ハイレベル過ぎてFA選手の契約にも影響してるよ。MLBオールスター2018がとんでもなかった件【結果・感想】

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MLBグランド
2018年7月17日(日本時間18日)、米・ワシントンでMLBオールスターゲームが行われ、ア・リーグが8-6でナ・リーグに勝利。
 
過去最多を更新する両チーム10本のホームランが飛び交う空中戦の末、延長10回の激闘を制した試合である。

また両軍合わせて25三振と、まさにホームランか三振かの勝負。現在のMLBを象徴する試合だったと言える。
 
 
なお、MVPには延長10回に勝ち越しのソロホームランを放ったアレックス・ブレグマンが選出された。

 

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実は今シーズンの野球観戦にあまり情熱がない。なぜなら松坂大輔と大谷翔平が故障離脱したから

いきなりこんなことを言うのもアレだが、実を言うと、僕は今シーズンの野球観戦にあまり情熱がない
 
理由は明白で、松坂大輔と大谷翔平が故障離脱したから
 
松坂は先日、NPBの球宴で先発。大谷も打者として戦線復帰しているが、どちらも万全な状態とは言い難い。
大げさでも何でもなく今シーズンはこの2人しか観ておらず、両者が離脱した途端に一気に興味が失せてしまった。
 
だってそうでしょ?
松坂のいない中日なんて、世代交代に失敗して暗黒に片足を突っ込んでる弱小チーム(何様?)だし、大谷のいないエンゼルスなんて、名前もよくわからん外人が棒切れを振り回してるだけの集団(何様?)だからね。
 
退屈過ぎてあくびが出ますよ。ええ。
 
「高木京介を観ようぜ。賭博が許せないのはわかるけど、今の高木京介を観ないのは損だから。圧倒的な才能は暴力的で理不尽」
 
まあでも、一応MLBのオールスターくらいは観ておくか。
せっかくのお祭りだしね。
 
あんまり興味ないけどさ。
 

MLBオールスター2018すご過ぎた。無駄を省き、洗練させ尽くした結果、究極のスピード&パワー勝負だけが残った

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そして試合の感想だが、もう胸焼けするほどすごかった
ここ1、2年のMLBを象徴する試合というか、スピード&パワーの結晶というか。
 
各所で報道されている通り、2016、2017年頃から言われている「フライボール・レボリューション」を極限まで突き詰めた試合だった。


「スピード&パワー」と言っても、いわゆる何も考えずに力任せに振り回すだけの脳筋野球ではなく、実際はその真逆。
 
セイバーメトリクスの飛躍的な進歩により野球が高度に数値化され、すべてのプレーの能力値を可視化することに成功する。それによって、今まで曖昧だった部分の格付けが一気に進んだ。
 
加えて、これまで常識とされてきた戦術が覆るケースも頻発する。
 
盗塁は失敗のリスクが高いので企図するべきじゃない。
送りバントで1アウト2塁の状況を作っても、実は得点効率がよくない。
無理な右打ちでランナーを進めようとしてもかえって失敗する。
ゴロを打っても野手の間を抜ける確率は低い。
 
「ビッグフライ オオタニサン!! 野球観戦の情熱が減退する中、大谷翔平のホームランでワクワクするだけの簡単なお仕事」
 
とことんまで無駄を省いて洗練させた結果、「三振覚悟でホームランを狙うのがもっとも効率的」だという結論にたどり着いた。
 
それが両軍合わせて10本塁打、25三振というとんでもない数字の要因である。
 
ちなみにだが、2017年のレギュラーシーズンの総本塁打数が6105本。これは2000年に作られた5693本の最多記録を大きく上回るもの。
そして、今シーズンは昨年をさらに上回るペースでホームランが量産され、すでに2017年、2000年に次ぐ史上3番目の数字を叩き出しているとのこと。
 
「MLBが絶賛観客数減少中だって。理由? いろいろあると思うけど、試合がつまらないからじゃないかな」
 

ピッチャーのレベルが上がり、それに対抗するために三振覚悟でホームランを狙うしかない状況

繰り返しになるが、今回のオールスターは胸焼けするほどすごかった。
下記の通り、まさしく現在のMLBを象徴する試合というヤツ。


この日に登板したピッチャーは以下の通り。
 
・ア・リーグ
クリス・セール
ルイス・セベリーノ
ブレイク・スネル
ジョー・ヒメネス
ホセ・ベリオス
ブレイク・トレイネン
チャーリー・モートン
エドウィン・ディアス
J.A. ハップ
 
・ナ・リーグ
マックス・シャーザー
ジェイコブ・デグロム
マイク・フォルタネビッチ
アーロン・ノラ
ジェレミー・ジェフレス
フェリペ・リベロ
ジョシュ・ヘイダー
ブラッド・ハンド
ロス・ストリップリング
 
