フェリックス・ベルデホがボクシング界を背負う? 次世代ホープのプエルトリカン、太陽の申し子ベルデホに注目するぞ!!

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奈良公園イメージ
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フェリックス・ベルデホ。
1993年生まれの右ボクサーファイター。
抜群のタイミングを持つ左のフック、カウンターが持ち味のセンス抜群の若手ホープである。身長175cmに対し、リーチが182cmとライト級としては比較的サイズに恵まれた期待のプエルトリカンだ。

そして、ここ最近WOWOWエキサイトマッチがひいきにしている選手でもある。
先日も、2015年12月に行われたドス・サントス戦で見せた鮮やかなクロスカウンターでのKO勝ちがOAされたばかりである。

ちなみにこのベルデホ、アマチュア時代にロンドン五輪でワシル・ロマチェンコに敗北している。

近未来スタイルのフェリックス・ベルデホにベタぼれです

フェリックス・ベルデホはいい。
まだ将来有望なホープの1人という立場ながら、エキサイトマッチがひいきにするのもわかる。恐らく後1、2年すればボクシング界の主役になる選手だ。

この選手の特徴は防御とスピーディーなカウンター、そしてスムーズなコンビネーション。
さらに最大の持ち味として、エキサイトマッチの解説者も言っていた覚えがあるが、相手のパンチをブロックした瞬間にブロックした側の腕でパンチを返すことができるところである。

たとえば相手の右ストレートを左でブロックした瞬間、そのブロックした左腕でパンチを打つことができるのだ。そのため、必然的に相手の打ち終わりを狙ったカウンターのパンチになるのである。

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相手の右を左でブロックした瞬間にベルデホは右足を一歩引く。つまり相手のパンチを防いだ瞬間にパンチを打ち返せる姿勢が整っているのである。

受ける側としてはガードに戻る前に、打ち込んだ側からパンチが飛んでくるので防ぎようがない。どうしてもガードが間に合わず、無防備にパンチをもらってしまうのである。

自分がパンチを出した瞬間、間髪いれずに威力十分のパンチが無防備な顔面に飛んでくる。これはわかっていてもなかなか防げるものではない。
リーチの長さと反射速度、スムーズに伸びるパンチ。元来のカウンターのセンス。それらすべてが合わさった上での技術だと思うが、対戦相手にしてみれば経験したことのないタイミングで考えられない角度のパンチが飛んでくるイメージではないだろうか。

これはどうなのだろう。
教えてできるものなのか?
それとも、持って生まれたセンスの成せる業なのだろうか。

まだまだボクシングには開拓の余地が残っている。そう思わせてくれる選手である。

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ここまで主人公気質なタイプだとあまり好きじゃないけどね

前にも言ったが、僕はこの選手に実はそこまで大きな魅力を感じていない

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実力が足りないとか、ファイトスタイルが気に入らないとか、華やかさがどうとか、そういうことではない。
むしろその逆で、この選手の人を惹きつけるオーラや持って生まれた才能は何年かに1人の逸材と言っても過言ではないと思う。

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やや長めのミドルレンジが得意なボクサーファイターでありながら、接近戦もロングレンジも器用にこなすコンプリート型。しかも70%を超えるKO率を誇るハードパンチャーでもある。
そして何よりハンサムな見た目。それに加えて愛くるしいキュートな笑顔。謙虚な受け答え。
これで人気が出ないはずがない。ボクシング界の中心人物になるために必要な要素をすべて兼ね備えていると言ってもいい。

しかもメイウェザーのような悪童タイプではない。
よくフェリックス・トリニダードの後継者として名前を挙げられると聞くが、僕はちょっと違うと思う。
どちらかと言えばオスカー・デラ・ホーヤやシュガー・レイ・レナード、マニー・パッキャオの系譜ではないかと思っている。
誰もが憧れる太陽のような存在というか、スター街道のど真ん中を行くプリティ・ヒーロー。そんなポテンシャルを持った選手だと思うのだ。

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そしてひねくれ者の僕は、ここまで非の打ちどころのない存在というものを手放しで受け入れることがどうも苦手である。

今だに語り草になっているデラ・ホーヤvsクォーティ戦は問答無用でクォーティを応援していたし、できることならフェルナンド・バルガスにも勝ってほしいと思っていた。デラ・ホーヤに連勝したモズリーに対しては「よくやった!!」と膝を叩いたものである。

パッキャオにしてもそうだ。
デラ・ホーヤ戦も含め、2007〜2011年辺りまでの快進撃を続けるパッキャオを実はそこまで応援していなかったし、間違って勝ってしまったブラッドリーには痛く同情した。
当然デラ・ホーヤvsパッキャオ戦は全力でデラ・ホーヤを応援したことは言うまでもない。

