井上尚弥強し!! パレナスをまったく寄せ付けずに2RでのKO勝利!! 怪物の証明? 海外進出? もはや日本国内ではやることなしか?【結果】

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2015年12月29日に東京・有明コロシアムで行われたWBO世界S・フライ級タイトルマッチ。王者の井上尚弥が同級1位のワリルト・パレナスの挑戦を受け、2RTKOで初防衛に成功した。

「八重樫vsハビエル・メンドサ!! 赤っ恥予想の言い訳をしていくぞww」

1年ぶりのリング復帰となった井上だったが、怪物にはブランクなど関係なかった。
響き渡るパンチの打撃音に会場がどよめく。
ガードの上からでも相手を吹き飛ばすほどの威力。そして、パレナスに白旗を上げさせた圧倒的なスピード。
強敵と思われた挑戦者をわずか2RでTKOに沈める圧倒的な勝利。
2016年に海外進出を画策する若手ホープはこの先どこまで行くのだろうか。

「井上尚弥の強さ、すごさを考える。カルモナ戦の予想? KO勝ちでいいんじゃないの?」

俺の時間を返せ井上。予想がまったく意味をなさない強さww

まず最初に言わせていただきたい。

井上よ、俺の時間返せww

あれこれと予想したものがすべて吹っ飛んだ。
パレナスの試合、井上の試合を見比べて、あーでもないこーでもないとシミュレーションして出した答えが、井上の6RKO勝利だったのだが、おかげさまで無様に散ってしまった。八重樫vsメンドサ戦に続いての赤っ恥である。

「パレナスよ、井上尚弥をダウンさせろ!!」

僕の予想は、
井上がスピードと圧力で徐々にパレナスを追いつめ、最後はKOする。

そして実際の結果は、
井上がスピードと圧力で一気にパレナスを追いつめ、豪快にKOする。

一応字面だけを見ると似ているのでギリギリ許容範囲ということにさせていただけないだろうか。
いや、無理か……。

「井上がカルモナに大差判定で勝利!! 意外と苦戦? 拳を痛めて攻撃力が半減」

パンチ一発で身体が硬直したパレナスに勝ち目はなかった

まずはっきりさせておきたいのは、パレナスは決して弱い選手ではなかったということ。
この選手の以前の試合をいくつか見ればわかると思うが、普通に強い。今回のマッチメークはかませ犬でも何でもない。ランキング1位の挑戦者とのしっかりとしたタイトルマッチだった。

そして、僕はこのパレナスのフィジカルであれば井上に対抗できる可能性があると思っていた。
前回の予想記事でも申し上げたとおり、スピードとテクニックは井上、パワーは若干パレナスに分があるのではないかと考えていた。

序盤はある程度拮抗した勝負になり、徐々に総合力で上回る井上がパレナスを押し始める。中盤以降に完全に井上がパレナスを圧倒して、結果的にKO勝ちを収める。そんな試合展開を予想していたのだ。

さらに言うと、パレナスのパワーがあればもしかしたら井上からダウンを奪えるのではないかとすら考えていたのだ。

「井岡vsレベコ決着!! やればできるじゃねえか井岡おいww」

それがどうだ。
結果は見ての通りである。
スピード、テクニックはもちろんフィジカル面でも井上はパレナスを大きく上回っていた。

2Rに入ってペースを上げた井上に、パレナスの身体は完全に硬直して手を出せなくなってしまった。

「田口がデラローサを9Rでストップ!! 採点でリードを許すも中盤以降に流れを変えて勝利を手繰り寄せる!!」

2Rの40秒過ぎに井上が鋭い踏み込みからの左フックをパレナスの顔面にヒットさせるのだが、実質あれで勝負は決定したといってもいい。
パンチが多少効いたのもあると思うが、何よりパレナスがパンチの威力にたじろいでしまった。あのパンチによって、パレナスの身体はガードを固めたまま硬直してしまい、井上の猛攻にされるがままになってしまったのだ。

「田口vsデラローサ!! 予想必要か? この試合。かませ犬の中のかませ犬じゃねえか」

僕は井上を慌てさせる可能性があるのはフィジカルの強いゴリゴリのインファイタータイプだと思っているのだが、それには当然圧力に屈しずに前に出続けるハートを兼ね備えているという前提での話だ。

1Rと2Rの開始直後までは果敢に前に出ていたパレナスだったが、あのパンチの威力にたいじろいで手が出せなくなった時点で勝てる可能性はなくなったといって間違いない。

「ワイルダーvsスピルカ予想!! スピードのあるスピルカを迎えうつワイルダー」

一発のパンチで相手の戦意を根こそぎ奪う威力。
井上のパンチはそれほど凶悪で残忍な威力を秘めているのだ。
見るからに手を痛めそうな打ち方だが。

アムナット、ゾラニ・テテなら井上に対抗できるか?

