サウル・“カネロ”・アルバレスが豪打のジェームス・カークランドをカウンター一閃。壮絶KO決着のS・ウェルター級12回戦

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現地時間5月9日(日本時間5月10日)、アメリカテキサス州ヒューストン、ミニッツメイド・パークで”カネロ”こと前WBA・WBC世界スーパー・ウェルター級チャンピオン、サウル・アルバレスvs豪打のサウスポー、ジェームス・カークランドの一戦が行われた。

当初予定されていた4階級制覇のWBCミドル級チャンピオンであるミゲール・コットとの試合が流れ、対戦相手がカークランドに変わった経緯があるアルバレスだが、今後のビッグマッチ開催に向けて絶対に負けられない一戦である。

「モンティエル、リー・セルビーに12R判定で敗れて4階級制覇ならず!!」

対するカークランドも豪打のサウスポーとして名を馳せる強豪である。ノンタイトルの12回戦ながら、アルバレスというビッグネームに打ち勝てば一気に世界のトップ戦線に躍り出ることができる。さらにテキサス州オースティン出身のカークランドにとって、地元ともいえるヒューストンで負けるわけにはいかない。まさしく注目の大一番といえるだろう。

サウル・アルバレス(メキシコ/44勝(31KO)1敗1分/前WBA・WBC世界スーパー・ウェルター級チャンピオン)
1敗はフロイド・メイウェザーのスピード、テクニックに翻弄されて12R判定負け
vs
ジェームス・カークランド(アメリカ/32勝(28KO)1敗)
1敗は日本の石田順裕に1R TKO負け

「メイウェザーvsパッキャオ世紀の一戦終了。祭りのあと」

いきなりの強打炸裂。アルバレス完勝か?

1R。
サウスポースタイルで頭を振りながら潜るように近づくカークランド。
身体を密着させて左右のパンチを強振する。
調子は良さそうである。

「カーン仰向けにバッタリ。“カネロ”・アルバレスが壮絶カウンター一発でカーンを失神KO!!」

対するアルバレスは左側へステップで距離をとることは一切せず、正面からカークランドの突進を受け止める。
だが、カークランドの圧力が強い。後退し、ロープを背負うアルバレス。

打ち続けるカークランド。
左右のフックで応戦するアルバレス。
早期の決着を予感させる立ち上がり。

カークランドの左の打ち終わりに、カウンターでアルバレスの右がヒットする。返しの左も続けてヒット。どうやらアルバレスの左右フックがカークランドの出入りのタイミングと合っているようだ。

ロープ際での攻防が続く。
アルバレスの左右のフックからの右ボディ。
わずかに顔をしかめて後退するカークランド。
前に出るアルバレス。
逆にロープを背負うカークランド。
アルバレスの右ストレートがカークランドの顎を捉える!!
カークランド、たまらずダウン!!!!

すぐさま立ち上がるカークランド。
カウント8で試合再開。
だが足下が若干おぼつかない。
距離を詰めようと手を出しながら近づくカークランド。しかし足の運びが怪しい。

「今さらメイウェザーとパッキャオを語る。アルバレスvsカーン戦を観て」

上を見せてからのアルバレスの右ボディがカークランドに突き刺さる。
カークランドの腰が落ちる。
さらにラッシュをかけてロープ際に追いつめるアルバレス。
ラッシュ、ラッシュ。
サンドバック状態のカークランド。
右フックがまともにカークランドの顔面を捉える。
腰が落ちるカークランド。沸き上がる観客!!
しかしここで1R終了のゴング。

何とか踏みとどまるカークランド。
充実のアルバレス。
おもしろい!!

「アミール・カーンはメイウェザーの相手にふさわしいのか?」

ひん死状態からの反撃に出るカークランド!!

