ラグビーシックス・ネーションズの注目国はフランスだ!! 日本の解説者はクソ無能だ!!
ラグビーシックス・ネーションズ(イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランド、フランス、イタリアのラグビー強豪6カ国で欧州最強を決める大会)が開幕し、7日にフランスvsイタリアの一戦が行われた。
終始イタリアにリードを奪われる苦しい展開のフランスだったが、終了4分前にペナルティゴールを決めて逆転。23-21の僅差で劇的な逆転勝利を挙げた。
存在感が薄いシックス・ネーションズ。と思ってたらクソおもしれえww
ラグビーシックス・ネーションズ開幕。
日本代表のW杯での大健闘によって注目が集まっているラグビー。その影響で、ちょうど先日開幕したシックス・ネーションズの中継をWOWOWで観た次第である。
だが日本代表も参加するスーパーラグビーもある中で、このシックス・ネーションズは若干存在感が薄い大会であることは否めない。
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正直言うと、大して期待はしていなかった。
見知らぬ大男同士がぶつかり合ってる姿を見て盛り上がるのか? そんな懐疑的な心境で観始めたシックス・ネーションズ第一節のフランスvsイタリア戦だったわけである。
すげえおもしろかった。
いや、おもしろい。
何がおもしろいって、フランスチームがいい。
こんなに観ていて楽しいチームは久しぶりかもしれない。はっきり言って注目しておいた方がいい。
W杯終了直後の大会ということで、どのチームも若返りが進んでいる。
もちろんフランスチームも同様である。選手が大幅に入れ替わっただけでなく、チームを率いるヘッドコーチも新たに招聘され、まさしく新体制のチームスタートといった状況である。
代表キャップ数がひと桁や初代表の選手がゴロゴロいる若いチームであるフランス。今後数年かけてチームを完成させていく上での最初の大会がこのシックス・ネーションズということになるのだろう。
フランスチームは超オススメだぞ。今後の伸びシロが無限大
もう一度言う。
フランスチームはおもしろい。
これほど観ていて楽しいチームは久しぶりである。
はっきり言うが、現時点のフランスはチームとしては未熟だ。
いや、未熟どころの騒ぎではない。
大外に数的有利のある状況で縦突進を仕掛けてしまったり、わざわざディフェンスが多いサイドに走り込んでしまったり。
ディフェンス面でも組織的な疎通はいっさい感じられない。1人目がタックルに行くのだが、その後のサポートが遅い。相手のフォワードよりも集散が遅いので、接点で倒しても密集でのボールの奪い合いを有利に進めることができない。ボールを持ち込んで前進しても、数の不利でターンオーバーされてしまうのである。
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そして、何よりハンドリングが悪い。
相手のタックルやプレッシャーがそこまでキツいわけではないのにポロポロポロポロ。とにかくすべてのプレーが雑だ。パスミスやハンドリングミスが頻繁に発生し、チャンスの局面でボールがグランドを転がるシーンが幾度となく見られるのである。
要するに、現在のフランスはチームとしてまったく機能していないと言っても過言ではない。それくらいバラバラな状態である。
恐らく基本的なチーム方針すら固まっていないのだろう。個人個人が自分の得意なプレーを好き勝手にやっているだけ。そういう状況である。
だが、おもしろい。
これだけグダグダなチームのくせに、目が離せないほどおもしろいのだ。
理由ははっきりしている。
いい選手が多いのだ。
チームとしてどうこうではなく、個人個人のスキルやフィジカルがすばらしいのである。
確かに今のフランスは各々の選手が好き勝手に動いているだけの状態だ。ただ、それぞれの選手に飛び抜けたフィジカルとスピード、スキルがあるために随所に驚くようなプレーが飛び出すのである。
アホみたいな突進、タックルを受けながらのオフロードパス、流れるようなステップから瞬間的なストップ・アンド・ゴー。
そこにフォローがいれば。
そのパスが一本通っていれば。
そこで蹴らずにフォローを待てば。
ビッグプレーの後の継続がうまくいかないので直接得点にはつながることは少ない。だが、この選手たちが意思疎通できたらどれほどの爆発を起こすのか。そう思わせてくれるチームなのである。
