山本由伸、菅野智之、田中将大2025年シーズン振り返り。期待には及ばなかった山本由伸、だいぶ攻略された菅野智之、200勝達成の登板で最適解にたどり着いた? 田中将大【感想】

2025年シーズンも最終盤に入り、日米ともにプレーオフの雰囲気が漂い始めている。
僕はシーズン前に注目選手を何人かピックアップしているのだが、今回はその答え合わせである。
具体的には
・山本由伸(ドジャース)
・菅野智之(オリオールズ)
・田中将大(巨人)
の3人。
なおもう1人注目していたドジャースの佐々木朗希はシーズン半ばで離脱してしまったため割愛する。
山本由伸、佐々木朗希、田中将大、菅野智之2025年展望。菅野にはがんばってもらいたい。日本のエースはすげえんだってことをメリケンどもに思い知らせろw
田中将大(10試合3勝4敗、防御率5.00、WHIP1.64、投球回45)
まずは今シーズン、楽天から巨人に移籍した田中将大。
2025年9月30日の中日戦で日米通算200勝を達成したわけだが。
僕はシーズン前にだいたい5、6勝前後で防御率は3点台半ば、MAX力を発揮できたとして8勝くらいと予想している。
200勝はどこかで達成できるとは思うが、同時にそれなりに苦戦もするのではないか。
ところが現実は3勝4敗、防御率5点台と予想を大幅に下回ってしまった。
要因はとにかく球が遅いこと。
序盤は球種、技術を総動員してどうにか持ちこたえるも、根本的に球威が足りないせいで打者1人を打ち取るのに時間がかかる。
で、二巡目三巡目と進むうちにこらえきれなくなり5、6回あたりで決壊する。
ランナーを出しながら(打たれながら)のピッチングなので当然WHIPは高くなる(1.64)。
いわゆる力の落ちたベテラン投手の典型的なパターンである。
正直、こうなることはある程度予想していたが、それでももう少しやれるのでは? とも思っていた。
期待大の山本由伸、メジャーの洗礼を受けた佐々木朗希、和製グリンキーの菅野智之、残った力と技術を総動員する田中将大。2025シーズン注目選手の登板試合感想
だが、日米通算200勝目を挙げた最終登板は「おや?」と思わせるピッチングだった。
左打者をズラッと並べた中日打線相手にカッター中心の組み立て。
膝もとのカッターでファールを打たせてカウントを稼ぎ、高めまっすぐを見せつつスライダーを低めに落とす。
このカッターを多用するピッチングはこれまであまり見られなかったもの。
時おり外側からのバックドアとして使ったりと、各コースに散らすことで打者を戸惑わせていた。
田中のスプリットに全盛期のキレがないのは明白だが、そのスプリットも内側にあれだけカッターを見せれば効果は増す。
僕は「田中はこれを投げておけば大丈夫という決め球がない」「ピッチングスタイルを変えないと厳しいのでは?」と何度か申し上げているが、今回は少しだけその答えが見えた印象。
外のスプリット、高めのまっすぐを意識させて内側のカッターで詰まらせる。
これが今の田中にできる最適解かもしれない。
まあ、いずれ慣れられるのだとは思うが。
田中将大通算199勝目!! 神宮で巨人vsヤクルト戦を現地観戦してきたぞ。まっすぐに力があった田中。でも5回でアップアップになるのもいつも通り。そしてボールがアホみたいに飛ぶ。現地で改めて思った
菅野智之(30試合10勝10敗、防御率4.64、WHIP1.33、投球回157)
続いてはボルチモア・オリオールズの菅野智之について。
5月までは防御率3点台半ばと活躍したものの、6月以降は打たれる試合が増えて最終的な防御率は4.64。特にラスト7試合は0勝5敗、防御率6.75と貯金をすべて吐き出してしまった。
シーズン通して大きな離脱もなく157回を投げたことは評価されると思うが、はっきり言ってあの終わり方は印象が悪い。
ちなみに僕の予想は(希望を込めて)10勝前後、防御率3点台半ばである。
直近の登板をいくつか観て思ったのが、「ああ、これは厳しいかもしれん」。