2R。
開始早々アルバレスがカークランドを攻め立てる。
1R終盤同様、ロープ際に追いつめられるカークランド。これはキツいか。
だが、左右のフックをまともにもらいながらもカークランドは手を出し続ける。

ガードの真下からアルバレスのアッパーがカークランドの顎をまともに捉える。カークランドの顔が跳ね上がる。
膝が落ちかけるカークランド。だが、何とか持ち堪える。
そして身体を押し付けるように前に出る。逆にアルバレスをロープ際に押し込む!!

カークランドのパンチをガードしつつ、手を出しながら後退するアルバレス。どうやら至近距離でのカウンターを狙っている。ロープの反動を使ってのスウェーと、ガードの間を通すフックでカークランドの猛攻をしのぎながらチャンスをうかがう。

ラウンド中盤以降、左右のフックを振ってアルバレスを押し続けるカークランド。そのまま2R終了のゴング。信じられない精神力。

決着! 決着! 決着!!

3R。
2R同様、前に出続けるカークランド。
ガードの外側からのフックが徐々にアルバレスの顔面を捉える。この状態を続ければ、もしかしたら流れが変わるかもしれない。
アルバレスもロープ際でガードを固めつつ、手を出しながらカウンターのチャンスをうかがう。

1分20秒過ぎ。
アルバレスの左カウンターがカークランドの顔面を捉える!!
一瞬腰が落ちるカークランド。だが持ち堪える! そしてさらに前に出る!! すごい!!!!

それでも、さすがにダメージを隠しきれないカークランド。若干力感が落ちている。

左を出しながら近づいたその瞬間。
カークランドの左をかわしたアルバレスが渾身の右アッパー!! カウンターでカークランドの顎を捉える!!
たまらず腰から崩れ落ちるカークランド!! ダウン!!!!
下がりながらのアッパー。ものすごいタイミング。
これは決まったか?

と思った瞬間、カークランドがレフェリーにうなずいて立ち上がる。
カウント9での試合再開。いや、たまらん。

前に出るアルバレス。パンチを出しながらカークランドをロープ際まで攻め込む。
そして。
左ボディへのフェイントから右カウンター一閃!!
枯れ枝のように倒れるカークランド。
ここでレフェリーが試合を終了する。

3R 2分21秒TKOでサウル・アルバレスの勝利!!!!

「アブラハム、マーティン・マレーに判定勝利で防衛成功!! 攻防分離型のカウンターパンチャーは今日も健在だったぞ」

すごい試合。
おもしろい試合。
最高の試合。

やっぱりボクシングおもしれえ!! 最高の試合でした!!

最高の試合でした。
やっぱりボクシングはおもしろいですね。

「ダニー・ガルシアvsポール・マリナッジ!! ウェルター級戦線に殴り込みのガルシア」

さすがアルバレス。名勝負製造機です。
もしかしたら先週のメイウェザーvsパッキャオ戦を意識してたのかも知れませんね。間違いなくカウンター狙いでしたし、ド派手なKO決着を見せたメキシコの太陽に拍手を送りたいと思います。

真っ向勝負で正面衝突したカークランドもよかったです。ファイター同士がどちらも倒そうという意識でぶつかるとこういうかみ合った試合になるんですね。ホントにおもしろかった。

「ゴロフキンvsマーティン・マレー戦11回TKOで13度目の防衛」

「メイウェザーの後を継ぐ」と言われているアルバレスですが、どちらかというとパッキャオの系譜に近いのではないかと僕は思っています。
普段ボクシングを観ない人にも安心して紹介できる選手。
「コイツを観ておけば間違いない」
そう自信を持っておススメできる選手の一人なのではないでしょうか。

今後はどうするのでしょうか。
流れてしまったコット戦が実現するのでしょうか。個人的にはゴロフキン戦に進んでもらいたいと思っておりますが。

「コットvs“カネロ”・アルバレス予想!! ミドル級究極対決。2015年最後のビッグマッチを制するのはどっちだ?」

どちらにしても、アルバレスは今後も目が離せない選手の一人ですね。ここまで「太陽」という言葉が似合う選手も珍しいくらいのスター性です。

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