マイキー・ガルシア4階級制覇達成!! リピネッツに3-0で勝利。やっぱりS・ライト級ではスペシャル感は薄れるよな【結果・感想】

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2018年3月10日(日本時間11日)、米・テキサス州で行われたIBF世界S・ライト級タイトルマッチ。
同級王者セルゲイ・リピネッツに現WBCライト級王者マイキー・ガルシアが挑戦し、3-0(116-111、117-110、117-110)の判定でガルシアが勝利。4階級制覇を達成した試合である。
 
 
当初2月に予定されていたものの、リピネッツの負傷により延期されていたこの試合。
 
開始直後、マイキー・ガルシアがサイドに回りながらキレのあるジャブをヒットしていく。
対するリピネッツも持ち前の馬力を発揮して前進。中間距離で両者の差し合いが展開される。
 
前に出るリピネッツをマイキーが強烈なジャブでストップ。そのつどリピネッツがアタックを繰り返す流れが続く。
 
そして迎えた7R。
強引に距離を詰めたリピネッツが渾身の左を打ち込む。
だが、そこにマイキー・ガルシアの左がカウンターでヒット。リピネッツが豪快に尻餅をついてダウンを喫する。
 
ダメージは浅いが、それ以降警戒心を強めたリピネッツの出足が明らかに鈍る。
マイキーも無理に仕留めにはいかず、落ち着いて距離をキープ。ジャブのヒットを重ねていく。
 
そして、試合はそのまま12R終了のゴングが鳴る。
3-0の判定でマイキー・ガルシアが勝利し、見事戴冠を果たすとともに4階級制覇を達成した。
 
「バルデスvsクイッグ感想。体重超過でパツパツのクイッグがバルデスに判定負け。体重超過に対するペナルティが緩い理由?」
 

マイキー・ガルシア勝利。でもリピネッツもがんばった。この階級のマイキーは無敵ではなさそうだね

セルゲイ・リピネッツvsマイキー・ガルシア。
 
前戦で近藤明広を敗り戴冠を果たしたリピネッツと、人気者のマイキーの一戦である。
 
「近藤明広がリピネッツを圧倒しながら惜敗。試合は支配してたけど、手数とヒット数がまったく足りず。やってしまいましたなぁ」
 
とりあえず思ったのが、今回のマイキーは慎重だったなぁと。
そして、リピネッツは相当がんばったなぁと。
 
慎重かつ省エネな試合運びで勝利に徹したマイキーと、気合十分でこの試合に臨んだリピネッツ。
その結果、両者が決め手を欠き、こう着の多い展開が続いた印象である。
 
「バルテレミーvsレリク、グローブスvsユーバンクJr.を観たので感想を。バルテレミーさんの体調の悪さとグローブスの泥仕合ww」
 
判定結果には概ね納得だが、やはりS・ライト級のマイキー・ガルシアは無敵ではない
復帰後数戦で見せたスペシャル感は若干薄れている。4階級制覇は達成したものの、付け入る隙は十分ありそうに思える。
 
「サダム・アリの初防衛戦はリアム・スミス。やっとタイトル獲得したのにいきなり試練。アリさんvsスミスさんの行方?」
 

カウンター狙いのリピネッツと、慎重な安全策のマイキー。どちらも決め手を欠いたまま時間が過ぎる

まず、以前にも申し上げたように、セルゲイ・リピネッツが得意なのはカウンター。
 
相手の打ち終わりにパンチを被せ、そのまま間合いを詰めて追撃を浴びせる。
1発の振りが大きく、風圧で相手を委縮させるほどの強烈なパンチがこの選手の持ち味である。
 
「ベルデホ堕ちる…。ロサダに10RTKO負け。復帰戦で番狂わせ、キャリア初黒星を喫する。観てるだけで息切れが止まらん」
 
また基本的にガードは低く、ディフェンスはヘッドスリップとスウェーが中心。
なるべく手が出やすい位置でリラックスして構え、カウンターのタイミングを重視する。
 
「決まっちゃったよw ロマチェンコvsリナレス。相性は悪くないけど、実際は難しいかな」
 
ただ、特別見切りがいいわけでもなく上半身の柔軟性が優れているわけでもない。
エイドリアン・ブローナーほどの身体能力もない。
芯さえ食わなければOKというメンタルなので、どちらかというと被弾は多めである。
 
特に今回の相手は貫通力の高いジャブを得意とするマイキー・ガルシア。
スピーディな左に対応しきれず、あと1歩を詰められない状態が続いてしまった。
 
「野獣ワイルダーがオルティスを豪快KO!! やべえ、おもしろかったww オルティスは勝たなきゃダメな試合だったな」
 
対するマイキー・ガルシアだが、こちらもこの試合に関してはかなり慎重だったと思う。
 
スピーディな左でリピネッツの出足を止めるのだが、リピネッツのカウンターを警戒するあまり踏み込みが浅い。追撃の右に威力がまったく足りない。
また、打ち終わりにサイドへ回り込むことを最優先するため、ダメージを与えるほどのパワーショットが打てない。
 
