プロ野球に八百長はあるのか? できるのか? 賭博はあったけど【NPB】(テニス界にはあるらしいぞ)

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はるかぜイメージ
先日の記事でも申し上げたが、テニス界が八百長疑惑に揺れている。
一部報道によると、ここ10年間で50位以内にランクインした選手のうち16名の選手が八百長に関わっているとかいないとか。

「テニスに八百長はある? ←そりゃ、あるでしょ【ランキング上位の選手による八百長が横行YES? or NO?】」

2015年の日本のプロ野球界はソフトバンク・ホークスが圧倒的な強さで完全優勝を飾った裏で、一部選手による野球賭博が発覚するという異例の事態が発生した。

「ソフトバンクが4勝1敗でヤクルトを下し日本シリーズ優勝!!」

この事件がファンに与えた衝撃は大きく、怒りとも悲しみともつかぬ声がいたるところから聞かれた。
また、1969年の「黒い霧事件」以来の処分ということで、当時を想起するファンから八百長への疑念が膨らむほどの大ニュースに発展した。

僕自身、この話を聞いたときは残念な気持ちになったし、当該選手に対する処分も仕方ないと思う。まあ、さすがにおイタが過ぎただけであって本当に八百長をしているとは思わないが、今後こういったことがなくなることを願うばかりである。

と同時に、非常に不謹慎と知りつつも、こうも思った。
「今のNPBで八百長なんかできるの?」
「八百長するとしたらどんな選手?」

要するに、現在の日本プロ野球で八百長が可能なのか、そして野球賭博で意図的に儲けたいと願う胴元が声をかけるとしたらどんな選手なのか。
そういったことに興味が湧いた次第である。

というわけで今回は「プロ野球に八百長はあるのか? できるのか? 賭博はあったけど」と題して、日本プロ野球で八百長は可能なのか。八百長を実行するにはどのような選手を抱きこむのが一番効率的なのか。これを考えてみたいと思う。

もちろんネタです。僕も本当に八百長があるなどとは考えておりません。
もし不快に感じる方がいらっしゃれば、ここから先は読まずにブラウザを閉じていただければと思います。

日本プロ野球で八百長は可能。だけどすげえ難しい……

まず最初に日本プロ野球で八百長は可能なのか? についてだが、結論から申し上げると可能だと思う

できるかできないかで言えばできる。
だが、できるだけであって難易度は非常に高く、実現自体は困難なのではないかとも思う。

先日の記事で「テニスは数あるスポーツの中でも八百長に向いている競技の一つ」だと申し上げたが、野球の八百長はまったく逆で、その難易度ははっきり言ってテニスの比ではない。高度な技術と度胸、そしてある程度の運が要求されるハイレベルな作業になることは間違いない。
八百長に高度もくそもあるかどうかは別にして。

というより、率直に言って意味あるのか? と思えるほどの難易度である。ここまで苦労をするほど野球の八百長にメリットがあるのか? というくらいに。

先日の記事で、テニスには勝敗だけではなくさまざまな状況を想定したオッズが用意されていることをご紹介した。
勝敗だけではなく、獲得セット数やゲーム数、サービスの成功率などオッズの対象になるシチュエーションは多岐にわたると申し上げている。

「野球は長い。5回にしろ(松本人志)それいいかも(上原浩治)」

そしてこれは野球でも例外ではない。
いや、むしろこれだけルールが複雑な野球の方が、オッズの数はテニスより多いと言えるかもしれない。

そのうちのいくつかを紹介すると、

・勝敗予想
・総得点数のオーバー/アンダー
・ハンディマッチ

最も一般的なのがこの3つである。

「勝敗予想」はその名のとおり勝利チームを予想するオッズ。

「総得点数のオーバー/アンダー」は両チームの総得点数を予想するオッズ。たとえばオッズが「Over 6.5、Under 6.5」だった場合、両チームの総得点数が7点以上ならOver、6点以下ならUnderが的中となる。

「ハンディマッチ」は両チームの戦力を分析した上であらかじめ得失点差にハンディをつけておくという方法だ。
たとえば「Aチーム:+2、Bチーム:-2」だった場合、あらかじめAチームが2点リードしている状態でオッズがスタートするという意味になる。
そこで仮にプレイヤーがBチームの勝利にベットしていたとしよう。そして実際の試合ではBチームが0対1で勝利したとする。
すると、ハンディ分の-2が加算されて、結果は0対-1でBチームの敗北となる。つまり今回のベットは不的中となってしまうのである。

オッズの種類はこれだけではない。
1イニング終了時点での勝敗、5回までの勝敗、ある回のヒットの数、延長に入るか入らないか、先取点を挙げたチームが勝利するかしないかなど、1試合の中であらゆるシチュエーションでさまざまなオッズが発生している。

