気づくのおっせえw 岩佐vsサウロン。大差判定で岩佐が初防衛成功。ジリ貧の両者が後半に「あっ」ってなる【結果・感想】

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2018年3月1日、東京・両国国技館で行われたIBF世界S・バンタム級タイトルマッチ。
同級王者岩佐亮佑がランキング13位エルネスト・サウロンと対戦。3-0(120-108、119-109、118-110)の判定で勝利し、初防衛に成功した。
 
 
2017年9月に小國以載をKOし、初の王座戴冠を果たした岩佐。
初防衛戦に迎えた相手はフィリピンの強豪であるエルネスト・サウロン。
 
試合は開始早々ペースを掴んだ岩佐が有利に進める。
得意の左を次々にヒットし、サウロンの前進を寸断。反撃の糸口を掴ませない。
 
至近距離で打ち合いたいサウロンだが、右リードの連打から左につなぐ岩佐の術中にはまり、思うように前に出られない。
 
中盤以降、サウロンの猛攻にやや苦しんだ岩佐だが、要所でボディを効かせて切り抜ける。
結局岩佐ペースのまま12R終了のゴングが鳴り、大差判定勝利。岩佐が初防衛を果たした試合である。
 
「山中2RKO負け引退表明。ネリ体重超過で試合に臨み、パワフルな連打で圧倒。めんどくせーけど、一応感想を言っておこうか」
 

エルネスト・サウロンはちょっと力量不足だったかなぁ……。フィリピンの強豪? 確かにそれ以外に言いようがないわなww

「世界王者確実」と言われながら、苦労の末に戴冠を果たした岩佐亮佑の初防衛戦。
 
まず挑戦者のエルネスト・サウロンについてだが、多くの方がおっしゃるように世界タイトルマッチを戦うには若干物足りなかった気がする。
 
ガードは高く、それなりにパンチ力もある(と思う)。
だが全体的なスピードやパンチの精度は足りず、打ち終わりに大きく身体が流れるシーンも目立つ。
左足を外側に踏み込み、右ボディストレートを打ち込んで~といった動きも見られたが、スムーズさは感じない。
 
一応テレビ的には「フィリピンの強豪」という紹介がされていたが、マジでそれ以外に言いようがないww
正直、岩佐にKO防衛させるために呼ばれた選手だったのか? と思うくらい。
 
「圧勝ダニエル・ローマン。松本亮手も足も出ず。誰だ松本が勝つとか言ってたヤツは? 僕だけどww まあ相手が悪いよ」
 

脆弱なテクニシャン岩佐亮佑。実はちょっと手間取るんじゃないかと思っておりました

そして、王者岩佐亮佑については何度か申し上げている通り。
 
・センス抜群で、中間距離での差し合いでは無類の強さを発揮する
・だが身体全体のフィジカルが弱く、強引な攻めに弱い
・若干パンチ力が不足気味
 
中間距離での駆け引きには目を見張るものがあり、内山高志や井岡一翔引退後の日本では右に出る者はいないほど。
ただ、身体の強さやパンチ力には物足りなさが残り、盤石というイメージはまったくない。
 
「野獣ワイルダーがオルティスを豪快KO!! やべえ、おもしろかったww オルティスは勝たなきゃダメな試合だったな」
 
苦手なタイプとしては、間合いの外側からすっ飛んでくるような身体能力系の選手。2015年のリー・ハスキンスや2011年の山中慎介のように、中間距離を一足飛びで踏み越えてくるタイプに苦戦する傾向が強い。
 
また全体的にパワー不足で、ガードを上げてプレスをかけるタイプも恐らく苦手。
中間距離での差し合いに付き合わず、強引な打ち合いに巻き込まれた場合、かなりの確度で脆さを露呈すると思われる。
 
イメージ的には、アドニス・スティーブンソンのテクニックにデボン・アレクサンダーのひ弱さをミックスした選手。
どんな相手も射程内に誘い出す多彩な右と、カウンターの左はスティーブンソン。
中間距離でのセンスは抜群ながら、あっさり危険地帯に踏み込まれる脆弱さはデボン・アレクサンダー。
 
