歴史的土曜日。神戸製鋼ダン・カーターがデビュー。サントリーのマット・ギタウとマッチアップ。日本ラグビーとんでもねえわ【結果・感想】
2018年9月14日、東京・秩父宮ラグビー場で行われたラグビー・トップリーグ第3節。
神戸製鋼コベルコスティーラーズとサントリーサンゴリアスの一戦は、36-20で神戸製鋼が勝利。見事今シーズン2勝目を飾った試合である。
ニュージーランド代表キャップ112を持つ世界一のスタンド・オフ、ダン・カーターのデビュー戦となったこの試合。
17,576人の大観衆が見守る中、1トライを含む21得点を挙げて勝利に貢献。見事MOMを獲得した。
\#ダン・カーター 躍動‼/
王者 #サントリー の隙を見逃さなかった #神戸製鋼。
カーターがトップリーグ初トライを決め、リードを広げる???#トップリーグ は https://t.co/u4BaoHt81Q で?#DAZN#TopLeague#rugbyjp@JRTopLeague pic.twitter.com/B7oNEQZTNi— DAZN ダゾーン (@DAZN_JPN) 2018年9月14日
またサントリーのマット・ギタウは、オーストラリア代表キャップ103を誇るベテラン。
前半23分に田村と交代でスタンドオフに入り、ダン・カーターとの夢のマッチアップが実現する。
その他、アダム・アシュリークーパーやアンドリュー・エリス、アンダーソン・フレイザー、リチャード・バックマン、マット・ルーカスなど。世界レベルの選手が揃って躍動する豪華な一戦となった。
サンキュー、ダン・カーター。2年間夢を見せてくれたことに感謝。神戸製鋼には“夢は金で買える”ことを教えてもらった
ダン・カーターのデビューキター!! このレベルの選手が日本で当たり前に観られるラグビー・トップリーグはとんでもない
神戸製鋼に加入したダン・カーターがトップリーグデビューを果たした。
以前にも申し上げたように、ラグビー界のスーパースター、ダン・カーターの神戸製鋼入りは僕にとってはとんでもないニュース。
ここ最近、Jリーグのヴィッセル神戸にアンドレス・イニエスタやルーカス・ポドルスキが加入したことが話題になっているが、ダン・カーターの神戸製鋼加入はそれを上回るレベルと言える。
サッカーに例えるならジネディーヌ・ジダン。
バスケに例えるならコービー・ブライアント。
野球に例えるならミゲル・カブレラ。
ダン・カーターはマジでそのくらいの大物だと断言できる。
「ダン・カーターが神戸製鋼入りするってよ!! 世界的なプレイヤーが観たければラグビートップリーグがおススメだよん」
さらに神戸製鋼の現スクラムハーフであるアンドリュー・エリスは、代表時代にダン・カーターとコンビを組んでいた選手。
これはユベントス時代のジダンとデルピエロのコンビが復活したと考えればわかりやすい。
しかも神戸製鋼にはオーストラリア代表キャップ116のアダム・アシュリークーパーがいる。
つまり、今の神戸製鋼はジネディーヌ・ジダン、アレッサンドロ・デルピエロ、フィリッポ・インザーギが揃った最強ユベントス並みと言っても過言ではない。
それくらとんでもないことが日本のトップリーグで起きている事実。
この興奮すべき出来事が、ラグビーファン以外にはほとんど話題になっていないのは残念で仕方ない。
これも以前の記事で紹介したが、
・治安もよく、
・シーズンの試合数が少なく、
・そこそこ年俸がいい
日本のトップリーグは、海外の選手にとってはお得感の高い稼ぎ場所。
野球やサッカーと違い、ラグビーは年俸のインフレがそこまで進んでいない。
そのため、一部上場企業の重役くらいの給料を出せば、結構なレベルの選手を獲得できる。
冗談抜きで、世界的な選手のプレーをこれだけ気軽に観戦できる日本ラグビーすばらしい。
本来ならもっと話題になっていいはずなのだが。
調子自体は“まあまあ”だった。まだ日和佐篤との連携が完全に取れてないイメージだったかな
では、ここからは試合の感想について。
まず今回の試合、ダン・カーターの調子は“まあまあ”だった(と思う)。
ワンテンポずらしたパスでディフェンスの裏を通したり、ラインの裏に絶妙なキックパスを出したりと、流れの中でさすがと思わせるプレーは随所に見られた。
ただ、それ以外はそこまでぶっ飛んだものがあったわけではなく、すべてを無難にこなした感じ。
