井上尚弥vsスティーブン・フルトン正式決定! フルトンのジャブとクリンチが通用するかが見どころ。がんがれフルトン、僕に井上の苦戦を見せれ笑【展望・予想】
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2023年5月7日に神奈川県・横浜アリーナで開催されるWBC/WBO世界S・バンタム級タイトルマッチ。同級統一王者スティーブン・フルトンに前バンタム級4団体統一王者井上尚弥が挑戦する試合である。
井上尚弥vsフルトン現地観戦。人外の超人がようやく人里に降りてきた? よくも悪くもノリと勝負勘の選手なんだろうな。“井上は強化版辰吉”説を久々に思い出した
以前から噂されていた対戦がついに正式発表された。
バンタム級で日本人初の4団体統一を果たした井上尚弥が階級アップ後にいきなり2団体統一王者スティーブン・フルトンに挑む。
当初ブランドン・フィゲロアとの再戦が濃厚と言われていたフルトンだが、突然井上戦に舵を切ったとの報道が。その後「両陣営はすでに合意済み」「あとは細かい日程調整を残すのみ」ととんとん拍子で正式発表にこぎつけたわけだが……。
僕自身は「フルトンvsフィゲロア戦が締結間近」と聞いた途端に一部のファンが「フルトンが井上から逃げた」と大騒ぎし始めるいつもの“アレ”にうんざりしていたところ。
現段階では井上は挑戦する側、あくまで王者はフルトンである。
王者主導で物事が進むのは当たり前のことだし減量苦を抱えたままS・バンタム級に留まるか、フェザー級に上げてフィゲロアと再戦するかは本人が決めること。
さらに両者の間には所属の問題もあり、望んでいた試合が決まらないからといっていちいち逃げた云々を言い出すのはマジでしょーもない。
そんな感じで「くっだらねえ」と思いながら報道を眺めていると……。
あ?
井上vsフルトン戦が決まりそう?
それに伴ってフィゲロアの相手がマーク・マグサヨに代わりそう?
まーた始まったよボクシング。
こういうことがあるから正式発表前にあれこれ考えるのは不毛なんだよな。それでもいろいろと想像しちゃうんだけど。
この時点で動向を追うのをあきらめ、正式決定を待つことにした次第である。
今回の試合が決まるまでの経緯をざっと紹介した記事。
井上尚弥vsフルトン急転直下の“最高級のカード”はなぜ実現した? 米識者たちが明かす舞台裏「フルトン本人が反対する陣営を説得した」(杉浦大介)#ボクシング #井上尚弥 #スティーブン・フルトン #FultonInoue #NumberWeb https://t.co/FCPehcJOOJ
— Number編集部 (@numberweb) March 8, 2023
フルトンが漢を上げた的なトーンで語ってはいるが、結局は「ボクシングがボクシングしてた」「どれだけ高くアンテナを張ってもボクシングが本気でボクシングをすると置いてきぼりを食う」ことを示しているだけだったりする笑
というわけで無事? 井上vsフルトン戦が発表されたので、ここからは試合の展望をあれこれ考えてみようと思う。
スティーブン・フルトンによる井上尚弥の倒し方。前半をしのいで井上の中だるみタイムに勝負をかけるしかない? 次に井上が北米のリングに上がるのはジャーボンティ・デービス戦でいい
- 1. 僕が考える井上尚弥攻略に一番近づいたのはダビド・カルモナかな。バトラーもペッチバンボーンもわずかな可能性を見せたけど
