CSは不要。あんなの何がおもしろいんだ? クライマックスシリーズだ? 敗者同士の傷のなめ合い観てファンは何が楽しいんだ?【プロ野球】
2016年プロ野球CS(クライマックスシリーズ)。
セリーグはファーストステージで巨人とDeNAが激突し、2勝1敗でDeNAが勝利してファイナルステージ進出を決めた。1勝1敗のタイで迎えた最終3戦目、延長11回に渡る激闘の末に4-3でDeNAが見事巨人を敗り、初のCS進出に続いてファイナルステージへの切符を手に入れた。
また、パリーグは2位のソフトバンクと3位のロッテが対戦し、ソフトバンクが2連勝でファイナルステージへコマを進めている。
「大谷翔平が日ハムの足を引っ張っている? 相手を勢いづけたのは覚醒した投手大谷だった?」
これでセリーグのファイナルステージの組み合わせは広島カープvs横浜DeNAベイスターズ、パリーグは日本ハムファイターズvs福岡ソフトバンクホークスに決まり、12日から日本シリーズ進出をかけての戦いがスタートする。
2位に17.5ゲーム差をつけて優勝した広島と3位からの下剋上を狙うDeNA。レギュラーシーズンで最後の最後までデッドヒートを繰り広げた日ハムとソフトバンク。
「祝! 広島カープ2016年優勝!! 25年ぶりの優勝おめでとうカープ!! そして巨人はよくやった」
大詰めを迎えた2016年プロ野球シーズン、ラストスパートで栄冠を手にするのは果たしてどのチームになるのか。
レギュラーシーズンとは違う「明日なき戦い」の緊張感はプレーオフの醍醐味
DeNAが巨人を撃破してファイナルステージ進出決定!!
CS初進出の横浜DeNAベイスターズが巨人との大激闘を制してファイナルへコマを進めた。
7月後半、広島に4ゲーム差まで迫る追い上げを見せた巨人だったが、実質あれで力を使い果たした感は強い。CS初進出で勢いに乗るDeNAとは余力に差があり、最後の最後で押し切られた形である。
「巨人? 広島? 優勝はどっちだ? セリーグ優勝ラインは80勝超えだろうな。神試合3連戦でカープ有利か?」
賭博問題から始まり、戦力的にも厳しい中での戦いを強いられた巨人。高橋由伸を強引に引退させてまで事態の収拾を図ったことが、結果的にチームの戦力低下を招いたことは否定できない。だが、その中でペナントレースで2位に滑り込んだ結果は称賛されてしかるべきだろう。
「野球賭博、声出し金銭授受、敗退行為。アホらしいったらありゃしない」
そして、その巨人を敗ってファイナル進出を決めたDeNAは素直にお見事と言うほかない。エース格の山口俊をケガで欠きながら、代わりの先発陣がきっちりと試合を作ってみせる。打撃陣が奪った少ない得点をリリーフ陣が守りきる。まさしくチーム一丸の勝利である。
「ベイスターズCS初進出に際して愚将中畑清を語る。まあCS進出は1年遅かったよな」
引退を発表した三浦大輔の姿がたびたび映っていたが、「日本一になって三浦さんを胴上げする」という目標もDeNAの結束力を高めていることは間違いない。
↓確かにこんなものを見せられればね。わけのわからん力が沸いてくるのもうなずける。
三浦本人が引退セレモニーで言った「これからも三浦大輔はずっと横浜です! ヨロシク!!」という言葉。これは、個人的に「我が巨人軍は永遠に不滅です」に匹敵する名言ではないかと思っている。
激戦を制してファーストステージを通過したDeNAと、惜しくも敗れてシーズン終了を迎えた巨人。そして、ロッテに連勝してファイナル進出を決めたソフトバンク。
一戦必勝の短期決戦はレギュラーシーズンとは違う緊張感があり、ファンにとっても痺れる試合の連続だったのではないだろうか。
12日からスタートするファイナルステージでも「後がない試合のおもしろさ」を堪能できることを願うばかりである。
「大谷165kmキター!! 大谷のストレートの質が悪い? ファールされる160kmより空振りが取れる140kmの方が上?」
毎年噴出する「CS不要論」。個人的にはCS制度には大賛成ですね
ただ、毎年この時期になると必ず挙がる「CS(クライマックスシリーズ)制度についての是非」。この議論はプロ野球を語る上で見逃せない現実と言えるのではないだろうか。
・ペナントレースで優勝したチームが日本シリーズに出られないのはおかしい
・12チーム中半分のチームが出られるプレーオフって何?