「アレクサンダー勝てんかった…。オルティスとの元王者対決にドローで復帰戦を飾れず。やっぱり階級が合ってないような…」
 
そういう意味で、今回のエルネスト・サウロンとの相性は実はよくない。
過去の試合をまじめに観なかったのだが、何となく岩佐は手間取るかもしれないと思っていた。
 
「岩佐亮佑、ドヘニーとのV2戦。。前回のサウロン戦はノーカンでいいから」
 

開始早々、委縮してしまったサウロンと、慎重過ぎてダメージを与えられない岩佐。両者の決め手のなさが不思議なこう着を生む

前置きが長くなったが、試合の感想を。
 
とりあえず、早い段階でサウロンが委縮してしまったなぁと。
 
岩佐がサウロンとの距離感を掴んだのが1R2分過ぎ。
 
右で距離を測り、ガードの間から左を通す。
絶好のタイミングで左を打ち込み、サウロンの顔を何度も揺らす。
 
「ジョシュアがパーカーを子ども扱い。パーカーはがんばったけどやっぱり2m無双。結局こうなっちゃうんだよな」
 
恐らくこの時点で、サウロンは「実力差があり過ぎる」と思ったのではないか。
 
時おり外側に踏み込んで右を出したり、角度を変えてジャブを打ったり。
いろいろ練習をしてきたのかな? という雰囲気は垣間見えたが、打ち終わりをことごとく捉えられるせいでジリ貧状態である。
 
「スティーブンソンvsグヴォジク!! ま〜たおもしろそうな試合を組みやがってw キャリア終盤に勝負に出たかスティーブンソン」
 
対する岩佐だが、こちらもいまいち決め手がない。
右でサウロンをコントロールし、タイミングのいい左を何度も入れる。
パンチの届かない位置にサウロンをくぎ付けにし、的確なヒットを重ねていく。
 
だが1発1発のパンチが軽く、はっきりとしたダメージを与えられない。
 
サウロンの踏み込みに合わせてカウンターを狙っているのか、それとも前に出るタイミングをうかがっているのか。
 
「岩佐圧勝で世界王者!! 小國は手も足も出ず、試合後に引退を表明。ラフさが足りなかったかな小國は」
 
これはパンチ力不足というより、どちらかと言えばメンタルの問題な気がする。
以前、亀田興毅が「相手を倒すには残り10cmを踏み込む勇気が必要になる」と言っていたが、たぶんそんな感じ。
 
中間距離での差し合いで歯が立たず、攻め手がないサウロン。
もう1歩の踏み込みが足りず、パワーパンチを打てない岩佐。
 
恐らくだが、これが不思議なこう着の正体だったのではないか。
 
「ジャックvsスティーブンソン? これは予想しにくいよね。ハード路線のジャックか、引退間近のスティーブンソンか」
 

8R、サウロンちょっと気づく

大した盛り上がりのないまま迎えた8R。
 
ジリ貧状態を打破すべく、サウロンが仕掛ける。
ガードを上げて岩佐のジャブを防ぎ、遠い位置から踏み込んでの右。
岩佐はこれを楽々かわし、肩を押しつけるように安全圏をキープする。
ここまでは今までの流れと同じ。
 
だが、ここでサウロンがアクションを起こす。
打ち終わりの反動で身体を後ろにそらし、戻り際に左右フックを打ち込む。
岩佐はスウェーで間一髪避けるが、タイミング的には悪くない。
 
そして終了間際。
パンチの戻り際に合わせてサウロンが踏み込み、再び左右フック。
2発目の右が岩佐の顔面を捉える。
 
惜しくもそこでゴングが鳴り、8Rが終了する。
 
「リトアニアの井上尚弥、カバロウスカスがアバネシャンを6RKO。いや、でも日本の小原佳太なら勝てるんじゃないの?」
 
続く9R。
同じような展開でたびたびサウロンが岩佐の懐に侵入し、際どいタイミングの連打を見せる。
だが、岩佐も要所で左をヒットし、ラウンド全体ではペースを渡さない。
 

10R、サウロン完全に気づく

10R。
開始早々、岩佐のワンツーが立て続けにヒットするが、サウロンは怯まない。
ガードを上げてじりじりと近づき、パンチの引きに合わせて踏み込み3発。
さらに身体を振りながら大股でプレスをかけ、懐に入ってフックを2発。
 
