DeNAがフィル・クレイン(クライン)獲得発表。3Aで無双の2メートルはベイスターズでも成功できるか?【2017年予想】
プロ野球横浜DeNAベイスターズは2016年12月19日、MLBフィラデルフィア・フィリーズ傘下に所属するフィル・クレイン(クライン)投手と来季契約を結ぶことで合意したと発表した。
27歳のフィル・クレインは身長201cm、体重116kgの右腕。長身を活かしたストレートとスライダーが持ち味の速球派である。
今シーズン、メジャーでは12試合に登板、0勝1敗、防御率6.98だが、3Aでは14試合(10先発)に登板して5勝1敗、防御率1.52の成績を残している。
なお、ベイスターズはクレインに、FAで巨人に移籍した山口俊の穴埋めとしての役割を期待しており、先発ローテーションの一角を任せる予定とのことである。
「DeNA山口俊が巨人にFA移籍するべき3つの理由。横浜ファンから離れて新天地巨人でスターになれ」
DeNAに待望の先発候補。長身右腕フィル・クレインが日本に来る
ベイスターズに待望の先発候補獲得の報道である。
フィル・クレイン(27)
201cm、116kg、右投げ右打ち。
2016年、3Aで奪三振率10.47という高い数値をマークする長身右腕である。
メジャーでの通算成績は40試合で2勝3敗、防御率5.50と振るわないが、3Aのレベルでは間違いなく上位。本人がアジアの球団への移籍を希望していたこともあり、DeNAが韓国球団との争奪戦を制して獲得に至ったとのこと。
エースである山口俊が抜け、先発投手の補強が急務であったDeNAにとって待望の助っ人外国人。
今回は、このフィル・クレインが日本でどれくらい活躍ができるかを過去の数字を見ながら考えていきたい。
例によって、偏見に満ちた予想となると思うが、その点はご了承いただければと思う。
「巨人山口俊誕生!! ストーブリーグの巨人の補強戦略が的確過ぎて開いた口がふさがらない。そしてDeNAの間の悪さが……」
4シームとスライダーを中心にピッチングを組み立てるタイプ。ノビのある4シームは高い奪三振能力を誇る
まずはフィル・クレインの投球内容から。
持ち球は4シーム、2シーム、スライダー、チェンジアップの4種類。
全投球の50%を超える4シームと25%を超えるスライダーを中心に、チェンジアップと2シームを織り交ぜるスタイルである。
今シーズン、メジャーでの4シームの平均球速は92.8マイル(147.7km)で、最速は94.9マイル(152.7km)。球の回転数を表すSpin Rateが2010、ノビを示すVMov (in.)が9.02を記録しており、4シームは打者の手元で伸びるホップ型に分類される。
4シームとともに投球の軸となるスライダーの平均球速は85.4マイル(137km)とかなり速い。縦への変化量を示すVMov (in.)が4.98なのに対し、横への変化量を示すHMov (in.)が0.83。この数値から、縦に落ちるタイプのスライダーであることがわかる。
右打者には4シームと外角へのスライダー。ごくたまに2シームも投げるようだが、主にこの2球種での組み立てが中心となる。
左打者には外角の4シームと2シームでカウントを整え、ひざ元にスライダーを見せつつ勝負球にチェンジアップと2シームを使う。
見てのとおり非常にオーソドックスな投球スタイルだが、得意球のスライダーが生命線となるパターンが目立つのもこのピッチャーの特徴である。
「目指せNPB! WBCで就活中の外国人選手たち。「日本でできれば最高」? でも、そんな甘いもんじゃないのだよ」
なかなかいいと思う。4シームがどれだけ通用するかがカギになるが、日本でなら相当やれる?