・優勝ではなく、露骨に3位を狙いにいくチームが出ると白ける
など、現行のCS制度に関しては否定的な意見が少なからず存在する。
中には「CS自体が不要。あんなの何がおもしろいんだ?」と、制度自体を完全に否定する人も一定数いるようで、日本プロ野球界の今後の課題であることは間違いなさそうである。
↓ちなみに権藤博御大もこんなことをおっしゃっております。
「CSは本当に必要か ペナントレース、無にする恐れ」
これについて僕個人の意見を言うと、CS制度には間違いなく賛成である。
理由は多くの人がおっしゃるように「消化試合の減少」による興行的な部分での恩恵。
かつての制度では日本シリーズへの出場権を持つ2チーム以外、ほとんどのファンが9月には勝敗への興味を失っていた。それに対して、CS制度がスタートしてからは半数のチームのファンが少なくとも10月初旬まではプロ野球観戦を楽しむことができる状況になっている。
「映画化必須の日本シリーズ2016!! 日ハムが本拠地で三連勝で王手」
また日本シリーズの売り上げはNPBの収益になるのに対し、CSの収益はホームゲーム主催のチームに入る。そのため、各チームにとって2位以上を確保する意味は非常に大きい。
セリーグのファーストステージではDeNAが巨人を敗って勝利したが、実は収益面で勝利したのはホームゲームを主催した巨人である。
さらに以下のコラムを読むと、
元ロッテの里崎が言うには、広島が早期に優勝を決めたためにセリーグの消化試合が増え、それによって仕事が3つほど飛んだとのこと。
なるほどww
消化試合が多いと球界OBの仕事にも影響が出るわけか。
確かに地上波放送が激減している現状、彼らにとってはコラム1本でも貴重な収入源となっているのだろう。
選手の引退後のキャリアにも影響を与えるということは、回り回って球界の発展を妨げる可能性も否定できない。
そういう意味でも「CS自体が不要」という意見は暴論でしかないように思える。
「マジで予想困難な日本シリーズ2016!! 広島カープvs日本ハム。黒田も大谷もドラマチック過ぎ」
優勝チームが日本シリーズに出られない理不尽を解消するには「アドバンテージを増やすこと」。デメリットは1位のチームが有利過ぎてCS自体に興味が薄れること
CS制度における議論で、恐らく最も多数派を占めるのが「CS制度自体には賛成だが、もう少しシステムを改善するべき」という意見だろう。
現行の制度はファーストステージが最大3戦の2戦先勝。ファイナルステージが最大6戦の4戦先勝(1位のチームにあらかじめ1勝のアドバンテージ)となっている。
「2016年日本シリーズ、三戦目以降展望。優勝目指してがんばれ広島カープ!!」
だがこの制度だと、下位チームの逆転の芽が大き過ぎることも確かである。
ファーストステージを勝ち抜いたチームがその勢いのまま、ファイナルステージを勝ち切ってしまうというパターンは十分に考えられる。
特に今シーズンは広島が優勝を決めてからファイナルステージまで約1カ月空いている。そのため、試合勘を取り戻す前にDeNAに押し切られてしまう可能性は案外低くないような気もしている。
つまり、2位に17.5ゲーム差をつけて優勝したチームが、シーズンで2つの借金を残した3位のチームに取って代わられるのである。
さすがにこれは理不尽過ぎるという意見は至極最もである。4月からペナントレースをがんばってきた広島が、たかだか6回戦の結果でシーズン終了を迎えてしまうのはあまりに報われない話だ。
「黒田200勝(まだ)、広島カープ優勝(する?)、引退(しない?)を受けて、黒田博樹の現状を考える」
そして、これを解消する一番いい方法として言われているのがアドバンテージを増やすこと。
たとえばゲーム差によってアドバンテージの1勝を2勝にする。勝率5割に満たないチームにファイナル進出の権利を与えない。などである。
