辰吉寿以輝vs今村和寛感想。寿以輝はパパ吉に風貌、動きがそっくりやな。サウスポーが苦手っぽいのと、今村選手はやりにくそうだった【結果・感想】

辰吉寿以輝vs今村和寛感想。寿以輝はパパ吉に風貌、動きがそっくりやな。サウスポーが苦手っぽいのと、今村選手はやりにくそうだった【結果・感想】

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2020年11月6日、東京・後楽園ホールで行われたS・バンタム級8回戦。日本同級8位辰吉寿以輝がサウスポーの今村和寛と対戦し、偶然のバッティングにより辰吉が左目上をカット。2R2分59秒負傷ドローとなった一戦である。
 
 
新型コロナウイルスの影響で客入れ制限や試合前のフェイスオフの中止等、厳戒態勢の中で行われた今回。メインイベントのWBO世界フライ級王座決定戦では中谷潤人がジーメル・マグラモに勝利して初戴冠を果たしたわけだが、そのセミファイナルに登場したのが辰吉丈一郎の次男・辰吉寿以輝である。
 
録画しておいた試合をようやく視聴したので、適当に感想を書いてみたいと思う。
 
 
ちなみにメインの中谷潤人vsジーメル・マグラモ戦はいまだに未視聴のまま。
先日も申し上げたように片方の選手だけが2週間隔離される状況に抵抗があり、どうしても観る気が起きない。
 
中谷潤人のパフォーマンスが今後を期待させるものだったことも記事等を読んで知っているが、今回も辰吉戦の終了とともに停止スイッチをプチっと押してしまった。どうやら僕がこの録画を最後まで観ることは金輪際なさそうである。
 
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前回はあまり感じなかったけど、寿以輝ってパパ吉にそっくりやな。vsサウスポーが苦手なんだろうな

まず試合を通して思ったのが、辰吉寿以輝の風貌、動きが父親の辰吉丈一郎にそっくりだということ。
背中から後頭部、顔の輪郭、スタンス等、全体的な風貌がパパ吉と酷似していて、「おお、親子やなぁ」と思わされた次第である。
 
なお寿以輝の試合を観たのは今回が2度目で、初観戦は2019年12月の中村誠康戦。結果は4R2分30秒TKOで寿以輝が勝利したのだが、その試合ではあまり父親似とは思わなかった。
 
ガードを高く構えて出入りを繰り返しながら左で消耗させていく印象で、パパ吉のような野性的な動きはあまり見られなかった記憶がある。


だが、この試合では全体的にガードも低く距離も遠い。
大振りのフックや右を放った直後にサッと飛びのく動きなど、随所にパパ吉っぽさが散見された。
 
 
恐らくだが、寿以輝はvsサウスポーが苦手なのだと思う。
 
初回はまったく距離が合わずに空転させられまくりで、左回りで外側に入ろうとしても今村にスルッと方向転換されてなかなか正面を外せない。
で、ガードの真ん中から左ストレートを通され、止むを得ず後退して距離を取らされる。
 
遠くから踏み込んでの1発を狙うのだが、それを防がれると後が続かない。クリンチで糞詰まりを起こされ、再び距離を取って仕切り直しという流れ。
 
インファイトではそのつど打ち負けて突き放され、動き出しを狙われて右リードを被弾。
2Rからようやくいきなりの右がヒットし始めたものの、逆に左ストレートを真正面から被弾するシーンが増える。
 
残り1分を切ったところで今村の左ストレートでガクッと腰が落ちたが、正直あそこはかなり手詰まりになっていた局面だったのではないか。
 
一向に自分の射程に入れず、攻撃パターンは遠い位置から飛び込んでの1発狙いのみ。
インファイトでも優位に立てないまま、得意な間合いをキープできない状態が続く。
 
初回から両者の頭がガンガン当たっていたのもあって2R終了間際の負傷ドローとなったが、もしあの流れで試合が続いていたら寿以輝の負けは濃厚だった? かも?
 
