ラッセルさんちっす! 年一のお仕事ご苦労さまッス! キコ・マルチネスに勝利し2019年の勤務を終える。長谷川穂積とは一味違う?【結果・感想】

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エンパイアステートビル
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2019年5月19日(日本時間19日)、米・ニューヨーク州で行われたWBC世界フェザー級タイトルマッチ。同級王者ゲイリー・ラッセルJr.が同級3位キコ・マルチネスと対戦し、5R終了間際の負傷ドクターストップによりラッセルが勝利。4度目の防衛に成功した試合である。
 
 
2018年5月以来、約1年ぶりの防衛戦となったゲイリー・ラッセルJr.。
今回の相手は日本の長谷川穂積にも勝利したベテランの強豪、キコ・マルチネス。2014年の長谷川戦ではサウスポーの長谷川を終始圧倒し、7RTKOに下して王座戴冠を果たしている。
 
 
試合は開始直後からラッセルの鋭い右リードがマルチネスの顔面を何度も捉える。
距離を詰めて近場で打ち合いたいマルチネスだが、ラッセルのハンドスピードと1発の威力を抑えきれない。序盤はラッセルの右リードと強烈なカウンターが冴える展開が続く。
 
ところが、4Rあたりから意を決したマルチネスが被弾覚悟で前に出る。
これまでよりも1歩内側に踏み込み、得意の接近戦でラッセルを押し込んでいく。王者ラッセルもスピーディな連打で対抗するが、マルチネスのプレスに明確なダメージを与えることができない。
 
このままマルチネスがペースを掴むかと思われた5R。
序盤から出血していたマルチネスの左目の傷が大きく開き、大量の血が流れ出る。
それを見たレフェリーがドクターチェック後に試合をストップ。その瞬間、ラッセルの防衛が決定した。
 
「ラッセルさんがニャンバヤルに安定の判定勝利。でもニャンバヤルはいい選手だったな。那須川天心はラッセルを目指そうぜ」
 

ホワイト企業勤務の優雅で気ままなラッセルさん。今さら過酷な日常に戻れなんて言えないよw

年一の登場が風物詩となったゲイリー・ラッセルJr.の2019年分の“勤務”が終了した。
今回は2014年に日本の長谷川穂積と対戦したキコ・マルチネスとの防衛戦とのことで、いろいろと複雑な感情を持った方も多いのではないか。
 
長谷川穂積をケチョンケチョンにしたキコ・マルチネスはいい選手だけど、さすがにラッセル相手では役不足じゃないか?
せっかく年一回の登場なのに、相手がキコ・マルチネスじゃあまりテンションが上がらないよね。まあでも、この選手の防衛戦はいつもこんな感じだから仕方ないのかな?
 
2015年3月、ジョニー・ゴンサレスに4RTKO勝利で初戴冠を果たして以降、
2016年4月、パトリック・ハイランドに2RTKO勝利。
2017年5月、オスカル・エスカンドンに7RTKO勝利。
2018年5月、ジョセフ・ディアスに判定勝利。
2109年5月、キコ・マルチネスに5RTKO勝利。
 
この5年間でこなした勤務は5。
誇張でも何でもなく、見事に年一で登場して“そこそこの”相手に防衛を果たすという勤務形態を継続している。
 
「ジョシュ・ウォーリントンがキッド・ガラハドに完勝で2度目の防衛。英国強者対決ばっかですげえな。ガラハドはブルックには見えなかった」
 
本人によると「相手から避けられてしまう」せいで試合が組めないらしいが、もはや僕にはどちらでもいいww
これだけのホワイト企業に勤務なさっている方に、いまさら過酷な日常に戻れなどと言えるわけがない。我々下民は、一時期の大橋巨泉に匹敵するほどの優雅で気ままなラッセルさんの余生()をおとなしく楽しむべきなのであるww
 

ラッセルさんは相変わらずラッセルさんだった。鋭い右リードと超絶ハンドスピード。那須川天心の理想形はラッセルさんなんじゃない?

例によって前置きが長くなったが、実際の試合について。
 
まず、相変わらずラッセルさんはすごかったというのが率直な感想かなと。
 
鋭い右リードにスピーディな移動、防御意識の高さやカウンターのセンスに加え、間合いを常に一定に保ち、相手に得意な距離を作らせない駆け引きなど。
 
サイズ、スピードで劣るマルチネスが勝機を見出すには近場での打ち合いに巻き込むしかないのだが、ラッセルの右リードが強烈過ぎてうまく前に出られない。そのつど前進を寸断され、すばやいバックステップからリターンの左を打ち下ろされる。
頭を振りながら前に出るも、超絶ハンドスピードで動きを止められ悠々サイドに回れてしまう。
 
