ゴロフキンがロールズに圧勝!! 膝がキテるなぁ。やっぱり下半身にくるよな。2016年の試合との違いが歴然過ぎて【結果・感想】

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ニューヨークイメージ
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2019年6月8日(日本時間9日)、米・ニューヨーク州で行われた164ポンド契約12回戦。元統一世界ミドル級王者ゲンナジー・ゴロフキンがIBFミドル級8位、WBC15位のスティーブ・ロールズと対戦し、4R2分9秒KOで勝利。2018年9月のサウル・アルバレス戦以来の復帰戦を飾った試合である。
 
 
DAZNとの3年6試合契約の初戦となった今回。
相手は戦績19戦全勝10KOのスティーブ・ロールズ。
 
開始直後から頭を振って前進するゴロフキンに対し、ロールズは長いリーチを活かした左で迎撃する。うまくゴロフキンの顔面を捉えて中に入らせない。時おり相打ちでゴロフキンをのけぞらせるなど、序盤は元統一王者を相手に互角の試合運びを見せる。
 
2、3Rもロールズは積極的に前に出て腕を振り、ゴロフキンに得意の連打を打たせない。だが、徐々にロープ際でガードを固めて耐えるシーンが長くなり、両者の攻撃力に差が出始める。
 
そして迎えた4R。
意を決して前に出たロールズの連打をゴロフキンも真正面から受けて立つ。
リング中央でカウンターの打ち合いが展開され、逆にロールズはゴロフキンのパワーに押し込まれてしまう。そのままロープ際で亀になったところでボディを効かされ後退する。
最後は左フックをガードの間からねじ込まれて前のめりにダウン。そのまま立ち上がれずにテンカウントが数えられ、ゴロフキンのKO勝利が決定した。
 
「ゴロフキンvsデレフヤンチェンコ予想。デレフヤンチェンコって結構いいよね?」
 

復帰戦を勝利したゴロフキン。でも、状態はあんまりいいようには思えず。根幹の部分がヤバくなってる気が…

約9ヶ月ぶりにリングに復帰したゴロフキン。
 
前回のカネロ戦ではお互いに一歩も引かない打ち合いの末に僅差判定負けを喫したが、第1戦同様ゴロフキンの勝利を推す声も多い。2019年9月には両者の第3戦実現が濃厚とも言われている。
 
「カネロvsゴロフキン再戦感想。最強王者を真っ向勝負で上回ったカネロ。前回を超える感動的な試合」
 
その中での復帰初戦の相手は無敗の強豪スティーブ・ロールズとなったわけだが。
 
ん〜〜……。
どうなんでしょうかこれは。
 
正直、僕にはあまりゴロフキンの状態がいいとは思えなかったのだが。この試合からトレーナーを代えての再スタートだったらしいが、それも含めて。
 
ガードを上げて芯を外しながら距離を詰め、鋭いジャブからの連打で仕留める。これが今までのゴロフキンのスタイルだったと思うが、今後はガードの上を叩かせるよりも上体を振りながら近づくスタイルへの変更を図る? のか?
 
それが正解かどうかは僕にはわからないのだが、そもそもゴロフキンってこんなにカクカクしてましたっけ?
トレーナーを代えたとか、新しい戦術を取り入れたとか。そういう面については「まあまあ、そうっすね」という感じなのだが、もっと根幹の部分がマズいことになっているように思えた(僕には)。
 
「村田諒太はGGGかカネロ? いやいや、ブラントVol.3→返上→アンドラーデにしとけって。WBO王座があれば振り向いてくれるんじゃない?」
 

下半身の衰えがさらに進んだ? こんなにカクカクした動きだったっけ?

具体的にはまあ、下半身かなと
 
腕を振るたびにバランスを崩し、自分の拳の重量で身体が流れそうになる。
足を踏ん張ってそれに耐えるため、どうしても次の動きまでにワンテンポ遅れが生じる。
淀みのない連打というか、重いパンチが流れるように次々飛んでくるのがゴロフキンの持ち味だったはずが、そこがかなり目減りしてしまった印象。
 
パンチの出力を上げるために身体に力を入れるので、その分溜めが大きくなる。
また、力んで腕を振るせいで身体全体の上下動が大きくなり、伸び上がる瞬間にスキができる。
そして、スイングが大きいのでパンチの戻りが遅く、なかなか回転力が上がらない。
 
それもこれも下半身の衰え(特に膝のバネ)が原因に思える。
膝の粘りがなくなったせいで1発のパンチを打つのに多くのパワーを要し、始動も遅れる。さらに身体の向きを変える動きにもキレがなくなり、左右への切り返しについていけない。
 
どんな距離、体勢からでも強いパンチを打てるのがゴロフキンの強みだったはずが、膝のバネが衰えたことですべての動きから滑らかさが失われた。
こういう言い方が適切かは何とも言えないのだが、錆びたなぁと。
 
