伝説のロイ・ジョーンズvsバーナード・ホプキンス感想。初めてちゃんと観たけどクソつまんねえなこの試合w さすがはホプキンスだわ

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1993年5月22日(日本時間23日)、米・ワシントンD.C.にあるRFKスタジアムで行われたIBF世界ミドル級王座決定戦。
 
のちにヘビー級を含む4階級制覇を達成するロイ・ジョーンズJr.と、IBFミドル級王座を20度防衛するなど51歳まで現役を続けたバーナード・ホプキンスが対戦した試合。両者にとって初のタイトルマッチとなった一戦である。
 
結果は3-0(116-112、116-112、116-112)の判定でジョーンズが勝利したが、内容的にはごく僅差の大接戦。まさしく両者の偉大なキャリアの原点となった一戦と言える。
 
なおこの日のメインではWBA世界ヘビー級タイトルマッチが行われ、同級2団体統一王者リディック・ボウがジェシー・ファーガソンを2RKOに下し、2度目の防衛戦に成功している。
 
「ホプキンス引退!! ジョー・スミスにリングアウト負けで伝説に終止符。出がらし状態の51歳がラストマッチで豪快に散る」
 

ロイ・ジョーンズが大好きなくせにロイ・ジョーンズvsバーナード・ホプキンス戦を観たことがなかった

以前にも申し上げたが、僕はロイ・ジョーンズJr.のことが大好きである。
ボクシングを観ていて一目で「クッソカッコいい!!」と思った選手で、それ以降常に動向を追いかけ続けていた。
 
オスカー・デラホーヤやマニー・パッキャオ、辰吉丈一郎など。最近では井上尚弥といったスターが存在するが、ああいう“光の当たるド真ん中を歩く”人種とは別次元の魅力がロイ・ジョーンズにはあったと思っている。
 
ちなみにだが、現役選手で言えばセルゲイ・コバレフがそれに近い。
 
「これが僕のコバレフ! ヤードに苦戦しつつも11RKO勝利で初防衛に成功。もうカッチョいい。最高にカッチョいいww」
 
ただ、ロイ・ジョーンズ好きな僕もなぜか1993年のホプキンス戦はちゃんと観たことがなく。
両者にとってはキャリア初期の代表的な試合であり、ここからの偉大なキャリアを想像させるのに十分な一戦であったことは知っていたが、どういうわけかこれまで食指が伸びず。
「そのうち観よう」と思いつつ、だらだらと先延ばしにしていた。
 
で、今回ふとそれを思い出し、ようやく観てみたという流れである。
 

超つまらねえww ジョーンズのアンタッチャブルさがまったく発揮されない12R。あまり語られないのもわかるな

つまらなかった。
率直に申し上げて超つまらない。
 
散々放置しておいてアレだが、この試合を12R集中して観続けるのは非常にキツいものがある。
 
なるほど。有名な試合の割にいまいち取り上げられる機会が少ないのはこういうことなのね。
確かにこれはリアクションに困る試合だし、ロイ・ジョーンズのド派手なパフォーマンスに期待すると間違いなく拍子抜けさせられる。
 
僕にとってロイ・ジョーンズと言えば、
・1994年11月vsジェームズ・トニー
・2003年3月vsジョン・ルイス
・2004年5月vsアントニオ・ターバー
・2018年2月vsスコット・シグモン
の4試合が印象深い。
 
特に2階級制覇を達成したジェームズ・トニー戦は衝撃的で、3Rのダウンなどはロイ・ジョーンズのハイライトには必ず登場するほど有名なシーン。何度観てもワクワクが止まらない、ジョーンズのアンタッチャブルさばかりが際立つ一戦である。
 
「オールタイム・ベストの幕引き。元PFPロイ・ジョーンズ引退。スコット・シグモンに3-0の判定で有終の美を飾る」
 
それに対し、バーナード・ホプキンス戦のつまらなさと言ったら……。
全盛期のホプキンスは地味強不人気マンを具現化したような日陰者キャラだったが、それを象徴するような12R。人気階級であるはずのミドル級をここから10年間にわたって暗黒期に突入させてしまったのも大いに理解できる。
 
そして、それがバーナード・ホプキンスのよさでもある。
 

超絶身体能力と抜群のセンス、野生的な動きで無双しまくったのがロイ・ジョーンズ

ロイ・ジョーンズという選手の最大の特徴は、超絶的な身体能力を活かした野生的な動き。
 
遠い位置から一足飛びでゼロ距離まで近づき、相手が反応できない速度でパンチを打ち込む。
そこからすぐにサイドに回り込み、ガードの間から連打を浴びせる。
 
相手に反撃の余裕を与えず、終始自分だけのターンをキープする。
重量級離れしたスピードとバネで翻弄し、ひたすら予測不能な角度からタコ殴りにして相手を凹ませるスタイル。
タイミングと1発の威力、目のよさを兼ね備えた天才肌と言える。
 