「ベルデホ堕ちる…。ロサダに10RTKO負け。復帰戦で番狂わせ、キャリア初黒星を喫する。観てるだけで息切れが止まらん」
 
奥足に重心を残したまま左リードを放ち、リピネッツのカウンターを誘う。
相手の踏み込みに合わせてカウンターを打ち込み、うまくハマればOK。仮に当たらなくても、普通に左リードを出していればポイントで上回れる。
 
この階級のマイキーは若干パワーレスが指摘されるが、今回はどちらかというと耐久力とスタミナ面に不安を感じていたように思える。
7Rに奪ったダウンを含め、なるべく相手の力を利用して安全に切り抜けようとしていた感が強い。
 
「ダニー・ガルシアがリオスをKO! はぁ~、すっごい。パワーレスなくせにカウンターはヤバいw 村田vsカネロもこんな感じ?」
 

リピネッツはよかった。でも、ダウンを食ったことで警戒心を強めてしまったかな?

繰り返しになるが、この試合のリピネッツはかなりがんばったと思う。
 
前戦では身体の大きな近藤明広を持て余したが、フィジカル面でのアドバンテージがある今回はそこそこ思い通りの試合運びができたのではないか。
 
いや、負けた時点で思い通りではないのだが。
 
序盤からガードを上げてプレッシャーをかけ、至近距離での打ち合いを挑む。
下の階級からアップしてきたマイキーをナチュラルなS・ライト級のフィジカルで押し潰す作戦。
同時に、前回のエイドリアン・ブローナーがやるべきだった作戦でもある。
 
「マイキー・ガルシアがブローナーに判定勝利。階級の壁をちょっと感じたかな。ブローナーもよかったよね?」
 
そして、この作戦はある程度うまくいっていたように思える。
1、2R辺りはマイキーのジャブに面食らっていたが、威力とスピードに慣れた3R以降はしっかりとパワーで押し込めていた。
 
「期待のライアン・ガルシアを観たのでその印象を。キラキラ七三プロスペクトはデラホーヤさんの大のお気に入り?」
 
それだけに、勝負を賭けた7Rに痛烈なダウンを食ったのが残念だった。
確かに前のラウンドから左のタイミングが合っていたし、そこからさらに踏み込めば被弾するのは当然と言えば当然だが。
 
「比嘉vsロサレス予想。って、もう防衛戦やるの?!」
 
両者が中間距離で対峙。
ただ、この間合いでは奥足重心のマイキーにリピネッツのカウンターは届かない。
 
懐に入って腕を振りたいのだが、半歩先の危険地帯をどうしても踏み越えられない。
マイキーのカウンターが一番威力を発揮する位置で、なおかつ自分の腕だけが届かない位置。
 
結果的に7Rのダウンがリピネッツの出足を鈍らせ、最後まで踏み込みを躊躇させてしまった。
 
「ジョシュアがパーカーを子ども扱い。パーカーはがんばったけどやっぱり2m無双。結局こうなっちゃうんだよな」
 

打倒マイキー・ガルシア? 意外とおもしろいのがインドンゴおじさんだと思うんですが

基本的にリピネッツはカウンターの選手で、パンチを外しながらプレスをかけて~という動きは得意ではない。
 
パワー差を活かしてねじ伏せる作戦は間違いではないが、露骨なカウンター狙いのマイキーの懐に侵入するのは確かに困難を極めていた。
 
「マイキーvsイースター感想。イースターがんばった。マイキーは淡々と左を出し続けて勝利。やっぱりイースターじゃ厳しいよな」
 
逆に言うと、ここを踏み越えられれば打倒マイキーの可能性を見出せることを意味する。
たとえば、マイキーのシャープなワンツーを外しながらプレスをかけられるタイプ。もしくは間合いの外から一足飛びで距離を詰められるタイプ。
 
僕は2017年1月のズラティカニン戦が実は紙一重だったと思っているのだが、ああいう連打とプレスを得意とする選手がS・ライト級にいないだろうか。
 
「マイキー・ガルシアがズラティカニンにKO勝ち。空中で失神してゆっくり崩れ落ちる衝撃映像。戦慄のカウンターで王座奪取」
 
あの強烈な左リードを防ぎながら前進することを考えると、やはりサウスポーが適任か。
さらに至近距離で連打が出せる選手となると、
 
レジス・プログレイス?
ジョシュ・テイラー?
 
どちらも決め手には欠けるが、可能性はゼロではないように思える。
 
「カネロの禁止薬物陽性の裏でいろいろあったよ。コバレフvsミカルキン、ビボルvsバレラ、ジョシュ・テイラーvsカンポス」
 
また、意外とマイキーとの相性がよさそうなのがジュリアス・インドンゴさんだったりする。
リーチが長く、一気に間合いを詰める踏み込みのレンジもある。
うまくいけば、トロヤノフスキー戦のように妙な軌道の左で吹き飛ばせるかもしれない。
 
「プログレイスがインドンゴをボッコボコで初戴冠。まんま山中vsルイス・ネリだったな。相性の悪さがモロだった」
 
というか、インドンゴさんがマイキーに勝っちゃったら大爆笑ですけどねww
 
まあ、豪快な2連敗を喫したインドンゴさんをマイキーが相手にすることもなさそうなのだが。
 
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