倉本一真、大沢文也が参戦。KNOCK OUT-UNLIMITEDとかいう謎ルール。ストライカー寄りのMMAファイター、組みのできる立ち技選手に適正?【K.O CLIMAX 2024現地観戦感想】

倉本一真、大沢文也が参戦。KNOCK OUT-UNLIMITEDとかいう謎ルール。ストライカー寄りのMMAファイター、組みのできる立ち技選手に適正?【K.O CLIMAX 2024現地観戦感想】

2024年12月30日に神奈川県・横浜武道館で開催された「K.O CLIMAX 2024」を現地観戦してきた。
 
KNOCK OUTは現体制になる前、那須川天心が参戦していた頃に一度現地観戦しているのだが、今回はそれ以来(たぶん5年以上ぶり)となる。
 
理由は下記のカードが行われると聞いたから。


は?
倉本一真がKNOCK OUT?
しかもムエタイ選手と対戦?
UNLIMTEDルール?
 
何ぞこれ。
 
MMAファイターの倉本が立ち技イベントに出場する。
しかもUNLIMTEDという謎ルールでムエタイ選手と対戦。
 
意味がわからない。
マジで意味がわからない。
 
倉本一真では年末の賑やかしカードとしても弱いし、公式ルールをいくら読んでもUNLIMTEDなるものがピンとこない。
 
行くしかねえ笑
 
先日のシュートボクシングに続く「謎すぎて現地観戦してきた第2弾」である。
 
白川陸斗vs奥山貴大、一点買いで起こしたアップセット。登場時から強者感が漂ってたしタックルへの対処で「ただ事じゃねえぞ」ってなった
 

UNLIMTEDルールはまだ黎明期? 適正のある選手が少ない上に攻略法が多すぎる気が…

まずUNLIMTEDルールを直に観た感想だが、要するにまだまだ黎明期なんだろうなぁと。
 
・組みに素養がない立ち技専門同士だと地獄になる
・タックルに来るとわかりきっているグラップラーだと膠着が起きやすい
・適性があるのはストライカー寄りのMMAファイター、組みができる立ち技選手
・リングよりも広いケージの方が映えるのでは?
・てか、それなら素直にMMAでよくないっすか?
 
組みの素養がない立ち技専門の選手同士だと“倒されたくない”意識が先行しすぎてお互いにアクションが起こせなくなる。
結果、お見合いと遠い位置からのローばかりの地獄ができあがる。
 
(スタンドの打撃が得意ではない)グラップラーの場合はタックルにくることが丸わかりなのでそれはそれで対処しやすい。
しかもグランドではサブミッションが使えないため腕を振るスペースさえ与えなければそれなりに凌ぐことが可能。
これまた膠着の時間が増えやすい。
 
もっとも適性があるのはストライカータイプのMMAファイター、もしくはスタンドでの組み、グランドにアレルギーがない立ち技選手か。
組みやグランドになってもOKなので自分から打ち合いができる。
またグランドの専門職よりも寝技が稚拙な分、アクションの多い展開になる。
 
 
そして、どちらかといえばケージの方が動きの多い試合になりやすいのではないか。
コーナーやロープ際でドントムーブが起きるリングよりも障害物が少ない&広いケージの方がよりエキサイティングになりそう。
 
てか、それならUNLIMTEDルールである必要あります?
素直にMMAでよくないっすか?
 
現状、UNLIMTEDルールは適正のある選手が少ない(相性によって地獄の試合になる)のと攻略法? 抜け道? が多すぎる印象。
また各選手の背負っているものが大きく、K-1初期やPRIDE初期のような雑多なごちゃ混ぜ感、「とりあえず行ってまえ」感が出にくい。
 
決してつまらなくはない&今後洗練されていくのかもしれないが、今のところすべてが中途半端だなぁと。
 
笠原弘希vsジャック・ジャックムエタイ、吉成名高vsバックチョー・シックンナ、海人vsゲリック・ビレット。シーザー会長の健康が?
 

○大沢文也vsバズーカ巧樹×(判定3-0 ※29-28、29-28、30−29)

この試合は最初に申し上げた“組みの素養がない立ち技専門同士”の一戦。
お見合いと遠間からのローキック、ロープ際で組み合ったままの膠着が続く地獄のような試合だった。
 
お互いに寝かされたくないので自分からアクションを起こせない。必然的に間合いの半歩外でのお見合いが続く。

 
そして遠い位置から単発のロー(ミドル)キック。
避けられても当たっても次の展開が生まれにくい間合いでの攻防(?)である。


 
で、たま〜にロープ際で組み合うのだが、


両者ともここからやれることがない
 
この時点で組み、グランドに素養のない立ち技専門同士でUNLIMTEDルールを組んでは絶対にダメだと確信した。
REDでもBLACKでもいいからおとなしくキックにしておけと。
 
