マックジョー・アローヨ、アンカハスにまさかの敗北。フィリピンにおけるパッキャオの影響はマジで甚大だなと思いました【結果・感想】

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フィリピンのビーチ
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2016年9月3日にフィリピン、メトロマニラ・タギッグで行われたIBF世界S・フライ級タイトルマッチ。同級王者マックジョー・アローヨがランキング3位のジェルウィン・アンカハスと対戦し、12R判定(118-109、117-110、115-112の3-0)で敗れる波乱が起きた。

2015年7月に王座を獲得して以降、なかなか試合が決まらずに1年以上のブランクを作ってしまったアローヨ。地元開催の利を活かす挑戦者アンカハスと一進一退のペース争いを繰り広げるが、8Rにダウンを奪われるなど劣勢を強いられ、まさかの敗北を喫する。

24歳の新鋭アンカハスはマニー・パッキャオのMPプロモーションに所属する期待の若手で、MPプロモーションにとっての初めての世界王者となった。

「今さらメイウェザーとパッキャオを語る。アルバレスvsカーン戦を観て、この2人が唯一無二の存在だった」

なお、初黒星を喫したアローヨは戦績を17勝1敗8KOとした。

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すげえいい試合。そしてアンカハスいい選手!! ええもん観ましたわ

マックジョー・アローヨ陥落!!
ってか、何だこれ? めちゃくちゃいい試合じゃねえかオイ。

序盤からペースを掴もうと前に出てプレッシャーをかけるアローヨに対し、アンカハスが多彩な右で受け止める。
右の差し合いで若干上をいかれるアローヨは何とか距離を詰めて左の強打につなげたい。だが、アンカハスの精度の高い右で迎撃され、うまく懐に入れない。
逆に多彩な右から左の強打につなぐワンツーをヒットしたアンカハスが有利な展開で試合を進める。

アローヨが強引に前に出ると、アンカハスも自ら前に出て身体を密着させる。アローヨの左をサイドステップでかわし、身体を倒したまま左を返す。

「ロマゴン、アローヨを大差判定で退ける!! 半病人のゴンサレスにアローヨは歯が立たず」

いや、アンカハスすごい。
これはいい選手だ。

多彩な右に強打の左。加えて身体も強い。
BoxRecによるとアローヨの身長が163cmなのに対しアンカハスは168cm。数値上は5cmほどアンカハスが上回っているが、リングで対峙した両者にはそれ以上のフィジカル差が感じられた。
サイズ面はもちろん、兄と同様身体の強さが持ち味であるマックジョーに押し勝つのだからこの選手のフィジカルは文句なしである。
さらに、どっしりとした構えから大きく踏み込んで打ち込む左。あれだけ強振しているにもかかわらず、打ち終わりにバランスを崩すことがほとんどない。さらっと元の構えに戻ることができるバランスのよさである。

「ウォーレンがパヤノに雪辱!! マジいい試合!! 階級屈指のテクニシャンがダイレクトリマッチを制して王座奪還」

そしてノニト・ドネアやジョンリル・カシメロなど、フィリピン出身の選手に見られる気分屋的なムラッけもない。地道に基本をこなす堅実で勤勉な選手なのだろう。全体的に確実性が高く、大崩れすることがないスタイルである。

「俺のアムナットさんが負けただと……?! カシメロに4RKO負けを喫して王座陥落!!」

各局面でわずかにアローヨを上回ったアンカハスが見事王座を獲得。どちらも最高のファイトだった

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今回のアローヨの敗因というか、アンカハスの勝因はいわゆる「総合力」だろうか。
サイズ、パワー、リーチというスペックに加え、踏み込みのレンジや右の精度など。両者の技術はかなり拮抗していたと思うが、すべての面でアンカハスがアローヨを少しずつ上回ったというヤツである。

特に序盤からアンカハスが出し続けていたボディストレートは効果的だった。
中盤以降徐々に均衡が崩れ、6、7Rにアローヨのダメージが顕在化する。動きの鈍った8Rにボディに畳み掛けられついにダウン。

リードを許したアローヨが終盤ペースアップして追い上げるが、最後はアンハカスが逃げきり王座奪還に成功した。

流れとしてはだいたいそんな感じである。
 
「アンカハス健在!! ゴンサレスを10RKOで下す。パッキャオvsマルケスみたいな試合。ドウェイン・ビーモンとやらんかな」
 もちろん敗れたアローヨもすばらしかった。
ダウンを奪われた次のラウンドなどは「これは終わるかな」という雰囲気を感じたが、そこからの粘りと追い上げはさすがのひと言だった。
あれだけボディを効かされた状態でも自ら前に出て局面を打破しようとする強烈なメンタル。劣勢でも右を出しながら距離を詰める自分のスタイルを貫く姿勢。敗れはしたものの、地力の高さは十分に見せつけてくれたと思う。

「怪物ロマゴンも人間だった? クアドラスを判定で下して4階級制覇達成!! キャリア最大の苦戦」

両者とも本当にハイレベルで、こんな狭い会場で開催するのがもったいないほどの名試合だった。タパレスvsプンルアン、河野vsコンセプシオンに次いで、3試合目の年間最高試合といっても過言ではない(いくつ年間最高試合あるんだよ)。

