高野人母美楽しそうでよかった。吉田実代に判定負け。もうボクシング界の救世主になれなんて言わねえよ。おお、天海ツナミがしれっと負けとる

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メキシコイメージ
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2017年10月6日、東京・後楽園ホールで行われた日本女子バンタム級王座決定戦。
同級1位でモデルボクサーの高野人母美と、2位の吉田実代と対戦。3-0(58-57、58-57、58-57)の判定で吉田が勝利し、女子日本王者第一号となった。


吉田実代はキックボクシング、総合格闘技経験を経て2014年にボクシングに転向。出産のために一時引退したが、その後再開したシングルマザーでもある。
 
試合後にリング上で長女を抱き上げ、「めっちゃうれしい」と喜びを爆発させた。
 
 
また、敗れた高野人母美は「頭が低くてやりづらかった」と敗戦を受け入れ、同時に「ボクシングの楽しさを感じた。リベンジしたい」と、早くも再起への意欲を見せている。
 
「アンカハスがコンラン兄をダウンさせまくって圧勝。さすがww 微妙なジャッジをものともせずに防衛成功。SUPERFLY2参戦あるか?」
 

高野人母美が負けたってさ。でも、さっそく現役続行を宣言したとか。あのゴタゴタからよく復活したよな

まず最初に、僕はこの試合を観ていない。
 
高野人母美のタイトルマッチがあることは知っていたのだが、会場に行く気にはならず。
理由はまあ、こんな感じ↓
「後楽園ホールのボクシング興行とかいう客入りガラッガラのスポーツイベント。ボクシングはテレビで観るべき理由」
 
そして、高野人母美が惜しくも敗れたという話を聞き、関連記事を読み漁ったところ「ああ、なるほどね」と。
低い姿勢で懐に入られ、密着されてボディ、顔面に被弾。
高野人母美の一番苦手なパターンというか、「これができなきゃ負け、できれば勝てる」という二択に吉田実代選手が勝ったということかなぁと思っている。
 
 
試合を観ていないのでアレだが、とにかく高野人母美が「楽しかった。これからも続ける」とコメントしていること。これはホントによかった。
 
マジな話、2016年5月の引退宣言のゴタゴタから、よく復活したと思う。
 
言葉尻を捉えられて勝手な勘繰りで批判され、多大な貢献をなかったことにされ。恐らく気持ちも折れかけていたと想像するが。
 
「石井慧がイバン・シュトルコフにKO敗戦。石井の天敵だったなぁ。でも石井慧はもっと評価されていいと思うんだよな」
 

「高野人母美がボクシング界を救う」と連呼し、「モデル+ボクシング」の相性のよさをクソまじめに主張してきた。そして、ボクシング界の高野人母美への扱いにブチ切れた

僕はこれまで、たびたび「高野人母美はボクシング界の救世主になれる」「モデルボクサーが格闘技界を救う」と申し上げ、なおかつ「モデル+ボクシング」の組み合わせは抜群に相性がいいと言い続けている。
 
・長身痩躯で
・顔が小さい
ために、常に頭一つ高い位置から打ち下ろせるという圧倒的アドバンテージがあり、
 
・容姿端麗
・話題性も抜群
なので、競技のアイコンとしても訴求しやすい。
 
また、高野本人も
・計量でのパフォーマンス
・ド派手な入場
など、注目を集める努力に積極的。
 
しかも、最低限の防御さえ身につければ、体格差を活かしてボチボチ勝てる
 
これだけの好素材をゴリ押ししない理由がない。
積極的にメディアに売り込めば、世間の注目を集めることができる。
 
さらに言うと、
・芸能界で芽が出ずに燻っていて
・そこそこの打撃の才能(そこそこでいい。2週間に1人程度の逸材でいい)があるモデル
をスカウトして2年間ボクシングを仕込んでデビューさせれば、あっという間にスターのできあがりだと主張してきた。クソまじめに。
 
