映画「アバター」感想。どう見ても鳥山明に影響されとる。ジェームズ・キャメロンがやりたいことを全部やった作品。宮崎駿よりも鳥山明成分が強い
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映画「アバター」を観た。
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「アバター」(2009年)
戦地で足の自由を失った元海兵のジェイクは、亡くなった兄の代わりに「アバター計画」に参加する。
彼の役目は「遠隔操作アバター」技術を使って惑星パンドラに住む原住民ナヴィと交流すること。
だが、捜査中に猛獣に襲われ仲間とはぐれてしまう。
そこで原住民ナヴィのネイティリに助けられたことで、偶然ナヴィとの接触のきっかけを得る。
ネイティリと生活するうちに、ジェイクは彼らの文化に触れ、その奥ゆかしさや美しさに徐々に魅せられていく。
ナヴィを追い出し、高値で取引される鉱脈を奪おうと目論む地球人(スカイピープル)と、聖なる土地に守られて生きるナヴィの狭間でジェイクの心は揺れ動く。
そして、ついにジェイクとネイティリが結ばれた次の日の朝……。
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ストーリーがショボい? それをジェームズ・キャメロンに求めちゃダメですよ、ええ
「アバター(Avatar)」
2009年公開当時、映像の美しさとともに3Dでの上映が大きな話題になった映画である。
監督のジェームズ・キャメロンが長年の構想の末に作り上げた作品ということで、衝撃度や話題性はダントツだったのではないだろうか。
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僕自身、この映画は映画館ではなくレンタルで観たのだが、それでも映像の迫力に圧倒され、2時間半の長丁場もあっという間に感じるほど夢中になった記憶がある。
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だが、話題作だけあって相応の批判もあり、特にストーリーに対するネガティブな意見は多く聞こえてきた。
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「脚本がベタ過ぎる」
「ただただ長い」
「茶番」
「映像を観るだけの映画」
「あまりに予想通り」
確かにおっしゃる通り。
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「先住民のコミュニティに紛れ込んだ主人公が彼らの文化に影響され、部族の娘とくっつく。そして、全員で力を合わせて巨悪(文明人)と戦う」
言ってみれば「ダンス・ウィズ・ウルブズ」や「ラスト・オブ・モヒカン」の宇宙バージョンである。
それこそ「先住民」や「侵略者」というくくりを外せば、同じパターンの映画はいくらでも見つかると思う。
とはいっても、ぶっちゃけジェームズ・キャメロンにそれを求めても仕方なくね? あいつ、そういうヤツ違くね?というのが僕の本音である。
人間=醜悪な汚物、先住民=美しく尊い正義という「0」か「100」の方式が気に入らないという意見も見かけたが、それを言い出すとジェームズ・キャメロンの作品を真っ向から否定しなくてはならなくなる。
それより、このおっさんの作る壮大な世界に素直に入り込んだ方がよほどお得感があると思うのだが、いかがだろうか。
僕の映画に対するスタンスが「わかりやすさこそ最上級」だからかもしれないが。
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宮崎駿? ファイナルファンタジー? まあ、わかるよ。わかるんだけど……
「映像はすごい。だけどストーリーがちょっと……」
僕が見た限り、これが映画「アバター」に対してもっとも多く聞かれた感想である。
そして、それに匹敵するくらい聞こえてきたのが、この映画が宮崎駿作品に影響を受けているという意見。
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うん、これは非常によくわかる。
僕はこの映画を観たのが2度目だったのだが、ざっと思い出すだけでもそれっぽいシーンは容易に浮かぶ。
エイワへ祈りをあげるところは「風の谷のナウシカ」でオームが触手を伸ばすシーンと似ているし、空中に浮かぶ森や島は「天空の城ラピュタ」。それ以外にも「ゲド戦記」や「もののけ姫」を彷彿とさせる場面もいたるところに確認できる。
確かにジェームズ・キャメロンが宮崎駿作品からインスピレーションを受けた部分はあるのだろう。
また、それ以外にも「ファイナルファンタジー」に影響されているという意見もあるとのことで、これも何となくわかる気がする。
一説によると「ファイナルファンタジー13」がモチーフになっているのではないか? とのこと。だが、どちらかと言えば「ファイナルファンタジー10」ではないだろうか。
馬の役割をつとめる「ダイアホース」や翼竜「イクラン」。あれはファイナルファンタジーの召還獣を思い起こさせるし、彼らと心を通わせるという設定もそれっぽい。
ナヴィの姿が「キマリ」と似ている?