このフィル・クレインの試合をいくつか観たが、実際かなりいいように思える。
手元で浮き上がる4シームは身長の割に角度はないが、NPBでは必要十分の球威と言える。加えて鋭くブレーキがかかるスライダーもある。
あまり細かいコントロールはないようだが、決め球にもカウント球にもなる球種を2つ持っているというのは大きい。
平均球速147.7kmということを考えると、日本のマウンドとボールであれば恐らく144km前後。これならある程度力勝負ができるし、あのスライダーをうまく使えばそうそう大けがはしないはず。
逆に、この4シームがあまり通用しなかった場合は相当苦しくなりそうである。
正直、このピッチャーの2シームとチェンジアップは大した球ではない。
スライダーが通用することは間違いないと思うが、4シームがいまいちだった場合は頼れる球がスライダーのみになってしまう。さすがにそれだと先発としては厳しいと言わざるを得ない。
いかに4シームで力勝負できるか。
このピッチャーのカギはこの一点だろう。
「阪神ディエゴ・モレノ誕生。150km右腕が日本で活躍できるかを予想してみる。田中マー君とも同僚だったんだってさ」
巨人1年目のマイコラスより少し落ちるくらいの数字を残すと予想。確かに日本に来るべきスペックですわ
懸念材料を挙げるとすれば、3Aでもあまりイニングを稼げていないところだろうか。
試合の結果だけを見ると、5回~7回前後でマウンドを降りていることが多い。
もしかしたらスタミナ面に不安を抱えているのかもしれない。もしくはシーズン中盤に先発転向したために調整が間に合わなかったとか?
どちらにしろ、この部分には注目していきたい。
ただ、それでもフィル・クレインがいいピッチャーであることは確かで、普通に力を発揮できればかなりやれるのではないだろうか。
何となくだが、巨人1年目のマイコラスよりちょっと落ちるくらいの成績を残すような気がする。
打者天国の横浜スタジアム+フライボーラーということを加味して10勝7敗、防御率2.50~3.00前後の成績を残せば大当たりの部類だと思う。
「祝! 広島カープ2016年優勝!! 25年ぶりの優勝おめでとうカープ!! そして巨人ジャイアンツはよくやった」
3Aでの奪三振のシーン。力のある4シームで打者を押し込んでいることがわかる。
2016年のメジャーでの先発試合。
この試合のフィル・クレインはストレート系をすべて2シームにして、かわすことを意識したピッチングを披露している。
3回まではうまくいっていたが、二回り目以降の4回にはバッチリ合わせられている。
ご覧のように、3Aでは通用していた力のピッチングがメジャーではまったく通用していない。
相手打者の火力が強すぎて、まともにゾーンに投げることができない状況である。その結果、得意球のスライダーに依存し過ぎて配球を読まれるというパターンだ。
恐らくだが、もう少しチェンジアップがよければこのピッチャーはかなりやれると思う。
あのヒョロヒョロチェンジアップに空振りをとれるくらいのキレがあれば、もしかしたら田中マー君になれたかもしれない。
「2017年田中マー君はサイヤング賞を獲得できるか? 実はダルビッシュよりも可能性が高い?」
まあ、それができないから日本にくるとも言えるのだが。
観れば観るほどNPBに来るべきスペックのピッチャーという印象である。
2017年に日本球界入りする新外国人投手4人。どれもいいピッチャーだが、期待値はフィル・クレインが一番かな?
ここ数日、2017年にNPB入りする外国人投手を4人ほど取り上げてきたが、こういうのはやはり楽しいww
過去の数字と試合映像を観ながらあれこれ想像して、来シーズンに思いをはせる妄想ごっこは無責任なファンならではの特権であるww
→「阪神ロマン・メンデスはやれんのか? 2017年成績予想。守護神? 中継ぎ?」
→「アルキメデス・カミネロとかいうギリシャ神話に出てきそうな神々しい名前のノーコンは巨人で活躍できるのか?」
→「広島がライアン・ブレイザー(ブレイジア)獲得? バース(元日ハム)っぽいのかな?」
といっても、自分としては全力で予想しているのでどうにか当てたい気持ちも強いのだが。
とりあえず、取り上げた4人の投手を期待値順に並べると、
1位:フィル・クレイン(DeNA)
2位:ライアン・ブレイザー(広島)
3位:ロマン・メンデス(阪神)
の順番だろうか。
巨人入りが決定したアルキメデス・カミネロが入っていないが、予想記事でも申し上げたようにこの選手は本当にどうなるかわからない。
当たった場合に一番ハネることは間違いないと思うが、外れた場合のクソっぷりも断トツだろう。
そして、DeNAのフィル・クレインは当たる可能性は高いと思うが、正直あまりワクワク感がない。
その点、カミネロの「どうなるかわからない雰囲気」は楽しみで仕方がない。
巨人はさらにシンシナティ・レッズのオーレンドルフとも交渉中だとの情報もあるし、冗談抜きでカミネロが外れても大きな問題はない。
なので、カミネロには安心してロマン枠としての役割をまっとうしていただきたいと思う。
大丈夫だ。
お前の代わりはいくらでもいる。
安心してコケろ(身勝手)。
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