「モデルボクサー高野人母美KO負け!! 今後のボクシング界のために高野人母美の後継者を大至急探すんだ!!」
 
強くて美人な世界王者。
 
たとえば神スイングの稲村亜美や、少し前のビーチバレーの浅尾美和などの立ち位置。
そこを入り口として注目を集めればファン層の拡大につながると、アホみたいに連呼している。
 
今なら、うまくやればAbemaTVで格闘技番組の進行アシスタントとか、そのくらいのポジションにもなれたのではないか。
 
 
そして、女子ボクシングに多大な貢献をした高野人母美を総スカンしたボクシング界に対し、盛大にブチ切れた次第である。
「女子ボクシングの未来に絶望。プロ意識低過ぎだろ高野人母美以外どいつもこいつも。高野人母美批判もしょーもなさ過ぎる」
 
自らが人身御供となり、誰も見向きもしない女子ボクシングに世間の目を向けさせ、不人気コンテンツの知名度を格段にアップさせた。
本来、その競技のチャンピオンや第一人者がやるべき努力を、高野人母美は一人でやってきた。
 
その功績をなかったかのように、率先して高野人母美を叩いたボクシング界の器の小ささ。これに当時の僕は発狂するほどブチ切れていた。
 
たった1度のミスをあげつらい、世間の逆風から守ろうともせず。人気回復の起爆剤となる可能性を持った人材を積極的に潰す愚行。
控えめに言って、マジであり得ない。
 
思い出すとイライラしてくるので、止めておくが。
 
「那須川vs藤田がおもしろかった!! 那須川天心がボクシング? やらなくていいんじゃない? 転向する意味ある?」
 

あの状況から復活するとは思わなかったな。協栄ジムの柔軟性ってやっぱりいいよね

高野人母美の復活。
僕はこれを心底よかったと思っている。あのゴタゴタによって、選手としては完全に潰れたと確信していたのだが。
 
トレーナーとしての亀田興毅が有能なのかは知らんが、少なくとも有能なモチベーターであることは間違いなさそうである。
 
「亀田興毅が政令指定都市13個分の視聴数動員ww 「俺に勝ったら1000万円」企画の視聴数が1300万ってどうかしてるぜww」
 
↓まさかあの状況から、こんなパフォーマンスができるまでに復活するとは


先日、東日本新人王の決勝戦に出場する手品師兼ボクサーがYahoo! ニュースに取り上げられて話題になっていたが、一応言っておくと、それをデビューからず~~~~っとやり続けているのが高野人母美である。
 
路上の手品の収入が月30万円を超えたって?
なるほど。そりゃすげえ。
高野人母美はこれまでの衣装代が総額で100万円オーバーだってさ。
 
「K-1は最強です。もう「新生」はいりません。武尊(たける)がS・フェザー級トーナメントで優勝、3階級制覇を達成」
 
そして、前から感じていたのだが、協栄ジムの柔軟な姿勢はちょっといいと思う。
亀田和毅を受け入れた件や、AbemaTVでの企画など。モデルボクサーでいち早く注目を集めたり、こういうチャラさはマジで悪くない。
 
客足回復のために第三者機関に運営を任せるべきという話はよく聞くが、協栄ジムは2012年に与沢翼の株式会社フリーエージェントスタイルホールディングスと提携した経緯がある。
 
確か「ネットを利用して興行をPRすれば、もっと話題を作れる」「協栄ジムは宣伝が苦手なので、その部分をパートナーとして補って欲しい」という趣旨だったと記憶している。
 
金メダリストの村田諒太を引き抜く資金集めの意味合いが強かったのだと思うが、第三者機関に頼る判断を下した会長の姿勢はすばらしかったと思う。
 
組んだ相手が壮絶にアカンかっただけで。
 

高野人母美は楽しくやってくれればええんちゃう? もう、ボクシング界を背負えなんて言わねえわ

とりあえず、僕はもう高野人母美に「ボクシング界の救世主になれ」などと言うつもりはない。
ここから先は本人が楽しければそれでええんちゃう? と、上から目線で勝手に思っている。
 
