フォークを見極められた山本由伸、相変わらず達人級の菅野智之、徐々に向上している佐々木朗希。佐々木朗希はもう一つ球種が必要? やっぱり早めにMLBに行ってよかったよな【2025.4.28感想】

今回は野球ネタ。
2025シーズン、僕が注目しているピッチャーの登板試合(日本時間4月28日現在)の感想である。
取り上げるのはいつも通りこの3人。
・山本由伸(ドジャース)
・佐々木朗希(ドジャース)
・菅野智之(オリオールズ)
なおもう1人の注目ピッチャー、巨人の田中将大は先週の登板がなかったのでスキップしている。
村上宗隆が2025年オフのメジャー挑戦。スタッツを見ながら活躍度を想像する。僕の唱える「右投げ左打ち限界説」を覆してくれ。筒香嘉智の上位互換だけにはなるな笑
菅野智之
4月24日 vsナショナルズ
7回94球5安打1奪三振0四死球3失点 勝敗つかず
初回にいきなり2本のホームランを打たれたものの、そこから粘って7回3失点。8回にチームが同点に追いついたために負けが消えたわけだが。
この日もさすがの菅野だったというか。
まっすぐ、スライダー、スプリット、カッター、ツーシーム、カーブとすべての球種がカウント球にも決め球にもなる。スペック自体(メジャー基準)は下位~中位ながらも豊富な経験でそれを補っている。
中でも今回は左バッターの外側から曲げるスライダー、カッター系が有効だった。
初回にフロントドアのツーシームをスタンドインされ、スプリットでなかなか空振りが取れない。
その中でスライダー、カッターを外側から曲げることで同じコースのまっすぐ、スプリットとの組み合わせを作り出す。
もともと菅野のスプリットは空振りをバンバン奪える球ではない(メジャー基準では)。しかもこの日のナショナルズ(の左打者)は明らかにそのスプリット狙いできていた。
それに対抗するべく、反対側から曲げるスライダー系で投球の幅を広げたのはうまかった。
こういう“何でもできる”“試合中に修正できる”のが菅野の持ち味であり、それがキャッチャーにも浸透しつつある印象。
なお6、7回はスプリットをかなり危ない当たりをされていたので、今後はさらなるアップデート、配球の工夫が必要になるのではないか。
菅野智之初勝利。5回1/3を投げて1失点。菅野たまらん。菅野がんばれ。菅野はやるに決まってる。菅野予想を超えていけ笑
山本由伸
4月26日 vsパイレーツ
5回94球5安打5奪三振4四死球3失点 3勝2敗
続いてはドジャースの山本由伸。
ポール・スキーンズとのサイヤング賞候補対決として注目された試合だが、残念ながら5回3失点(自責点1)で敗戦投手に。
と言っても調子自体はそこまで悪くなかった。
まっすぐのスピードも出ていたし、多少制球がバラついてるかな? 程度で四球の多さも配はなさそう。
ただ、ウイニングショットのフォークを見逃す作戦に見事にハマってしまった。
初回に(これまでは空振りが取れていた)フォークを平然と見逃され、カウントが苦しくなったところでタイムリーを浴びて失点。
カウント別なのかフォームの癖を見抜かれたのかは不明だが、パイレーツ打線のアプローチはこれまでのチームとやや違っていた。
まっすぐを見せ球にフォークでバンバン空振りを取るピッチングを封じられたことでドジャースバッテリーも2回以降はカーブを軸にカッターやツーシームを駆使する配球に。
だがこれが存外苦労する。
四隅を狙った変化球が微妙にコースを外れて球数がかさむ。
で、5回にカーブを狙われピンチを迎える→タイムリーを浴びて2失点という。
山本由伸すご過ぎワロタw サイヤング賞はともかく実力はMLBの中でも一握りの上澄み。「今年はこのくらいやるよね」という水準をさらに超えてきやがった
恐らくだが、この日のパイレーツは1番クルーズ以外は追い込まれるまではスプリットを見逃す作戦だったと想像する。
要はリーチのあるクルーズだけは山本由伸のフォークにも届くと考えたのだろうと。
なおナショナルズのジェームズ・ウッドやカージナルスのラーズ・ヌートバー、ドジャースの大谷翔平等、長身のフリースインガータイプを1番に置くのが現在のメジャーのトレンドなのかもしれない(違うかもしれない)。
佐々木朗希
4月27日 vsパイレーツ
5.2回93球5安打4奪三振2四死球3失点 勝敗つかず
