ラグビーワールドカップの優勝国を予想する。ニュージーランド(オールブラックス)強いわ〜。もう1択だけどな!! というか、みんな最後まで観ようぜ!!

NO IMAGE

虹と雲イメージ
優勝はニュージーランドっす!!

ラグビーワールドカップ2015、イングランド大会が大詰めを迎えている。
2015年10月25日に準決勝1試合目、ニュージーランド(オールブラックス)vs南アフリカ(ワラビーズ)が行われる。

「ニュージーランドが南アフリカに辛勝!! 史上初の2連覇へ向けて難敵を下し、決勝進出を決める!!」

日本戦に敗れて目が覚めたのか、その実力をいかんなく発揮してベスト4に進んだ南アフリカ。そして圧倒的な強さで順当に勝ち上がるニュージーランド。ライバル国同士の注目の一戦である。

ほら見ろ、やっぱりラグビーW杯決勝トーナメントは空気になっただろ?

現地では大詰めを迎えるラグビーワールドカップだが、日本チームの敗北により決勝トーナメントは思った通りの空気っぷりである。
帰国した日本チームの面々は連日マスコミの取材攻勢を受け、ラグビー界は未だかつてない盛り上がりを見せている。特にフルバックの五郎丸選手の人気ぶりは凄まじく、テレビで観ない日がないほどのフィーバーぶりである。

「ニュージーランドがオーストラリアを下し、ワールドカップ史上初の連覇を達成」

だが、現在も行われている強豪国同士の熱戦に触れる話題は少なく、どうやら我が国ではワールドカップは過去のものとなったらしい。

知ってたけどな!!

正直に申し上げると、僕もそうだ。
あれほどかじりつくように観ていたラグビーをここ最近観ていない。すごいチーム同士の試合なのはわかっているが、日本チームに関係のない試合はどうも観る気が起きないのである。

「人気? 低迷? それでもラグビー人気が定着しないワケ」

要するにそういうことなのだ。
どれだけハイレベルな試合でも、白熱した試合でも見知らぬ外国人同士の試合には感情移入がしにくいのだ。日本チームが出ていたからこそ、熱狂できたのである。
そういった意味でも2019年ワールドカップでは、日本は最低でもベスト4に入ることが要求されるのだ。

まあ、あれだけ偉そうに予想記事や評論記事を書いていた手前、さすがにベスト4の試合くらいは観ておくべきだと思った次第である。

「日本が南アフリカに勝利!! 日本代表を支える外国人。ラグビーW杯で起きた奇跡をひも解く」

一応言っておくが、ニュージーランドの優勝は間違いないからな?

ニュージーランドが強い。
今回の準決勝、南アフリカは十中八九ニュージーランドには勝てないし、優勝するのはほぼ間違いなくニュージーランドだ。

「ラグビーワールドカップ決勝戦予想!! オーストラリア(ワラビーズ)vsニュージーランド(オールブラックス)」

準々決勝のフランス戦を観たが、ちょっとすごすぎた。決勝トーナメントのこの段階で62-13の圧勝。注目の試合とは言われていたものの、死角らしい死角が見当たらないまま、ニュージーランドの完全勝利で終わった試合であった。

「ラグビーシックス・ネーションズの注目国はフランスだ!! 日本の解説者はクソ無能だ!!」

ラインを深くとり、勢いをつけて相手に当たる。
センターが相手ディフェンスラインの間をついてゲインラインを突破。近くのサポートプレイヤーが2、3人でボールを出す。素早くバックスに展開して、1つダミーやステップを入れてからコンタクト。そして再びサポートプレイヤーが素早くボールを出す。
ディフェンスの穴を見つけてコンタクト。最小限の人数で素早くボールを出し、ディフェンスの隙をつく。この繰り返しで徐々に前進するのである。

一見すると、非常にオーソドックスなラグビーをしているように思える。日本も同じようなパターンの攻撃をしていたではないかと思うかもしれない。
確かにそのとおりなのだが、1つ決定的に違うことがある。
それは、全員がサポートプレイヤーであり、ランナーであるということである。
ピンとこないだろうか。マジですごいことだと思うのだが。

ラグビーというスポーツは身体の大きさや足の速さ、器用であるかどうかによって適正なポジションが異なる。
ゴリゴリのコンタクトが得意な選手はフォワード、パスが得意な選手、足の速い選手はバックスなど、それぞれに適正なポジションが存在するのだ。そして、ポジション別に役割分担があるのだ。