いや、見る人が見れば「そんなの今さらだろ」と言われるのかもしれないが、それを踏まえた上で今回のゴロフキンは衰えが進んだ気がする(僕には)。
 
「ジョシュ・ウォーリントンがキッド・ガラハドに完勝で2度目の防衛。英国強者対決ばっかですげえな。ガラハドはブルックには見えなかった」
 

スティーブ・ロールズはいい選手だったが、ゴロフキンの衰えに目が行ってそれどころじゃない

ちなみにだが、今回のスティーブ・ロールズはなかなかいい選手だったと思う。
 
リーチが長く上半身も柔らかい。見切りもいい。
過去の試合をちょろっと観た際にはL字ガード中心のカウンター使いだった記憶があるが、この試合では真逆。むしろガードを上げて自分から手を出し、ゴロフキンの突進を前で止めようという意思が感じられた。
 
恐らくゴロフキンを前に出させたら勝ち目がないと判断し、自分から距離を詰めて打ち合う作戦だったのだと思う。前回のカネロと同様、強く腕を振ることで連打の発動を抑え込もうとしていたのではないか。
 
ただ、申し訳ないがそんなことはどうでもいい
スティーブ・ロールズはがんばったし、ゴロフキンと真正面から打ち合う勇気は文句なしにすばらしい。
 
だが、残念ながらゴロフキンの動きの悪さに目がいってそれどころじゃない。
 
「田中恒成指名試合するってよ。ジョナサン・ゴンサレスと8月24日に名古屋で。vsサウスポーの対応に注目してマス」
 
いや〜、しんどいっすね。
あの最強王者が、まさかこんな油の切れた力任せのブンブン丸になってしまうとは。
 
僕は別にゴロフキンのファンというわけでもないが、長年にわたってこの選手の試合に熱狂したことは事実。あれだけ強かった選手がここまでわかりやすく動けなくなるのは……。
 

全盛期のゴロフキンヤベえww やっぱり下半身だよな。腹筋が割れてるとかはあんまり興味がないんだよね


と思って、ためしにゴロフキンの過去の試合を観てみたのだが、まあ驚いた
 
おいおいやべえぞww
ゴロフキンってこんなにすごかったんかいww
これまで当たり前に観てたけど、コイツの全盛期ってガチの化け物だわ。
 
一応、今回のスティーブ・ロールズと似たようなタイプとして、
 
・上半身が柔らかい
・腕が長い
・カウンターが得意
 
な選手ということで2016年のドミニク・ウェイド戦を観たのだが、ゴロフキンのあまりの強さに目ん玉が飛び出すほどびっくりしてしまった。
 
ほとんど上体が上下動せずにスルスルっと近づき、無造作に左を出す。
その左が予想をはるかに超えて伸び、安全圏にいるはずのウェイドの顔面を捉える。
サイドに逃げるウェイドを流れるような水平移動で先回りして逃げ場を塞ぎ、1発のジャブでロープに押し付ける。
 
ウェイドの反撃を最小限の動きで芯を外し、戻り側にグイッと距離を詰める。
そして、ガードの外側からねじ込む得意のフックを側頭部に叩き込む。
 
いやすごい。
何度も言うが、ホントにすごい。
 
確かエキサイトマッチの解説者がワシル・ロマチェンコのフットワークを「ミズスマシのようだ」と言っていた覚えがあるが、ゴロフキンの動きもそれに近い。
 
下半身の粘りというか膝の柔軟性というか。
僕は以前から「腹筋が割れてるか割れてないかにはそこまで興味がない」「足が動くかどうかの方がよっぽど大事でしょ」と申し上げているのだが、マジでそんな感じ。
 
「再戦だろうなパスカルvsブラウン。引退撤回のジャン・パスカルが8年ぶり王座戴冠。前に出る勇気と腕を振る思いきりのよさ」
 
コナー・マクレガー戦のメイウェザーもそうだし、ジェフ・ホーン戦でのパッキャオもそう。
結局、加齢による衰えで一番影響が出るのは下半身だよねという話。
 

ゴロフキンの衝撃はイチローとちょっと似てたな。今年3月の引退試合を観て

繰り返しになるが、ゴロフキンの全盛期のすごさには心底驚いた。
今後についてはともかく、この選手が凄まじい強さだったことを改めて思い知らされた次第である。
 
この衝撃、ちょっと前にもあったなぁと思って考えていたのだが、やっと思い出した。
野球のイチロー。
 
2019年3月に東京ドームで行われた引退試合は文句なしに感動したのだが、同時にイチローの変わり果てた姿にショックを受けた試合でもあった。まさかあのイチローが、こんな状態になるとは……。みたいな。
 
「イチロー引退。スカした言動と態度とは裏腹に人一倍暑苦しくて泥臭いヒットマン。競技性orエンタメなんていう議論が全部不毛に思えるよな」
 
で、たまたまDAZNにアップされていた2006年の試合を観たところ、全盛期のあまりのすごさにショックを受けたという。
 
 
かつてはゴロフキンもイチローも強靭な下半身による粘りで他を圧倒していたが、それが衰えることで全盛期の輝きを失った。競技は違うが、やはり下半身の衰えは致命的だなと思わされる。
 
 
なお、下半身の衰えをインファイトの巧さでごまかしながら40代後半まで世界トップレベルの力を維持していたのがバーナード・ホプキンスさんなわけだが。
 
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