「マイク・タイソンおすすめ4試合。ボクシングを観ない人に魅力を伝えるにはタイソンの試合を見せておけばいい」
 
ところがこの試合のホプキンスはロイ・ジョーンズの持ち味をことごとく消してみせる。
 
リードジャブには必ずカウンターを被せ、なるべくジョーンズにスペースを与えない。
細かいフェイントを入れながらジリジリと距離を詰め、ジョーンズがロープを背にしたところで一気に飛び込む。
そのまま身体を寄せて動きを封じ、得意のインファイトを展開。
 
一瞬の踏み込みとアンタッチャブルな動きが持ち味のジョーンズだが、その反面インファイトには若干の脆さがある。
相手の頭を掴みながらロープの反動を利用しつつパンチの威力を逃すのみで、そこから何かができるわけでもない。特にアントニオ・ターバーに敗れて以降は足の動きが鈍り、ロープ際で豪快にダウンを喫するシーンも目立つようになった。
 

ホプキンスがジョーンズの持ち味を無効化。あっさり距離を詰めて糞詰まりを起こさせる

申し上げたように、この試合のホプキンスはジョーンズの弱みを目いっぱい利用し、ひたすら距離を詰めてインファイトを挑み続けた。
 
中でも踏み込みのタイミングはすばらしすぎる。
 
もともと「ジョーンズ対策は接近戦」というのはよく言われていて、各選手が何とかそれを実行しようともがいていた記憶がある。
 
だが、実際にできるかどうかは別の話。高速のジャブで勢いを削がれ、ロープに詰めてもクリンチで逃げられる。少しでも出足が鈍れば、その瞬間にバックステップ→カウンターでジ・エンド。どの選手もジョーンズの超絶身体能力に追いつけず、ことごとく撃沈させられてしまった。
 
WOWOWエキシサイトマッチの解説者が「相打ち覚悟で前に出ればいいんですよ」と盛んに言っていた覚えがあるが、いや、簡単に言うなよと。
 
たとえば1994年5月のミドル級王座防衛戦となったvsトーマス・テート戦。
開始直後からテートが強引に前に出て打ち合いを挑んでいくのだが、ジョーンズのスピードとバックステップにまったくついていけず。枯れ枝のように2RTKO負けを喫している。
あんなのを見せられれば、ロイ・ジョーンズの懐に飛び込むリスクを考えて躊躇するのも無理はない。
 
 
そして、バーナード・ホプキンスはこの超絶スピードをあっさりと踏み越えていくのである。
 
リードジャブにカウンターを返して警戒心を煽り、ジョーンズの踏み込みに合わせて自ら前に出ての同時打ち。小さなフェイントを入れながら徐々に距離を詰め、ジョーンズがバックステップできない位置まできたところで頭を下げて一気に前に出る。
 
さらにロープ際では腕を絡めてジョーンズの動きを封じ、ボディや後頭部などに反則打ギリギリの連打。ラフファイトもお構いなしで無理やりペースを引き寄せる。
 
・自由に腕を振るスペースを与えない
・ロープ際で逃げ場を塞ぐ
・ラフファイトでイライラさせる
 
いや、本当にすごい。
ジョーンズ対策を忠実に実行しつつ、自らのペースは絶対に崩さない。
人気が出る要素はまったくないが、ホプキンスの試合巧者っぷり、実力の高さについては文句のつけようがない。
 
1999年2月のオスカー・デラホーヤvsアイク・クォーティ戦や2007年4月の新井田豊vs高山勝成戦、直近で言えば2019年11月の井上尚弥vsノニト・ドネア戦など。
高い実力を持った選手同士がお互いに持ち味を発揮した試合は多くのファンの記憶に刻まれるが、バーナード・ホプキンスに関してはまったくの逆。相手のよさをことごとく消した上でじわじわと追い詰めていくわかりにくさ、盛り上がらなさこそがこの選手の醍醐味と言える。
 
「全盛期ロマゴンと真正面から打ち合った男。新井田豊vs高山勝成は歴代日本人対決のベストバウトで文句ないよな?」
 
WOWOWエキサイトマッチの解説者が「ロイ・ジョーンズJr.は何でもできる選手」と言っていた気がするが、実際は違う。むしろ何でもできるのはバーナード・ホプキンスの方だったと思う。
 

この試合を未視聴でも観ない方がいいよ。ホプキンスのことが好きすぎる方以外にとってはつまらないから

一応言っておくと、未視聴の方がこの試合を観ることは断じてオススメしない。
なぜならつまらないから
 
バーナード・ホプキンスの技巧や駆け引きが大好きで、なおかつ若手時代を観たい人以外はぜひとも止めておくべきである。
 
まあ、そんな方は当然この試合も視聴済みだとは思うが。
 
 
そして、それ以外の方はメインのリディック・ボウvsジェシー・ファーガソン戦を観た方がいい。リディック・ボウのわかりやすい強さが楽しめると思うので。
 
もっと言うと、井上尚弥vsノニト・ドネア戦をもう一度観る方がよっぽど有意義な時間を過ごせる(はず)。
 
「信じる心が拳に宿る。ドネアが井上尚弥に敗れるも、12Rの大激闘。敗者なきリングに感動しました」
 
うん。
やっぱりわかりやすくド派手な試合っておもしろいですからね。
 
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