さらにシーズン全体での優勝やオールスター戦の勝利チームなど、ありとあらゆるものがオッズの対象となっているのである。

「野球賭博の高木京介が八百長も? ないないww 八百長は絶対ないから安心しとけ」

つまりテニスと同様、わざと負けるだけが八百長ではない。勝敗をコントロールすることは困難でも、ありとあらゆるシチュエーションでのオッズが想定されているために試合の中で八百長を実行するタイミングは必ず巡ってくるのである。

「2016年の田中マー君成績予想!! 靭帯断裂? 被本塁打数、防御率、投球回は?」

リスクに対するリターンが少なすぎる。八百長をやる意味があるのか?

八百長が可能とは言ったが、最初に申し上げたように実行に移すことはかなり難しい。
まず野球というスポーツが団体競技であること。そして番狂わせの多いスポーツであること。この2つだけで、野球での八百長の難易度は相当に高くなるのである。

大前提として、野球の八百長は1人ではできない。チーム内に複数の協力者が必要だということである。

「清原逮捕に対する中畑清の発言に納得がいかない件」

たとえばピッチャー1人が手抜きをしても八百長を成立させることは難しい。
わざと打たれても必ずヒットゾーンに飛ぶとは限らないし、野手がファインプレーをするかもしれない。打者の打ち損じという可能性も十分考えられる。

当然野手1人だけでは何もできない。
八百長が必要な場面でちょうどいい打球が飛んでくる可能性は限りなく低いし、たとえば内野手であれば、正面のゴロをわざとエラーをしてもシングルヒットにしかならない。

もっと言うと、さまざまなシチュエーションでのオッズに対応するためには外部との連絡係もベンチに最低1人は必要だ。オッズは単純な勝敗だけではないのだから、試合の最中に八百長の指示が出ることもあるはずである。

つまり、野球で八百長を成立させようと思ったらピッチャーと野手で1人ずつ、ベンチにもう1人。1つのチームで最低3人協力者が必要になるのである。

しかも3人というのは最低限の人数であり、成功率を高めようと思えばさらに人数が必要になる。
それも常時試合に出ている選手でなくては意味がない。極端な話、チームの主力の半数以上を抱き込まなくては成立しないほど、野球における八百長の難易度は高いのである。

発覚すれば自分だけでなく、球界全体に迷惑がかかる。なおかつ今後の野球人生はほぼ終了する。プロ野球選手のレギュラークラスであれば、真面目にやっていれば年収数千万~数億円の生活がこの先何年も保障されているはずだ。
これだけの待遇を捨てるリスクを犯してまで八百長に手を染めるほどの条件など、果たして提示できる組織が存在するのか。しかもチームの半数の選手を同時に抱き込む。そこまでのメリットが八百長にあるのだろうか。

僕が思うに、答えは間違いなく「No」だろう。
この日本プロ野球でそこまでのリスクを犯してまで手を染めるほど、八百長に魅力はない。そう考えるのが妥当ではないだろうか。

そういう意味でも、日本プロ野球において八百長を成立させるのは難易度が高すぎると言わざるを得ない。

「野球賭博、声出し金銭授受、敗退行為。アホらしいったらありゃしない」

八百長を実行するにはどんな選手に声をかけたらいい?

ではここからは「八百長をさせるにはどのような選手が狙い目か」について考えていく。
日本プロ野球において八百長を実行するにはいろいろな意味で難しいとさんざん述べてきたが、ひとまずそういった諸々のハードルをクリアしたと仮定する。
そして、どんな選手を抱き込めば野球の八百長が成立しやすいのか。それを見ていきたい。

先ほども言ったとおり、八百長を成立させるためにはチームの主力選手を抱き込む必要がある。野手でいえば常時試合に出る可能性の高いレギュラークラス、チームの主力級の選手の協力が絶対に必要だ。

しかも打球が飛んできやすいポジションで、なおかつ一つのエラーが失点に直結するポジションでなくてはならない。

つまり、どのポジションの選手を狙うべきかというと、

・外野手3人
・ファースト

ということになる。

外野手のエラー=長打。
ランナーが1人でもいる状態で後ろにそらせばホームに生還する可能性は高い。つまりピッチャーが手加減した球を投げ、外野手のいずれかが後ろにそらすことで得失点を操作できる確率は非常に高くなるのである。

ファーストは言わずもがなである。
内野ゴロは必ずファーストへ送球されるため、要所でのエラーを発生させやすいというわけだ。

そして当然だが、八百長成立において何よりも重要なのがピッチャーである。
それも当たり前のことだがチームの中心選手。先発ピッチャーならローテーションの1人、リリーフであれば勝ちパターンであることが望ましい。

