朝倉海UFC2連敗。ティム・エリオットにギロチンで一本負け。1Rのテイクダウンで「これは勝てる」となったらしい。今後渡米する日本人RIZINファイターの契約にも影響しそうな負け方。極論おぎちゃんの方がいい勝負できるかも?【UFC319感想】

朝倉海UFC2連敗。ティム・エリオットにギロチンで一本負け。1Rのテイクダウンで「これは勝てる」となったらしい。今後渡米する日本人RIZINファイターの契約にも影響しそうな負け方。極論おぎちゃんの方がいい勝負できるかも?【UFC319感想】

2025年8月16日(日本時間17日)に米・イリノイ州で開催されたUFC319。
メインカード第1試合で日本の朝倉海がティム・エリオットとフライ級5Rで対戦、2R4分39秒ギロチンチョークで一本負けを喫している。


昨年12月のアレシャンドレ・ パントージャ戦以来約8ヶ月ぶりの再起戦となった朝倉海。
僕もこの試合には注目しており、普段あまりリアルタイム視聴をしないUFCを時間を合わせて観た次第である笑
 
結果は2Rギロチンチョークでタップアウト、海はUFC参戦2連続の一本負けとなったわけだが。
 
これでリリースとなるのか、もしくは扱いは下がっても継続参戦できるのか。
UFCの契約事情に詳しくないのでわからないが、とりあえず今回は「絶対に勝たなきゃいけない試合」だったことは理解できる。
その中で落としたのは相当痛い(負け方も含めて)。
 

僕の予想は「何となく海が不利じゃない?」。前回の負け方とエリオットのコンディション

まず僕の試合前のフワッと予想は「わからないけど海が不利な気がする」
まったく答えになっていないのだが、何となく海の不利を予想していた。
 
対戦相手のティム・エリオットは2023年12月以来の試合、年齢も38歳と明らかにトップの選手ではない。
恐らく運営も「この選手には勝ってもらわないと困る」という意味で選んだはず。
上述の通り海にとっては「何が何でも勝たなきゃいけない試合」である。
 
ただ、エリオットはタイプ的にはグラップラーとのこと。
過去の映像を漁ってもそんな感じで、変則的な動きが特徴の技巧派という印象。
 
とりあえず前回のパントージャ戦で海はグランドが穴であることが判明した(UFC基準では)。
今回もそこを狙われることははっきりしていて、組みの展開になった際にどこまで対応できるかが見どころ。
 
エリオットはグラップラーとしてUFCで長年生き残っているが、ブランクや年齢を考えると当日のコンディションは未知数。
一方の海も「ケージファイト」「5R」「参戦即タイトルマッチ」「久しぶりのフライ級」とやることが満載だった前回に比べれば多少は余裕がある。
 
諸々を加味すると勝敗はマジでわからない。
相性的にはエリオットが有利だが海にもチャンスはありそう。
 
そんな感じで「何となく海が不利かな?」と思っていた。
 
金原正徳vsYA-MAN、井上直樹vs福田龍彌、ヤン・ジヨンvs安藤達也、大雅vs栗秋祥梧。金原の引退に整理がつかない。安藤達也は今回もすごかった。井上直樹強い! 福田龍彌がんばった。超RIZIN.4最高だったぞ
 

海はいい動きをしていた(と思う)。不用意な飛び膝もなく得意の打撃でコントロール

実際の試合だが、とりあえず朝倉海はいい動きをしていたと思う。
 
リーチ差を活かしたワンツー、正面を外すべく左右に動き続ける足。
自分のパンチだけが当たる距離をキープしつつ、エリオットが入るタイミングをうまく消していたのではないか。
 
また前回のような不用意な飛び膝もない。
恐らくあの飛び膝は過去の成功体験によって癖になっていたもの。
パントージャにはそこを狙われて(苦手な)グランドに持ち込まれたが、この試合では前傾姿勢の構えで相手から下半身を遠ざける意識が感じられた。
 