「井上拓真がタパレスに挑戦!! って、何を焦ってるんだ拓真さん」

河野の復帰戦の相手はアンカハスに決まりでしょ。大みそかに日本で河野vsアンカハス戦やればいいよ

すばらしい試合で王座を獲得したアンハカスだが、初防衛戦はぜひとも日本でやってもらいたい。相手は先日コンセプシオンに敗れた河野公平。タイミング的に見ても、大みそかの大田区総合体育館が最高ではないだろうか。

「河野惜敗!! 激闘の末、コンセプシオンに敗れる。引退なんかするなよ?」

両腕に凶悪なカウンターを持つ河野のボクシングが、強靭なフィジカルと踏み込みのレンジを持つ新王者にどこまで通用するのか。
コンセプシオンとの再戦も捨てがたいが、これまたすばらしい試合になると思う。少なくともあの狭い会場よりは大田区総合体育館の方がモチベーションも上がるだろうし、ファイトマネーも間違いなくはずんでもらえる。

「内山国内防衛ワロタ _( ̄▽ ̄)ノ彡 だから言っただろww 大田区総合体育館を想定しておけと」

もしかしたら、何かの間違いでパッキャオ来日というサプライズもあるかもしれない。つまり、ニセパッキャオ河野公平とリアルパッキャオのご対面が実現するわけだ。
しかもその日は待ちに待った内山高志の復帰戦。この試合に花を添える意味でもぜひとも実現してもらいたい。

「英雄の帰還。生贄の名はジェシー・バルガス。パッキャオは復帰戦を盛大に飾れるか?」

いや、呼べるでしょ絶対。
「世界タイトルマッチ」と称してあんな会場で細々やってるような選手ですよ?
喜んで日本来るでしょ。

「小原佳太がトロヤノフスキーに場外に吹っ飛ばされる!! 模造テクニシャンを大量に生み出したメイウェザーの功罪」

というか、内山高志はホントに復帰するのか?
大みそかに試合をするのであれば、そろそろ進退をはっきりするべき時期だと思うのだが。

「復ッ活ッ 内山高志復活ッッ 内山高志復活ッッ「試合してェ~~~~」」

フィリピン出身のサウスポーは英雄パッキャオの養分を色濃く受け継いでいる

毎度思うのだが、フィリピン出身の選手を見るたびにパッキャオの存在がいかに大きいかを思い知らされる。

今回のジェルウィン・アンカハス。そしてプンルアンに勝利したマーロン・タパレスやL・フライ級のランディ・ペタルコリン。

「カリド・ヤファイっていい選手なの? コンセプションに勝ったけど、あまりピンとこなかったな」

パッと名前が挙がるサウスポーはこの3人だが、どの選手も見るからにパッキャオの影響を受けていることがわかる。
特にアンカハスはかなりパッキャオ要素を色濃く持った選手で、中間距離での構えやレンジの長い左などはまさしくパッキャオのそれである。

「無謀? 大沢宏晋がオスカー・バルデスに挑む!! 聖地ラスベガスでパッキャオのアンダーカード」

そして、3人とも年齢が24歳と若い。
恐らく彼らは2000年~2010年代のパッキャオ全盛期を観て育った世代なのだ。伝説のモラレス戦やマルケス戦をクリアし、どんどん階級を上げてその時々の強敵と試合をこなしていた時期。
試合の日には全国民がテレビにくぎ付けになり、スーパースターの地位を確立したパッキャオのサクセスストーリーを目撃し、憧れを抱いた。その若者が今、世界の第一線で戦っているのである。

「スペンスがブンドゥをKO!! アカン、こりゃぁガチだ。さっさとパッキャオ戦やらせてやれ」

日本で言えば、イチローと松井の全盛期を観て育った世代が彼らに影響を受けたのと似ている。一時期、日本のプロ野球界に右投げ左打ちの選手が激増したが、これこそまさしくイチローと松井の影響である。
そして、今まさにフィリピンにおいてのパッキャオが当時のイチマツ現象と同様の現象を引き起こしているのだ。

「無謀にもほどがあるケル・ブルックがゴロフキンに5RTKO負け!! セコンドのナイス判断」

不世出のスーパースターが若者に憧れと影響を与え、競技の流行を作り出す。多くの類似品の中から一握りの本物が現れる。
フィリピンという国におけるパッキャオの存在が、いかに偉大であるかを感じることができるのではないだろうか。

もしかしたら、あと数年もすればパッキャオに影響を受けたフィリピンの選手がボクシング界を席巻することになるのかもしれない。

正直、類似品を大量に生み出すことが競技にとっていいかは僕にはわからない。
逆にパッキャオのスタイルだけをモノマネした薄っぺらいポンコツが大量発生するという危険性も十分に考えられる。そもそもサウスポーの絶対数が少ない手前、席巻することなどあり得ないのかもしれない。

「ウィリー・モンロー・ジュニアがロサドを一蹴!! え? カネロのミドル級調整試合にモンロー?」

ただ、どちらにしろ楽しみであることに変わりはない。
マニー・パッキャオの遺伝子が受け継がれていく様をリアルタイムで目撃できるのは単純にワクワクする。

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