レギュラーシーズンではエース格や守護神を務めるピッチャーばかりで、僕のようなニワカww でも名前を聞いたことがあるほどのそうそうたるメンバーである。
 
そして、どのピッチャーも往々にして95~96マイル(約153~154.5km)前後のストレートに88~89マイル(約141.5~143km)の高速スライダー(スラッター)、91~92マイル(約146.5~148km)のチェンジアップを操る化け物揃い。
 
ここぞの場面ではストレートが100マイル(約160km)に迫り、チェンジアップは直角に落ちる。
 
こんなヤツらが短いイニングで次々に出てくれば、どんな優れた打者でもめったに打てるものじゃない。
必然的に三振覚悟でホームランを狙う一か八かの勝負をせざるを得なくなる。
 
「史上まれに見る酷い日本シリーズ。ソフトバンクがクソ采配の広島を下して2年連続日本一。クソの最上級」
 
10本のホームランのうち8本がソロだったのも、それが大きく影響したと思われる。
 
ピッチャーは外側のストレート2球でさっさと追い込み、右打者にはスラッター、左打者にはチェンジアップで引っかけさせる。
それに対し、打者は「ランナーを溜めてチームバッティングを~」などとやっている余裕はない。とにかく初球からフルスイングでかち上げるだけ。
 
両者の相乗効果でリーグ全体が凄まじいレベルアップを遂げた結果、もっともシンプルなスピード&パワーの勝負に着地した。

0か1か。
表か裏か。
 
もはや僕のようなパンピーには理解不能。完全に異世界のできごとと言っていい。
 
「イチロー引退。スカした言動と態度とは裏腹に人一倍暑苦しくて泥臭いヒットマン。競技性orエンタメなんていう議論が全部不毛に思える」
 

途方もないレベルアップは選手の契約にも大きな影響を与えた。長期契約で大物を獲得するより、若手を早い段階で囲い込む方が効率がいい

何度も申し上げるように、ここ最近のMLBのレベルアップは本当に凄まじい。
 
そして、あまりにレベルが上がり過ぎたせいで超一流の先発投手以外はイニングを食うことすら難しい状況が起きている。
 
日本では無双状態だった田中マー君も昨シーズンから勝ったり負けたりの繰り返しだし、ドジャースの前田健太に至っては、全力で6回80球を投げ切る方向で生き残りを図っている。
 
そして、こうした途方もないインフレは選手の契約内容にも如実に影響を与えている。
 
2000~2010年代前半のMLBはFA選手の長期大型契約が流行し、同時に多くの不良債権を生んだ。


当然、日本人選手も例外ではなく、2006年の松坂大輔や井川慶も失敗例として挙げられることが多い。
 
ある程度の成績を残した選手がFA市場に出るのがだいたい20代後半から30歳前後。
選手としては下り坂に差し掛かる年齢で、そこから大型契約を結ぶのはリスクが大きい。
 
それに気づいたMLBの各球団は、今度は若手の有望株を早い時期から囲う方向に転換する。
 
「この選手は伸びる」とにらんだ23~4歳前後の選手と比較的安価な長期契約を結び、成績の計算できる全盛期を囲い込んでしまう。そして、FA権を獲得する30歳前後の時期にスター選手を求める金満球団に放出する。あわよくば高値で売れればラッキーというノリで。
 
「長期契約の候補者の若手5人【ジェイコブ・デグロム 他】野球人No.1034」
 

一部の超一流を除いた先発投手がイニングを食えない現状、FA選手の長期契約はますます難しい。ベテラン勢にとってはさらに厳しい状況になる?

途方もないレベルアップのせいで超一流の先発以外はイニングを消化できず、さらに各球団がリスクマネジメントを重視する状況。
これによって、ここ1、2年でFA選手の長期大型契約はますます実現しにくくなっている。
 
2017年シーズンの終了後にヤンキースの田中マー君が契約を3年残して放棄(オプトアウト)するかに注目が集まったが、下記の通りチームに残留している。


「お金よりもヤンキース愛」などと言われていたが、 実際は違う。シビアなFA市場を鑑みた結果、ヤンキースに残った方が得策という判断が働いたことは想像に難くない。
 
「お金よりもヤンキース愛!マー君、「契約破棄条項」権利行使せず残留」
 
また2018年シーズン、動きの鈍いFA市場に業を煮やした上原浩治が巨人に、青木宣親がヤクルトに戻ったことは記憶に新しい。
 
夢の舞台と言いつつ、実は驚くほどシビアでドライなMLB。
今後、ベテラン選手にとってはますます厳しい状況になっていくのかもしれない。
 
と同時に、過酷な生存競争から弾き出されたビッグネームが日本や韓国に流れるケースも増えるように思える。
 
なお、これだけシビアなMLBで「生涯契約」とかいう漢気契約をマリナーズから引き出したイチローと、理解不能なレベルでしれっと二刀流を実現している大谷翔平のすごさはもっと注目されていい。
 

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