「チャーロvsセンテノ予想。センテノに圧勝すればミドル級のチャーロ兄の疑いが晴れるかな? そしてゴロフキン戦の実現を…」
 
カウンターを合わせる余裕もなく、ロープまで後退する岩佐。
コーナーを背に、何とかクリンチでしのぐ。
 
そうだよお前ww
最初からそれをやれってんだよww

 
10Rやって、やっと気づいたか。
お前は中間距離で勝負してもしゃーないんだよww
 
せっかく高いガードと上背があるのに、できもしないサウスポー対策とかやってる場合じゃないんだよww
 
「カネロの禁止薬物陽性の裏でいろいろあったよ。コバレフvsミカルキン、ビボルvsバレラ、ジョシュ・テイラーvsカンポス」
 

11R、岩佐ようやく気づく

11R。
手ごたえを掴んだサウロンは、このラウンドもガードを固めてじりじりと前に出る。
多少の被弾は気にせず前進し、ボディに右を打ち込んでいく。
 
「マティセ圧勝すげえ! テワ・キラムに何もさせずに8RKO勝利。レベルが違い過ぎたかな。ここまで圧倒するとは」
 
相変わらず接近戦でバタつきを見せる岩佐。
 
だが45秒過ぎ。
岩佐のアッパー気味の左が、サウロンの下腹部に突き刺さる。
 
一瞬動きを止めたサウロンだが、すぐに体勢を立て直して再び前進。
そこにもう1発、カウンター気味に入る岩佐のボディ。
 
これでサウロンの動きが止まる。
 
そうだよお前ww
最初からそれをやれってんだよww

 
「伊藤雅雪やるっきゃねえなオイ。クリストファー・ディアスとフロリダで王座決定戦。勝つね。うん、これは勝つよ」
 
11Rやって、やっと気づいたか。
ずっと中間距離で勝負し続けてもしゃーないんだよww
 
あれだけ顔面ばかり狙ってたんだから、たまにはど真ん中のボディも打たんとww
 
「バルデスvsクイッグ!? またおもしろそうな試合を組みやがって…。今回ばかりはバルデス大ピンチじゃない?」
 
突然ボディを打たれたサウロンが明らかに迷いを見せる。
踏み込みの鋭さがガクッと落ちる。
 
そこに、動き出しを狙った岩佐の左が直撃!!
さらにボディから顔面へ、岩佐の連打がサウロンを捉える。
 
ガードを固めてまっすぐ下がるサウロン。
ロープ際でラッシュを浴びせる岩佐。
 
この試合、最初で最後の山場である。
 
「木村翔が五十嵐を根元から粉砕。大振りで恐怖を植え付けて真ん中を右でドーン。圧巻の五十嵐対策でしたね木村翔」
 

いろいろ消化不良だったな。どっちも気づくのが遅いわww 岩佐はジョナタン・グスマン戦が観たいな

てか、おっせえww
どっちも気づくのおっせえww
 
 
もともとこの舞台に立つには力量不足なサウロンは、体力のある前半に勝負を賭けるしかなかった。
対する岩佐は、もっと早めにボディでダメージを与えてペースアップしたかった。
 
陣営の作戦なのか選手本人の判断なのかは知らんが、消化不良感が尋常じゃないww
 
「田口すごかった。メリンドに完勝するとはね。負けるとか言って申し訳ないww L・フライ級で規格外のフィジカルと戦術の幅がすげえ」
 
まあサウロンにとっては初来日が初めての世界戦。なおかつあの異様な雰囲気。
前半から一か八かの勝負をするのは難しかったのかもしれない。
 
「プログレイスがインドンゴをボッコボコで初戴冠。まんま山中vsルイス・ネリだったな。相性の悪さがモロだった」
 
そして岩佐亮佑に関しては……。
「お、おう」という感じか。
 
勝つには勝ったが、ここまでわかりやすく得手不得手が見えたのはちょっと……。今後、対策もしやすくなるのではないか。
 
「小國vsグスマン感想。怒らないで聞いて。実は小國が勝てるんじゃないかと思ってた。でもビビって口に出せなかった」
 
一応、僕が観たいと思っているのがvsジョナタン・グスマン戦
小國以載には丸裸にされたが、あの身体能力脳筋マンは岩佐にとってかなりの脅威だと思う。
 
といっても、アイツも小國に負けてから音沙汰がないんだよな……。
 
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