映画「ジャングル・ブック」感想。バルーとモーグリの大冒険。ちょっとだけバギーラ

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黒ヒョウイメージ
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映画「ジャングル・ブック」を観た。
 
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「ジャングル・ブック」(2016年)
 
オオカミに育てられた少年モーグリは、兄弟分のグレイやタヴィたちと元気にジャングルを駆け回っていた。
 
頑固者だが頼りになる黒ヒョウのバギーラや、深い愛情で包んでくれる母オオカミのラクシャに囲まれ、ジャングルで生き抜く術を学ぶ日々。
 
だが人間を憎む無法者のトラ、シア・カーンは、モーグリがジャングルで暮らすことを認めない。そして、モーグリがオオカミの群れで暮らす限り、仲間に危害を加えると脅しをかける。
 
それを聞いたモーグリはリーダーであるアキーラのもとへ行き、群れから離れることを宣言する。
 
バギーラもモーグリを救うにはそれが最善だと考え、モーグリとともに人間の村へ向かう。
 
 
ところがその道中、待ち伏せていたシア・カーンがモーグリに襲いかかる。
 
決死の覚悟でシア・カーンを足止めするバギーラ。
バギーラに「北へ逃げろ」と言われ、一心不乱に走り去るモーグリ……。
 
 
1894年出版の短編小説集「ジャングル・ブック」、1967年公開のアニメ映画「ジャングル・ブック」をもとに製作された2016年公開の作品である。
 
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安定、安心のディズニー映画。「ジャングル・ブック」はわかりやすい王道のおもしろさ

例によってWOWOWで放送していたものを観たのだが、普通におもしろかった
 
以前にも申し上げたように、僕の映画に対する評価基準は「わかりやすさ」
 
「最強のふたり感想。こんな卑怯な映画あるかよ。涙腺崩壊要素てんこ盛り。ここまでやられちゃ、そりゃ泣きますよ」
 
ややこしい社会風刺や「現代の矛盾を痛切に皮肉った~」などという変化球はいらない。
哲学的な思考を発動して賢くなった気になる必要もない。
ただ、どストレートに笑って泣ければそれが最高。
 
そういう意味で、この映画「ジャングル・ブック」は僕の趣味にぴったりだった。
特にディズニー映画ならではの安定感安心感
どれだけ困難な状況に陥っても、最後はハッピーエンドに落ち着く信頼は凄まじいまでに強固である。
 
「映画「ライオン・キング」感想。荒んだらディズニー映画ってそれ基本だから。ハクナ・マタタ。世界が後ろを向いたらお前も後ろを向け」
 

動物界で形成される「社会」。各々に序列があり、主人公モーグリもその一部として描かれているのがいい

個人的にこの映画がいいなと思ったのは「人間社会が絡まないところ」
 
たとえば以前に触れた「アバター」や、ケビン・コスナー主演の「ダンス・ウィズ・ウルブズ」などは原住民(非人間)vs人間(文明側)を全面に打ち出した構図となっており、人間=劣悪な唾棄すべき存在として描かれている。
 
人間(文明側)を冷酷非情な侵略者に仕立て上げることで、観る者を原住民(非人間)に感情移入させる。一方を上げるために他方を落とすという、ある意味であざとく、ある意味でお手軽な手法である。
 

だが、この「ジャングル・ブック」はそうではない。
動物界の中で親、兄弟、恩師、友人、天敵が存在し、それぞれに序列もある。
つまり、動物だけで一つの社会が成立しており、恐怖の対象として人間を登場させる必要がない。
 
「オオカミに育てられた少年モーグリ」を「人間モーグリ」として際立たせるのではなく、あくまで動物界に属する1つのピースと捉え、シア・カーンやキング・ルーイの恐ろしさを強調する。
 
「映画「ドゥ・ザ・ライト・シング」。人種問題に切り込んだ? 違うね。他人の考えを許容できない器の小さいバカどものなれの果てだろ」
 
主要メンバーもキャラクターが立っており、それぞれに見せ場が用意されているのも目が離せない要因である。
原作がすばらしいというのは大前提だが、動物たちの躍動感をここまで表現してみせたのはお見事としか言いようがない。
 
モーグリ以外がすべてCGというのはすごいですよね。
動物の毛並や細かいしぐさとか、膨大な観察データをもとに膨大な時間をかけて制作したんだとか。

 

要は「バルーとモーグリの物語」ですよこれは。あとちょこっとだけバギーラ。それくらバルーのキャラが立ってる

頑固だが頼りになる黒ヒョウ、バギーラ。
怠け者で情に厚いクマのバルー。
無償の愛でモーグリを守る母オオカミ、ラクシャ。
群れのリーダーにして、モーグリの精神的な支えであるアキーラ。
赤い花(火)を手に入れ、人間になることを切望する猿の王、キング・ルーイ。
人間を忌み嫌い、モーグリを執拗に狙うトラ、シア・カーン。
 
「「ジュラシック・ワールド/炎の王国」が予想外におもしろかった件。スケールが小さいだって? それがいいんじゃねえかw」
 
これだけの主要キャラクターがモーグリを取り囲み、それぞれが個性を発揮しながらストーリーが進行する「ジャングル・ブック」。
もはや「人間模様」と表現してもいいくらいに個性がぶつかり合い、そこに「社会が成立」している壮観さである。
 
中でも際立って個性的なのは、やはりクマのバルー
 
というより、この映画は要はバルーだ。
それこそ「バルーとモーグリの大冒険。ちょっとだけバギーラ」という副題をつけてもいいくらい。それほど、この映画においてのバルーは突出している。
 