つまり、相手とコンタクトしたり身体を張ってボール出しをするのは主にフォワードの役目である。
だが、ニュージーランドにはそれがない。
バックスだろうがフォワードだろうが、誰もがボールを持ってコンタクトができるし誰もがサポートプレイヤーになれる。さらに言うと、近くにいるすべての選手がハーフとしてボール出しもできる。それも高い精度で。
要するに、攻撃の形を決める必要がないのである。

「【ラグビー】帝京vs東海感想。帝京は小型版オールブラックス? 驚異の8連覇の秘訣を考察」

全員が90点以上のプレーヤー。誰もがフォワードで誰もがバックス

ボールを持ったプレイヤーが密集の近くでコンタクトを発生させ、フォワード数人がサポートしてボールを出す。ハーフがフォワードにボールを渡し、ボールを持ったプレイヤーは再び密集の近くで相手とコンタクトする。徐々に前進しながら相手ディフェンスの穴をさがし、隙をついてバックスに展開。走力のあるウィングがトライを決める。
ごくオーソドックスなラグビーの攻撃の形だが、ニュージーランドにはこれが当てはまらないのである。

誰がどこでコンタクトをしようが、誰がどんな走り方をしようが、全員が瞬時に対応する。
バックスのプレイヤーだけで密集からボールを出すことができるので、いきなり外に大きく展開してもまったく問題がない。
フォワードにもしっかりとした走力があるので、スタンドオフも安心して外展開ができる。セットプレーからのサインプレーを除いて、誰もが自由に動き回ることができるのである。

自由に動き回るといっても、好き勝手なプレーとは意味が違う。いつどこにボールがきてもいいように各々が高い意識を持って動いているのである。
つまり、ボールを持った選手には無限のオプションが存在するのだ。誰が誰にパスを出してもいい。自分で走りきる走力もある。極端な話、スペースに投げておけば誰かが走り込んでくれる。それくらい高い精度とオールマイティさを持ったプレイヤーが揃っているのである。

パスとランだけではない。
僕が散々やるべきではないと主張しているディフェンスの裏へのキックでさえ、ニュージーランドにとってはオプションの1つに過ぎない。
一か八かのギャンブル性が高すぎるキック攻撃は、ワールドカップのような大舞台では使うべきではないという意見は変わらない。だが、あれほどの精度があれば十分有効な攻撃になると言わざるを得ない。

特別すごいインパクトプレイヤーがいるわけではない。誰か1人が突出しているわけでもない。そういうことではなく、全員がすごい。全員が90点の選手なのだ。

全員が全員ハイレベルなプレーで嵩にかかって攻めてくるので、対戦相手としてはどうしてもラフなディフェンスで対抗するしかなくなる。激しいタックルのさなかに思わず危険なプレーが出てしまうこともあるだろう。それで一時退場を食らって、結果的にさらなる窮地に追い込まれるのだ。

これだけハイレベルなクオリィティを見せつけるチームはニュージーランド以外に見当たらないぞ

キックオフの精度もヤバい。相手にキャッチさせて素早くプレッシャーをかけるのがキックオフの基本だと思うのだが、ニュージーランドはそうじゃない。走り込んだ位置にドンピシャで落下してくるのである。
もしキャッチできなかったとしても、あれほどの精度があれば相手には相当なプレッシャーをかけることができる。プレッシャーを受けまくった状態でボールを出して、苦し紛れのタッチキックで逃げる。これでしっかりとニュージーランドボールのラインアウトである。

そして、ラインアウト以外のセットプレーがほとんどないのもニュージーランドの大きな特徴だ。サモアチームのように縦横無尽に走り回ってセットプレーを極力作らないというスタイルではない。1人1人のプレーの精度が高いので、単純にミスが起きないのである。ミスが起きないということは、タッチキックでのラインアウト以外のセットプレーが起きようがないことを意味する。たとえあったとしても相手の反則によるものなので、マイボールで再開できるのだ。

「日本vsサモア予想!! ラグビーW杯、勝負の大一番で大金星を掴めるか?」

正直、このレベルでこれだけのクオリィティを見せられるチームはニュージーランド以外に見当たらない。完全に1チームだけ一段上のステージでラグビーをしている。

準々決勝のフランス戦で見せた前半22分のトライ。
あれは何だ!!

