研究され始めた菅野智之。スプリットを見逃される&高めに目付けをされて苦戦。山本由伸は絶好調だった。まともにバットに当てさせなければ高地コロラドでも関係ない【2025.5.26感想】

研究され始めた菅野智之。スプリットを見逃される&高めに目付けをされて苦戦。山本由伸は絶好調だった。まともにバットに当てさせなければ高地コロラドでも関係ない【2025.5.26感想】

最近あまり野球観戦ができていない。
特にMLBは日本人選手の離脱等もあってなかなかリアルタイム視聴に至らない。
 
さらにシーズン序盤は好調だったピッチャー陣もやや低調気味。5、6月は打者の調子が上がる&ローテーション投手に疲れが出る時期なのでほぼ毎年こうなる。
 
菅野智之やっぱりいい。脱力省エネの千賀滉大、制球がバラバラ+フォークを狙われた山本由伸。三者三様おもしろかった
 
そんな感じで今回取り上げるのは
・菅野智之(オリオールズ)
・山本由伸(ドジャース)
の2人。
 
千賀滉大や今永昇太、佐々木朗希、ダルビッシュ有が離脱する中で曲がりなりにもローテーションを守っているピッチャーである。
 

菅野智之

6月21日 vsヤンキース
3.2回89球7安打4奪三振3四死球3失点 5勝4敗
 
まずはオリオールズの菅野智之。
この日のヤンキース戦では初回に2四球2安打2失点を喫するなど4回途中89球で降板。これで3戦連続で5回持たずとなっている。
 
4、5月と好調を維持していた菅野だったが6月に入ってからはやや低調気味。月間防御率も4.58と5月の3.48から1点以上悪化した。
 
菅野智之初勝利。5回1/3を投げて1失点。菅野たまらん。菅野がんばれ。菅野はやるに決まってる。菅野予想を超えていけ笑
 
僕は久しぶりに菅野の試合を観たのだが、ああ、なるほど。これはちょっと研究が進んでいるかもしれませんね。
 
今回はスプリットをやや少なめに、スライダーを中心に組み立てていた。
もともとあまりスプリットの調子がよくなかったことに加えてヤンキース打線は明らかに低めのケアを徹底していた。
 
まっすぐ(やツーシーム)を見せつつ外のスライダー(左打者にはバックドア)で勝負するわけだが、左右の揺さぶりだけで逃げ切るのは難しい。
スプリットがくるカウントやボール率の高さ等、菅野の分析が進んだのだと思うが、決め球を封じられたことでなかなかストライク先行のピッチングをさせてもらえなかった。
 

調子はそこまで悪くなかった? 各チームの研究が進んだ中でどう対処するかに注目かな

なお調子自体はそこまで悪くなかったと思う(よくもなかったけど)。
まっすぐ(やツーシーム)は93マイル前後の球速が出ていたし、ベース板での球の強さも感じた。
スプリットの落ちがよくなかったこと、分析が進んだこと。そこに立ち上がりの悪さ、先頭打者への四球癖という課題が上乗せされた登板だった。
 
本人もヤンキース打線がアプローチを変えてきていると感じたとのこと。

「2度目の対戦となったヤンキース打線からは「低めのスプリットを絶対振らないぞという意思が見えた」と言う。」


正直、菅野のスペックでは球威によるゴリ押しは難しい。
今回のように高めに目付けをされた際の対処、スライダーやカッターによる左右の揺さぶりだけで逃げ切れない中でどうするか。
 
さらにチーム事情から今後はエース格との対戦が増えると予想される。
ここから先、菅野がどう踏ん張るかに注目である。
 
俺たちの菅野智之がヤンキース戦で5回無失点3勝目。指摘されていた奪三振率の低さを払拭する8奪三振。高めまっすぐの使い方がよかった。MLB仕様の配球を見つけたか?
 

山本由伸

6月26日 vsロッキーズ
5回56球1安打6奪三振1四死球無失点 7勝6敗
 
月間防御率が4月0.38、5月3.00、6月4.21と月を追うごとに悪化している山本由伸。
さらに直近5試合では1勝3敗と苦しいピッチングが続く。
 
だがこの日は久しぶりに“ザ・山本由伸”という内容。
豪雨中断により5回降板となったが、ペース的には完封していてもおかしくない。
僕が散々「今シーズンの山本由伸はいい」と喚き散らした通りのピッチングだった笑
 
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具体的にはストライク先行でいけたのがよかった。
5回56球6奪三振。各イニング11球ちょいながらも三振は二桁ペース。
 
当たり前のことだが、打者を早めに追い込めばトータルの球数は勝手に減っていく。
球数を抑えながらもフィールドにボールを飛ばす機会を減らして(三振を多く取って)エラーが起こりにくい状況を作り出す。先発投手としては理想的な内容である。
 

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まっすぐに力があるのでフォーク、カーブも効く。完全にMLBでも上澄みのピッチングだった

てか、今回の山本由伸は純粋に好調でしたね。
 
1回の最初の2球を観た時点で「お、速いぞ」と。
 
まっすぐに力があればそれに伴ってフォークも鋭くなる&カーブとの緩急も効いてくる。
ゾーン内にどんどん投げ込んで3球以内で追い込む→フォークで三振、もしくはフォークをチラつかせつつカッターで詰まらせる。
 
打者は追い込まれるとフォークがくるので早めに手を出さざるを得ない。
95マイルのまっすぐを待っているところにスルッと70マイル台のカーブを投げればまず打たれることはない。
 
そんな感じで各球種の相乗効果で球数は減り、反比例して三振は増えていく。
 
4、5回あたりでスライダーを織り交ぜるのもいつも通り。
80マイル後半の球速で大きく曲がる。
カッターほど速くはない。
カーブの縦の軌道とも違う。
あの真横に滑る中間球を意識させるだけでより優位に立てるのだろうと。
 
 
序盤はまっすぐを中心に、途中から変化球の割合を増やして無双状態に突入。
まともにバットに当てさせなければ高地コロラドだろうが関係ない。
完全にメジャーの上澄み、サイヤング賞級のピッチングだった。
 
山本由伸すご過ぎワロタw サイヤング賞はともかく実力はMLBの中でも一握りの上澄み。「今年はこのくらいやるよね」という水準をさらに超えてきやがった
 
このピッチングが続けばそれこそサイヤング賞も視野に入るが、以前申し上げたようにどこかで浮き沈みは必ずくる(実際にきた)。今後はその幅をいかに少なくできるかが重要になるのではないか。
 
とりあえずはアレだ。
今後数か月、6月の落ち込みがMAXになることを願う。
 

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