うん、すげえわかる。
「天空の城ラピュタ」を思わせる森林なども、ファイナルファンタジーの世界と似ていると言えなくもない。
ただ、それを言い出したらはっきり言ってキリがない。何でもかんでもこじつけてイチャモンをつけなくてはならなくなる。
そもそもまったくのオリジナルから何かを生み出すなど不可能に近い。もしかしたら両者が同じものから影響されている可能性だって考えられる。
要はジェームズ・キャメロンがこれまで触れてきたエンターテイメント、観てきた作品のいいとこ取りをして、頭の中で描いていた「俺、これがやりたいねん」をマジに映像化してしまった作品。それが「アバター」なのだと思う。
「いつかはやりたい」と空想(妄想?)していたものを、湯水のような予算を得て実現しちゃった。そういうことである。
「アニメ「どろろ」がクッソ暗くてしんどいんだがw よくこんなのをアニメ化したよな。中二病丸出しの主題歌と絶望ともの悲しさと」
・一方を美しく見せるために他方を徹底的に醜く貶める
・クールな男前の女性をバイプレイヤーとして登場させる
・善悪の境界線をわかりやすく引いて、壮大なハッピーエンドで観客を満足させる
「エイリアン2」や「ターミネーター」シリーズから続く、ジェームズ・キャメロンお得意の系譜である。
ってか、よく観たらシガニー・ウィーバー出てるやんけ。
「ターミネーター(1984年)を観たら思いっきりホラー映画だった件」
断言しよう。ジェームズ・キャメロンが本当に影響を受けたのは天才・鳥山明だと
宮崎駿を始め、数々の映像作品に影響を受けたと言われる映画「アバター」。
「サザンオールスターズ年代別好きな曲(独りよがり)ベストを発表する。ベスト10が選べないから年代別にしてみた」
だが、残念ながらそれらの説はすべて間違いだと言わざるを得ない。
多少インスピレーションを受けた部分はあるかもしれないが、決してキャメロン本人が意識していたわけではない。
断言してもいいが、ジェームズ・キャメロンがこの映画で本当に影響を受けたのはただ一人。「鳥山明」である。
いや、だってそうでしょ。
どこをどう見ても鳥山明でしょ。
動物と心を通わせて友だちになる設定なんか、鳥山明作品そのものだと思いませんか?
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そして、中でも特に鳥山明成分が強いのが重火器類。
戦車や戦闘機を見れば一目瞭然で、丸みを帯びた個性的なフォルムには鳥山明の要素がふんだんに盛り込まれている。両翼に下向きのダクテッドファンを搭載した戦闘機などは顕著である。
とどめはラストシーンで大佐が乗り込むAMPスーツ。
こんなのレッドリボン軍のバトルジャケットそのまんまですよ。ラストバトルでブラック補佐が乗り込むヤツね。
天才・鳥山明は永遠なり。ずっと前に買った画集をいまだに眺めてますよ
しかし、本当に鳥山明というのは天才である。
これは僕がドラゴンボールが好きだから言うわけではなく、マジでそう思う。
あの躍動感とオリジナリティ満載のデザイン画はいつ見ても惚れ惚れしてしまう。
イラスト画についての特別な知識があるわけではないが、何度見ても飽きない画力というのは問答無用の説得力と言えるのではないだろうか。
僕はこの「鳥山明 The world special」を持っているのだが、いまだに気が向いたときに眺めてニヤニヤしている。
すげえっすわマジで。
どれくらいすごいかって?
それはもう、初代「ドラゴンボール」の1巻でブルマがホイポイカプセルから出したバイク。あのデザインを見るだけでも、鳥山明がただ者ではないことはわかるはず。
そりゃ、ジェームズ・キャメロンも惚れますよ。ええ。
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あれ?
いつの間にかアバターの感想記事から鳥山明アゲアゲに変わってるな。
まあいいか。
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