確かにペナントレースで優勝を逃したチームにはそれだけのハンディがあるべきだし、そのハンディを乗り越えてこその「下剋上」だろというのは十二分に理解できる。
だが興行的な側面で言うと、これ以上アドバンテージを増やすのはどうなんだという気もしてくるわけである。
たとえば1位のチームにアドバンテージを2勝分与え、0勝2敗からスタートすると仮定する。この場合、下位チームが初戦を落とした時点で0勝3敗となり、早くも王手である。ここから逆転するには4連勝が必要であり、もはや奇跡レベルの何かが起きない限り相当難しい。
これが仮に3勝のアドバンテージと考えると、完全に絶望的である。それこそ余興もいいところで、応援する側の興味も消化試合並みに薄れてしまうだろう。
つまり、現行ルールにおける1勝のアドバンテージというのは絶妙なさじ加減なのだ。
1位のチームに絶対的な優位性を確保しつつ、逆転勝利が起きる可能性も残すことができる。両チームのファンが「負けられない試合」の緊張感を楽しむことができるギリギリのラインが1勝というアドバンテージなのだ。
ベストではないがベター。つまりはそういうことである。
「代わったところに打球が行くには根拠がある。2016年4勝2敗で広島を下して日本ハム優勝!!」
思いきって「下位チームはCSで勝ってはいけない」という不文律を作ればいいんじゃないの? 好きでしょ? 意味不明な不文律
レギュラーシーズンを制したチームが日本シリーズに出られない理不尽が起こりうる状況。
このCS制度における最大の課題を解消するのに一番手っ取り早いのは1位のチームへのアドバンテージを増やすこと。
だが、それをやってしまうと1位のチームが有利過ぎて逆にCSへの興味が薄れてしまう可能性が高い。
果たしてこの不条理をなくすにはどうすればいいか。
下位チームのファンが勝敗への興味をなくさず、なおかつ優勝チームが日本シリーズ出場を逃すこともない。
本当にそんな方法があるのだろうか。
僕はぶっちゃけ八百長をすればいいと思っている。
まあ、さすがに「八百長」と言ってしまうと刺激的すぎるので、「不文律」とでも呼べばいいだろうか。
つまり「ファイナルステージで下位チームが王手をかけた場合に限り、下位チームは本気を出してはいけない」という不文律を作るのである。
野球界には、大量得点差がついた試合で
・盗塁してはいけない
・打席に立った投手は一塁まで全力疾走してはいけない
というよくわからない不文律が存在し、それを破ると問答無用で総スカンを食らう。その他、投手の引退試合では三振が基本というのも不文律に含まれるだろうか。
この不可思議な暗黙ルールの中に「下位チームはCSファイナルで勝ってはいけない」という項目を付け加えるのである。
具体的には、王手をかけた下位チームは、
・15勝以上のエースを先発させてはいけない
・3回まではヒットを打ってはいけない
・3点以上リードされるまではホームランを打ってはいけない
・クリーンアップに内角攻めは禁止
などなど。
はっきり「負けなさい」とは言わないが、どう考えても下位チームが不利な展開になるような不文律を作ってしまえばいいのである。
そして、そこまでお膳立てした上で、なおかつ1位のチームが負けてしまった場合は仕方がない。誰にも文句を言われることなく堂々と日本シリーズに出ればいいのである。
「有能or無能? 阪神タイガース和田監督の采配がいかに有能だったかを考える」
実際「全力疾走するな」や「報復死球」などといったしょーもない不文律よりはずっとマシだと思うのだが、どうだろうか。
いや、もちろんネタですけどねww
-
前の記事
エストラーダがタブゴンを一蹴!! S・フライで準備万端か。井上尚弥、ロマゴンをパワフルに蹴散らす?【展望・感想】 2016.10.10
-
次の記事
映画「Slam(スラム)」でポエトリー・リーディングの雨に降られろ。ソウル・ウィリアムズの魂の叫びがメロウでトラディショナル【感想】 2016.10.13