これだけみんなが「強い」「怪物」「次元が違う」と絶賛する井上。
もちろんがんばって欲しいし、どこまで行けるのかを見てみたい気持ちも強い。だが、ひねくれ者な僕としては、この選手に勝てる可能性があるのは誰かという目線で考えてしまう部分もある。

「ジャーマル・チャーロがキャンプフォートを圧倒敵な強さで下して防衛に成功!!」

誰もがロマゴンとの比較に精を出しているのだが、できればロマゴンではないもっと別の誰かが倒してくれないかと考えている。
エストラーダはどうかと思ったが、あの選手でも井上と正面衝突したら分が悪いのではないだろうか。エストラーダの手数で井上の突進は止まるのだろうか。僕は難しいのではないかと思う。

「山中vsソリス予想!! 10度目の防衛で日本歴代3位タイの記録なるか?」

井上尚弥を慌てさせることができるのは、ある程度上背のあるゴリゴリのインファイター。依然としてこの考えは変わっていないのだが、S・フライ級の50kg前後の中で、井上のスピードと桁外れのパンチ力に対抗できるほどのフィジカルを持った選手が果たしているのだろうか。
ゲスト解説の村田諒太も言っていたように、この階級でガードの上から相手を吹き飛ばすほどのパンチ力を持っているというのは普通に考えて異常だ。
今回のパレナスを見ても、50kg前後の選手がフィジカルで井上に対抗するのは難しいのではないかと思えてきた。

「村田諒太の課題が見えた? 実力は? ガナー・ジャクソンに判定勝ち」

階級随一のテクニシャンと言われたナルバエスも圧力とスピードで押し潰された上に、バックステップしながらの超絶カウンターによってすべての希望を断ち切られた。

パンチ力と身体の強さに期待感があったパレナスも、井上のフィジカルとスピード、そしてパワーの前になすすべなく敗れ去った。

だとしたら、あと対抗できる可能性があるのは長身のテクニシャンということだろうか。

パッと思いつくのはやはりゾラニ・テテとアムナットだが、果たしてこの2人は井上に対抗できるほどのものを持っているのか。

自分で名前を挙げておいてアレだが、ゾラニ・テテでは井上に勝つのは厳しい。

「内山がフローレスを粉砕!! 誰がゴリラをリングに上げていいって言ったよww」

井岡にまったく歯が立たなかったロベルト・ソーサに判定負けを喫した試合などを見ると、インファイターが苦手という典型的な長身テクニシャンの弱点を露呈していることがわかる。
そこまで突進力がないポール・バトラー戦では見事なアッパーで勝利を飾ったが、さすがにバトラーと井上を同列に考えるほど僕はめでたい人間ではない。とてもじゃないが井上の前進を受け止めるだけのフィジカルがテテにあるようには思えない。豪快なパンチをもらってリングに仰向けに倒れるというのが既定路線ではないだろうか。

「井岡vsレベコ再戦予想!! フライ級戦線異常あり?」

となるとアムナットだが、こちらは意外と可能性があるのではないかと踏んでいる。
何せこの選手はズルい。もちろんいい意味で。
ゾウ・シミン戦を見てもスピード、距離感ともに抜群のものを持っているし、何より相手のよさを消すのが本当にうまい。
居合い抜きのような緊張感からのジャブの差し合い、そしてワンツーを軽くヒットしながらの踏み込み。
そのまま相手の首に右腕を巻き付けて、身体を密着させて動きを封じる。
相手が前に出てくれば長身を活かして頭を抱え込んでのクリンチ。そのままロープにもたれてレフェリーのブレイクを待つ。結果的にヒットの数だけアムナットにポイントが流れるのだ。
このボクシングであれば、ひょっとしたら井上の突進に巻き込まれずに対抗できる可能性があるのではないだろうか。

「村田vsガストン・アレハンドロ・ベガ予想!! 上海での村田諒太のプロ9戦目」

付け加えるなら、前回の記事でも申し上げたとおり井上のガードの低さにつけ込める可能性があるのもこの選手だと思う。

今回のパレナス戦も結果的には井上の圧勝だったが、お気づきの方も多いと思うがダウン寸前のパレナスが放った右がカウンターで井上の頬をかすめているのだ。
見直してみるとわかるが、かなり危ないタイミングのパンチである。パレナスのダメージが深かったのと、気持ちで押されていたためにあまり効果的なパンチにはならなかったが、実際もう少し踏み込んでいれば局面を打破できるだけのタイミングだったのだ。

「山中は海外挑戦を思いとどまるべき? ソリスに2度のダウンを奪われ、よもやの大苦戦」

やはり連打の際にガードが下がる癖というのは井上を攻略する上での狙い目ではないかと思う。圧倒的な攻撃力ですべてが覆い隠されてはいるが、あの攻撃をしのぎさえすればカウンターのチャンスが巡ってくるはずである。
そして、アムナットであればそれができるのではないかと思うのである。
どこまでやれるかはわからないが、少しだけ期待を持てるとしたらアムナットではないだろうか。

「内山vsウォータース予想!! 実現なるか?」

ただ、直近の李明浩戦でアムナットの動きにやや陰りが見えたのが気がかりではある。序盤の1、2Rを見てアムナットが絶対に勝つと確信したが、中盤以降に李明浩の連打を被弾するシーンが目立ったのは意外だった。あれを年齢からくる失速と考えるのか、単に調子が悪かっただけなのか、今の段階ではわからないが。

まあ、アムナットが井上に対抗できるかもしれないというのは、僕の願望がふんだんに入っているのであまり参考にはならないのだが。
井上尚弥は応援しているが、あまりに強い強いと言われ過ぎて「他の選手もがんばれよ」と考えてしまうひねくれ者の心情というヤツである。

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