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申し上げたように前回の中村戦ではガードを高く上げたスタイルで勝利したが、恐らくあれが寿以輝本来のスタイルなのだと思う。
 
だが今回のように想定外のことが起きると、よくも悪くもパパ吉の遺伝子が顔を出す。
 
寿以輝にはパパ吉ほどの野獣性や一瞬の爆発力もないため中村戦のような堅実さを全面に出していくのが正解で、そう言う意味でもvsサウスポーにおける未熟さが出た試合と言えるのかもしれない。
 

パパ吉の「どんくさい」コメントが何となく理解できた。天才タイプは努力型をもどかしく感じる?

なお、前回の試合では寿以輝が快勝したにもかかわらずパパ吉が「どんくさい」とコメントしていたが、この試合で何となくそれが理解できた気がする。


現役時代のパパ吉はセンスの塊のようなタイプで、チャンスでの爆発力や当て勘は凄まじいものがあった。いわゆる“人をぶっ倒す”能力に関しては天才の部類だったと思う。
 
生まれながらの戦闘民族というか、“そっち側”の人間にとっては勝負どころを見極める観察眼などは持っていて当たり前。なので、どちらかと言えば努力型の寿以輝の試合はもどかしく感じることも多いのではないか。
 
もちろん息子に対する愛情的な意味もあるだろうし、パパ吉が努力をしていないなどという気もない。
 
まあ、僕は全盛期のパパ吉をリアルタイムで観ていたわけではないので、当時の熱狂ぶりもよく知らないのだが。
 
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「辰吉丈一郎は勝敗を超越した場所にいた」という話はたびたび耳にするが、試合を観る限りではセンスに依存した前半型の脳筋タイプ。だいたい6R辺りからガクッと動きが落ち、そこから並外れた精神力で持ちこたえるパターンが目につく。
 
純粋なアスリートとしての力は概ね上の下くらいだろうか。一流には違いないが、超一流には一歩及ばないというのが率直な印象である。
 
「後半のスタミナ切れ+勝利への異常なまでの執念」に加え、ガードを低く構えたオフェンス偏重のスタイルが奇跡的に融合した結果、数々のドラマが生まれたのだと想像する。
ただ、競技者としてはもう少しやりようがあったのでは? と思わなくもない。
 

「99%ダメ? あと1%あるやん」

いや、そんなん言う前に煙草を止めた方がええんちゃう?
カッチョいいこと言ってないで、勝率を1%から2%にする努力をせえよ。
 
と、余計なことを思った記憶ががががが。
 

今村和寛はやりにくそうなサウスポー。てか、どうも既視感あると思ったら現地観戦してたわ

一方、今村和寛についてだが、実を言うと僕はこの選手を観るのが初めてではない。
 
名前を聞いてもまったく思い出せなかったのだが、試合が始まってみると何となく既視感がある。で、よくよく調べてみたところ、現地観戦した2019年10月の吉野修一郎vsハルモニート・デラトーレ戦のアンダーで出ていたとのこと。
 
正直、試合内容はほぼ忘れているのだが、両腕を前に掲げた構えと微妙にカクカクした動き、そこからノーモーションで打ち出す左ストレートなどはうっすらと記憶に残っている。
 
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聞けばプロでは3戦目ながら、アマチュアのキャリアはかなり豊富らしい。
 
いや、なかなかいい選手かもしれませんねこれは。
長い右リードにガードの間をスパッと突き抜ける左。加えて、外側を取ろうとする寿以輝の正面を捉えたままプレッシャーをかける動きからは本人の研究熱心さも感じさせる。
 
一見するとそこまで器用な印象はないが、インファイトでも寿以輝に当たり負けせず押し返すなど身体の強さもありそう。
 
頭の位置があまり変わらずにパンチを芯でもらうシーンが目立つものの、2Rという短い時間ながらも間違いなく試合は支配していた。
サウスポーのやりにくさや相手のよさを出させないうまさを持った選手というか、さすがはアマチュアで豊富なキャリアを積んだだけある。
 
 
寿以輝はvsサウスポーの経験不足が見え、今村和寛は今後に期待を持たせる内容だった。ともに現時点では日本や東洋王座どうこうというアレではないと思うが、なかなかおもしろかった。
 
あのままラウンドが進んだらどうなっていたかにも興味があるので、できれば両者には再戦の機会を作ってもらたい。
 
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