侍ジャパン(日本)の敗因。油断、緩い空気。飛ばないボールと左投手の横変化。NPBのガラパゴス化。 #井端辞めろ なんて冗談じゃない【2024 WBSCプレミア12感想】

侍ジャパン(日本)の敗因。油断、緩い空気。飛ばないボールと左投手の横変化。NPBのガラパゴス化。 #井端辞めろ なんて冗談じゃない【2024 WBSCプレミア12感想】

日本が台湾(チャイニーズ・タイペイ)に敗戦を喫し、2大会連続優勝を逃したプレミア12。
 
「スーパーラウンド ベネズエラ vs 日本 | WBSC プレミア12 2024」
 
先日から申し上げている通り僕も今大会を楽しく観ており、11月23日には東京ドームでアメリカvsベネズエラ戦、日本vs台湾戦を現地観戦している。
 
侍ジャパンが台湾(チャイニーズ・タイペイ)に完封負け。飛ばないボールの弊害が大きいよね。現地観戦もしたし、各国の野球に触れて楽しかった
 
日本の敗戦は残念だったが、大会自体はめちゃくちゃポジティブ。
「野球は世界のいろいろな場所で行われている」「MLB、NPB以外にも様々なスタイルがある、選手がいる」ことを知識だけでなく実感として知れたのは本当によかった。
 
 
ただ日本の完敗はそれなりにインパクトがあり、試合直後はSNSや掲示板は罵詈雑言で溢れかえっていた。
 
中でも試合前の円陣は物議を醸している。
下記の記事でもあの円陣は「緩い空気」「慢心」といったフレーズで否定的に捉えられている。


と言いつつ、僕は侍ジャパンの敗因は他にあると思っている。
 
というわけで今回は侍ジャパンの敗因について。
既出の内容も含めてあーだこーだと語っていく。
 

「緩い空気」「慢心」はもちろんあったけど…。大会を通して粗いプレーが目立った

まず記事内で言及されている「緩い空気」「慢心」について。
はっきり言ってこれはあると思っている。
 
僕はあの円陣には何も思わなかったが、罰金を払ってまで先発投手を変更する等、なりふり構わず勝ちにこだわった台湾に比べて勝利への執着は薄かったかもしれない。
 
 
だが、それよりも目に付いたのが大会を通したプレーの粗さ
 
特に走塁ミスの多さは怒りすら覚えるほどで、毎試合物足りなさを感じていた。
その他、何でもないセカンドへの送球を暴投したり、投げなくていいタイミングで送球してランナーを進められたり。点差のついた最終回に無気力な三振をしたり。
 
僕はよくも悪くも丁寧なのが日本野球の特徴だと思っているが、今回の侍ジャパンにはそこが欠けていた。
 
イチローのこの記事↓を読んだばかりだったこともあって余計に。


今回のプレミア12はMLBの選手が不参加、辞退者も多く一部では難しい大会になるのでは? と言われていた。
だが、どことなく「勝って当たり前」「まあ優勝でしょ」の空気が流れていたことも確か。
 
そういう空気があの粗さにつながったのは大いにあると思う。
実際、予選でもキューバに負けそうになったしね。
 

やっぱり“飛ばないボール”問題。国内リーグの投高打低が国際的な競争力低下につながる

表題の件、僕が思う「緩い空気」「慢心」よりも大きな敗因がこの“飛ばないボール”問題である。
 
2024年シーズンは開幕当初から「今年のボールは飛ばない」と喚き散らしてきたが、国際大会の一番大事な試合でその弊害が顕在化した。


飛ばないボールの何がダメかは下記で申し上げた通り。
 
プレミア12がおもしろい。NPBでやれそうな選手が各国1、2人いる。獲得するかは別だけど。NPBの飛ばないボールは害悪でしかないよね
 
打者は思い切り振っても長打にならないのでどうしても単打狙いの“当てる”バッティングになる。
その結果徐々に強く振る力が失われ、リーグ全体の打撃力低下が起きる。
 
一方、投手陣は芯さえ外せば長打を防げる状況に慣れて投球パターンが単調になる。
球威の足りない投手でもストレートで勝負できてしまうせいでこちらも全体的な能力低下につながる。
 
