朝倉海w 堀口恭司もそこまで簡単ではないと思ってたけど、ホントに勝ってどうするw 試合観たことなかったけど【2019.8.18 RIZIN18感想】
2019年8月18日、愛知県・ドルフィンズアリーナで行われたRIZIN18。メインイベントの第13試合でバンタム級王者堀口恭司に朝倉海が挑戦し、1R1分8秒TKOで朝倉が勝利。下馬評を覆すジャイアントキリングを果たした試合である。
開始直後から軽快なフットワークと鋭い出足で前に出る堀口に対し、朝倉はサイドに回りながら徐々に距離を詰める。
10秒過ぎに堀口の踏み込みに合わせて右のカウンターを打ち込む朝倉。両者の拳が交錯し、堀口の右がわずかに朝倉の顔面を跳ね上げる。
緊張感の漂う中、再び堀口がフェイントから踏み込み右を振るう。ここに朝倉がドンピシャのタイミングで右を打ち下ろし、堀口を盛大にグラつかせる。
このチャンスを逃さず一気に攻める朝倉。
膝で堀口の顔面を跳ね上げるなど、果敢な攻めの中にも冷静さを失わず。最後は右フックを顎先にヒットし、堀口が尻餅をつくようにダウンしたところでレフェリーストップ。見事に大番狂わせの大金星を挙げた。
なお、敗れた堀口恭司は2017年のRIZIN参戦以来初の黒星。と同時に、MMAでの敗戦は2015年4月のデメトリアス・ジョンソン戦以来、約4年4ヶ月ぶりとのこと。
あるべき場所に戻ってきた堀口恭司。朝倉海を1RTKOに沈めて王座奪還。やっぱりRIZINの現地観戦はサイコーだなw
やっぱりRIZINサイコーだな。こういう「まさか」が起きるのも格闘技の醍醐味だよね
まさかの出来事が起きてしまった。
僕自身、以前から何度も申し上げているようにRIZINが大好きな人間である。
特に横浜アリーナでRIZIN15を現地観戦して以来、予定さえ合えばどんどん会場に足を運びたいと思っている。
「RIZINの現地観戦が楽し過ぎてマイッタ。堀口恭司も那須川天心もパッキャオもよかったけど、一番はヤスティナ・ハバかな」
今回もRIZINとベラトールの二冠を果たした堀口恭司が朝倉兄弟の弟・海と対戦するということでぜひとも現地観戦したかったのだが、さすがに愛知まで行くほどの情熱はない。しかもこの週はがっつり予定もあり、止むを得ず自宅観戦となった次第である。
そして、感想としては「サイコーだった」。
うん。
RIZINはやっぱりいいですよね。
会場の楽しさはもちろんだが、こういう「まさか」の目撃者となれるのも格闘技の醍醐味である。
「朝倉海はそこそこやるんじゃないの?」
「堀口恭司にとってもイージーゲームではないでしょ」
などと漠然と(朝倉の試合を観たこともないくせに)思っていたのだが、ホントに勝っちゃうとはね。
何だかんだで普通に堀口が勝つと思っていたし、試合後のインタビューで「お兄ちゃん、やろうよ」的なことを言わねえかな? とうっすら期待していたのだが、そういった諸々もすべて吹っ飛んでしまった。
この両者は大晦日での再戦が既定路線らしいが、それこそ「そろそろUFC王者のセフードの影もちらつくのかな?」といった妄想も一旦ストップということか。
まあ、とにかくアレだ。
今回は朝倉海がサイコーだった。
朝倉海の試合を一度も観たことがなかった。兄弟の分析力と現役選手ならではの実行力が凄まじい
具体的な試合についてだが、最初に申し上げたように僕はこれまで朝倉海の試合を一度も観たことがない。
「何となく勢いのある兄弟だし、どちらも頭を使って試合をするタイプっぽいし、堀口相手でもそこそこいけんじゃね?」
完全に雰囲気でものを言っているだけのクソニワカww である。
なので、これから申し上げることはただの後出しジャンケン。単なる後付けの結果論でしかないことをお断りしておく。
まず、今回は何と言っても朝倉兄弟の分析力が凄まじかったなと。
試合後に下記の動画を観たのだが、結果を知った上で観ると朝倉未来の仙人っぷりがとんでもないww
「堀口選手はめちゃくちゃ穴が多い」
「弟は堀口選手と相性がいい」
「俺の言うことを聞けば勝てる」
そして朝倉海本人の「今までの相手は堀口選手にビビってしまったが、俺はビビらない」という言葉。改めて試合を観ると、マジでその通りになっていることに驚いてしまう。
