RIZIN35現地観戦感想。久々のケラモフに期待の上田幹雄、圧倒的陽キャのスパイク・カーライルその他。ついでにグスタボvs矢地の感想も【2022.4.17】
2022年4月17日に東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで行われたRIZIN35を現地観戦してきた。
実を言うとこの日は現地観戦する予定はなかったのだが、前日にチケットが余っていたためノリと勢いで「よし、行くか」と。
久しぶりの来日となったジョニー・ケースやウガール・ケラモフに興味があったこと、以前ハンドボール観戦で訪れた武蔵野の森総合スポーツプラザがよかったこともあって急遽足を運んだ次第でございます。
トヨタ車体vs大崎オーソル現地観戦感想。時代はハンドボール。今年もプレーオフが最高に楽しかった件。でも、相変わらず自由席なのは…
というわけで、今回はこの日行われた試合の中から印象に残ったものをピックアップして感想を言っていくことにする。
しかしアレっすね。
前回も思ったけど、高音が出なくなりつつあるレニー・ハートには一抹の寂しさを感じる……。
RIZIN現地観戦結局クソ楽しくて笑う。
・扇久保が井上直樹、朝倉海に勝って優勝
・シバター一本勝ち
・サトシ、ベラトール挑戦宣言
・浜崎朱加、RENA普通に負けた
・天心サウスポー苦手
・武尊登場まさかだらけの1日だったけど、一番驚いたのは……
【悲報】レニー・ハートが明確に劣化
ですね。 pic.twitter.com/pS8d2lX2sl
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) December 31, 2021
Breaking Downが単純におもしろかった件。賛否両論あるけど僕は好き。オーディション編はいらないけどねw 木下優樹菜の輩感、馴染み方が尋常じゃない
○ルイス・グスタボvs矢地祐介×(2R3分14秒TKO ※RIZIN TRIGGER 3rd)
まずはこの試合。
前日に同会場で行われたRIZIN TRIGGER 3rdのメインイベントである。
もともと僕はRIZIN35よりもこちらを現地観戦しようと思っていたのだが、一番のお目当てだった金太郎vs倉本一真戦が中止になったために断念。配信視聴に切り替えた経緯がある。
で、その次に楽しみにしていたのがメインのグスタボvs矢地戦だったりする。
試合の感想だが、矢地が思った以上に“ちゃんと”負けたなぁと。
ここ最近の矢地は自分の成長に手ごたえを感じているとのことで、試合前のインタビューでも自信たっぷりのコメントを繰り返していた。
なので、僕もかなり期待していたのだが……。
結果は2RTKO。
グランドでの支配を許し、打撃でガッツリ効かされてのKO負けという。
打撃で圧倒されて苦し紛れのタックルを仕掛けるも、しっかり対応されて上のポジションを取られる。
ギリギリで立ち上がって再びスタンドでの打撃勝負を挑むが、右のカウンターを被せられてダウン→パウンドを落とされてジ・エンド。
打・倒・極すべてで上回られてのKO負け。
いっさいの言い訳が通用しないくらいの完敗、まさしく何もできずに終わった試合だった。
試合後にSNS等で「グスタボの打撃に付き合い過ぎた」「武術家と交流する上でいろいろなものを取り入れようとし過ぎ」などと様々な敗因が挙げられていたが、いや、そういう話か? と。
むしろ諸々の希望をすべて刈り取られたというか。相手の実力が一定以上になると手に負えなくなることがはっきりした試合だったと思うのだが。
まんべんなく器用にこなすオールラウンダーの矢地祐介だが、起点となるのはやはりスタンドでの打撃。
ここで歯が立たない場合、苦し紛れに組みにいく悪癖が顔を出す。で、今回もそこをグスタボに対応された上でのKO負けという流れ。
そこそこ期待していた分、なかなか衝撃的なやられ方だったことをお伝えしておく。
○ヴガール・ケラモフvs中島太一×(1R2分00秒レフェリーストップ)
では、ここからはRIZIN35の感想を。
まずは第2試合のヴガール・ケラモフvs中島太一戦について。
ウガール・ケラモフは前回の斎藤裕戦でのファイトが印象的で、約10か月ぶりの来日を楽しみにしていた選手である。
朝倉海は微妙? 井上直樹とんでもない。扇久保博正、元谷友貴、ベイノア、気の毒な那須川天心その他感想
相手の中島太一は初見だったのだが、現パンクラス暫定王者とのことでそれなりに期待感を持って観ていた。
と言っても、バンタム級の王者か。
フィジカルお化けのケラモフ相手に階級下の選手はちょっと厳しいんじゃないの?
あ、でもよくよく調べたら階級を下げての戴冠だったのね。
それならもしかしたら……などと思っていると。
ケラモフ強かったっす。
リング上で対峙した両者を比べると明らかにケラモフの方が一回り大きい。身体の厚さ、肩回りのゴツさなど、どうしても中島は見劣りしてしまう。
実際の試合もそんな感じ。
1発1発の威力や圧力には明確な差があり、正面衝突で中島はそのつど打ち負けてしまう。
カーフやキレのある右フック対抗した中島だったが、組み付かれてからはほぼ何もできず。「あ、ヤバい」と思ったときには試合が終わっていた。
なるほど。
やっぱりケラモフはええね。
体格差があったとはいえ、実力の高さには文句のつけようがない。
前回の斎藤戦も反則ばかり言われているが、個人的にこの選手の評価はかなり高い。
現在フェザー級GPが検討されているとのことだが、ケラモフのエントリーは決定事項だと言わせていただく(何様?)。
○スパイク・カーライルvs武田光司×(2R1分35秒レフェリーストップ)
UFCやベラトールの出場経験を持つスパイク・カーライルと元DEEP王者武田光司の一戦。
1Rはカーフキックやロープ際でのジャーマンを決めた武田が優位に立ったものの、2Rに一瞬の隙をついたカーライルがフロントチョークを極めての勝利。武田にとっては大金星を逃す試合となった。
スパイク・カーライルについては「どこかで聞いたことある名前だなぁ」と思っていたのだが、よくよく調べると2021年12月の堀口恭司vsセルジオ・ペティス戦のアンダーに出場していたアイツか!! と。
確か結構攻められていた局面からスルッとバックを取って逆転勝利してなかったっけ?
