人間、追い込まれると思考が停止する。娯楽はあくまで安定した日常があってのもの。娯楽が心を豊かにするのではなく、豊かな心があるから娯楽を楽しめる(僕は)

人間、追い込まれると思考が停止する。娯楽はあくまで安定した日常があってのもの。娯楽が心を豊かにするのではなく、豊かな心があるから娯楽を楽しめる(僕は)

新型コロナウイルスの感染が広がっている。

2020年4月2日の東京都では新たに97人の感染者が確認され、1日ごとの感染者数では最多を更新。都内での感染者は680人を超え、今後さらなる増加が予測されるとのこと。
また、これはあくまで検査を実施した上での感染者数であり、実際にはその10倍はいるとも言われている。

東京、神奈川、埼玉、千葉の知事や、横浜市、千葉市、さいたま市など5つの政令指定都市の市長が緊急のテレビ会見を開き、「不要不急、夜間の外出」を控えるよう要請を続けている。

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2、3週間前ののんきだった影響が出てる感じ? 「○○が安い」とか、嬉々として紹介されてたからね

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。
2020年4月2日に東京都で確認された感染者が97人。4月1日時点で国内で初の1日200人を超え、いよいよ政府による緊急事態宣言も間近か? と言われる状況。

僕も絶えず自分の体調と相談しながら日々の生活を送っているが、とにかくめちゃくちゃおっかない。3週間ほど前までは「気温が上がる頃にはぼちぼち落ち着いてくるんじゃないの?」などと考えていたが、できることならあのときの自分をぶん殴ってやりたいw

 

先週あたりから東京の感染者が急激に増えている理由としては、3月上旬の空気感が大きな要因かなぁと思っている。

あの時期は僕も含めて日本全体が新型コロナに対してのんきだったせいもあり、SNS等で「〇〇の宿泊費がこんなに安い!!」「〇〇⇔○○の往復がとんでもないことになってる!!」と嬉々として紹介している方が山ほどいた。

「こんな時期だからこそ普段できないことをしよう」
「海外旅行や国内旅行等、空いているところを狙って遠出するのもいい」
積極的な外出を推奨する記事もちょくちょく目にしている。

そして多くの方が海外、国内の行楽地に足を運び、ウイルスを持ち帰った結果が今の状況なのではないか。

 

一応言っておくと、この2、3週間のうちにあれこれ動き回った方を責める気は毛頭ない。
申し上げたようにあの時期はみんなが新型コロナを甘く見ていたし、実際僕も時間さえあれば旅行に行きたいと思っていた。
全国の学校が次々休校となり卒業式の中止が発表される中、「子どもたちの思い出を奪っていいのか!!」と政府を糾弾する記事も多数出ていた記憶がある。

感染者の急増+志村けん氏の逝去や野球解説者梨田昌孝氏の危篤によって一気に緊張感が高まったが、これはもう、ホントに仕方ない。
「俺は前から新型コロナは怖いと言い続けてきた」などとドヤ顔するのではなく、この状況をどう乗り切るかをみんなで考える方がはるかに建設的なのだと思う。

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エンタメ系の趣味は多いが、今はそれどころではない。数日後、数週間後の自分の方がよっぽど大事

こういう状況になってつくづく思うのが、僕にとって「娯楽はあくまで安定した日常があってのもの」だということ。

僕もスポーツ観戦や映画鑑賞など、エンタメ系の趣味が多い人間だが、正直今はまったく脳みそがそっち側にいかない。

ラグビーのトップリーグやバスケのBリーグはレギュラーシーズンが完全に中止となり、プロ野球は開幕の再延期が発表された。
7月の東京オリンピックも1年延期が決定し、4月19日に開催予定だった格闘技イベントのRIZINも中止。大小問わず、スポーツイベント再開の見通しは立っていない。

また、映画館も上映の延期や休館などの措置が相次ぎ、チケット販売大手の「ぴあ」によると、エンタメ業界の市場が4割消失する危機を迎えているとのこと。


飲食業界も含め、「余暇に外に出てお金を使う」分野が軒並みぶっ倒れる局面まできているという。

だが、申し上げたように今の僕ははっきり言ってそれどころではない。

スポーツ観戦は好きだし映画も観たいが、それは今じゃなくてもいい
そもそもスポーツも映画も過去の試合や作品が山ほどあるので代替はいくらでも効く。お酒も基本、3か月に一度程度しか飲まない人間なので居酒屋やBarに行くなと言われてもまったく問題ない。

