アンカハスがロドリゲスに判定勝利で9度目の防衛成功。でも井岡一翔なら勝てると思うんだよな。接近戦での精度に差があるような…【結果・感想】
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2021年4月10日(日本時間11日)、米・コネチカット州で行われたIBF世界S・フライ級タイトルマッチ。同級王者ジェルウィン・アンカハスがランキング3位のジョナサン・ハビエル・ロドリゲスと対戦し、3-0(117-110、116-111、115-112)の判定で勝利。9度目の防衛に成功した一戦である。
2019年4月以来、約1年4か月ぶりのリングとなったアンカハス。
相手のジョナサン・ハビエル・ロドリゲスも指名挑戦権を得て以降、新型コロナウイルスの影響もあってだいぶ待たされた経緯がある。
試合は距離を取って鋭い右リードを打ち込むアンカハスに対し、ロドリゲスはガードを上げて徐々に距離を詰める。
だがアンカハスのリーチ、バックステップに追いつけず、なかなか有効打を奪うことができない。
王者やや優勢で迎えた中盤6R。
このラウンドからアンカハスが頭を下げて前進し、自らロドリゲスの懐に侵入し打ち合いを挑む。
一方のロドリゲスもボディ、顔面への連打で応戦し、試合は両者一歩も引かない乱打戦に。
さらに8Rに一気にペースアップしたアンカハスがコーナーでこの試合唯一のダウンを奪うものの、そこからあっという間に失速。
逆にロドリゲスは息を吹き返して反撃を見せる。
そして、お互い激しく消耗しつつも決め手がないまま試合は終了。
王者アンカハスが苦しみながらも3-0の判定勝利で9度目の防衛に成功した。
ジャロン・エニスvsセルゲイ・リピネッツはまあ、仕方ないよな。リピネッツがエニスに勝つ姿は想像できなかった
久しぶりのアンカハスはブランクと減量苦の影響があった気が…。2017~2018年ごろに比べて足の動きが落ちている
先日のローマン・ゴンサレスvsファン・フランシスコ・エストラーダ戦でWBA/WBCの統一王者が誕生したS・フライ級。
その他、WBOに井岡一翔、IBFにジェルウィン・アンカハスが君臨し、どこかのタイミングで4団体統一王者の誕生が望まれる階級でもある。
で、今回はその一角、IBF王者のジェルウィン・アンカハスが久しぶりの防衛戦を迎えたわけだが。
まず今回の挑戦者のジョナサン・ハビエル・ロドリゲスだが、なかなかいい選手だったと思う。
サイズ、馬力ともにアンカハスにも引けを取らないファイター型。
僕はこれまでこの選手を知らず試合も観たことがなかったのだが、22勝1敗16KOの戦績が示す通りの好選手だったのではないか。
王者アンカハスについては、正直ブランクの影響がぼちぼちあった気がする。
もともとこの選手は慢性的な減量苦とのことだが、今回もそんな感じ。
間隔が空き過ぎて前回の試合内容を忘れているのだが、帝里木下やジェイミー・コンランを立て続けにKOしていた2017~2018年あたりに比べて足の動きが落ちていることは間違いなさそうである。
序盤のアウトボクシングはなかなかよかった。でも、なぜか6Rから接近戦に。近場でのロドリゲスはめちゃ強かった
とは言え、遠間からの右リードでスペースを作って左ストレートにつなぐ序盤の組み立てはなかなかよかったと思う。
挑戦者のロドリゲスはサイズもあってパワフルだが、射程はやや短い。
基本的には相手の懐に入って打ち合いに巻き込むスタイルで、開始直後はアンカハスの長い右リードをかいくぐれずにいた。
ガードの上から鋭い右リードを当ててロドリゲスの前進を寸断し、スペースができたところで左ストレート。
距離が詰まればバックステップしながら右フックを引っかけ、スルッとサイドに逃げる。
懐が深く前で勝負できるアンカハスとしては理想的とも言える立ち上がり。このまま足を使いながらうまく作業ゲーのパターンで逃げ切るのかな? と思っていたら……。
6Rに入ると、なぜかロドリゲスと真正面から打ち合う流れに。
マジな話、これにはどういう意図があったのかがよくわからない。
突然右リードを連打しながら距離を詰め、ボディ、顔面への打ち分けでロドリゲスにロープを背負わせる。
一方、打ち合い上等のロドリゲスも自ら身体を寄せて連打を返し、逆にリング中央まで押し戻す。
それ以降、両者の激しい打ち合いが展開される。
拳四朗vs久田哲也ついにやるってよ。久田の分析能力の高さなら一矢報いるかも? 拳四朗はとことんヒールに徹したらおもしろいけどなw