- 2. “ハイガード+横の動き”が糸口になる? 信者に怒られるから「井上には追い足が足りない」とは言わないけど笑
- 3. フルトンはどちらかと言えばメイウェザー寄り。クネクネディフェンスに加えて接近戦もできるオールラウンダー
- 4. どれだけ間合いを支配できるか。アーノルド・ケガイ戦、ダニエル・ローマン戦を再現できればベスト
- 5. 中間距離のジャブと近場のクリンチがどこまで通用するか。井上陣営もそれを見越して準備してくるはず
- 6. 井上の試合でここまで考える余地があるのは初めて? 勝敗予想は井上の判定勝利だけどフルトンを全力で応援するよ笑
僕が考える井上尚弥攻略に一番近づいたのはダビド・カルモナかな。バトラーもペッチバンボーンもわずかな可能性を見せたけど
まず何度か申し上げているが、僕が(勝手に)考える井上尚弥攻略は
・アングル調整
・高いガード
・鋭いジャブ
・同時打ちでカウンターを合わせる勇気
が必要になる(と思っている)。
ガードを高く上げた状態でサイドに動きまくって正面を外し、井上の初弾に同時打ちのタイミングでカウンターを合わせる。で、再びサイドに回り込んでガードの外側からジャブを当てる。
もちろん井上の踏み込みを抑止するためのジャブは必須。井上のハンマーのような左にビビらず常に足を動かし続け、その上で追撃を許さない強度のジャブを出す。
過去、そこにもっとも近づいたのが2016年5月のダビド・カルモナ。井上の調子がよくない時期だったとはいえ巧みなディフェンスで12Rまで粘ったのはなかなかよかった。
次戦のペッチバンボーン・ゴーキャットジムや2020年10月のジェイソン・モロニー、前回のポール・バトラーもわずかな可能性を見せたものの、最終的にはにっちもさっちもいかずKO負けを喫している。
打倒井上尚弥の糸口がポール・バトラーの作戦って意見は変わってないけど多少の怖さはほしい。
前に出る際に力を使わせないと永遠に失速しない。バトラーはいかなすぎでドネアはいきすぎ笑
エニス戦のチュカジャンは動きすぎ。ペッチバンボーンは正面に立ちすぎ。結局カルモナが一番バランスがいい。— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) January 10, 2023
なお今のS・バンタム級の中では意外と亀田和毅がおもしろいんじゃねえか? と思っているのだが、まあ、それはいいや。
亀田和毅vsルイス・カスティージョ。和毅今回もよかった。出入りとサイドへの動きが向上。ひょっとしたら井上尚弥の対抗馬の可能性が?
“ハイガード+横の動き”が糸口になる? 信者に怒られるから「井上には追い足が足りない」とは言わないけど笑
井上と2度対戦したノニト・ドネアも言っているが、要するに“ハイガード+横の揺さぶり”は井上攻略の糸口になるのだろうと。
「ドネア、井上尚弥の標的王者フルトンに助言「ボディ以外で彼を倒せない。タフな男だ」」
ちなみに「井上には追い足が足りない」と言うと光の速さで信者が駆けつけるのでそこは自重しておく笑
あくまで「ドネアが言ったから」ということで。
盛大に保険をかけた上での発言であるww
〜〜〜〜〜
僕「井上には追い足が足りない」
デデデ〜ン!!
4匹の信者が現れた!!
どうする?
たたかう
にげる
ほうちする◀︎
信者Aはアンチ認定を食らわせてきた!!
ドドン!!
僕は25のダメージ!!
信者Bは自分の考えを押し付けてきた!!
ドドン!!
僕は18のダメージ!!
状態異常「めんどくさい」におかされた!!
