1R4分の計測ミスの次は1R2分だってさ。試合の成立の可否も後日発表…。こういう仕事ってホントにやるもんじゃねえよな
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2019年4月5日、エディオンアリーナ大阪第2競技場で行われた8回戦、テイル渥美vs堤本京介戦においてタイム計測のミスが発生した。
「ボクシングで再びタイム計測ミス 今度は1ラウンド2分しかなかった…」
試合は4R2分17秒TKOでテイル渥美が勝利したが、第3Rが本来の3分よりも1分短い2分で終了していたとのこと。
また、2018年12月に大阪・住吉区民センターで行われた東洋太平洋バンタム級王座決定戦では、第6Rが4分間、インターバルが2分間という事態が発生しており、それ以降はタイムキーパー2人体制などによる再発防止につとめていた。
「ボクシングで1ラウンド4分 タイム計測ミスで関係者処分 JBC」
なお、今回の試合成立を認めるかについては、後日発表するとしている。
タイム計測のミスねぇ。アナログで測っている限りゼロにはならないんじゃない?
ボクシングの試合でまたしてもタイム計測ミスが発生したとのこと。
2018年12月の東洋太平洋バンタム級王座決定戦では1R4分間。そして今回の8回戦では1R2分間。
うまく前後で帳尻合わせしたんじゃねえか? と思うような事態にただただびっくりしてしまう。
メインの辰吉寿以輝vs松浦大地戦では辰吉Jr.が鮮やかなKO勝利を飾っただけに、残念な気がしないでもない。
「辰吉寿以輝が初1回KO「オヤジも最速2回でしょ」」
これねえ……。
前回の1R4分の際も思ったが、アナログ対応をしている限り絶対ゼロにはならないと思う。
確か、1回の興行での最低ラウンド数が32ラウンド? だっけ?
そして聞いた話によると、年間の興行数は100以上。およそ3、4日に1度のペースで、全国どこかでボクシングのイベントが開催されているとのこと。
1興行につき32ラウンド。
それが年間100回あったとして、合計3200ラウンド。
仮に1日6試合と考えると、合計26回インターバルが入る計算になる。それを年に換算すると2600回。
もちろん早い回で終わる試合もあるし、すべての興行が32ラウンドなわけでもない。
正確なところはわからないが、恐らく2500回を下回ることはないだろうと想像する。
1年間で2500回、3分と1分を交互に測る作業を繰り返していれば、どこかでミスが起きてもおかしくはない。仮にタイムキーパーを2人配備したとしても、2500回の中でその2人が同時にやらかす可能性も絶対にないとは言えない。
もちろん、そんなことは起きてはいけないし擁護する気もないのだが、現実問題として。
「「山中慎介バンタム級トーナメント(仮)」開催決定。結構大変そうな大会だけど、優勝賞金100万円か…」
てか、実際僕もタイムキーパーでミスったことあるからね。
ボクシングの試合ではなく、幸い身内の小規模な大会だったおかげで「すみません」で済んだけど。
ストップウォッチの「秒」の部分にしか目がいかなくなくなることって、マジであるんだよね。
いや、計測ミスが起きたのは仕方ないなどという話ではなく。どうしてもヒューマンエラーは起こるよねってこと。
タイムキーパーはさっさと脱アナログしておけ。人を増やすより、性能のいいタイマーを用意する方が簡単じゃないの?
以前から申し上げているが、僕はボクシングのジャッジを機械化するのは違うと思っている。
会場の雰囲気や選手の人気等でジャッジが左右されるのはおかしいという意見は大いにわかるのだが、そういう生身の部分やライブ感も含めてボクシング。
「スタッツをほじくり返してボクシングの都市伝説を検証する。12Rはみんながんばるから11Rにがんばるべき? 初回は身体が硬い?」
レフェリーの目を欺いてローブローを打ったり、インターバルに「これ以上出血したら止めるぞ」と言われた選手の表情がみるみる変わったり。
それこそ会場の雰囲気を一変させて、ジャッジまでをも味方につけてしまう空気感を持つ選手がいたり。
そういう生身の魅力というのは絶対にあるし、それらをすべて取っ払って機械的に処理するのはあまりに味気ない。
ボクシングのスタッツをもっと充実させて欲しいと言ったこともあるが、あくまで「リングに立つのは人間」というのが大前提。
先日、僕が現地観戦した赤穂亮vs藤岡飛雄馬戦の判定結果が議論になっていたようだが、僕がそこにあまり興味がわかないのはこういう理由だったりする。
「高橋悠斗選手の試合をようやく生観戦した話。中川祐vs有馬啓祐、高橋悠斗vs中山祐太、赤穂亮vs藤岡飛雄馬in後楽園ホール」
ただアレだ。
タイムキーパーに関しては、さっさと脱アナログするべきとしか言いようがない。そこはどう考えても機械的にやるところだし、人間味()云々は不要。