山本由伸の翌日に登板した佐々木朗希。
5回2/3、メジャー最多の93球を投げて3失点(自責点3)とまずまずの内容だったが、またしても勝敗はつかず。
とは言え、前回の6回2失点に続き調子は上向きつつある。
中でもストライク率の向上はめちゃくちゃポジティブ。最初の3登板までは制球が定まらずにバタバタしたが、直近2登板ではかなりの改善が見られる。
また配球に関してはスライダーの割合を高めている印象。
この日もスライダーとフォークを同じコースから落とすなど、目先を変える球としてよく機能していた。
前々回(4月13日)のカブス戦の5回に「スライダーが指にかかっていた」「あの感じを継続できれば」と申し上げたが、この流れでいけばそのうち勝ち星もついてくるはず。
豊富な経験、技術を総動員して投げている菅野が7回3失点。それに対し、荒れ球の制御でいっぱいいっぱいの佐々木朗希は5.2回2失点。
根本的なスペックの違いはあまりに残酷である笑
今年1番の出来だった山本由伸、ゴリ押し感満載の佐々木朗希、前回から修正した菅野智之、馬力不足で打ち込まれた田中将大、打線が終わってる&采配が極端すぎる中日
佐々木朗希はもう一つ球種が必要? やっぱり早めにMLBに行ってよかった
「ロウキは直球とスプリットの力を最大限に生かそうとする。スライダーはデータを見ても『まあまあの手堅い球種』止まり。初球ストライクを取ったり、ときには空振りさせられるが、メジャーの投手が目指すようなパワーあふれる変化球じゃないし、いわゆる『隙間の球種』にはなれない」
「シンカーやカットボール、またはしっくり来るならば、球速があるスプリットの『スプリンカー』でもいい。そんな球速があり、かつストライクを取れる他の球種があれば、もっとスプリットも生きる」
「佐々木朗希にはあと一つ直球系の球種が必要」米解説者が提言「そうすれば直球とスプリットもより生きる」#佐々木朗希 #ドジャース https://t.co/Q51yiScEuO
— 中日スポーツ (@chuspo) April 25, 2025
僕は以前から「佐々木朗希はさっさとMLBに行った方がいい」と連呼してきたが、その理由がまさにこれ。
佐々木朗希のまっすぐとフォークは確かに一級品だが、より効率的なピッチングを実現するには中間球が必須になる。
僕は佐々木朗希はさっさとMLBに行くべきだと思ってる人間だけど、ポスティング制度の見直しは急務だろうな。
金額の上限を取っ払って目一杯ふんだくれるようにしねえと。
今のままだとダルビッシュ、大谷翔平、佐々木朗希レベルの才能にとってはNPB球団がプロの身体作りの場にしかならなくなる。
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) November 11, 2024
山本由伸、佐々木朗希、田中将大、菅野智之2025年展望。菅野にはがんばってもらいたい。日本のエースはすげえんだってことをメリケンどもに思い知らせろw
僕はスライダーの精度向上が一番の近道だと思っているが、まっすぐと同じ球速帯(シンカー、カッター)の球を加えるのも一つの手。
だが、記事内にあるようにカッターを覚えるとフォーシームに悪影響が出るパターンもある。またシンカーは握りを変えるだけと言っても、試合で使えるレベルに到達するのは決して簡単ではない(と思う)。
どちらにしろ佐々木朗希がもう一段上に行くには今のままでは難しい。困ったときに頼れる球種がフォークだけだとどこかで頭打ちになる。
そして、そういう課題を見つけて克服するにはやはりメジャーしかない。
日本では多少調子が悪くても150km半ばのまっすぐとフォークのゴリ押しでどうにかなったが、打者のレベルが数段上がるメジャーではそうはいかない。
この日の先頭打者初球ホームランなどは典型的で、ああいう被弾は日本ではまず経験できないもの。
期待大の山本由伸、メジャーの洗礼を受けた佐々木朗希、和製グリンキーの菅野智之、残った力と技術を総動員する田中将大。2025シーズン注目選手の登板試合感想
渡米の経緯もあり日本のファンから厳しい評価を受ける佐々木朗希だが、今のところ「やっぱり行ってよかったよね」と思っている。
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