で、試合前の煽り動画を観ると陽キャっぷりが尋常じゃない笑
カリフォルニアの温暖な気候で育ったせいか、このおおらかさは天然ものである印象。
またPRIDEを観て日本での試合に憧れていた(本当かどうかは知らん)とのことで、これまた楽しみな選手だなぁと思っていたところ。
RIZIN vs Bellator全面対抗戦でRIZIN勢が全敗。クレベルと武田の試合でRIZINの現在地がわかった気がしたよ。スーチョルもサトシも惜しかった。扇久保は…
実際の試合だが、正直カーライルはそこまでぶっ飛んで強くは見えなかった。
序盤は武田のレスリング力に苦戦を強いられていたし、スタンドでのカーフで明らかに動きが鈍っていた。
「このまま武田が勝つんじゃねえか?」と思い始めた矢先にフロントチョークで逆転勝利を飾ったわけだが、いや、どうなんすかね。
いい選手なのは間違いないとは思うが、ジョニー・ケースやホベルト・サトシ・ソウザに比べるとワンランク落ちるような……。
過去の試合をいくつか漁ったが、そこでもあまりピンとくるものがなかったのだが。
もしくは単純に武田光司が強かったってこと?
要するに僕のような素人にはわかりにくい強さを持った選手なのかもしれませんね。
キャラとは対照的に。
○髙阪剛vs上田幹雄×(1R2分5秒TKO)
この試合は僕がこの日一番楽しみにしていた試合で、理由は極真世界王者の上田幹雄に興味があったから。
極真出身でMMAに挑戦中の選手と言えば“ブラックパンサー”・ベイノアが思いつくが、あの選手の異次元っぷりはちょっと群を抜いている。初MMAにもかかわらず弥益ドミネーター聡志を追い詰め、次戦ではロクク・ダリにKO勝利。昨年の大晦日には武田光司からダウンを奪う健闘を見せている。
本人が言うには自身のバックボーンである極真がMMAと親和性が高かったおかげで適応しやすかったとのこと。
MMAはキックと違って中間距離になることはまずない。
至近距離、もしくは打撃が届かない遠い位置で対峙することがほとんどで、極真の打撃が近い距離での攻防に応用できたことが大きかったと。
で、今回極真の世界王者がMMAデビューを果たすと聞いて俄然興味がわいた次第である。
堀口恭司vsパトリック・ミックス感想。ミックスの作戦勝ちだろうな。やっぱり堀口の距離が近くなってるし、適性がフライ級なんてのは今さら過ぎるわな
実際、この試合の上田はそこそこMMAに対応できていたと思う。
至近距離での蹴りは文句なしに凄まじかったし、仮に試合が長引けば上田が押し切っていたのではないか。
ロクク・ダリをKOしたベイノアもそうだが、至近距離での打撃であの威力を出せるのはどう考えても脅威。間違いなく極真ならではと言えるのだろうと。
今回は髙阪があまりにお見事だったものの、上田幹雄の今後には大いに期待している。
懸念材料があるとすれば体格的に練習相手が見つかりにくいことか。
BRAVEジムの宮田和幸と練習している映像をチラッと観たが、とんでもない体格差でしたね笑
というか、ストライカーにはやっぱりロマンがあるんですよ。
難しいとはわかっていても、打撃の能力をMMAの舞台で目いっぱい出せたらどうなっちゃうんだろう? という妄想は捨てきれない。
打撃系→MMAでの成功例がミルコ・クロコップやマーク・ハントといった一世代前の選手しか思いつかないのに比べ、グラップリング系の選手は山本美憂や伊澤星花、ホベルト・サトシ・ソウザ、太田忍、倉本一真、渡辺華奈など枚挙にいとまがない。
・柔道の投げ
・レスリングのグランドでの支配力
・柔術の下からの極め
寝技マスターが打撃を覚えれば鬼に金棒というのはもはや動かしようのない事実だが、それでも。
僕の中では極真が打撃系最後の砦と言っても過言ではなく、それだけにベイノアと上田幹雄への期待は大きい。
まあ、もしかしたらヘビー級だけは別物&すごいのは結局ベイノア単体でしたという結論なのかもしれませんが。
その辺はよくわからないっす。
伊澤星花vsフォントーラ、RENAvsアナスタシア、パク・シウvs浅倉カンナ、浜崎朱加vsジェシカ・アギラー。メインの仕事をした伊澤とカッコいいパク・シウ。やや低調だったRENA
三大タイトルマッチの感想は次回に
ちょっと長くなってきたので、三大タイトルマッチの感想は次回に。
と言っても大したことを言えるわけではありませんが。
RIZIN35三大タイトルマッチ感想。伊澤星花vs浜崎朱加、牛久絢太郎vs斎藤裕、サトシ・ソウザvsジョニー・ケース。謎リベンジマッチの伊澤と牛久が勝ってよかった
興味があれば引き続きお付き合いください。