カリド・ヤファイっていい選手なの? コンセプションに勝ったけど、あまりピンとこなかったな。無敗のプロスペクトが初奪還【結果・感想】

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マンチェスター橋イメージ
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2016年12月10日(日本時間11日)に英国マンチェスターでWBA世界S・フライ級タイトルマッチが行われた。
同級10位のカリド・ヤファイが王者ルイス・コンセプションと対戦、3-0(120-108、117-110、119-108)の判定で勝利し、初の王座奪還に成功した。

積極的に前に出るコンセプションに対し、スピードのあるヤファイは終始アウトボクシングを展開。ヒット数の差で大差判定勝利を飾った試合である。

なお、この試合はコンセプションが前日計量に失敗し、ヤファイが勝利した場合のみ王座が移動するという条件で行われている。

「エキサイトマッチ総集編2016を観た感想と、俗世にまみれた雑感など」

体重超過でテンション下がりまくり。ま~たやらかしたんかいな

英国期待のカリド・ヤファイが勝利!!
計量オーバーのコンセプションにスピード差を見せつける!!

まず申し上げたいのだが、僕はこの試合をずっと楽しみにしていた。 
「村中優惜しい!! ヤファイを追い詰めるが、最後の最後で失速。敵地で絶好のパフォーマンスは次につながる」
 
注目試合が多かった先週末、特に楽しみにしていたのが、

・ジャーマル・チャーロvsジュリアン・ウィリアムス戦
・テレンス・クロフォードvsジョン・モリナ戦
・カリド・ヤファイvsルイス・コンセプション戦

の3試合。

そして、そのうちの2試合で計量オーバーが発生するという体たらくであるww

「クロフォードがモリナに圧勝! でもスター候補がそれでいいのか? ホントに強いのかクロフォード」

おいおい、どないなっとんねん!!

いぢめか?
いぢめだな?

特にこのカリド・ヤファイvsルイス・コンセプション戦は試合の報を聞いたときからワクワクが止まらなかった。河野公平と大激戦を繰り広げたコンセプションが英国に乗り込むということで、嫌でも期待が高まる試合だった。

「井上vs河野予想!! ペッチバンボーン最強説を覆せ。モンスター井上の実力を証明する試合」

試合決定の報を聞いたのが10月上旬。
つまり、2か月ほど前からこの日を待っていたというわけである。

その結果がまさかの計量オーバーでの陥落。
テンションダダ下がりっすわ。
いや、マジで。

「鉄拳爆発!! ジャーマル・チャーロがテクニシャンウィリアムスを豪腕で沈める!!」

カリド・ヤファイがそこまでいい選手に思えない件。以前観たときと同じ印象だった

とりあえず試合を観た感想をひと言。
「ヤファイってそんなにいい選手か?」

コンセプションの体重超過で興ざめした影響もあるが、正直僕にはこの選手がそれほどいいとは思えなかった。

実を言うと、僕はカリド・ヤファイを観るのは初めてではない。

確か2年前くらいだと思うが、

「カリド・ヤファイといういい選手がいる」
「イエメン系の血筋で、ハメドの系譜を継ぐ選手」
「オリンピック出場経験もあり、今後に期待が持てる」

このカリド・ヤファイを非常にお薦めされている方がいたので、それだけ言うならと興味が沸いた次第である。特に「イエメン系でハメドの系譜」という情報は僕の琴線を大きく振るわせた。

さぞかしすごい選手なのだろうと思い、はりきって過去の試合を観てみたところ、
「そんなにいい選手か?」

非常に申し訳ないのだが、僕にはあまりピンとくるものがなかった。

お薦めされていた方には悪いが、この選手のことは忘れてもいいかな?
そんな感じで、コンセプションとの対戦が決まるまでは完全に忘却していた。

そして今回。
ルイス・コンセプションが英国に乗り込んで戦う相手がカリド・ヤファイだと聞き、久しぶりに思い出したというわけである。
「おお、あのカリド・ヤファイか!!」

「ロマチェンコに勝てるのは誰? 階級を超えたPFP、ハイテクボクシングマシーンをストップできそうな選手」

2年前はあまりいいとは思わなかったが、あれから大きな成長を遂げているのだろうか。それとも僕がわからなかっただけで、当時からすばらしい実力の持ち主だったのだろうか。