実際、接近戦での打ち合いに関してはめちゃくちゃ拮抗していた。互角もしくはロドリゲスにやや分があったと言ってもいいくらいで、それほど今回のロドリゲスは近場での打ち合いを得意としていた。
鋭いボディからバックステップしながらの右フック、その他。
パンチのバリエーションや回転力はアンカハスだが、純粋なパワーだけならロドリゲスはこの階級でも随一と言えるのではないか。
何となくだが、得意な距離での強さは2019年6月に井岡一翔と対戦したアストン・パリクテを超えているかもしれない。
ダウン奪取後にアンカハスが失速。8Rのラッシュで余力を使い切っちゃったな
と同時に、後半のアンカハスの失速もなかなかだった。
8R残り1分を切ってから一気にペースアップし、コーナーで腕をぶん回してダウンを奪うアンカハス。だが、残り時間が少なくここでは決めきれず。
続く9Rも開始直後からハイペースで攻め立てたものの、打たれながらも手を出し続けるロドリゲスをなかなか仕留められない。
そして1分過ぎあたりで左ボディを被弾し、そこからはっきりとした失速を見せる。
それ以降も接近戦でどうにか持ちこたえるアンカハスだが、再びペースが上がる気配は皆無。序盤のアウトボクシングに戻す体力も気力も残っていない印象で、とにかく後半は厳しい展開を強いられてしまった。
6Rの接近戦への切り替えが作戦だったのか、それとも体力ゲージと相談して勝負をかけたのかは不明だが、結果的にはアレで余力を使い果たしたのが最後まで響いた感じ。
ロドリゲスが思った以上に接近戦に強かったこと、それをはるかに超えてアンカハスの足が動かなかったことが、今回の激闘の要因と言えそうである。
今回のアンカハス相手なら井岡一翔の方が強い? でも、多分やらない。そしてマッチルーム勢はさらに酷い。またあの4人でトーナメントってw
マジな話、今回のアンカハスであれば井岡一翔は全然勝てると思う。
序盤のアウトボクシングは確かにやっかいだが、ジェイビエール・シントロンを追い詰めたプレスがあれば恐らくどうにかなる。
また接近戦での馬力も要注意なことには違いないが、連打のバリエーションや緻密さは井岡の方がはるかに上。スピード&パワーだけでは今の井岡には通用しないことは、アストン・パリクテ戦や田中恒成戦ではっきりと証明されている。
というか、個人的には田中恒成戦よりもジェイビエール・シントロン戦の井岡の方が好きだったりする。
あれだけ動けて鋭い右リードが打てる相手をダウン寸前まで追いつめるというのは、フライ級時代の井岡にはなかったもの。まさしく階級アップに伴う成長だったと思っている。
まあでも、実際には井岡vsアンカハス戦はやらないと思いますけどね()
別にアンカハスが避けるどうこうではなく、基本的にボクシング界ってそういう感じじゃないっすか。
井岡一翔vsジェルウィン・アンカハスの統一戦はぜひ実現してほしい。アンカハスにはいまだに階級最強幻想がある。なお、実現するとは言ってない
さらに言うと、WBA/WBCのマッチルーム勢はもっと酷い。
どうやらロマゴンvsエストラーダVol.3のために、今後はカルロス・クアドラスとシーサケット・ソー・ルンビサイを交えてトーナメントを開催する予定だとか。
いや、もうええっちゅうねん。
どれだけその4人で回せば気が済むんだよ。
誰と誰が当たっても再戦orラバーマッチって、新鮮味もクソもない。
本音を言えば「ロマゴンとエストラーダ、8年ぶりの再戦!!」も若干食傷気味だったくらいで、さすがにアレをもう一周するのは……。
ロマゴンvsエストラーダ114-114かな。ロマゴンはやっぱりフライまでの選手。軽量級で重量級っぽい試合をするのが井上尚弥
作者は完結させたいのに担当編集が無理やり続けさせた結果、熱量ゼロのグダグダ作品に成り下がった漫画(銀魂とか)みたいになるに決まっている。
・ファン・フランシスコ・エストラーダvs井岡一翔
・ローマン・ゴンサレスvs田中恒成
・シーサケット・ソー・ルンビサイvsドニー・ニエテス
↑素直にこれでいいだろ早くやれ(多分やらないし、やったらビビる)。
要は、周りも「○○と○○が戦ったら~」などと想像しつつ、やらないのはわかってるけどw と諦めの境地に至ってるのが問題なんでしょうね。
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