人間の村に向かうモーグリがシア・カーンに襲われ、バギーラとはぐれた先で出会うバルー。そこからバギーラが再登場するまでの幸福感はマジでたまらないww
 
ノー天気で自由奔放でいいかげん。口先だけの嘘つき。
「俺が教育してやるよ」と言いつつ、それっぽい言葉で一方的にモーグリを働かせるだけ。
うまく口車に乗せてモーグリを利用してばかりなのだが、それがなぜかホッとする
 
モーグリのためを思って心にもない言葉を浴びせるベタな展開もいいし、猿たちに連れ去られたモーグリを助けるためにビビりながら断崖絶壁を上るのもいい。
 
そして、バギーラとともに猿たちを足止めするシーンで、威嚇の雄たけびを挙げた直後にめっちゃ襲われるというオチww
 
「グォオオオオォオオゥゥゥゥ……」からの「プギャー!!」の流れは全力の笑いを禁じ得ないww バルーのキャラクターと相まって、この映画の隠れた名シーンであるww
「わかっちゃいるけど笑っちまう」みたいな。
 
嵐のように物語が疾走する中、モーグリとバルーの絡みは心休まる唯一の時間帯と言っても過言ではない。個人的な意見だが、あそこはもっと尺をとってもよかったのではないだろうか。
 

モーグリとの関連性が少し説明不足かな? シア・カーンは何であんなにモーグリにキレてんの?

あえて物足りない点を挙げるとすれば、全体的に唐突感が否めないところか。
 
たとえばモーグリの育ての親であるラクシャ。
「人間であるモーグリにも分け隔てない愛情を注ぐ母親」というキャラクターなのだが、残念ながらちょっと説明が足りていない。
 
モーグリが群れを離れる際、ラクシャが「どこへ行こうとあなたは私の子供よ」と言葉をかけるシーンなどはそれが顕著に表れている。
 
映画の宣伝にも使われ、モーグリとラクシャの絆が強調される名シーンなのだが、僕は正直「ん? そんな感じだったっけ?」と思ってしまった。
そこに至るまでに家族としてのモーグリとラクシャのシーンが皆無なため、ぶつ切り感が尋常じゃないのである。
 
「映画「あゝ、荒野」感想。ベッドシーン多くね? 木下あかりの裸を見飽きるまさか事態に。古くね?」
 
また、シア・カーンの人間への深い憎悪についても、やや説明不足だった感は大きい。
中盤以降、モーグリを殺すために執拗に狙い続けるのだが、その怨念にも似た怒りがどこから来ているのかがいまいち伝わってこない。
かつてモーグリの父親に怪我を負わされたという大義名分も、あそこまでの憎悪をたぎらせるには説得力に欠ける。
 
「いや、あなた何でそんなにキレてんの?」
「群れから追い出したんだからよくね?」
 
「粗暴なジャングルの無法者」というキャラはすごくいいだけに残念なところである。
 

実はキング・ルーイいらなくね? あそこを削ってシア・カーンに全振りすれば、ターミネーターの恐怖が再現できたかも

これは難しいところだが、思いきってキング・ルーイの件をカットして、その分をシア・カーンのトラウマに全振りするのもアリだったのかもしれない。
 
実はこの映画におけるキング・ルーイは、意外と立ち位置が中途半端である。
圧倒的なラスボスとしてはシア・カーンがいるし、ゾウがジャングルの創造主に君臨しているおかげで全知全能感も薄い。
中ボスにしては大物だが、もったいぶるほどでもないという。
 
「映画「リアル・スティール」を全力で人におススメする理由。親子愛、恋人、格闘技、ロボット…。近未来版ロッキーの躍動にニヤニヤが止まらないw」
 
見どころとしては、神殿の跡地を壊しながらモーグリを追いかけるシーンくらいか。だが、アレのおかげでシア・カーンとのラストバトルが若干しょぼく感じてしまったことも確かである。
 
むしろこの部分をカットしてシア・カーンとの絡みを増やせば、ターミネーター的な恐怖を演出できたのではないだろうか。
 
まあ、106分という時間の中で動物界のバラエティさを出しつつストーリーを完結させるには、いろいろと端折る必要があったのだとは思うが。
 

「動物に育てられた人間」のエピソードは意外と多い。そしてエグい。あと、巨大類人猿恐るべし

ちなみにだが、人間が動物に育てられたという話は意外に多い。
 
「ONE PIECE(ワンピース)好きなエピソード(◯◯編)ベスト3。国民的化け物マンガのお気に入りエピソードをランキング」
 
このオオカミに育てられた少年「ジュマ」の話は僕も聞いたことがあり、「人間は人間の環境に育つから人間になる」という言葉には大いに頷かされた記憶がある。
 
その他、チンパンジーやダチョウに育てられた人間の話など、率直に言ってエグい
 
人間が保護したあとはあまり長生きできないケースが多いと言うし、現実的にオオカミの群れで暮らす人間が二足歩行で育つことはあり得ないのだろう。何とも複雑な気分にさせられる。
 
 
あと、キング・ルーイのモデルとされるギガントピテクスのロマンはヤバい。
 
「類人猿ギガントピテクス、大きすぎて絶滅していた」
 
身長3m、体重500kg。
身体が大き過ぎて食べ物が足りず、パンダとの生存競争に敗れたとか。
 
「俺的ドラゴンボールの名勝負ベスト10。歴代ベストバウトはどの勝負? 1位は当然あの試合だよな?」
 
マジな話、ゴリラの2倍強のデカさはパねえっす。
 
つか、何絶滅してんだよ。
俺が生まれるまで待っとけよww
 
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