〜〜〜〜〜
↑
マジでこんな感じですからね笑
自分と他人の考えが違うとなぜか怒り出すヤツ、0か1かの二極でしか思考できないヤツがあまりに多い……。
井上尚弥vsスティーブン・フルトン戦を視聴。戦力差を把握すると舐めプを始める横着さはヤンキー気質によるものだろうな。それでも無敵だけど
フルトンはどちらかと言えばメイウェザー寄り。クネクネディフェンスに加えて接近戦もできるオールラウンダー
そしてスティーブン・フルトンについてだが、過去の試合を観る限りこの選手は上記の条件とは少し違う。
ダビド・カルモナやポール・バトラーのように足を動かして正面を外し続けるのではなく、どちらかと言えば一瞬の動きで勝負するスタイル。
間合いの半歩外で対峙し相手が出た分だけ後退。ジャブで出足を止めつつ瞬間的に距離を詰めて鋭いパンチを当てる。むしろフロイド・メイウェザー寄りの選手だと思う。
ただ、メイウェザーほどの圧倒的なカウンターや見切りはなく、それを足とクリンチ、ボディワークで補っている。
上体を柔らかく使うクネクネマンには違いないが、接近戦でもぼちぼちやれるオールラウンダーと言えるのではないか。
なので、上記の井上攻略法、絶えず横に動きながらカウンターを合わせる作戦はフルトンには合わない気がしている。
清水聡vsロベイシ・ラミレス決定! ドコモが井上尚弥を囲ってくれてよかったじゃん。2度とボクシングに関わるなまで言ってたのも見たけど。思い入れはゼロだけど
どれだけ間合いを支配できるか。アーノルド・ケガイ戦、ダニエル・ローマン戦を再現できればベスト
じゃあどうするの? という話なのだが、やはりどれだけ間合いを支配できるかだろうと。
申し上げたようにスティーブン・フルトンは見切りとボディワークに長けたクネクネマン。メイウェザー同様、前手のジャブが鋭く初弾に合わせるカウンターを得意とする。
相手のジャブに同時打ちで左を被せて追撃を抑え込み、すぐさまバックステップで距離を取る。
そして自分のパンチだけが当たる位置からフック気味の左をヒット→さっと離れて安全圏に退避する。
ジャブの鋭さに加えて相手の動き出しを察知する能力に秀でているというのが僕の中でのフルトンの印象である。
2020年1月のアーノルド・ケガイ戦、2022年6月のダニエル・ローマン戦はその典型で、一定の距離をキープしたまま12Rを走り抜けたのはお見事だった。あの試合をどこまで再現できるかが今回の見どころになるのではないか。
もちろんポール・バトラーを参考に横の動きを増やしつつ、距離が詰まった際のクリンチも強化してくると予想する。
「フルトンは「俺を参考にする」 井上尚弥にKO負けバトラーが展開予想「自分はあの試合で…」」
ただ、あまりにもガードや足を意識しすぎるのはよろしくない。フルトンの持ち味である鞭のようなジャブや上体の柔軟性といった部分が消えてしまっては本末転倒なので、その辺のバランスはめちゃくちゃ重要になる(気がする)。
中間距離のジャブと近場のクリンチがどこまで通用するか。井上陣営もそれを見越して準備してくるはず
そんな感じで、フルトンが試合を優位に進めるには中間距離のジャブと近場のクリンチが通用するかが分かれ目になりそう。
得意のジャブでなるべく長い時間、井上を間合いの外側に立たせることができれば。
また、どこかで必ず打ち合いが発生するとは思うが、その際にいかにクリンチで井上の動きを封じられるか。近場で井上を自由にさせると左ボディで足を止められてしまうので。
逆に井上陣営はそれらを見越してどうやってフルトンの間合いに入るか、クリンチを振りほどくかに注力してくる(はず)。
とりあえず言えるのは、井上の踏み込みはダニエル・ローマンやアーノルド・ケガイとは桁が違うということ。
ローマンやケガイは遠間からの攻撃は基本ジャブ1発で終わりだが、井上はそこからさらに右の強打をねじ込んでくる。
どんな体勢からでも体重の乗ったパンチが打てるバランスのよさ、下半身の強靭さは井上一族の特徴であり、練習の賜物でもあるのだろうと。
ポール・バトラーの井上尚弥戦後のインタビュー記事が納得感が高い。井上は階級アップ後も普通に通用すると思うけど、“モンスター”でい続けられるかは…
井上の試合でここまで考える余地があるのは初めて? 勝敗予想は井上の判定勝利だけどフルトンを全力で応援するよ笑
勝敗予想はどうしますかね……。
正直、これだけフルトンについて語っておきながら僕は「井上が勝つんじゃねえかな?」と思っているのですが笑
それでも井上の試合でここまで考える余地があるのは初めてかもしれない。
それこそバンタム級時代は「◯◯が起きれば」「序盤に奇跡の1発が入れば」等、神頼みに近い状態だったので。
一応勝敗予想は井上の判定勝利にしておくが、僕は全力でフルトンを応援させていただく。
なぜなら井上が苦戦するところを目撃したいから(通算n回目)。
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