キックも2本外したし、絶好調とまでは言えない出来だった(気がする)。
また、若干チームにフィットしていないというか、ハーフの日和佐篤との連携が完璧ではないようにも感じた。
神戸製鋼というチームは、恐らく個人技中心のチーム。
アシュリークーパー、パックマンのセンター陣やフルバックの山中、ロックのグラント・ハッティングらがスペクタクルな動きで相手ディフェンスを切り裂き、ブレイクダウンで圧倒する。
相手を押し込んだところで決定力のある児玉健太郎、アンダーソン・フレイザーのウィング陣を走らせてトライを奪う。
「サンウルブズvsワラターズ1点差あああぁぁ!!! 快晴の秩父宮で熱狂してきたぞ。大満足のラグビー観戦」
そして、ダン・カーターのプレースタイルは、味方の動きに合わせてパスを供給するのを得意とするイメージ。
味方をうまく使ってゲームメイクするというより、走り込むスペースめがけて正確なボールを送る。どちらかといえば後出しのスタイル。
全員が縦横無尽に動き回り、自由自在な攻めを信条とするニュージーランドに一番マッチしたスタンドオフと言えるのではないか。
だがこの試合では、ハーフの日和佐がそれを把握しきれていない感じがした。
「ここは直でフォワードに渡したほうが……」
「ん? そこは逆サイドちゃう?」
というタイミングで普通にカーターにパスを出し、結果的に攻撃の流れを止めてしまうシーンが何度か見られた。
後半22分にアンドリュー・エリスが入ってからは比較的うまく回っていたので、やはり日和佐とカーターのフィットが……という印象。
チームとしてはサントリーの方が好きです……。ボールと選手が規律の中で動き回る王者のラグビー
なお、これは個人的な意見だが、僕はチームとしてはサントリーの方が好みだったりする。
申し上げたように、神戸製鋼はどちらかといえば個人技のチーム。
各ポジションにスーパーマンを配置し、その選手を起点に攻撃の流れを作る。
対するサントリーは、とにかくボールを動かして相手を崩すスタイル。
ボールを持った選手が早いタイミングで外までパスを回し、ライン際でポイントを作る。
バックスのみでボールを出し、すぐさま次の展開へ。
フォワードは深めにポジションをとり、必ず4人のひし形でラッシュをかける。
3人が平面に近いポジションで攻め上がる神戸製鋼に対し、サントリーは立体的な陣形。
誰にパスを出すかはハーフの判断に任せられるが、誰がボールを持っても他の3人はすぐさまサポートに入る準備を怠らない。
そして確実にボールをキープし、再び早いパス回しで外勝負をかける。
フェーズを重ねてディフェンスを崩し、相手が根負けしたところでアングルを変えた縦突進で一気に切り裂く。
「サンウルブズがチーフスに勝っただと…!? めっちゃ強く見えたな。アウェイで30-15の歴史的勝利を挙げて今シーズン1勝目」
これ、はっきり言ってめちゃくちゃ楽しい。
選手もボールもめまぐるしく動きつつ、しっかりと規律のとれたラグビー。
今回は神戸製鋼のセンター陣のディフェンスに押し返されたが、やっぱり王者のラグビーだなと。
なるほどねえ。
スピーディなパス出しが得意な流大でリードを奪い、ボールを持って走るタイプの日和佐篤でトドメを刺す。これが去年までのサントリーだったわけね。
その日和佐がチームを去ったことで、戦術的な立て直しを迫られているのが今シーズンってこと?
よくわからんけど。
その辺教えて。誰か詳しい人ww
格が違う松島幸太朗。そうか、五郎丸なんていらんかったんや
あとはまあ、やっぱり松島幸太朗はすげえなと。
今回の豪華メンバーの中においても、1人だけ格が違っていた(気がする)。
後半14分のトライなどは、ちょっとすご過ぎて……。
一瞬で相手が置き去りにされる気色悪さと言ったらww
あんな化け物ステップを日本で観られることを、我々はもっと感謝すべきなのかもしれないww
てか、何なのコイツ。
観るたびにすごくなってねえか?
普通にアダム・アシュリークーパーと遜色ないって、大概おかしいからな。
マジな話、松島幸太朗がいる限り五郎丸の代表復帰はないし、僕の好きな山中亮平も、田村と松島の壁に阻まれてレギュラーにはなれないんだろうなと。
この選手こそフランスリーグに挑戦すべきだと思うが。
どちらにしても、2019年のW杯以降の話だけど。
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