後楽園ホールは時間の経過がデカく表示されるが、当然そういうものがない施設もある。
というか、タイムキーパーの人数を増やすより、性能のいいタイマーを用意する方がはるかに簡単だし手っ取り早いとは思うのだが。
僕にはわからない複雑な事情でもあるのだろうか。何とも言えないところではある。
「井上浩樹の試合を初めてちゃんと観たけどいい選手。細川バレンタインに大差判定勝利。手数が少ない? あれでいいんじゃない?」
タイムキーパーとかジャッジとか、絶対にやるもんじゃない。あれだけの罵詈雑言を受け入れる仕事? しんどくて仕方ない
表題の件なのだが、こういう仕事ってホントにやるもんじゃねえなぁと。先日の赤穂亮vs藤岡飛雄馬戦のようにジャッジの結果で揉めたり、タイム計測ミス等のヒューマンエラーが起きた際など、毎回思わされる。
以前にも言った記憶があるが、特にボクシングのジャッジなんて絶対にやるもんじゃない。
微妙な判定結果が出ればすぐに槍玉に挙げられ、平気で人格否定もされる。
「自分はこう思う」と意見するのは問題ないが、「目開いてたんか」「ホントに試合見てたのか」といった根拠のない罵詈雑言が飛んでくることもしょっちゅう。
ビッグマッチになればなるほど反響も大きくなるし、買収云々の言いがかりは当たり前。ときには差別主義者呼ばわりされたり、勝手に歪な政治思想を作り上げられたりもする。
「大健闘の井上岳志。ハイメ・ムンギアに3-0の判定負け。でもめちゃくちゃカッチョよかったよな。採点は…118-110かな?」
今回のタイム計測ミスに対しても、
「3分を計測するくらい、誰でもできる」
「あり得ない」
「やる気がないとしか思えない」
「カップラーメンも作れないのか」
といった指摘が山ほど散見された。
何度も言うが、タイム計測のミスを擁護する気はない。
ただ、こういう罵詈雑言を甘んじて受け入れるほど、彼らが高待遇だとは思えないのが……。
「カライジッチが怪物ベテルビエフに挑戦。マーカス・ブラウンを苦しめた長身カウンター使いが初の世界戦。がんばれ俺のカライジッチ」
やりがい搾取、ボランティア精神……。もう少し彼らを大事にした方がいいと思うけどね。アスリート・ファーストもいいけどさ
僕の知り合いで某プロリーグ(メジャースポーツではない)のレフェリーをやっている人間がいるのだが、その人の待遇をちょろっと聞いたところ、まあ厳しいww
いつ、どの試合を担当するかをランダムで指示され、旅費も最低限。
試合中は選手、観客から無遠慮な罵声を浴びせられ、徹底的に人格を否定される。さらに試合後のミーティングでは運営から山ほどダメ出しを食らい、ここでも目いっぱいヘコまされる。
試合後に解放される時間はかなり遅く、基本的にはさらっと飯を食って寝るだけ。観光どころではない。
当然、レフェリーだけで生活できるはずもなく。
それどころか、何度か飲みに行ったらすっ飛ぶような手当てが出るのみ。レフェリー業のために有給を消費し、ときには半休をとって新幹線に乗り込むこともあるという。
そう考えると、はっきり言っておいしい仕事ではない。
というより、どこからどう見てもブラック企業そのもの。普通に働いていた方がよっぽど楽。最近よく聞く「やりがい搾取」というヤツである。
「早過ぎたボクシングのエンターテイメント BIG KNOCKOUT BOXING(BKB)。ロープなし、すり鉢状の“ピット”で戦うKO必至の格闘技」
後楽園ホールで開催されるボクシングのジャッジやタイムキーパーがどういう待遇を受けているのかは知らんが、特別厚遇だとも思えず。
そもそもタイムキーパーやジャッジのみで生活できるくらい羽振りがいい業界なら、ファイトマネーをチケット払いにはしない気も……。
何が言いたいかというと、要するにジャッジやレフェリー、タイムキーパーのような人たちをもう少し大事にした方がええんちゃうか? と。
ボクシングだけでなく、どんなスポーツでも。
ここ最近、川淵三郎のおっさんの影響か、盛んに「アスリート・ファースト」が連呼されるが、そればかりなのはよくない。
特にメジャースポーツ以外では、彼らのボランティア精神、やりがいに依存する部分が多い。そういう人間をあまりにないがしろにすると、将来的に自分たちの首を絞める危険性もあるんじゃないの? ってこと。
夏の甲子園では、炎天下の中で腕を振り続ける高校生を誰もが心配するが、アンパイアの心配をする人はいない。
1試合約2時間半。分厚いプロテクターに身を包んで、立ったまま「ストライク!!」「ボール!!」と言い続ける作業は相当な負担だと思うのだが。
実際、当たり前だと思っているものが、実は当たり前じゃなかったという例は結構あるので。
まあ、ぼくがやるわけじゃないから別にいいけど。
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