ロマチェンコ階級の壁? ペドラザに粘られ、久しぶりの判定で王座統一。てか、サイズ差に苦労してるよなコイツ【結果・感想】
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2018年12月8日(日本時間9日)、米・ニューヨーク州で行われたWBO・WBA世界ライト級王座統一戦。WBA王者ワシル・ロマチェンコがWBO王者ホセ・ペドラザと対戦し、3-0(119-107、117-109、117-109)の判定で勝利。2団体統一を果たした一戦である。
序盤から軽快な動きでヒットを重ねるロマチェンコ。
対するペドラザも長いリーチとハンドスピードで対抗し、ロマチェンコに決定打を許さない。
逆に連打を浴びせるシーンを作るなど、絶対不利の下馬評ながらも健闘を見せる。
試合は一進一退のまま終盤11R。
ここでペドラザに疲れが見え、徐々にロマチェンコの前進を抑えきれなくなる。
それを見たロマチェンコは一気にギアチェンジ。
至近距離でペドラザに連打を浴びせ、2度のダウンを奪う。
このラウンドで勝利を決定づけたロマチェンコは、最終回もそのままのペースを維持してポイントアウト。
文句なしの勝利で見事王座統一に成功した。
試合後、勝利したロマチェンコは「あと2つのベルトもほしい」とコメントし、対抗王者マイキー・ガルシアとの統一戦実現を希望している。
「ハイメ・ムンギアに勝つ方法を誰か教えてください。井上岳志が米国で挑戦。世界王者は化け物だらけ?」
ロマチェンコ攻略の糸口を示したかな。まだまだ磐石だけど、ほんの少しの綻びが…
“ハイテク”・ワシル・ロマチェンコが団体統一に成功した。
とはいえ、ロマチェンコにとっては2014年以来約4年ぶりの判定勝利。
WBO王者ホセ・ペドラザの予想を超える健闘が光った試合だったのではないか。
というか、ペドラザはよく研究してきたなと。
今年5月のホルヘ・リナレスを参考に、自分仕様のロマチェンコ対策をひねり出した感じ。
この先もこの路線でいけば、どこかでロマチェンコに勝つ選手が出てくるのでは? という期待を持たせる試合だった(と思う)。
まあ、それでも結果は3-0の大差判定。
ノーマスを連発していた一時期の無双状態に比べれば、多少は進歩したよねというだけの話。
まだまだ磐石というか、「攻略」と呼ぶには早いかな? とも思ったり。
「カネロ降臨。ロッキー・フィールディングそこそこいいんでない? でもDAZN大型契約後の一発目だから負けられない」
ハンドスピード全開でロマチェンコを近づけない、中間距離に釘付けにするのがペドラザの作戦
今回のペドラザの作戦としては、とにかくロマチェンコを近づけないことかなと。
リーチが166cmとやや短いロマチェンコに対し、ペドラザは180cm。この階級ではひときわ長いリーチを持つ。
その差を目いっぱい利用し、リング中央で離れた間合いで対峙する。
ロマチェンコの1発目に必ずカウンターを被せ、連打の発動を抑え込む。
さらにハンドスピードを活かした連打を浴びせ、ロマチェンコを射程内に入らせない。
「ロマチェンコがクローラに圧勝! って、さすがにそうなるでしょとしか…。今さらジョー小泉復活とか古すぎる。時間止まってんのか」
どちらかといえばロマチェンコは攻防分離気味で、相手のターンが終わるまでは防御に徹する傾向がある。
1発目のリードにカウンターを返し、そのまま連打を出して極力ロマチェンコに攻撃権を与えない。
カウンターと連打で前進を寸断し、バックステップで相手との距離をキープする。
懐に入られた際は上体を小刻みに動かして的をずらし、スイッチで距離感を狂わせる。
とにかくロマチェンコを自分に近づかせず、サイドに立たせない。
中間距離に釘付けにして、リーチの長さとハンドスピードで勝負する。
リーチの長さ。
ロマチェンコの連打に負けないハンドスピード。
よく動く足。
上体の柔軟性。