期待と不安が入り混じった中での再開である。

そんないきさつがあった今回、2年ぶりにこの選手の試合を観た感想が、
「ヤファイってそんなにいい選手か?」

はい。
2年前と同じです。

申し上げたように、立て続けの体重超過でテンションがダダ下がりだったことは間違いない。

だが2年経った今も、カリド・ヤファイがそこまでいい選手には思えないというのが僕の本音である。

まあ体重超過をやらかしたのはコンセプションだし、そもそもクロフォードvsジョン・モリナ戦はこの試合とは何の関係もない。完全に僕の言いがかりなのだが。

「トロヤノフスキー、ワンパンKO負け!! 40秒でインドンゴの左で衝撃ダウンで王座陥落!!」

コンセプションに駆け引きで劣るヤファイがヒット数とクリンチ多用でポイントを拾いまくる

試合の流れとしては、積極的に前に出るコンセプションと、下がりながらガードの間を狙うヤファイという展開である。

距離をとってスピーディなパンチを打ち込みたいヤファイ。
対するコンセプションはヤファイの左側から鋭角に回り込み、ロープを背負わせるように仕向ける。

「マイキー・ガルシアがズラティカニンにKO勝ち。空中で失神してゆっくり崩れ落ちる衝撃映像。戦慄のカウンター」

至近距離での打ち合いでは、ヤファイはコンセプションに歯が立たない。
遠い距離からスピードを活かした展開に持ち込もうとするのだが、コンセプションのプレスで一方向のみに動かされてしまう。試合の主導権という意味では完全にコンセプションである。

うまく間合いを作れず、なおかつ至近距離での打ち合いも分が悪い。

その状況でヤファイが選んだ作戦はクリンチ
距離を詰めてくるコンセプションに対し、ガードの間からジャブを1発、そのまま体を寄せて腕を抱え込む。
サイズの違いを利用して相手にもたれかかり、コンセプションの位置取りを封じる。
攻撃の流れを寸断すると同時に、自分より小さな相手の体力を削るという一石二鳥の作戦である。

ヤファイは自分の得意な間合いを作ることができず、コンセプションは攻撃の流れをそのつど寸断される。
お互いが後頭部を叩きあってレフェリーが注意するというシーンが再三見られたが、どちらも思うようにいかない試合だったのだろう。両者とも、相当フラストレーションが溜まっていたのではないだろうか。

カリド・ヤファイが初奪還を果たしたが、モヤっとした試合だった。この選手が特別いいとはどうしても思えないのだが

結果的にはヤファイが3-0の大差判定勝利を収めた試合だが、はっきり言って微妙だった

コンセプションのプレスはいつも通り。そこに関してはさすがのひと言である。
ただ、ガードのルーズさも相変わらずで、距離を詰める過程での被弾が多すぎた。自分の間合いに持ち込むまでの組み立てはさすがだと思うが、ラウンドごとの優劣だけを見ればヤファイ有利と判断されても文句は言えないだろう。

動き出しの1発や、相手のサイドに回る際の1発。
決して芯を食っているわけではないのだが、とにかく見栄えがよくない。

主導権を握っていたのはコンセプション。ところが、勝者はヤファイ。
ボクシングがポイント制の競技だということを考えると、この結果もやむなしといったところか。

「リナレスがクローラに勝利!! 才能が凡人の努力をあっさり凌駕する。スピード&パワーの大正義」

そして英国期待のカリド・ヤファイ。
何度も申し上げているように、僕にはこの選手がそこまでいいとは思えなかった。

スピードもある。
コンビネーションもいい。
恐らく身体能力も高いのだろう。

だが、駆け引きの面でコンセプションにかなわなかったところなど、才能に頼る部分が大きいように思える。
何となく「パワーで押し切るスタイルのくせにパワーレス」という印象を受けたのだが、どうだろうか。

早々にクリンチ多用のスタイルに切り替えるなど、試合の中での柔軟性は持っていそうではある。もしかしたら、こうした押し引きのうまさが評価されているのだろうか。

いや、さすがにそれはないか。
そこを高く評価されるのであればハメドの名前が出てくるわけがない。
本当によくわからない選手である。

「ケル・ブルックは強化版ハメドだ!! ケビン・ビジェールに圧勝!!」

とにかくアレだ。
体重超過を含め、最初から最後までモヤモヤした試合だった。
両者ともにテーピングが剥がれる回数が多すぎるし、すべてが期待外れな印象である。

まあ、コンセプションはまた日本に来ればいいよ。
カリド・ヤファイは今後に期待? かな?

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