いや~、やっぱりすげえな僕のゲイリー・ラッセルさんは。
散々ネタキャラ扱いしてしまったが、能力自体は文句なしに凄まじい。これで間隔を空けずに試合をしてくれれば最高なのだが、さすがにそんなブラックな勤務形態が許されるわけはないよな……。
 
「完敗の伊藤雅雪。へリングに最後まで追いつけず…。これ系の相手はどうしても鬼門になるよな。この先避けては通れないけど」
 
何度も引き合いに出してアレだが、2014年の長谷川穂積vsキコ・マルチネス戦と比べてみるとラッセルさんのすごさがはっきりわかる。
 
基本的に相手の左リードを封じるために右を小刻みに動かす長谷川穂積に対し、ラッセルは1発の威力とハンドスピードの両立によって相手の前進を寸断する。
 
右をあっさりかいくぐられた長谷川は足を使って逃げ回る以外にできることがなかったが、強烈な右リードが持ち味のラッセルはどっしりと構えて最小限の動きで受けて立つことが可能。マルチネスのプレスに惑わされず、バックステップ→左のカウンターまでの流れを落ち着いて遂行していた。
 
個人的にキコ・マルチネスという選手はvsサウスポーにめっぽう強いタイプだと思っているのだが、そのマルチネスをここまで封じきるのはさすがとしか言いようがない。
 
 
何となくだが、那須川天心の理想形はこの人なんじゃないの? という気がしないでもない。インファイトでのボディ打ち、足の使い方などがレベルアップすれば、最終的に行き着くのはここ? かも?
いや、本当に那須川天心がボクシングをやるかどうかもわからないのでアレですが。
 
「那須川天心が亀田興毅を圧倒。だからRIZINはパッキャオを口説いて那須川天心のボクシングデビュー戦の相手を調達しろと何度も…」
 

キコ・マルチネスもよかったんじゃない? vsサウスポーのスペシャリストっぷりは健在。ラッセルvsリゴンドー戦の実現はまだか

一方のキコ・マルチネスだが、こちらも普通によかったと思う。
 
序盤はラッセルのハンドスピード、1発の威力に面食らっていたが、徐々に対応。4Rからはラッセルの右に左を被せ、戻り際に合わせてうまく距離を詰めていた。
ラッセルも連打で対抗するが、そこは完全にマルチネスの土俵。軽い被弾は気合いで我慢し、1発を確実に打ち込む作戦でグイグイ前に出る。
 
ポイント自体はラッセルだったと思うが、流れ的にはマルチネス。本人としても完全に「ここから」というタイミングでのストップだった気がする。
 
2014年の長谷川穂積戦では1Rであっさりサウスポーの長谷川を攻略してみせたマルチネス。ラッセル相手にも多少時間はかかったが、4Rまでにしっかりと対応したのはお見事だった。
 
また、現役時代の長谷川は「1発もらうと我を忘れて打ち合ってしまうのが悪い癖」と言われていたが、もしかしたらそうではないのかもしれない。キコ・マルチネス戦ではどうにもならないくらいガン詰めされた挙句、止むを得ずに打ち合っていたし、その他の試合も実は似たような流れだったのかも……。
 
階級アップによってフィジカルとパンチ力のアドバンテージが目減りし、相手のプレスを止める術を失った。結果的にガン詰めから逃げ切れない局面が増え、打ち合う以外に方法がなかったというのが実際のところだったのかなと。
 
バンタム級時代は文句なしにすごかった分、何の準備もなしに二階級も上げて歯車が狂ったのは本当にもったいなかった。
 
なお、ゲイリー・ラッセルJr.の今後についてだが、僕はやっぱりギジェルモ・リゴンドー戦が観たい
どちらも不活発な不人気選手でなかなか相手が見つからない。なおかつ仲よくワシル・ロマチェンコに唯一の敗戦を喫した者同士。
 
リゴンドーは次戦でフリオ・セハとの12回戦が決定したらしいが、キャリア的にも年齢的にもこういう“そこそこの”相手に無双している場合じゃない。
 
残り少ないキャリアの最後を飾る意味でも、リゴンドーはラッセルに挑戦すべきだと思うのだが。
絶対やらないだろうけどさ。
 
「リゴンドー復帰戦勝利!! ジョバンニ・デルガドを圧倒して1RKO。コイツいつも復帰してんな」
 
てか、現実的にラッセルに勝てそうな選手って誰がいます?
パッと思いつくのはシャクール・スティーブンソンだが、あの選手がジョセフ・ディアスとどこまで違うのかが僕にはよくわかっていない。先日のクリストファー・ディアス戦を観る限り、どちらかと言えばカウンター使いに思えたのだが。
 
まあ、結局そういうことばかり言っているせいでなかなか試合が決まらないんだろうな。案外階級をアップしたダニエル・ローマンが挑戦したらおもしろいかも? と思ったり。
 
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