僕の予想通りモデルボクサーの後継も何人か出てきているようだが、積極的に売り出す気配もないので、その部分についても諦めている。
 
そうこうしているうちに、RIZINの真珠・野沢オークライヤーに先を越されちゃったしね。
 
「RIZIN山本美優初勝利。何か成長しとったぞ。あと真珠さんゴリ押しはボクシング界が高野人母美でやるべきだったヤツ」
 
まあ「村社会」と揶揄されるだけあって、ボクシング界というのは過疎地の中学校みたいなものなのかもしれない。
 
合唱祭の練習で大きな声で歌ったら「アイツ、何張り切ってんの?」とバカにされ、英語の授業でネイティブ風に発音したらクスクス笑いが起きるとか、そんな雰囲気。
当時の高野人母美も、そういう閉鎖的な空気に嫌気がさしていたのかもしれない。
 
 
しかし、すげえ失礼なこと言ってんな↓


いつも思うのだが、「モデルとの兼業ボクサーは練習に集中できる環境じゃない」と切り捨て、マラソンの川内優輝のような「公務員ランナー」は立派だと持ち上げる風潮は何とかならんのか。
というか、モデルってフルタイムの仕事よりもはるかに時間を作りやすいと思うのだが。
 
あと、安易に「気持ちで上回った気迫の勝利」とか言ってんじゃねえよww
この試合は、吉田実代選手が高野人母美対策を忠実に実行した結果だろ?
気持ちとか、それっぽい言い回しでイキってる暇ちゃうぞ。
 
てか、吉田実代ってどこかで聞いたことがあると思ったら、SHOOT BOXINGで神村エリカにボッコボコにされたヤツか。いつの間にかボクシングに転向してたんだな。
 
「山本美優負け~。RENAすごいね、UFC行けるんでないか? 木村ミノルの秒殺KO負けで度肝を抜かれたRIZIN」
 
神村エリカってマジですごかったからな。
僕がわざわざ神村エリカ目当てで会場に行ってたくらいだからな。
身体が小さくて適正階級に相手がいなかったのと、単純に出てくるのが3年早かったよな。
 

ひっそりとボクシングの本場メキシコのリングに立ち、ひっそりと敗れた実力者天海ツナミ。誰も話題にしてないけどすごい試合だった。誰も話題にしてないけど

ちなみにだが、2017年9月30日(日本時間10月1日)に、現OPBF東洋バンタム級王者の天海ツナミがメキシコのリングに上がったことをご存じだろうか。
 
相手は元IBF/WBCフライ級王者のアレリー・ムシーノ。2014年1月以来、3年8か月ぶりの再戦だったとか。
 
この天海ツナミ選手、2016年6月に高野人母美の懲罰公開スパーリングの相手をつとめており、名前を聞いたことがある方も多いと思う。
 
「知ってた? K-1ってすげえんだぜ? 日本の格闘技のポテシャルって凄まじいんだぜ?」
 
試合をチラッと観たが、めちゃくちゃいい試合だった。
天海ツナミも相手のアレリー・ムシーノもハイレベルで、とてもじゃないが両者とも高野人母美に何とかできるような選手ではない。
 
あの公開スパーリングのあとに、高野人母美に対して「やる気がないなら辞めろ」だの「モチベーションがどうたら」という批判が散見されたが、的外れもいいところである。
 
天海ツナミvsアレリー・ムシーノの初戦(2014年1月)

 
もう1試合、天海ツナミvsジェシカ・チャベス(2013年7月)

メキシコと言えば女子ボクシングにおける本場。いわゆる米・ラスベガスのようなものだが、その舞台に何度も上がっている天海ツナミが話題にすらなっていないという。
 
「ロンダ・ラウジーがわかりやすくボブ・サップだった件。ヌネスに48秒TKOか。ちょっとマズい負け方かもしれんな」
 
普段「パフォーマンスじゃなく試合で魅せろ」「ガチ()の試合をしていれば自然と注目は集まる」「日本人選手はどんどん海外に行くべき」とヒステリックに連呼しているのに、その要件をすべて満たした天海ツナミは見向きもされない事実。
 
いかに一般層への訴求力が重要かがはっきりとわかる。
 
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