堀口恭司はコーチのマイク・ブラウンに全幅の信頼を置いているようだが、朝倉兄弟に関しては自らが現役のプレイヤーでもあることが大きい気がする。堀口との対談の場で実際にマススパーをしたり、現役選手だからこそ感じられる空気を言語化してアウトプットする能力が2人とも秀でているのではないか。
「神試合連発のRIZIN17。メイン3試合がヤバ過ぎて頭痛が痛い()。これぞFEDERATIONなヤツらの集い」
「堀口恭司を倒せるとすれば朝倉海」ってのはホントになるほどだったな。あの右は絶対当たると確信してたんだろうな
それを踏まえて試合を観直してみたのだが、確かに「なるほど」と思うことは多い。
開始10秒過ぎに堀口の右ストレートに朝倉がカウンターを合わせにいくのだが、あの瞬間僕は「お?」と思ってしまった。当たりはしなかったものの、那須川天心でさえ堀口の踏み込みに最初は戸惑っていた。
それがまさか、ファーストコンタクトであのタイミングのパンチを打つとは。試合前に兄の未来が「堀口選手はパニックになる」と豪語していたが、実際あそこで堀口本人もかなり驚いたのではないか。
その後も朝倉は堀口の踏み込みにことごとくカウンターを合わせていくわけだが、あまり腰を落とさずフラットに構える佇まいが兄とそっくり。左右の違いこそあるが、前後へスムーズに動きながらカウンターを合わせるスタイルはこの兄弟の持ち味と言えそうである。
そして、それこそが打倒堀口恭司を果たす上での最適解だった(と思う)。
基本的に堀口はフィニッシュにこだわるタイプなので、
・1発目は絶対に打撃
・右のフルスイングor前足狙いのロー
で向かってくる。
それを前後のステップ→一瞬の踏み込みで放つ流れがほとんどで、実は攻撃パターンは多くはない。なおかつ1発1発のモーションが大きく、打ち終わりに頭を下げて相手から目を切るのでカウンターを狙いやすい。
「“判定のカリスマ”山本美憂を見ろ。RIZIN発のスターは朝倉未来じゃなく山本美優だから。DQN一歩手前のスレスレ感が一番カッコいいんだよw」
それに対し、朝倉海は
・堀口と比べて上背、リーチがある
・カウンターが得意
・堀口に負けないスピードの持ち主
動画内で本人が言っていたように「ビビらず」自分から前に出て同時打ちで腕を振れば必ず右は当たる。そこから突破口が開けると確信していたのではないか。
今回の朝倉海のように自分から前に出て腕を振ったのはマネル・ケイプのみ。堀口の打撃を警戒するあまり好き放題やられた
今回の結果を受けて試しに堀口恭司の過去の試合を漁ってみたのだが、これまた「なるほど」と思うことばかり。
朝倉海のように自分から前に出て腕を振った選手を探してみたものの、正直ほぼほぼ見当たらない。唯一「もっとも堀口恭司を苦戦させた」と言われるマネル・ケイプがそれに当たるくらい。ほとんどの選手は堀口の踏み込み+打撃を警戒するあまり、フェイントに盛大に引っかかった上で敗北を喫している。
扇久保博正や所英男などは特にそう。
最初から打撃勝負を諦め、とにかくグランドに持ち込みたい思いが強過ぎる。そのため必要以上に腰を落として構えるせいでかえって反応が鈍くなるという悪循環である。
堀口としても打撃がこない、自分から出てこないことがわかっているので、あっさり得意な距離を作れてしまう。そこから自由に出入りを繰り返し、自分のタイミングで攻撃を仕掛けるパティーン。
「盛りだくさんの大みそかRIZIN20感想。美憂、ハム・ソヒ、未来、天心、ケイプ。今までで一番の見ごたえ」
その点、今回の朝倉海は勇気を持って前に出ることで堀口の自由を奪い、ドンピシャの右をねじ込んでみせた。
つまり、この勝利はマグレでもなければ堀口恭司の調子が悪かったわけでもない。間違いなく朝倉海の実力である。セコンドにいた未来のカメラ目線でのドヤ顔といい、何から何までお見事としか言いようがない。
いや、まいったなオイ。
これは年末のさいたまスーパーアリーナ決定か?
場所も遠いし終了が結構な時間になるのでかなり微妙なのだが、朝倉海vs堀口恭司の再戦は何としても観たい。
う〜ん……。どうっすっかな。
しばらく迷おう(迷ったらGO! じゃねえのか)。
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