僕も1R終了時点では
「なかなかよさげじゃない?」
「このまま終わるとは思えないけど」
と期待と不安が半々だったことをお伝えする。
 

2Rに入って距離が近づく。ラウンド後半にテイクダウンを許してあっさりタップアウト負け…

2Rも1Rと同様、海のアウトボクシングが続く。
スタンドでは海の方が一枚上手で、常に頭をズラして変則的な動きを見せるエリオットがなかなか中に入れない。
 
ただ、1Rに比べて距離が近くなったのが……。
海が圧力を強めたのかエリオットが出たのかはわからないが、どこかで組みの展開になりそうな雰囲気が漂う。
 
また距離が近くなったことでエリオットのオーバーハンド気味の左が海の顔面を捉え始める。
あのパンチは2021年大晦日の扇久保戦でももらっていたもの。もしかしたらあの角度で飛んでくるパンチが苦手なのかもしれない。
 
で、残り2分を切ったところで膝にタックルを合わせられてテイクダウンを許す。
ここはバックを取られながらも何とか立ち上がったものの、このままアウトボクシングをやり切るのはまず不可能、間違いなくグランドに移行すると思わせるやり取りだった。
 
そして残り1分20秒あたりでエリオットがカウンターのタックル!!
この試合中もっともクリーンなテイクダウンでガッツリ倒されてしまう。
 
そこからはエリオットの独壇場というか、スペースを作られてパウンドを落とされスルスルッと首を取られてそのままタップアウト。
結果として前回と同じくグランドで差をつけられての一本負けである。
 
朝倉海vsパントージャ感想。完敗でしたね。打撃で後退させられなかった時点で勝機は薄かった。でも爪痕は残した。RIZINファイターにUFCへの道を示したのは大きい
 

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すべてエリオットのプラン通り。完全に負けるべくして負けた試合でしたね

試合後のエリオットのコメントによると今回は1Rは様子見、2Rに組みで勝負をかけるプランだったとのこと。
 
さらに下記を読むと1Rのテイクダウンで“勝てる”と思ったと。


海の打撃、カーフキックは強力だったが、誤算はそれくらい。エリオットにとってはほぼプラン通りだったことがわかる。
 
いや、参ったね。
海のとっては負けが許されない試合だったが、同時に負けるべくして負けた試合でもある。
 
早々にグランドでの攻め手がないことがバレて「背中をつける展開に持ち込めば勝てる」と思わせてしまった。
で、1Rと2R中盤までを使ってタイミングを学習、残り2分を切ったところでタックルをドーン。
驚くほど綺麗に倒され、サクッと首を取られてそのままタップアウト。
 
解説の金原正徳が「減量の影響で腰が軽かった」と言っていたが、それを含めて「どうすんの? これ」と。
 
打撃中心で圧力を強めていればという意見も見たが、それだとテイクダウンが早まっていただけという気もする。
先日平良達郎がパク・ヒョンソンに一本勝ちした際に「すでに朝倉海より強くないか?」と申し上げたが、正直パントージャやエリオットが相手なら扇久保博正の方がいい勝負をしそうな……。
 
朝倉未来vsクレベル・コイケ、平良達郎vsパク・ヒャンソン、志朗vs玖村将史。直近の(個人的)注目試合感想。平良達郎って朝倉海より強くない? 志朗vs玖村のスピードに驚いた。未来vsクレベルは案外微妙な判定だったね
 
相変わらずおぎちゃんのUFCコンプレックスすげえな笑


 

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あの負け方は今後UFCを目指すRIZINファイターにも影響が出そうな…。海は大型契約を勝ち取ったらしいけど

今回の負けは今後RIZIN経由でUFCを目指す日本人選手にも影響を及ぼすかもしれない。
 
何と言っても負け方がよくない。
2戦連続でグランドで何もできずにタップアウト。
海本人もキツいが、それ以上に「RIZIN王者はこんな感じか」と認識されてしまいそうな……。
 
それこそ日本人選手は朝倉海のような打撃特化型ばかりではない。扇久保博正を始めオールラウンダーはいるし、井上直樹の方が対応力はありそうではある。
 
だが「RIZIN王者」の肩書きを背負って参戦した海があの内容だと……。
本人によると海は大型契約を勝ち取ったらしいが、実際の試合がアレでは今後渡米するファイターはもっと絞られるのではないか。
堀口恭司ほどの実績があれば別だが、榊原のおっさんがダナ・ホワイトに頼み込んでもソデにされるパティーンかも?
 
まあでも、アレか。
海が出場すると日本からの視聴数がすごいらしいので、そこに期待して待遇は上がるかもしれませんね。
 

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