイト支部からクローザー候補強奪キター!!」
MLB時代の映像を見ると、シンカーで打たせてとることを意識し過ぎで、それが却って見極められる原因になっていた。
だが、オープン戦ではしっかりと力押しの投球を見せてくれている。
恐らくコーチに言われてストレート中心のスタイルに変えたのだと思うが、調子さえよければクローザーの適正はマテオよりも上なのではないだろうか。
投球フォームが肩に負担がかかりそうなのと、好不調の波が激しそうなのが不安材料ではあるが、2軍で眠らせておくのが惜しいほどの逸材である。
個人的には以前も言ったとおり、チェンジアップなどの緩急を覚えて先発として覚醒してもらいたい選手である。
阪神の投手陣はセリーグで一番安定していると言われているが、実はそれほど盤石とは言いがたい。
まず2015年シーズンの和田阪神を象徴する2人のベテラン、福原と安藤の不調である。昨シーズン、あれだけ命を削ってチームを支えた代償はやはり大きかった。福原は案の定球の走りが悪く、安藤に至っては不調のために2軍スタートである。
呉昇桓の代役にマテオを据えてはいるが、福原と安藤の代わりになる投手が見当たらない。ドリスを7or8回に配置できればいいのだが、それはすなわちヘイグが外れだということを意味する。
期待の若手が今年も期待の若手のままだと、リリーフ陣の崩壊によって詰んでしまう可能性すらある。
そして、阪神タイガースのコア4ともいえるメッセンジャー、藤浪、能見、岩田の先発4人。阪神の投手陣がセリーグ1だと言われる要因としてこの4人の安定が挙げられるのだが、実はここもかなり危ういのではないかと見ている。
以前の記事で申し上げたように、2015年の阪神はメッセンジャー、藤浪、能見、岩田の先発4人+安藤、福原、呉昇桓の後ろ3人という7枚の主力投手陣だけで優勝争いを演じたチームである。
この7人が命を削って接戦を拾いまくり、最後の最後まで優勝争いを繰り広げたのである。
7人の活躍と和田采配の有能さは大きな感動を呼んだが、その代償は間違いなく2016年シーズンに影響を及ぼすものと思われる。
スタミナお化けと言われながら今年35歳を迎えるメッセンジャー、2年連続でフル回転の藤浪、衰えが顕著なベテラン能見。この3人はいつガタがきてもおかしくないし、実際その可能性は高いと思う。
そして、後ろの盤石さとこの4人の安定が同時に崩れた場合、阪神の投手陣は一気に崩れることになる。
先発陣にこれといった若手の台頭がない現状、決して盤石の投手陣と言いきることはできない。
阪神【守備編】
続いては守備である。
これは言うまでもなくヤバい。
何がヤバいって、もちろん内野守備である。
阪神はもともと投手有利の甲子園を本拠地にしている割に守備に難があるという矛盾を抱えたチームなのだが、2016年シーズンはそのヤバさはさらに進行している。
特に三遊間。
鳥谷の守備範囲の狭さはさらに進み、二遊間の当たりはほぼセンターに抜けるのではないかというレベルまで落ち込んでいる。肩も弱いし、ますます連続フルイニング出場が意味をなさないばかりか、チームにマイナスしかもたらさない状況になりつつある。
そして、ご存知のとおりヘイグのサード守備も相当ヤバい。
グラブさばき、送球、左右の動き。すべての水準が軒並み低く、辛抱という言葉を知らない阪神ファンの堪忍袋が果たしてどれだけ持ち堪えられるか。
たとえばサードに守備範囲の広い名手がいれば、三遊間を広めに任せることができるのでショートは二遊間寄りに守ることが可能になる。結果的にショートの守備範囲も広いような印象を周囲に与えることができ、打球判断がいい選手という評価を得られるのだ。
だが、現状はグラブさばきも悪い、守備範囲も狭いサードヘイグ、完全に地蔵守備と化したショート鳥谷という最悪の組み合わせである。
よっぽどのことがない限り鳥谷をスタメンから外すことはないだろうから、批判の矛先はヘイグに向くことになる。
恐らくリリーフを安定させたい首脳陣はドリスを使いたいと考えるはずだ。つまり、これを覆すためにヘイグは守備面のお粗末さをカバーするほどの打撃を見せる必要がある。そう考えると、ヘイグに与えられた時間は思いのほか短いということになる。
ヒステリックなファンやマスコミのプレッシャ―が打撃面に悪影響を与え、さらに批判が強まるという悪循環に陥らなければいいのだが。
阪神【監督編】
最後に監督についてだが、これも今のところよくわからない。
「強く振れ」「バントよりも打て」という方針のもと、今まで以上に選手に強いスイングを意識したバッティングをさせている部分はすばらしいと思う。
だが、ピッチャーに盗塁をさせたりといった不可解な部分もあることも確かである。
また、開幕投手メッセンジャーやスタメン捕手岡崎という起用を見るに、案外情に流されやすい監督なのかという印象も否めない。何となく星野監督と近いものがあるように思えるのだが、どうだろうか。
これに関してはいいか悪いかよりも、勝負どころでの決断が遅れなければいいと願うばかりである。
セリーグ順位予想
阪神についてさんざん語ったところで2016年のセリーグの順位予想なのだが、
1.ヤクルト
2.広島
3.阪神
4.巨人
5.DeNA
6.中日
ヒッジョーに難しいのだが、現時点ではこれでいきたいと思う。以前の記事では阪神を4位に置いていたので1つ順位がアップした格好である。
とにかく巨人のゴタゴタは大きいと思う。精神的にもかなり動揺は大きかっただろうし、上位打線に左を配置する打順がトレンドとなりそうな2016年は高木京介の不在は意外と大きいのではないだろうか。
そして確実に貯金を生み出してくれると計算していたマイコラスの離脱。これが最も大きい。正直、この2人さえいれば普通に優勝候補筆頭だったのだが、まさかの賭博騒ぎによって一気にCS圏外である。
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まあ、恐らく順位予想については当たらないと思うが、今後も阪神を中心にゆる〜く見守っていこうと思う。
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