で、いざ国際大会で使用される“飛ぶボール”(普通のボール)に苦労する流れ。
 
 
台湾の打者は日本の打者よりも明らかに振りが鋭かったし、エース級の投手がポンポンスタンドインを許す光景は今年のNPBでは見られなかったもの。
 
国内リーグで完結する分には構わないが、国際大会での競争力低下はどうなのよ? と。
冗談抜きで日本野球のアイデンティティを揺るがす事態だと思うのだが、どうだろうか。
 

日本の打者は左ピッチャーの横変化が苦手。各国の日本対策も進んだ感じがするよ

そしてもう一つ。
日本の打者が左ピッチャーの横変化を苦手としているのも大きい(と思う)。
 
今年の日本シリーズは4勝2敗でDeNAがソフトバンクを下したわけだが、シリーズの流れを変えたのが第3戦の東克樹、第4戦のアンソニー・ケイである。
 
どちらも「腕が低い位置から出る+外に逃げるスライダー、カッター系」が特徴のサウスポー。
ソフトバンクの各打者(特に左打者)はこの外の球にめちゃくちゃ苦労していた。
 
DeNAがソフトバンクをここまで追いつめるとは。第3戦の東克樹の熱投に感動した。シーズン3位のDeNAの日本シリーズ出場には納得してないけど笑
 
今大会でもそう。日本はベネズエラのL.ベレト、アメリカのリッチ・ヒル、台湾のリン・ユーミンと一定以上のサウスポーに軒並みいいピッチングをされている。
リッチ・ヒル、リン・ユーミンに関しては手も足も出なかったほど。
 
この辺は各国の日本対策が進んだ結果だと想像する。
 

外に広い日本のゾーン。拾う技術は高いけど、その分追いかける傾向も…

左ピッチャーの横変化に苦戦する原因は外に広い日本のストライクゾーンにあると思っている。
 
日本のストライクゾーンが外に広いのは周知の事実で、外に沈む球にバットが止まらず1年で解雇された助っ人は数え切れない。
 
逆にNPBの打者、NPBで活躍する助っ人は外の見極め、バットが届く範囲なら多少外れていても拾う技術を兼ね備えている。
なぜならそれができないとやっていけないから。
 
 
逆に言うと、日本の打者は少々のボールでも構わず追いかける傾向が強い。
 
2023年にDeNAに所属したトレバー・バウアーは開幕当初は高低差とスピードの変化で勝負したがうまくいかなかった。
その際に僕は「左右をもっと広く使った方がいい」「外に広い日本のゾーンを利用すれば」と連呼している。


実際、バウアーは横変化をうまく使うようになってから好投が続いた(と思う)。
 
トレバー・バウアー、西武打線を3安打2失点に抑えて2勝目。左右を広く使うコツを掴んだ? 初回先頭へのスライダー2球で「今日はいい」って思ったよね
 
今大会の侍ジャパンが左投手に苦労したのも同じ理由。チームに左の好打者タイプが多かった(小園、辰巳、桑原、源田、坂倉、佐野)のも、カモにされた(対策された)要因なのではないか。
 

井端監督への暴言はほどほどに。損しかない役回りを引き受けてくれたんだから

・大量の辞退者
・「勝って当然」の空気
・大会を通して目立った粗さ
・“飛ばないボール”問題
・左ピッチャーの横変化に弱い
 
(僕が考える)侍ジャパンの敗因は概ねこんな感じ。
 
井端監督の采配のマズさももちろんあったと思うが、それは根本原因ではない。
飛ばないボールの導入によって国内リーグのガラパゴス化に拍車がかかり、国際的な競争力が低下した。
その割に「普通にやれば勝てるだろ」のノリがどこかにあった。
 
結果、台湾の先発サウスポーにちんちんにされたというのが僕の中でのファイナルアンサーである。
 
 
敗戦直後に「#井端辞めろ」のタグがTwitterのトレンドになっていたが、冗談じゃない。
采配に不満があるのはわかるが、暴言もほどほどにした方がいい。


2023年のWBC優勝からの監督引き継ぎという損な役回りを引き受けた時点で尋常じゃない感謝ポイントが貯まっているわけだしね。
 

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