阪神マテオ獲得? 新守護神候補にパドレスから156kmの剛腕の名前が挙がる
阪神、マルコス・マテオを獲得?
阪神タイガースが、2016年シーズンのクローザ―候補としてリストアップしていたマルコス・マテオ(サンディエゴ・パドレス)を獲得するとの報道が出た。
今シーズンまで絶対的な抑えとして君臨した呉昇桓の退団が決まり、新たな助っ人外国人を調査していた阪神にとっては朗報である。
正式に発表されたわけではないので何とも言えないが、少なくとも阪神がマルコス・マテオ を守護神候補として調査していることは確かなようである。
「虎、新守護神・マテオ獲得!呉昇桓の交渉打ち切りから3日で大筋合意」
実際に獲得が決定するかはわからないが、一つ言えるのは「阪神金あるな」。
確かにマートンと呉昇桓の退団が決まったために単純計算で2人の年俸分7億5千万円(推定)が浮いている計算になる。ある程度補強資金が潤沢なのは間違いないのだろう。相変わらず情報は筒抜けだが、その中にもどこか余裕と品性が感じられるのがちょっとおもしろいww
阪神のくせに。
そこで今回は、例によってマルコス・マテオ投手が日本にきたと仮定して、どれくらいやれるのかを予想してみたいと思う。
たとえ当たらなくても、こういう無責任な予想は非常に楽しいのでかなりノリノリでやっている次第である。
「阪神、ドリス獲得? 来季守護神はダブルストッパー? デトロイト支部からクローザー候補強奪キター!!」
荒れ球ストレートとスライダーが得意なピッチャー
マルコス・マテオ(31)
サイド気味のフォームから浮き上がるようなストレートと、変化量の大きなスライダーを投げる。ストレートの最速は最速156kmと言われ、荒れ球速球派でありながらスライダーピッチャーとも呼べる投手である。
確かにスピードはあるが、平均球速自体は先日取り上げたクレトほどではない。ただクレトのストレートよりも伸びはあり、手元でグイッと押しこむような球質に感じられる。
イメージとしてはストレートは林昌勇の下位互換、もしくは横浜DeNAの小杉。スライダーは中日の又吉の下位互換といったところだろうか。風貌はまったく違うが。
球種の振り分けとしては、
スライダー46.37%
ストレート35.70%
となっており、全投球の8割以上をこの2種類の球が占めている。なおストレートの平均球速は94.12マイル(約151km)である。
ツーシームもたまに投げるようだが、果たして日本のボールでも同じような変化をしてくれるだろうか。その部分ではやや不安が残る。
27.0回を投げて33奪三振と奪三振能力は高く、与四球率は3.00とコントロールに苦しむタイプでもない。被本塁打が5本あり、いくつか映像をみたところスライダーが抜けて真ん中に入ったところを捉えられたものが見つかった。
基本的に打たれた球は真ん中に甘く入ったスライダーを左打者に思いきり引っ張られてのものが多い。
恐らく自分ではスライダーに相当自信を持っているのだと思う。投球の基本はスライダー。困ったらスライダー。そんな感じでどんどんスライダーを投げ込むタイプである。
クローザ―よりも中継ぎに適正あり?
クローザー候補として調査をしているとのことだが、このピッチャーはクローザーではなくどちらかというと中継ぎで使いたい。
サイドスローで150kmのスピードボールを持ち、なおかつスライダーピッチャー。こんな特徴的なピッチャーなら、目先を変える意味でもクローザーへのつなぎ役として使う方がより効果的ではないだろうか。
もう一つ中継ぎを薦める理由として、クローザーとして使うには落ちる球がないというのがある。呉昇桓もそうではないかと言われるかもしれないが、あのピッチャーのストレートは空振りがとれる。だがマテオの球威ではストレートだけでゴリ押しし続けるのはやや無理があるだろう。アクセントとしての落ちる球はどうしても必要になりそうである。小粒な打者が多いセリーグといえど、さすがに呉昇桓並みに働けというのは難しいだろう。
さらに得意球としているスライダーだが、やや変化量が大きすぎるように思える。あれだけ大きな変化だと制御するのが難しそうだし、逆に見極めやすくなってしまうのではないだろうか。もちろんいい球であることは間違いないのだが、できればもう少し手元で横滑りするような鋭い変化が欲しいところだ。
今のところ先発ローテーション入りが予想されるメンバーはメッセンジャー、藤浪、能見、岩田の4人だが、マテオはこの4人のどのピッチャーともタイプが違う。目先を変える意味でも、やはり中継ぎでの起用をお薦めしたい。
特にサウスポーである能見や岩田の後であれば、球速の変化もつけられるしより効果が大きいように思える。