それより数日後、数週間後の自分や家族の健康など、生活に直結する部分への心配の方がはるかに大きい。

「アーティストは必要不可欠で生命維持に必要」←すまん、ちっともピンとこないわ

先日、ドイツ政府が「アーティストは必要不可欠で生命維持に必要」との声明を出し、大規模な支援を発表したことが絶賛されていたが、申し訳ないことに僕はいまいちピンときていない。


エンタメ業界、アーティストへの支援が大事なのは当たり前だしそれを決めたことは文句なしにすばらしい。
だが、どれだけ考えても「必要不可欠で生命維持に必要」とは思えないのが本音である。

だって、生命維持に必要不可欠なのは、
・栄養価の高い食事
・睡眠
・適度な運動
でしょ?
みたいな。

要は優先順位の問題で、緊急事態にエンタメ系が後回しになるのは仕方ないことなのだと思う。
すべてのイベントが中止=即倒産につながるわけではないし、仮に会社倒産→失業となっても多くの方が数か月食いつなぐ貯蓄くらいは用意しているはず。その上、日本には誰でも利用可能なセーフティネットも存在する。

極論、身体さえ無事ならどうにかやり直しは利く。
それこそよく言う「生きていれば何とかなる」というヤツ(失業していいとは言ってない)。

 

逆に新型コロナウイルスは直近の命が危機にさらされる。

感染者の5人に1人が重症化し、場合によってはそのまま帰らぬ人となる可能性もある。生きる上でもっとも重要な“健康”が損なわれるのであれば、どちらを優先するかは考えるまでもない。
別にエンタメ業界を舐めているとかではなく。

東京オリンピックの延期が決まった際も「選手ファースト」どうこう言っていたが、いや、いまだにそんな眠たいこと言ってんのかよと。
日々の生活が揺らぐかもしれない中、ファーストなのはあくまで自分や家族。とてもじゃないが、この状況で「選手が気の毒」「選手のことを考えれば~」などと言う気には僕にはなれない。

生活に余裕がないと心が荒む。やっぱり僕にとってのエンタメは優先順位が低い

繰り返しになるが、僕にとっての娯楽はあくまで安定した日常が担保された上でのもの。

娯楽が心を豊かにするのではなく、豊かな心があるから娯楽を楽しめる。

いくら「エンタメは生命維持に必要不可欠」「クリエイティブは危機を脱するのに役立つ」と言われてもピンとこないし、今はそんなことを言っている場合じゃないでしょとしか思えない。

 

以前にも申し上げたが、僕はもともと“社会派”と呼ばれる映画を小難しい顔で観てガタガタ理屈を並べるようなめんどくさい人間だった。

ところが、
・24時間営業二交代制
・月~土出勤
・勤務時間昼勤8:00~20:00、夜勤20:00~8:00
・残業代なし
・年末は祝日強制出勤
という超絶ブラック会社に1年半ほど勤務した結果、好みが180度変わった経緯がある。

「映画はわかりやすさこそ至上」
「ハッピーエンドならなお可」

鼻くそをほじりながら寝そべって観られる映画こそが最高の作品。
だって、普段の仕事がサバイバルなのに、趣味の時間までサバイバルなんかしてられないでしょ。脳みそのスイッチを切って、リラックスできてこその余暇でしょと。

「映画館とかいうポテンシャルの塊。今はシネコン最強で座席占有率15%が損益分岐点なんだってさ

いや、生活に余裕がなくなるとマジで心が荒むんですよね。

2011年の東日本大震災の際もそうだったが、こういう時期はどうしても不毛な小競り合いが増える。電車の中で咳払いをしただけでも周囲がピリッとするし、あまりにギスギスしているせいで今はSNSもあまり見ないようにしている。

「そういう時こそエンタメの力が必要になる」という考えもわからんでもないが、やはり僕はそっち側の人間ではない。
心の平静がなければエンタメの方に気持ちを持っていくのは不可能。どうしても自分の中での優先順位を下げざるを得ない。

 

恐らく極限状態に追い込まれると、脳みそが勝手にいろいろな場所に蓋をするんでしょうね。余計なノイズによって心が乱されないように。

だからアレだ。
こういうことっすわ。

なお、あくまで僕の意見なので、そう思わないという方を否定する気はまったくない。

 

またコレは余談だが、こういう事態になると「選挙に行かないヤツは政治に口出しするな」という主張が嘘っぱちだとはっきりわかる。

「投票率が上がらない理由? 日本人はバカだとか、上から目線で罵声浴びせられるから嫌気がさすんだよな

この思想がどれだけ危険かってことよね。

ご自分がおっしゃっている「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を奪う可能性もあるわけですからね。

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