チームの中核を担うピッチャーを抱き込むことができれば、八百長の成功率は一気に上がる。他の主力メンバーやベンチの連絡係に触手を伸ばすにしても、エース級を味方につけていれば交渉もスムーズに運ぶということも考えられる。

そこで今回はピッチャー、それも先発投手に絞って考えてみたい。
八百長を成立させるにはどんなタイプのピッチャーが適しているのか。八百長の誘いに乗る可能性が高いのはどんな立場の選手なのか。その部分を探っていくことにする。

ここ数年のセイバーメトリクスの浸透によってデータ分析が盛んな野球界だが、さすがに八百長の成功率に関するデータは見当たらない。残念ながらある程度イメージ先行になってしまうのだが。

こんなピッチャーに声をかけるのがいいんじゃないかな?

とりあえず僕が「八百長を斡旋する立場」の人間だったとして、どんなピッチャーに声をかけたいと思うかの条件を列挙してみよう。

・荒れ球タイプはNG
・球は速くないが、ある程度のコントロール(内外二分割程度)がある
・ストレート以外にもう1つストライクを取れる変化球を持っている
・そこそこ器用

こんな感じだろうか。
恐らくこのスペックだと、チームのスーパーエースにはなり得ない。ローテーションの4、5番手の立場である可能性が高い。

そして、どのような選手に声をかけるべきかと考えた際の条件が以下である。

・20代後半
・あるシーズンの前半戦だけ確変的な活躍をしたことがある
・確変シーズンの後半には大幅に失速したが、前半の貯金によって翌年に期待を抱かせる成績が残った
・翌年以降軒並み成績を落としている
・このままの状態が2〜3年続くと、30歳前後で解雇になる可能性が高い
・引退後にチームに残れるほどの貢献度も知名度もない不安定な立場
・素行が悪い

要するに、ある一時期だけ自分のポテンシャル以上の爆発を見せてしまい、そこで力を使い果たしてしまった感のある選手である。
爆発したといっても、引退後の身分が安泰になるほどの成績ではない。このまま数年後に戦力外通告を受けてもチームに残れるかは微妙。素行の悪さも影響して、引退後の去就が不安定な立場であることが望ましい。

つまり、狙い目は確変を起こしたシーズンの2年後
確変翌年に大きく成績を落としたものの、ギリギリローテーションに残れる程度の力を残している選手というのが、最も八百長に傾きやすいのではないだろうか。

完全にイメージ先行になってしまうが、具体的な数字を挙げると、

●確変年
前半戦7勝1敗 2.34
後半戦1勝5敗 4.15
通算8勝6敗
防御率3.46
投球回157.2
与四死球率2.43
被安打率.251
GB% 53%
奪三振率5.05

●確変翌年
5勝7敗 4.57
投球回124.3
与四死球率2.65
被安打率.268
GB% 54%
奪三振率5.15

●確変から2年後のシーズン
→ここで声をかける

与四死球率を見ると、ある程度ストライクを取る能力を持った投手であるとわかる。だが、この1年で球の威力が劣化したために被安打が増えている。与四死球率の悪化はコースを狙い過ぎているせいだということがうかがえる。
GB%(ゴロ率)が53%→54%、奪三振率が5.05→5.12と、ともに大きな変化はないことで、グラウンドボールピッチャーであることがわかる。

つまりタイプ的には典型的な軟投派のピッチャー。
確変の翌年までは最低限の球の威力をギリギリ保っていたが、その次のシーズンではどうにもならなくなる可能性が高いことが予想される。

「マジで予想困難な日本シリーズ2016!! 広島カープvs日本ハム。黒田も大谷もドラマチック過ぎ」

しかも素行のせいで首脳陣からの評判もあまりよくない。
グラウンドボールピッチャーが八百長に適しているかは微妙なところだが、甘い話にグラッときそうなプロフィールに見えないだろうか。

つまり、現在のプロ野球界でこの数字に近い選手を探して、性格面を考慮した上で声をかければいいわけである。

どうだろうか。
「これは!」と思う選手が出てこないだろうか。

ちなみに僕も現役、引退含めて何人か思い浮かんでしまったのだが、当然個人名を出すことは控える。そして、さすがに怖くなってきたのでこの辺でやめておく。

かなり危険な領域に踏み込みつつあることを肌で感じている次第である。

もう一度申し上げるが、あくまでこれはネタである。
実際に八百長に関わっている選手がいるなどとは露ほども思っていない。どうかご理解いただければ幸いである。

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