「クリード チャンプを継ぐ男」感想。最強のワンパターンの世代交代。孤独な主人公とお師匠さまと一途な彼女の逆転ホームラン【映画】
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映画「クリード チャンプを継ぐ男」を観た。
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「クリード チャンプを継ぐ男」(2015年)
年老いた伝説の名王者ロッキー・バルボアは、現在ボクシング界から距離を置き、レストラン経営に精を出す毎日を送っていた。
そんなある日、ロッキーのもとへ1人の青年が訪ねてくる。
アドニス・“ドニー”・ジョンソンと名乗ったその青年は、かつてのライバルであり親友でもあったアポロ・クリードの息子だという。
そして父のようなボクサーになりたいと、ロッキーに師事を請うのだった。
突然の訪問に戸惑いつつ、もうボクシングはやらないと断ったロッキー。
だが、熱心に頼み込むアドニスの情熱に負け、彼のトレーナーになることを承諾する。
本格的にボクシングの練習に励むアドニスは、恋人のビアンカの支えも得て徐々に成長を見せ始める。
そして、ジムの有望株レオを倒したアドニスのもとに、無敗の王者リッキー・コンランから引退試合の相手としてオファーが届く。
ロッキーの反対を押し切り、一世一代の勝負のリングに上がることを決心したアドニス。
最初は反対したロッキーもアドニスの決意に心を動かされ、協力することを決める。
ところがその矢先、練習中に突然ロッキーが倒れてしまう……。
2015年に公開された「ロッキー」シリーズのスピンオフ作品であり、9年振りのシリーズ続編でもある。
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「クリード チャンプを継ぐ男」を観た。「ロッキー・ザ・ファイナル」の続編としてようやく
以前の記事で、僕は「『ロッキー・ザ・ファイナル』はロッキーシリーズ史上最高傑作。心が震える名言のオンパレードだった」と申し上げた。
また、この勢いで「クリード チャンプを継ぐ男」も観たいとも申し上げている。
そして、先日それがついに達成された次第である(大げさなww)。
「ロッキー・ザ・ファイナルがシリーズ最高の名作である3つの理由。意外性と名言のオンパレードの傑作」
はい。
「クリード チャンプを継ぐ男」を観ました。
総視聴時間2時間13分。
まあまあの長丁場だったことを付け加えておく。
鉄板の王道パターン。このロッキーブランドは不動の感動マシーン
映画を観た率直な感想を申し上げると、
「普通におもしろかった」
さらに、
「この王道パターンは何度やっても鉄板だよな」
というのが、飾りっけなしの本音である。
評判がいいというのは耳にしていたし、そもそもアポロ・クリードの息子をロッキーが育てるストーリーにハズレがあるわけがない。
どこの評価サイトを見ても、概ね5点満点の4〜4.5。安心安定の「ロッキー」ブランドが十二分に発揮された作品と言えるのではないだろうか。
ロッキーからクリードへ。完璧なる世代交代を遂げ、30年の時を超えて孤独なボクサーが甦った
この作品のキモは、何と言っても「世代交代」。
うだつの上がらない貧乏ボクサーだったロッキーが、師匠ミッキーとともに成長していくサクセスストーリー。
エイドリアンという良妻やその兄ポーリーに支えられ、最大最強のライバル、アポロ・クリードに立ち向かう。
だが、師匠であるミッキーが病に倒れ、志半ばでロッキーのもとを去ってしまう。
アポロの非嫡出子として生まれたアドニスが、父のライバルであるロッキーとともに成長していくサクセスストーリー。
難聴を患う恋人ビアンカに支えられ、最大最強のライバル、リッキー・コンランに立ち向かう。
だが、師匠であるロッキーは病に倒れ、再びアドニスを孤独の世界へ引き戻してしまう。
絶好のタイミングで母と別離する起。
都合よく出会う恋人、病に倒れたロッキーを前にアドニスが荒む承。
病気と闘う決心をしたロッキーと、コンランに立ち向かう決心をしたアドニスが本当の家族になる転。
そして、お互いを認め合いながらアドニスとコンランが打ち合うクライマックスの結。
もはや説明の余地がないくらいの過去の踏襲。
マジな話、やっていることはこれまでのロッキーシリーズとまったく一緒である。
孤独な男が、家族と恋人の協力を得て強敵と対峙する。
最初はバカにされるが、一心不乱に突き進むうちに周囲の目が変わる。
強敵との真っ向勝負で感動フィナーレ。
最強のワンパターンというか、スタローン自身が何年かに1度これをやればウケるんでしょ? とでも思っているのではないかというくらい。
最愛の妻や友人を失い、息子と離れて孤独になったロッキーが新たな家族を得るというスパイスもプラスしつつ。