メジャーでの2015年シーズンは回またぎも経験しているので、ある程度の耐久力もあると考えられる。便利屋的な使われ方には慣れていると考えてよさそうである。
かなり怪我をしそうなフォームで投げているので、シーズン途中での故障が懸念材料ではあるが。
クイックはうまくない。ランナーが出るとイライラ
このマテオ、先日のクレトと同様に球種が少ないので、調子の悪い日はかなり苦労しそうである。
打たれた試合を何試合か見たが、どうも調子が悪いとスライダーを引っかける傾向があるようだ。引っかかったスライダーが左打者の内側に大きく外れ、打者が飛び退くように避けるシーンがいくつか見られた。
そしてランナーを出すとかなりイライラするようで、大きいリードなどの揺さぶりにも神経質になるタイプなのかもしれない。
ややトルネード気味に身体をひねるフォームなので当然クイックは苦手だ。このままだと走られやすいことは間違いないだろう。
だが、無理にクイックを意識するとかえって調子を崩してしまうのではないだろうか。ランナーを気にし過ぎて調子を落とすより、むしろ今のまま思いきり腕を振って投げ込む方がはるかに活躍できるように思える。
・ランナーを出すとイライラする
・クイックはあまり得意ではない
・トルネード気味のフォーム
これらを鑑みるに、起用する場面はやはりランナーのいないシチュエーションがいいだろう。特に日本の野球に慣れていないシーズン序盤。回の頭から投入して自分のペースで投げてもらい、徐々に調子を上げていってもらうのだ。
課題は左打者。スライダーに頼るよりもストレートでねじ伏せる方がいい?
マテオのピッチングを見た人全員が同じことを考えると思うが、このピッチャーの課題はやはり左打者だ。
2015年シーズンの対右の防御率が3.24に対し、対左は5.23とほぼ2点も高くなっている。
一番の要因は球種がスライダーとストレートの2種類しかないこと。左打者の外側に逃げていく球種がないことである。先ほども申し上げたとおり、ストレートだけで乗り切れるほどの球威があるわけではないので、どうしても左打者に苦戦してしまうのだ。
球種としてツーシームもあるにはあるが、本人に自信がないのかほとんど投げていない。
だが、日本の打者、特にセリーグの打者相手であれば、あのストレートでゴリ押ししてもある程度は通用するのではないだろうか。変にスライダーに頼ってカウントを悪くするより、真ん中高めを狙って力勝負でねじ伏せる方がはるかに効果的に思える。
「阪神マット・ヘイグ(マット・ハグ)は活躍・成功できるか?」
後、心配なのはコンディションの問題だろう。
映像を見ればわかるが、かなり横にデカい。
この手のタイプが調整を失敗すると相当悲惨なことになる。だらしない身体で来日して、キャンプで醜態をさらすパターンである。
まあ日本行きを熱望しているとの報道を見たので、さすがにそれはないと願いたいが。
もしかしたら活躍は厳しいか? 起用方法も慎重に
何とも言えないが、もしかしたらこのピッチャーはちょっと厳しいかもしれない。
ランナーのいる場面で登板してひっかき回されてイライラ。球が暴れてコントロールがつかず、甘いスライダーを左打者に引っ張られて失点。このパターンを繰り返して早々に失格の烙印を押されるということもありそうである。
このピッチャーが活躍しようと思ったら、どちらかといえばスライダーよりもストレートの比重を増やすべきだろう。先ほども言ったが、セリーグの打者ならある程度は力で抑えられるだろうし、制御できないスライダーでカウントを悪くするよりよほど効果的だ。
そして、チームとしての起用法もある程度考慮したいところだ。
特にシーズン序盤はなるべくランナーのいない場面で気持ちよく投げさせたい。
いきなりランナーが溜まった厳しい場面で投入して失敗→強烈なブーイング→本来の力を出すことができずに2軍落ち→帰国というかわいそうな結果も考えられるので、ぜひとも慎重に使っていただきたい。
まあ、助っ人外国人にそこまで配慮する必要があるかと言われれば甚だ疑問なのだが。
日本で成功する条件としては、
・ストレート中心の配球
・中継ぎでの起用
・なるべく回の頭から、ランナーがいない場面で気持ちよく投げさせる
・無理にクイックを覚えようとせずに強く腕を振ることを意識する
これらがカギになるのではないだろうか。
せっかくはるばる日本に来るのだからできれば成功してもらいたいが、果たしてどうなるか。
-
前の記事
長谷川穂積は引退するべきか? 現役続行するべきか? カルロス・ルイス戦での辛勝を受けて考えてみる 2015.12.14
-
次の記事
阪神、ドリス獲得? 来季守護神はダブルストッパー? デトロイト支部からクローザー候補強奪キター!! 2015.12.16