とにかくホームランをポンポン打たれる上に打ち取った打球も外野フライばかり。
各打者が菅野の球をすくいあげて軽々と外野まで持っていく。
案の定、被本塁打数はリーグワーストの33本とのこと。
ラスト登板となったヤンキース戦などは「ゴロアウトなんかあったっけ?」というレベル。
まっすぐのスピードは95マイル出ている、スプリットもちゃんとコースに投げているのに、である。
要するに菅野は研究されたのだと思う。
シーズン中に「菅野はだいぶ研究されている」「スプリットを見逃されるケースが増えた」と申し上げたが、そこから一度持ち直したのはさすがだった。
研究され始めた菅野智之。スプリットを見逃される&高めに目付けをされて苦戦。山本由伸は絶好調だった。まともにバットに当てさせなければ高地コロラドでも関係ない
だが打者側にさらに上をいかれ、現状は手に負えなくなっているのだろうと。
野球はお互いに研究を重ねて抜きつ抜かれつを繰り返していくスポーツだが、そのいたちごっこから置いていかれた印象である。
本人は「来年もメジャーでやりたい」「どうすればいいかはわかっている」とコメントしていたが……。
あの打たれ方を見る限り相当な工夫を要するのではないか。
山本由伸(30試合12勝8敗、防御率2.49、WHIP0.99、投球回173.2)
そして今シーズン、僕がもっとも期待していたドジャースの山本由伸について。
OP戦や日本での開幕試合を観て「これはいいぞ」と。
フォークのキレ、精度が段違いに上がり、打者の手元で加速するように沈んでいく。
この感じなら負傷離脱がなければ15勝以上、防御率2点台前半くらいはいける。
理想は18勝4敗、防御率1.95前後。あわよくばサイ・ヤング賞争いに食い込んでほしい。
というより、今年はその可能性は十分ある。
山本由伸すご過ぎワロタw サイヤング賞はともかく実力はMLBの中でも一握りの上澄み。「今年はこのくらいやるよね」という水準をさらに超えてきやがった
だが、残念ながら結果は12勝止まり。防御率はギリギリ2点台前半をキープしたが、開幕前の期待値を考えると物足りないのが本音である。
ただ、9月の月間防御率0.79、WHIP0.65(5試合)は文句なしに素晴らしい。
この時期の登板をいくつか観てみたが、まさに僕が山本由伸に期待したピッチングだった笑
非常に申し訳ないが菅野智之とはモノが違う。
これがMLBにおける上澄みの実力である(何様?)。
ただ、ランナーを出すと(セットポジションになると)やや不安定になる、2、3回あたりに(若干)制球を乱すケースが見られるのが……。
特にピンチが広がる(2塁、3塁にランナーを背負う)と慎重に行きすぎるあまり、逆に失点につながるor球数がかさむ傾向。
本当にわずかな綻びだが、サイ・ヤング賞クラスのピッチャーに比べてこの部分で劣るのかな? と思う。
ポストシーズン仕様の山本由伸、リリーフでリミッターを解除した佐々木朗希。ドジャースが2連勝で地区シリーズ進出決定。まっすぐで押しまくる山本由伸すげえ。佐々木朗希はあのくらいはやって当然だよね
あとはまあ、日本時代からの無援護属性は相変わらずですよね笑
広島カープで引退した黒田博樹もかなりの無援護属性だったが山本由伸も思いっきりその系譜。
申し上げた通り9月の山本由伸は月間防御率0.79、WHIP0.65ととんでもない数字を残した反面、勝ち星はわずかに1である。
9月7日のオリオールズ戦では9回2アウトまでノーヒットノーランを継続しながらもホームランを被弾→リリーフが打たれてチームはサヨナラ負けを喫している。
この辺の要因は本当に謎。
黒田博樹もどうにか原因を探ろうとしたが結局わからずに終わったとか。
そう考えると、この先どれだけ完成度が上がっても山本由伸はサイ・ヤング賞には無縁かもしれない笑
いや、ポテンシャル的にはマジでいけると思うんですけどね。
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今永昇太のピッチングバイブル