タックルを受けた選手がオーバーハンドでパスを出し、それを受けた選手がさらにワンタッチでウィングにパス。スピードに乗ったウィングは相手ディフェンスのギャップを見つけてカットインしてそのままトライ。
まさしくチーム全員があらゆる状況に対応した結果のハイレベルなトライである。

弱点はディフェンス? 「弱点」と呼んでいいのかはわからない

ただ、ニュージーランドのディフェンス面に関しては、正直そこまですごいとは思わなかった。
ラインにギャップを作らず、1人目のコンタクトが発生した後の2人目が必ずボールに絡みにいく。素早いボール出しを防ぐことで相手の連続攻撃を封じる。ごく基本のディフェンスを実行してはいるが、1人目のタックルが激しいわけでもなくオフェンスほどの強い印象は残らなかった。

だが2人目が必ずボールに絡みにいくので、そこでのターンオーバーは起こりやすい。ああいう積極的なディフェンスは相手にとって十分な脅威となるだろう。

インパクトはないとはいえ、どんな状況でもギャップを作らないディフェンスはさすがである。常に面でプレッシャーをかけ、相手チームの苦し紛れの横走りを誘うのだ。

そもそも相手にボールを奪われること自体が少ないので、大前提としてディフェンスをする機会自体が少ない。まさしく攻撃こそ最大の防御を地でいくチームである。

フォワード戦で徐々に相手の体力を削るわけでもない。突出した走力で相手をかき回すのでもない。単純な戦力差で圧倒する。実力の違いを見せつけて相手の心を折るスタイル。ただひと言「ものが違う」

冗談抜きで、スタンドオフのダン・カーターあたりが怪我をしない限り優勝は固いのではないだろうか。それくらい今大会のニュージーランドの力は突出している。

「日本、スコットランドに大敗!! 日本ラグビーの運命を握る大一番に敗れる!!」

あえて弱点を挙げるのであれば、ターンオーバーされたときにディフェンスへの切り替えが遅いことくらいだろうか。

あまりにも全員が縦横無尽に走り回るので、相手にボールを奪われた瞬間のフォーメーションがガタガタなのだ。ギャップができまくったディフェンスラインは、ボールキャリアにとっては走るスペースだらけに見えるのではないだろうか。

ラックやモールでニュージーランドを圧倒できれば、もしかしたら好守の切り替えの瞬間を狙ってチャンスを作れる可能性が生まれるかもしれない。密集でニュージーランドを圧倒できるほどのチームがあるかどうかは甚だ疑問ではあるが。

勝敗予想はもちろんニュージーランド。南アフリカがニュージーランドに勝つ可能性は?

南アフリカがニュージーランドに勝つ可能性を見出すには、前述の通りいかにターンオーバーできるかにかかっていると思う。密集の攻防でニュージーランドを上回り、1つでも多くのターンオーバーを獲得するのだ。

残念ながらニュージーランドの攻撃を防ぎきるのは不可能だ。これは南アフリカのディフェンスが甘いからということではなく、単純にあれを防ぎきるのは無理なのだ。
南アフリカの失点は間違いなく多くなる。つまり、南アフリカが勝つ可能性を見出すには点の取り合いを制するしかないのである。

ニュージーランドの激しい攻撃に耐えながら、とにかくターンオーバーを狙う。ターンオーバー後にディフェンスのギャップをついて一発逆転の独走。これを何回実行できるか。奇跡頼みのような作戦だが、南アフリカが点の取り合いで勝つ可能性を探るのであればそのくらいしか思いつかない。

南アフリカがニュージーランドに勝っている部分をほかに探すとすれば、かろうじてスクラムくらいだろうか。スクラムで押し切ってのターンオーバーにも期待したいところだが、そもそもニュージーランドはスクラムが少ないチームだ。いったい何度そのチャンスが訪れるだろうか。

その他にチャンスがあるとすれば、やはりラインアウトだろう。
マイボールのラインアウトを確実にキープし、密集近くでのフォワードのラッシュ。ロックやNo.8がアングルをつけて突進し、相手のディフェンスラインを切り裂く。強引にディフェンスラインのギャップを攻めて、怒濤の縦突進からのトライを狙う。もしくは外に展開してウィングがフィニッシュ。

問題はフォワード第3列のラッシュがどれだけ通用するかだが、ニュージーランドのオフェンスと比較するとどうしても精度が低く危なっかしい。やや個人技に頼る部分もあってミスも目立つ。全体的に決定力に欠ける印象である。
単純なオフェンスの力比べを挑んでしまうと、間違いなくニュージーランドには粉砕される。やはりターンオーバーでの独走を狙うしかなさそうである。

勝敗予想はこれまた難しいのだが、概ねフランスvsニュージーランドと似たようなスコアになるのではないだろうか。南アフリカがやや健闘したとして、45-20といったところか。

心情としては日本が勝利した南アフリカにがんばってもらいたいところだが、両チームにはそれくらいの戦力差があるのではないかと思う。

「日本vsアメリカ戦結果!! 日本が激闘の末にアメリカを下し、予選敗退ながらラグビーワールドカップ3勝目を挙げる!!」

【個人出版支援のFrentopia オンライン書店】送料無料で絶賛営業中!!