 
2R終了間際から3Rにかけてどちらもようやく慣れてきた感じ。
身体にバネがある大沢の方が上になるシーンが多く、その差がポイントになったという。


 
繰り返しになるが、なかなかの地獄だった
 
 
あの試合の後に何でそんなに長々と説教できるの?笑


因縁があったのかは知らんけど。
 
それ以降もマットにケチをつけたり王者に対戦要求したりとやりたい放題。
本人の中で手応えがあったのかもしれないが、正直僕は「早く帰れ」と思っておりました笑
 
中島玲、渡部太基、森岡悠樹、壱・センチャイジムみんなすげえ。KNOCK OUTすげえ。キックすげえ。斜陽なんて嘘だろ? 熱狂しかあれへん
 

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○倉本一真vs重森陽太×(2R2分43秒TKO)

いよいよお目当ての第10試合、倉本一真vs重森陽太戦である。
前の試合が地獄(何回言うねん笑)だったことで倉本への期待は余計に高まっていたわけだが。

 
結論としては、おもしろかったけどそこまでではない
 
これは重森側の対策がよかったのが大きい(と思う)。
UNLIMTEDルールと自身の身体的特徴を踏まえた立ち振る舞い。
倉本にやりたかったことの20%程度しか出させなかった印象である。
 
 
下記の通り両者には頭一つ分ほどの身長差がある。

 
さらに倉本一真はレスリング、重森陽太はムエタイがバックボーン。
倉本がタックルにくるのはわかりきっており、重森はその対策を徹底していた。
 
タックルに合わせて腰を落とし、覆い被さるように首に腕を回す。


 
そのまま身体を密着させてギロチンのような体勢で動きを封じる。

 
UNLIMTEDルールはサブミッションが禁止されている&膠着が起きるとブレークがかかる。そのため殴るスペースさえ与えなければぼちぼち凌げてしまう。
重森にとってはちょうど首に手を回せる位置に倉本の頭があるのはやりやすかったのではないか。
 
 
最終的にバックを取られて万事休すとなったが、身長差とムエタイの組み力を応用したディフェンスは普通に通用していた。


 
それこそ見せ場はギロチン状態からひっくり返したジャーマンっぽいヤツくらい。


 
試合後の倉本のコメント通り重森陽太がうまかった。

 
と同時に、スタンドの打撃に付き合わないグラップラータイプだといまいち盛り上がらないかも? と思った次第である。


 
僕のクレベル・コイケ is Back。佐々木憂流迦にバックチョークの一本勝ちウェーイ。フィジカルお化け倉本一真も復活のTKOすごかった
 

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○カルロス・モタvs栗秋祥梧×(判定3-0 ※30-28、30-28、30−28)

3試合の中でもっともおもしろかったのがこのカルロス・モタvs栗秋祥梧戦である。
 
栗秋祥梧は“天才”と呼ばれているらしく、戦績も現在6連勝中(不戦勝含む)。
入場時に花道を走ったり、コーナーで無造作にジャンプする姿から全身がバネのような身体能力の高さが伝わってきた。

 
対するカルロス・モタはMMA界ではそれなりに有名な選手とのこと。
こちらも見るからに運動神経がよさそう。

 
試合については申し上げた通り3試合の中で一番おもしろかった
 
栗秋祥梧は持ち前のバネ、身体能力の高さで鋭い打撃を繰り出す。


 
一方のカルロス・モタも打撃で応戦しつつ、


 
タイミングを測ってタックルに入る。


 
何度も上を取られる栗秋だが、そのつど粘って決定機を作らせない。


 
逆にロープ際でサッカーボールキックを放つなど「お、これは!!」というシーンすらも……。


 
ただ、やはりMMAファイターのカルロス・モタの方が適性は高い。


 
誰が見ても勝敗は明らかだった。

 
恐らく栗秋祥梧はこのルールを突き詰めていけばもっと強くなるし、タックルに対応しながらの打撃を身につければMMAでもいけるかもしれない。
そして、やはりリングよりも広くて障害物の少ないケージの方がよりエキサイティングになるのではないか。
 
てか、それなら普通にMMAをやればいいじゃねえかという話なのだが笑
 
ケイト・ロータスvs月井隼南。立ち技出身選手のMMAでのやられ方。どうなるかわからなかったけどキャリアの差が大きかった
 
今後このUNLIMTEDルールが活性化するかは不明(倉本がベルトを作ってくれと言ってたけど)だが、どちらにしろルールのマイナーチェンジと競技としての成熟は必要かな? と。
 
 
ただし大沢文也、お前だけはダメだ笑


 

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