前回のリナレスの動きを参考に、自らの特徴を最大限活かしてアップデートされたロマチェンコ対策だった気がする。
「キャンベルがロマチェンコに肉薄。長身サウスポーと多彩な右リードが機能。お互いがリスクを負った好試合に感動」
勝つための作戦ではなかったよね。どちらかといえば負けないための戦略、倒されないための12Rだった気がする
“ハイテク”ロマチェンコを相手に大健闘を見せたホセ・ペドラザ。
ただ、そこまでだったなと。
確かに大健闘だったし、ロマチェンコ攻略の方法を示してはくれたが、結果は大差判定負け。
こんなことを言うと怒られるかもしれないが、「勝つためというより、負けないための戦略だったかな」というのが僕の印象である。
ロマチェンコを近づかせない、リードにカウンターを被せて連打を発動させない、バックステップで距離をとるという作戦はすばらしいと思うが、基本的に受けのスタイルなのが厳しい。
安全圏に留まり続ける分致命打を食う可能性は低いが、同時にポイントでリードすることも難しい。
パンチの正確性ではロマチェンコの方が上。
手数では対抗できても、常に後手に回るせいで細かい被弾は避けられない。
また上半身を動かし続け、サイドに立たせないために手を出し続けるのはめちゃくちゃしんどい。
何だかんだで手数が減った11Rにロマチェンコに侵入を許し、2度のダウンを喫してしまった。
「ロマチェンコvsペドラザ。オラつけペドラザ。そうすりゃ意外とおもしろくなる(勝てるとは言ってない)から」
予想記事でも申し上げたように、僕はペドラザはもっと前に出て勝負をかけると思っていた。
今回のような「待ち」ではなく、自ら前に出ての打ち合い。より前傾姿勢で至近距離での攻防を挑むと予想していた。
ハンドスピードでロマチェンコの連打を抑え込むのは同じだが、試合に勝つなら前に出るしかない。ゲイリー・ラッセルJr.がやったように、体力勝負でロマチェンコをねじ伏せる。
その結果、ガス欠を起こしての終盤KO予想。
「ペドラザはがんばったけど、やっぱりロマチェンコはすごかったね」という結末を迎えるのではないか。
そういう意味では、今回は若干フラストレーションが溜まる試合だった気がする。
ロマチェンコが階級の壁? というより、サイズ差に微妙に苦労してるかな。特にこの2戦は難しい相手だった
あとはまあ、単純にロマチェンコが階級の壁にぶつかってるなと。
これだけの大勝で階級の壁と呼んでいいかは定かではないのだが、S・フェザー級時代の絶望感は間違いなく薄れている。
それも、サイズの部分で。
ノーマスを連発していた際に言われていたのが、「ロマチェンコはこれまで自分よりも大きな相手との対戦がない」という指摘。
それがここにきて表面化している感が強い。
特にこの選手はリーチが短く、攻撃を当てるには近づくしかない。
そしてこの2戦のリナレス、ペドラサは、それをさせないためのリーチとハンドスピードを持ち合わせていた。
これまでは序盤4Rで相手の戦力分析を終えていたのが、ここ2戦ではそれが後半までかかっている感じ。
前回のリナレス戦では、相手の底力を見誤ったせいでダウンまで喫してしまった。
肩の手術から復活した際、ライト級に適応するためにフィジカルを鍛えているという情報を見かけたが、それ以上にサイズ面の方が厳しくなりつつあるのかな? という印象を受けた。
とはいえ、これだけ(ロマチェンコ基準で)デカくて動ける相手は滅多にいない。
たまたまロマチェンコを攻略できる(してないけど)スペックを持った相手が続いただけで、誰もがアレをできるとは限らない。
まだまだロマチェンコの連勝は続くのかな? とも思ったり。
「伊藤雅雪vsシュプラコフ予想。勝てるでしょ。初防衛できるでしょ。伊藤がパワーでねじ伏せるんじゃない?」
ん?
ジャーボンティ・デービス?
いや〜、どうなんすかね。
普通にロマチェンコが勝ちそうな気がするけど。
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