電話の主はああ言った

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翌日にかかってきた電話に狼狽しまくった週末。 あーでもないこーでもないと思いを巡らせるものの、何も思いつくことはなくどんよりとした無限ループ。吐き気をもよおすような二日間。 チキンハートな自分には苦行そのものであった。 そして月曜日。 朝9:30。 震える指で番号を押す。 トゥルルル……。 トゥルルル……。 「はい、三井住友銀行○○支店でございます!!」 電話に出た人に担当者の名前を告げる。 「少々お待ち下さいませ」 しばしの間。 待つ。 ……。 待つ。 …………。 まだか。 …………。 ……………………。 まだなのか。 ……………………。 長い!! 長い長い長い!! 長あぁぁぁ〜〜…… 「はい、お電話代わりました。○○でございます」 「あ、はい、えーっとですね……。ええっと、えっとその……」 ふいをつかれてまったく言葉が出てこない。 待たされること恐らく数秒。 ほんの少しの時間が永遠に感じるほどの余裕のなさ。 そして準備できない情けなさ。 何かいろんなもんがごっちゃになって恥ずかしい。 「えっと、先日口座開設を申し込みました佐藤と申しますけど、金曜日にお電話いただいたみたいで」 「あ、はいはい。佐藤様ですね。お待ちしておりました」 相手の口調が多少くだけたものに変わる。 「はい、佐藤です。お電話いただいたみたいなんで折り返しました」 僕も何となくちょっと落ち着いてきた。 「ええっと…ですね……」 しばしの沈黙。 え? 何? 今度は何さ? 「先日お申し込みいただきました口座につきまして、開設準備ができましたので来店のお願いでお電話させていただきました」 え? 「え?」 「え?」 お? 「え? あ、はい……、あ、そうですか」 「はい、さようでございます」 ふぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 あ、そっちかいな。 ってか、OKだったんかいな。 というか早いなおい。 「あ、そうなんですね! 早いですね!!」 「ええ、急いで手配いたしましたので!」 なんだよマジで。 この週末返せよ。 やったぜマジで。 いや〜よかったぜぃ。 というか、何なんだよこの不安は。 でもよかった。 何かもう、わけがわからんです。 とりあえず銀行に行く日取りを決めて電話切りましたけど。 どっと力が抜けたというか、モリモリみなぎってくるというか。 まあいいや。とりあえず銀行口座クリアっぽい。 受け取りに行ってこよう。