井岡vsシントロン感想。たくましさ、荒々しさの増した井岡が長身サウスポーに完勝。僕はこっちの井岡の方が好きかな【結果・感想】

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東京イメージ
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2019年12月31日、東京・大田区総合体育館で行われたWBO世界S・フライ級タイトルマッチ。同級王者井岡一翔がランキング1位の挑戦者ジェイビエール・シントロンと対戦し、3-0(116-112、116-112、115-113)で勝利。初防衛に成功した一戦である。
 
 
開始直後から広いスタンスと鋭い右、よく動く足でペースを支配するシントロン。
対する井岡は身体を揺らしてプレッシャーをかけ、徐々に自分の距離まで近づいていく。シントロンの右リードや左ストレートをカウンターで被弾するシーンも見られたが、固いガードでさばきながら精度の高い左ボディを打ち込む。
 
中盤に入ると、だんだんとシントロンがロープを背負う機会が増え、井岡に試合の流れが傾く。
時おりカウンターの左や強烈なボディでシントロンの足が止まり、そのつど井岡が圧力を強めてラッシュを浴びせる。
 
シントロンも劣勢ながらも最終ラウンドまで動き続け、何とか井岡に決定機を作らせず。
両者ともにダウンなしの激戦となったが、結果は3-0で井岡が勝利。難敵相手に経験値の差を見せつけた井岡の完勝となった。
 
「ロマゴンvsヤファイ予想。ロマゴン第二次全盛期に向けての第一歩。僕はヤファイを応援するけどね」
 

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おもしろい試合だったな。シントロンは間違いなく強敵だったが、井岡の経験値が上回った

大みそかボクシングの常連、井岡一翔が迎えた初防衛戦。
今回の相手は2度の五輪出場経験を持つ無敗のジェイビエール・シントロンということで、アマ時代に出場がかなわなかった井岡にとっては尊敬すべき選手でもある。
 
「井岡一翔vsシントロン予想。シントロンはそこそこよさげだけど、井岡の勝ち方が楽しみですね。パワーでねじ伏せたら最高かな」
 
そして、実際の試合はめちゃくちゃおもしろかった
 
僕はこの試合をテレビで観ていたのだが、シントロンは間違いなく強敵。これまでの井岡の対戦相手の中でもトップクラスだったと言っても過言ではないと思う。公式採点でも3Rまではシントロンのリードだったとのことで、確かにアマチュアルールでは井岡よりも上かもしれない。
 
ただ、今回はあくまでプロのリングで、なおかつ12Rの世界戦。
序盤3Rで相手の力量と自分の間合いを把握し、中盤からペースアップしてポイントを連取。シントロンも何とか流れを変えようとしていたが、まったく意に介さずに前に出続けての判定勝利。
 
12Rを3Rずつの四分割で考えるというか、相変わらず井岡一翔の試合運びはさすがだなと。
若干ナルシストな言動を含めて好き嫌いが別れる選手ではあるが、実力の高さは疑いようがない。個人的に今回の試合も大いに楽しませていただいた。
 

復帰後の井岡のたくましさ、荒々しさはすばらしい。被弾も増えたが、その分ドラマチックな試合が生まれやすい

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これはたびたび申し上げているのだが、2018年に復帰して以降の井岡は本当にたくましさが増したと思う。
 
フライ級時代のロマゴンとも渡り合ったマックウィリアムス・アローヨと真正面から打ち合っての勝利。ドニー・ニエテスとの中間距離での差し合いでは遅れをとったが、前戦では一回り身体の大きなアストン・パリクテにKO勝利。
そして、今回は過去もっともやっかいだと言ってもいい長身サウスポーのジェイビエール・シントロンに追いついての完勝。
 
特にこの2戦では自分よりも大きな相手に当たり負けせず、パワーでねじ伏せたのは大きい。
 
「これが井岡一翔じゃゴルァ! って試合だったな。パリクテを10RTKOに下して4階級制覇」
 
以前の井岡はどちらかと言えば自分よりも身体が小さく、なおかつ得意な距離で打ち合える相手との試合が多かった。
だが、2018年の復帰以降はまったくの逆。「スケールの大きさに押し潰されてしまうのでは?」と思われる相手に真っ向から立ち向かい、見事に打ち勝っている。
 
確かに若干ガードが下がって被弾も増えたが、その分たくましさ、荒々しさが身についた。
相手のフィジカルもアップするS・フライ級では、緻密さよりも身体全体の馬力にメーターを振り切った方が有利なのかもしれない。


もちろん井岡の追い足がすばらしかったのは言うまでもない。
この試合では序盤3Rで間合いを測った上で中盤からペースを握ったわけだが、相手を追い詰める際の動きもさすがだった。
 
2019年8月の江藤光喜vsシントロン戦と比べてみると、井岡の追い足の精度がめちゃくちゃわかる。
 
自分の得意な距離に入る前に我慢できずに手を出してしまう江藤と、シントロンのパンチに耐えながらじっくり近づく井岡。
シントロンにうまくロープを背負わせても外側を取られて逃げられてしまう江藤と、左足でがっちり侵攻方向を塞ぐ井岡。
 
うまく相手の動きを制限する分、自分の得意な位置で打ち合う時間が長くなり、必然的に試合の主導権を握れる。1発1発の正確さも含め、やはり実力は江藤よりも一段上だなと。
 
しかも、今の井岡は自分よりも大きな相手に当たり負けしないフィジカルを手に入れた。若干被弾も増えたが、たくましさ、荒々しさが増したことによってドラマチックな試合が生まれやすくなっているイメージ。
 
だってアレだろ?
ラスト10秒の左右の大振りなんか、これまでの井岡なら絶対に出さないからね。
 
「田中恒成が王座返上&階級アップ。井岡一翔とのビッグマッチ実現か。まあ井岡にリスクがデカすぎるよな」
 

ジェイビエール・シントロンは惜しかったね。パンチの威力を含めてちょっと脆弱すぎたな

対する挑戦者ジェイビエール・シントロンについては井岡と真逆。
足もよく動くしサイズにも恵まれているが、全体的に力強さが足りなかった。
 
正直、リアルタイムで観ていた際はもう少しポイントでせっているのではないかと思っていた。
試合のペースは間違いなく井岡だが、有効なクリーンヒット数は微妙。ジャッジ1人が引き分けにしてもおかしくない気すらしていた。
 
ところが、実際の結果は3-0で井岡の完勝。
ポイントは4P差×2、2P差とそこそこ際どかったわけだが、判定結果が読み上げられた瞬間は「へえ〜」と思ってしまった。
 
「ラッセルさんを過労で潰す気か。無敗のニャンバヤルとのタイトルマッチを2月だと!? 労働への意識が低すぎる」
 
で、音を消して観直してみたところ、ああ、なるほどと。
確かにこれは井岡の完勝で間違いなさそう。ジャッジも4P差が妥当かなぁと。
 
シントロンのパンチは見た目が派手で距離も長く、一瞬「おお!!」という印象を受ける。だが、実はそこまでの威力はなく、引きの意識が強すぎるせいか、パンチに体重が乗らずダメージを与えるまでに至っていない。
 
近場での連打も若干オープン気味なパシャパシャで、相手に恐怖を感じさせることができていないイメージ。
 
今回の井岡も何度か危ないタイミングでカウンターを被弾していたが、いっさい怯まず前に出続けた。
短いラウンドを全力で駆け抜けるアマチュアルールなら問題ないが、プロの12Rを切り抜けるにはやや脆弱。過去トップクラスにやっかいだったことは間違いないが、いろいろな面でわずかに物足りない選手だった気がする。
 
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