「レイ・バルガスやべえww強いww こいつは絶対覚えておいた方がいい」

要するに、主人公になるべくして生まれてきた人間の光り輝く姿というのがどうも好きではないのである。
飛ぶ鳥を落とす勢いで快進撃を続ける姿は賞賛に値する。だが、どこかで「ケッ」という気持ちがあるのだ。

「いや、あんた。それだけのものを持って生まれてくりゃ、そこまで昇りつめるでしょ」

「ベルデホダメか? マルティネスにはKO勝利したけど課題山積」

我ながら自分の卑屈っぷりに嫌気がさすのだが、どうしても主人公に立ち向かう敵役側に感情移入してしまうのである。

このフェリックス・ベルデホがまさにそのタイプで、僕がいまいち魅力を感じない理由がこれである。エリート街道まっしぐらの主人公ではなく、もっと不安定感というか、陰の部分を感じたいのである。

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ちなみにレナードはリアルタイムで見ていないのでよくわからない。

そして、僕がこの手の選手のことを本当に好きになるのは全盛期を過ぎた時期。キャリア後半を迎え、実力的にも下り坂に差しかかった元ヒーローのがんばりが好きなのだ。かつての栄光を取り戻すために足掻く姿がたまらなく好きなのである。

「サダム・アリを見とけよ? そのうち出てくっから!!」

いまだにリングに上がり続けるロイ・ジョーンズをますます好きになっているし、デラ・ホーヤvsパッキャオ戦ではデラ・ホーヤに肩入れした理由もまさしくそれである。
新旧対決と銘打たれた試合で僕が応援するのは旧型ヒーロー。これは僕の中での決定事項なのだ。

2014年のビヤヌエバ戦のKO勝利にはしびれた

話をベルデホに戻そう。

僕がこの選手の試合で最も衝撃を受けたのは2014年のビヤヌエバ戦である。
この試合はすごかった。何度見ても声が出てしまうほどの凄まじい結末だった。

ビヤヌエバの右アッパーにスマッシュ気味の右フックをクロスで合わせての一撃必殺。ロープ際にビヤヌエバを誘いこんでおいてのカウンター一閃である。

しかも、例によってビヤヌエバの左のフックをガードした直後の右フックだ。
2Rまでのオーソドックススタイルからサウスポーにスイッチしての3R。サウスポースタイルからの一発による衝撃的なKO勝利である。
2Rまでのスタイルとはまったく逆の動きでのKOフィニッシュ。まさしく閃光が走るような一撃だった。

いや、これはマジですごかった。
こんなことができるもんなのか?

ビヤヌエバの背中越しだったので何が起こったのかを理解できずにキョトンとしたが、スローを見て背筋が凍った。

たぶんビヤヌエバはなぜ自分が倒れているのかを理解できていなかったはずだ。

まさに見えないパンチ。
自分が倒されたことに気づかないパンチ。
もはや「はじめの一歩」の世界である。

個人的にこの試合はもっと注目されてもいいと思っているのだが、あまり言われていないのが残念である。ベルデホ自身の知名度がそこまで高くないからだろうか。ちょっとわからないが。

バルテレミーvsベルデホが観たい!! そしてバルテレミーの勝利が観たい!!

見れば見るほど、このフェリックス・ベルデホは期待感で溢れる選手である。
あまり好きではないが。

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今後、相手のレベルが上がってもこれまでと同様の戦い方ができるだろうか。
ブロックした腕でカウンターを返す技術がどこまで通用するだろうか。相手のスピードが上がっても今のカウンターの精度を保つことができるのだろうか。
それともミゲール・コットのようにディフェンス重視のスタイルに傾向していくのだろうか。
相手のレベルに合わせていったいどのような進化を見せるのだろうか。何から何まで目が離せない。

ベルデホは近い将来、ライト級のチャンピオンになる。これは間違いない。

ここから先は僕の希望だが、タイトルを何度か防衛した後にランセス・バルテレミーとの統一戦を実現してもらいたい。

「バルテレミーは強いし上手いぞ!! 内山も三浦も助かったな」

不人気地味路線をひた走るダークヒーローのバルテレミーvs太陽の申し子・ベルデホ。どんな試合になるのか考えるだけでワクワクする。

そして、このビッグマッチに勝利するのはバルテレミーだ。僕のお薦めボクサーのバルテレミーが一躍トップスターの仲間入りを果たすのである。

ん?
ホルヘ・リナレス?

無理無理。
やめとけ。
勝てるわけない。
恥をかくだけだ。

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