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確実性とエンターテイメントのトレードオフ。フランスはエンターテイメントに舵を切ったチームだ
2015年のW杯の際に再三申し上げたが、ラグビーの攻撃で最も確実なのは近めのラッシュだ。
1人目が相手のディフェンスの間を狙って突進し、すぐに2人目と3人目がサポートに入る。なるべく少ない人数で素早くボールを出し、さらにサイドへ突進。できるだけ味方に近い位置で相手とコンタクトし、再び素早いサポートでボールを出す。この繰り返しで徐々に前進し、最後はバックスへ展開してのトライ。
これが最もミスが少なく、確実に前進して有利に試合を進めることができるパターンである。
先のW杯で日本代表が躍進できたのもこのパターンを実行できたからであって、それができるだけのフィジカルがあったからである。
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ただ、この作戦はつまらない。
ミスも少なく確実にゲインラインを突破できる作戦ではあるのだが、ボールの横への動きが少ないのが致命的である。観ている側としては、いまいちエキサイティングさに欠けるのだ。
確実性とエンターテイメントのトレードオフ。
ある程度仕方がないとはいえ、世界中がこのラグビーをし始めるのは止めてほしい。ラグビーというスポーツが絶対に衰退するという確信がある。
そして、その確実性ラグビーと対極にいるチームが今回のフランスである。確実性とは最も離れたリスキーかつエンターテイメント性の高い展開ラグビー。それを低いレベルwwで実行しているのが現在のフランスチームなのだ。
特にウィングのヴィリミ・ヴァカタワ。この選手はいい。
どうやら元々7人制の選手らしいのだが、あのスピードと野性的なステップ、そして球際での強さはすごいと思う。あれだけ決定力があって、接点でも強い選手が外側にいるのはたまらない。どんどん外展開のラグビーで攻め上がって欲しいものである。
恐らくだが、これは就任したばかりのヘッドコーチの方針なのだと思う。
今回の試合はとりあえず自分たちの好きにやりなさい。自分の持ち味をどんどん出してアピールしなさい。1人1人の実力やポテンシャルを見極めることに重点を置くので、結果はそこまで気にしなくていい。今はのびのびやることが大事で、チームとしての方向性を決めるのはもう少し後だ。
そういうことだったのではないだろうか。
このフランスが数年後、どういうチームになるのか。
というよりも、この大会中にどう成長するのか。
非常に楽しみである。
むしろ若いチームなので、戦術にがんじがらめになってちぢこまる方が心配だ。チームプレーを意識するあまり、今日のようなのびのびとした動きができなくなることだけは避けていただきたい。
断言する。日本のラグビー解説者はクソ無能だ!!
前から思っていたのだが、日本のラグビー解説陣はマジで無能だ。
指導者としてどうかは知らないが、一般層への伝道者としては素人以下である。
ご存知のようにラグビーはかなりルールが複雑だ。
・ボールを後ろに投げてはいけない
・ボールを前に落としてはいけない
・スクラムは8人で組む
・トライは5点
・トライ後のゴールキックは2点
・ペナルティゴールは3点
おおざっぱなルールはこんな感じだが、それ以外にもよくわからないルールが山ほどある。初観戦の人がいきなり観ても「?」マークが点滅することは間違いない。
わかりにくいルールを視聴者に簡潔に伝えることこそ解説者の仕事だと思うのだが、それができない無能解説者がなんと多いことか。
いちいち専門用語を羅列して、わざわざ難解にするのである。
・ハードの部分を作るのは難しくないが、ソフトの部分は時間がかかる
・スタイルでディフェンスをする
・ファイトできていない
・フレッシュ・レッグス
・フィフティ・フィフティのプレー
・ディフェンスのノミネートのエラー
・デザインだけラフでやっている
・その前のフェーズ、いいクイックボールが出た
・セットピースからのアタック
・バックローがブレイクダウンで仕事をしようとしていてシャッフルできずにミスマッチになっている
・コンテストキックに対するリアクション
・チャンネルサイドを振って振ってしてるんですけど真ん中を抉ってないので
・フランスは我慢して意図的にペナルティをとっていければいい
・ストラクチャーからアタックのツーフェーズぐらい
これ、いくつ理解できます?
