亀海惜しくもソト・カラスとドロー!! 勝ったと思ったけどな。でもいい試合だったしまた呼ばれるでしょ【結果】

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2016年4月15日(日本時間16日)、元OPBFウェルター級王者である亀海喜寛が米・ロサンゼルスにあるベラスコ・シアターに登場。S・ウェルター級10回戦でヘスス・ソト・カラスと対戦し、惜しくもドロー判定(97-93、94-96、95-95)の結果に終わった。

好戦的な両者の対戦とあって、予想通りの大激戦となったこの試合。
2Rに偶然のバッティングで亀海が右目をカットするなど、序盤はソト・カラスがやや優位に試合を運ぶ。だが、後半に入り亀海の執拗なボディ攻撃が効いたか、徐々にソト・カラスが失速。9、10Rとペースを上げた亀海がソト・カラスを追いつめ、ポイントを奪い返す。
最後に亀海がギリギリで勝利をたぐり寄せたかに見えたが、結果は無念のドロー。

残念ながらアメリカのリングで久しぶりの勝利とはならなかった亀海だが、9Rにスタンディング・オベーションが巻き起こるなど試合の評価はすこぶる高く、現地では早くも再戦の話が浮上しているとのことである。

激戦区のウェルター級、S・ウェルター級で果敢に海外挑戦を続ける亀海喜寛。このままでは終われない33歳のベテランに道は拓けるか。

亀海すげえいい試合!! アメリカのリングはやっぱり相当厳しいんだろうな

この試合が行われたのは1ヶ月以上前だったこともあり、あらかじめ結果を知った状態で見たのだが、本当にいい試合だった
ざっと見た印象では手数はソト・カラス、1発の威力と圧力はやや亀海、正確性でもわずかに亀海といったところだろうか。

いや~、亀海勝ったと思ったけどなぁ。惜しかったなぁ。
もちろん亀海ひいきで見てたせいもあるだろうが、ちょっと判定がソト・カラス寄りだった気がしないでもない。あとはソト・カラスの奥さんが綺麗だったのが若干悔しかったのもあるかなww

「涙が止まらんw 亀海TKO勝ち!! ソト・カラスとの再戦を制してS・ウェルター級に名前を刻む」

しかし序盤の3Rまでで、実況席がフルマークでソト・カラスにポイントを与えていたのは驚いた。
そんなに差があったか? 最低でも1Rは亀海が取っていたと思ったのだが。
やはりこれもアメリカ開催の厳しさなのだろうか。といっても、ソト・カラスもメキシコの選手だし、よくわからない。

「チャーロ兄ジャーマルがトラウトを撃破!! フィジカルモンスターがテクニシャンをねじ伏せる」

アウトボクシングのスタイルを矯正したことが亀海のすばらしいインファイトの源?

この試合では特に感じたのだが、接近戦における亀海のボクシングは本当にすばらしい。
左ボディを打つと同時に相手の左側へ踏み込む。相手の右を左でガードして右のフックを返す。そのままの反動で左足を相手の右側へ踏み込んで右ボディ。
身体を半身にして右肩を押し付け、そこから伸び上がるように左アッパー。再び相手の左側に右足を踏み込んで左ボディ、さらに返しの右。
相手が踏み込んできた際には、バスケットのピボッドのようなステップでジグザグに後退しながら腰の入ったパンチを返す。

あの至近距離でシフトウェイトを繰り返しながらガードと攻撃をあれだけスムーズに両立するというのは相当なものではないだろうか。やや上下動の大きさは見られるものの、インファイトであんな芸当ができる日本人ボクサーが亀海以外にいるのだろうか。
元々アウトボクサータイプだったスタイルをインファイターに矯正したとのことだが、それがうまくいっているということなのか。アウトボクサーの特性を活かしながらインファイトができるという希有な存在といっていいと思う。
同じファイターでも、ミドル級の村田諒太とはまったく別のタイプである。

「村田諒太は日本を捨てちゃえよ? ペドロソをまったく問題にせず4RTKO勝ちで10連勝を飾る!!」

しかも終盤9Rからギアをアップできるだけの体力も兼ね備えている。
よくわからないが、ウェルター級のときよりかなりパワーアップしているのではないだろうか。ここにきて適正階級にたどり着いたということか?

ただ、やはり課題は防御面ではないだろうか。
顔面へのパンチをまともにもらうシーンが多いというのが、この選手がいまいち突き抜けられない要因ではないかと思うのだが、どうだろうか。
特に相手のパンチをヘッドスリップで避けるシーンをよく見るが、実はあれでポイントを失うことが多いのではと思う。確かエキサイトマッチの解説者も同じようなことを言っていた覚えがあるが。
よく見ればヘッドスリップによって直撃を回避しているパンチも多いのが非常に惜しい。

「山中がモレノに判定勝ち!! 僅差判定で辛くもモレノに勝利した山中慎介は底が見えた?」

また、この選手を見ていると、どうもわざとパンチを受けていることがあるように思える。
無理にパンチを避けて大きなスキを作るより、すぐに打ち返せる態勢でパンチを受けた方がいい。次のモーションに対する自分のバランスを優先してあえて相手の攻撃をもらう。そういう判断が働いているのではないかと思えるシーンがちょくちょく見られるのである(気のせいか?)。