「第9地区は予備知識ゼロで観る映画。出会いに感謝したくなるほど最高。グロテスクなトランスフォーマーで度肝抜かれた」
今回も有名ボクサーが出演しています。特にラスボス役のトニー・ベリューのクズ演技はサイコーだったww
もちろん、ロッキーシリーズの名物である有名ボクサーの起用も忘れない。
アンドレ・ウォードやトニー・ベリュー、ガブリエル・ロサドら現役選手の出演は、ボクシングファンには垂涎ものだったのではないだろうか。
特に、最強王者リッキー・コンラン役のトニー・ベリューはよかった。
銃の不法所持によって防衛戦ができないというアホな境遇の役どころなのだが、作中ではそのクズぶりをいかんなく発揮して我々を楽しませてくれたww
「親の七光り野郎」
「素人同然のガキ」
「伝説? それは隣の男のことだろ?」
家族を大事にしているくせに、挑発されると抑えがきかなくなるという単細胞野郎。だけど、アドニスの境遇は平気でイジるという安定感。
最低過ぎて笑いが止まらないww
そうそう。
こういうムカつくヤツをボコる叩き上げヒーローという構図こそ、ロッキーシリーズの醍醐味であるww
しかも、試合が進むにつれて徐々にお互いがお互いを認め合うというのもね。
鉄板ですよね。
わかってるのに感動が止まらない。何度観ても涙が溢れてくる。これがロッキーの魔力
コンランに滅多打ちにされ、コーナーに戻ったアドニス(クリード)がロッキーに言った言葉。
「最後までやらせてくれ」
「証明したいんだ」
「俺は過ちじゃない」
それを聞いたロッキーが、
「アポロはかつて、どん底だった俺を助けてくれた」
「だが、お前はアポロ以上に、俺に戦うことの喜びを教えてくれた」
「俺はガンを倒してみせる。だからお前も戦え」
(細かい言い回しは忘れたけど、こんな感じ?)
もうね。
わかってるんです。
同じパティーンを山ほど見せられてるんです。
「映画「クリード 炎の宿敵」感想。リングでは俺はひとりじゃない。ここまで綺麗に次世代に引き継がれた名作が今までにあったか?」
この映画を観た人、全員がわかってるんです。
それでも、そのたびに涙が溢れちゃうんですww
数年に1度、ロッキーは必ず戻ってくるんです。
そして今回、クリードに転生したんですww
つまり、これこそが最強のワンパターン。
ターミネーター役がキツくなっているシュワルツェネッガーを横目に、「生身の人間にはこれができるんだぜ」と言わんばかりの世代交代。
ロッキーの魂、境遇はすべてクリードに受け継がれ、新しい物語として昇華したのであるww
ちなみにだが、物語前半でアドニスをボコるダニー・ウィーラー。
演じたのは元PFP王者のアンドレ・ウォードだが、この選手もまた、いい味を出していたと思う。
コンランとのタイトルマッチの会見で起きた乱闘で顎の骨を折られてまうのだが、これにはホントに笑わせていただいたww
いやお前、映画の中でも不遇かよww みたいな。
恐らくセルゲイ・コバレフとの大一番が控えていた時期で、ガッツリ出演するのが難しかったという事情もあるのかもしれないが。
「「ファイティング・ファミリー」クソ名作出ました。ロック様「プロレスは脚色された世界だ。だが、観客は嘘を見抜く」。唐突な女子プロ版ロッキーにビックリ」
「クリード」の続編決定? 次はアポロの敵、ドラゴとの因縁か? これまた鉄板な展開ですなぁ
なお、この「クリード チャンプを継ぐ男」。
一部報道によると、すでに続編の製作が進められているとか。
しかも、かつてアポロ・クリードを葬ったイワン・ドラゴ絡みのストーリーになっているとか。
てか、やっぱりそうなりますよね。
かつての父親のライバルに師事したのが1作目なら、次回作は父親の敵討ちがテーマになるのは当然の流れである。
アポロとドラゴの壮絶な回想シーンを挟みつつ、クリードが復讐の炎をたぎらせる展開。これまた鉄板の感動物語の匂いがプンプンしているww
ドラゴの息子がラスボスになるのかは定かではないが、スマッシュヒットは間違いなしではないだろうか。
そして、もし3作目が作られるのであれば、次は恋人ビアンカの難聴を全面に出せばいい。
音を失う寸前の恋人(妻)を勇気づけるために最後のリングに上がるとか。そんな感じのラストバトルにすれば、感動のフィナーレをもう一度演出できるはず。
年齢的に考えて、クリードの引退試合にしてもいい。
ただアレか。
一番難しいのはロッキーの扱いか。
アイツを存命させるか退場させるか。
退場させるとしたらどういう見せ方をするか。
エピソードのみでサラッと済ますか、力石並みの演出でストーリーの中心に据えるか。
偉大過ぎるキャラクターだけに、着地地点が微妙になってる気はするな。
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