普段からラグビー観戦をしていない人が理解するのは無理でしょ?
てか、何を気取ってんの?
わざわざそういうイキッた言い方する必要ねえから。
もちろんラグビーの戦術を解説することは大事だ。
だが、それ以上にラグビーというスポーツを一般層に浸透させる努力をすることも重要なのではないのだろうか。特にW杯の盛り上がりを受けてこのシックス・ネーションズを観てみようと考えた人も多いはずである。
ようやくラグビーが一般層に浸透しかけているのに。
五郎丸を始め、多くの選手がメディアに露出してラグビー人気の維持向上につとめているというのに。
その状況での俺目線の自己満足解説。
無能以外の何物でもない。
「ラグビー人気アカンな…。ダン・カーター来日が完全に空気って……」
「これは15人制のディフェンスではない」とか言われて伝わるか? わかるか?
わかるわけないだろ。
15人制のディフェンスとは、そして7人制のディフェンスとは。その違いを説明しろよという話である。
ひょっとしてWOWOWのラグビー中継、しかも日本に関係ない大会中継なぞ一部のマニアしか観ないから別にいいと思っているのだろうか?
いや、そんなことはないだろう。
ルール解説の字幕を出したり、WOWOW自体は一般層を狙った番組構成をしている。放送席に座っている無能がそれを理解せずに自己満足解説に終始しているだけである。
コンテンツの人気を測るのはミーハーの数だぞ
不人気コンテンツの弊害として、数少ない固定ファンがマニア化し過ぎて他人を排除するというのがある。
「わかってないヤツは語るな」
「素人はこっちくるな」
マジで愚かである。
僕はことあるごとに言っているのだが、コンテンツの人気の基準はミーハーの数である。
どれだけライト層に浸透しているか。どれだけ女性にキャーキャー言われるか。それが人気コンテンツと不人気コンテンツの差である。
そして、ミーハー層の数が多ければ多いほど露出が増え、競技者も増加して競技レベルが上がる。必然的にその中にいる人間の待遇もよくなる。死ぬほど簡単な話なのだ。
ラグビーというスポーツが、一部のマニア化したファンのせいでどれだけ一般層へ浸透する機会を逸しているか。考えれば考えるほど嘆かわしいというか、腹立たしいというか。
さらに言うと、そういう数少ないマニアが支える状況で育ってきた人間が、ちょうどラグビー界の中枢に入閣する世代なのだろう。一般層への浸透という至上命題をまったく理解していない無能が勢揃いしているのもわかるような気がする。
そう考えると、W杯の解説をしていた大畑大介はまあまあよかった。それでも僕にいわせれば、まだまだ専門用語の使い過ぎだが。
このシックス・ネーションズをもっとわかりやすいものにする一番の近道は、ラグビー好きの芸能人をゲストに連れてくることだろう。たとえばくりぃむしちゅーの上田あたりをゲストで連れてきて、ラグビーの魅力を語らせるのだ。
それが嫌だというラグビーファンはたくさんいると思う。「俺の好きな硬派のスポーツをチャラい芸能人で汚すな」と憤る方もいるだろう。
ただ、これだけは申し上げたい。
そんなことは人気が出てからの話だ。
ラグビーが野球やサッカー並みの人気コンテンツに成長したときにその主張をすればいい。不人気コンテンツであるラグビーがそんな値打ちをこいている場合ではない。利用できるものはすべて利用するべきなのだ。