ある程度の被弾では崩れないという自信、自分のフィジカルに対する自信があるからできることなのだろう。ポイントとトレードオフであることを考えると、どちらが正解なのかはわからないが。

「俺のアムナットさんが負けただと……?! カシメロに4RKO負けを喫して王座陥落!!」

至近距離で打ち合ってこその亀海スタイル。フットワークを使われると弱い……

見ての通り、亀海のボクシングはいかに至近距離で打ち合うか、いかに自分の距離に持ち込めるかがすべてといえるスタイルである。

今回のソト・カラスやフェザー級時代の軽快さを失ったロバート・ゲレロのようなタイプとはガッチリ噛み合うが、レンジの長いアウトボクサーには手も足も出なくなる。いわゆる追い足があるタイプではないので、スピードとフットワークのあるタイプと対峙した場合は1試合マタドールをやられて終わりだろう。
前々回の試合でアルフォンソ・ゴメスに大差判定負けを喫したことからもそれは明白だ。恐らく打ち終わりに身体が流れたところを狙われまくってポイントをごっそり持っていかれるというパターンというのが濃厚である。

「ダニー・ガルシアがロバート・ゲレロに完勝して2階級制覇達成!!」

だが、僕はこの亀海のボクシングが大好きだ。
果敢に海外のリングで挑戦する姿勢もいい。ゲレロやアルフォンソ・ゴメス、今回のソト・カラスなど、登竜門的な選手とどんどん試合をこなす姿勢も僕が亀海を応援したくなる要因の一つである。

なので、この選手にはどうにか世界挑戦までこぎ着けてもらいたい。本当に何とかならないものだろうか。
村田のように無敗を守る必要もない分、マッチメークの自由度が高いことは確かだし、試合自体もおもしろいのでそれなりにチャンスも多いと思うのだが。

まあ、トップレベルまで上り詰めるような選手はソト・カラスのような相手につまづいたりはしない。逆に言うと、亀海にとってここらへんが到達できる極地ということかもしれないが。

「絶不調のベルデホ、ロドリゲスに苦戦してブーイングを浴びる」

勝てるかどうかはともかく、リアム・スミスvs亀海喜寛は観てみたい

ここからは完全に妄想記事だが、仮に亀海喜寛が世界タイトルに挑戦するとして、どのチャンピオンになら勝てる可能性があるかを考えてみたい。

現状のウェルター級、S・ウェルター級の王者を見ると、まずエリスランディ・ララに勝つのは難しい。
そしてケル・ブルック相手にもちょっと可能性が見えない。キース・サーマンなら多少はマシかもしれないが、それでも亀海の追い足ではちょっと手に負えないだろう。

「ケル・ブルックは強化版ハメドだ!! ケビン・ビジェールに圧勝!!」

ジェシー・バルガスならいけるかもと考える方も多いと思うが、正直僕はそこまで可能性を感じることができない。先日のサダム・アリ戦でもわかったのだが、あの選手には意外と巧さがある。恐らく大差判定負けの確率が高いのではないだろうか。

「ジェシー・バルガスがサダム・アリをTKOで下して勝利!!」

じゃあ、ダニー・ガルシアなら?
う~ん、どうだろうか。
超接近戦に持ち込めればいいが、どうしても中間距離でカウンターをもらいまくって手が出なくなるという画が浮かんでしまう。

となると、残るはジャーマル・チャーロとリアム・スミス。
この両者であれば、スタイル的な噛み合わせは非常にいい。
体力負けさえしなければ何かが起こる可能性があるのではないだろうか。
チャーロが相手ではリーチとパワーの差で磔にされそうだが、リアム・スミスならもしかしたら何とかなるのではないか?

「クロフォードvsポストル予想!! 虚弱クリチコ・ポストルがソリッドスター・クロフォードに挑む!!」

ガードを高く上げる英国人らしいスタイルのリアム・スミスが相手なら亀海も距離を詰めやすい。後はフィジカルで上回れるか、そしてどちらが接近戦でのシフトウェイトで優位に立てるかだが、このあたりも含めて非常に興味深い。

亀海が勝つのは相当難しいだろうが、試合としてはなかなかおもしろいものになりそうな気がする。リアム・スミスvs亀海喜寛。ぜひ実現してもらいたい。

「ジャーマル・チャーロvsトラウト予想!! IBF王者が曲者トラウトを迎え撃つ」

33歳という年齢から後がないと思われる亀海だが、動きを見る限りまだまだそんなことはない。気持ちと身体が続くのであれば、いけるところまでがんばってもらいたい。特に日本人ボクサーであれだけ肩周りがゴツく、圧力負けしない選手はなかなかいないと思うので。

何より、あのデラホーヤに気に入られているというアドバンテージはデカい。ゴールデン・ボーイ・プロモーションの威光を目一杯使って、どうにか一世一代のチャンスをつかんでもらいたいものである。

しかしデラホーヤ、ずいぶん太ったな。
単なる恰幅のいいおっさんになっとる。

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