山本由伸、大谷翔平(ピッチャー)、デイブ・ロバーツ采配。連続完投勝利の山本由伸、初回から飛ばしまくりの大谷翔平、カーショーを1/3回で降ろした&トライネンを重用するデイブ・ロバーツ【2025.10.29感想】

山本由伸、大谷翔平(ピッチャー)、デイブ・ロバーツ采配。連続完投勝利の山本由伸、初回から飛ばしまくりの大谷翔平、カーショーを1/3回で降ろした&トライネンを重用するデイブ・ロバーツ【2025.10.29感想】

2025年のワールドシリーズ、LAドジャースとトロント・ブルージェイズによる熱戦が続いているわけだが。
 
今回も僕が注目している(ドジャース所属の)日本人選手について。
・山本由伸
・大谷翔平(ピッチャー)
の2人である。
 
山本由伸は10月26日に敵地ロジャース・センターで先発、9回105球を投げて4安打1失点で勝利。前回のブリュワーズ戦から2試合連続で完投勝利を挙げている。
また大谷翔平(ピッチャー)は10月29日の本拠地第4戦に先発、6回93球被安打6、失点4で降板している。
 
守護神・佐々木朗希!! ポストシーズン4試合の中ではダントツの出来。最初の2球で「今日はやべえぞ」ってなったよね。改めて佐々木朗希はこのタイミングでMLBに行ってよかったな
 
なお10月28日の第3戦は延長18回までもつれる大激戦となり、26日に完投勝利を挙げた山本由伸がブルペンで肩を作る光景が驚きをもって伝えられている。
 
視聴は下記↓
「MLB配信」
 

山本由伸

まずは山本由伸について。
上述の通り結果は9回105球被安打4、1失点で完投勝利。
MLB初完投を果たした前回登板に続いての連続完投はお見事である。
 
恐らくこの日のコンディションは上の中くらい。
最初から飛ばしまくりでまっすぐは常時95マイル超え、そこにスプリットとカーブを織り交ぜるいつもの組み立てである。
 
ところがフルスロットルの山本由伸の球をブルージェイズ打線はしっかりと打ち返してくる。
いきなり1、2番に連続安打を許したのを観て「おいおい、この球をサクサク打つってどういうことだよ」「どんな集中力しとんねん」と驚かされた。
調子自体は悪くなかったと思うが、3回までを観る限り苦労しそうな印象を受けた。
 
ダメダメ佐々木朗希とMLB初完投勝利の山本由伸。佐々木朗希は最初の打者で調子が悪いとわかった。山本由伸の完投は本当に大きい。佐々木朗希の休養+トライネンを出さずに済んだ
 
だが4回からカッター、スライダーを増やしたことで様相が変わる。
初球にまっすぐを見せてからカッター、スライダー、カーブ(順不同)と左方向に変化する球を投げ分ける。
 
ゾーンでどんどん勝負していくのでバッターも早めに手を出さざるを得ない。
結果として1人の打者への球数が減り凡打が量産される。
 
最初からそうしようと決めていたのか途中で方向転換したのかは不明だが、これはかなり有効だった。
山本由伸は肘への影響を考えて極力 スライダーを投げない方針らしいが、今はそんなことは関係ない。以前も申し上げた通り“リミッターを外したポストシーズン仕様”のピッチングである。
 

大谷翔平(ピッチャー)

お次は大谷翔平(ピッチャー)について。
この日は6回93球被安打6で降板、後続が打たれたため自責点4で負け投手となっている。
 
僕は今シーズンの大谷翔平をほとんど観ていなかったのだが、先日の6回無失点ピッチング(+HR3本)で一気に興味をひかれている。
 
フォームが横振りになってカーブ、スライダー、スイーパー、カッターと左方向への曲がり球中心の組み立て。まっすぐは浮き上がる系の軌道に、フォークはシュート成分が増えて鋭く斜め下に落ちる軌道に変わっている。
 
これまでの大谷(2度目のトミージョン手術をする前)は縦振りのフォームからまっすぐとフォークを軸にスライダーを織り交ぜるピッチングだったが、復帰後は別人レベルの変化球ピッチャーになっている。
下記の通り和製シャーザーと呼べるような変わりっぷりに「なんだコイツ、すげえな」と思った次第である。
 
大谷翔平ホームラン3本、6回2安打無失点10奪三振でシリーズMVP。嘘だろお前、途中まで戦犯レベルで何もしてなかったのに全部かっさらいやがったw 横振りのフォームに変えて和製シャーザーみたいなピッチング
 
この日も左方向への多彩な変化球を投げつつ浮き上がる系のまっすぐをズバッと。
しかも初回から飛ばしまくりでなりふり構わず全力で腕を振る。
前日の延長18回勝利を受けての登板だっただけに気合いも入っていたと想像する。
 
だが、ちょっと微妙だったのがスライダーが浮き気味なこと。
98マイルのまっすぐの直後に投げるスライダーが効果絶大なのはわかるが、それが肩口からフワッと入ってくるのがおっかない。
案の定、3回にウラジミール・ゲレーロJr.に高めに浮いたスライダーをスタンドインされてしまった。
 
ただ、それ以降はほぼ完ぺき。
6回あたりから球の勢いが落ちる→7回に連打を浴びて降板するまではさすがのひと言だった。
思わず「何でこの人はピッチャーに専念しないの?」と聞きたくなるほど。
 
まあ、答えは「打者で50本打つから」なんですが笑
 

デイブ・ロバーツ采配

そしてポストシーズン突入後? に話題になっているドジャースのデイブ・ロバーツ監督について。
 
この人の采配がダメダメだというのは長年ドジャースを観ている方にとっては常識で、SNSでもバチ切れする光景を何度も目にしている笑
なので、絶不調のブレーク・トライネンを重用することにそこまで驚きはない。
コアな方にとっては「だってロバーツだし」で終了する話である笑
 
しかもなまじチームが強い(金で選手をかき集めることが可能な)ために責任を取らされることもなく。
2029年までの長期契約(年俸約12億らしい)は見る人が見れば正気の沙汰ではないとのこと。
 
 
先日の山本由伸の件(先発完投から中1日でのブルペン入り)もそう。
 
7回に(左右病を発症して)2アウトからブレーク・トライネンを投入→あっさり逆転を許す。
延長12回2アウト満塁で登板したクレイトン・カーショーをわずか1/3回で降ろす。
そんなチグハグを繰り返した結果が「アカン、ピッチャー足りん」「ヤマモロゥ頼む!!」である。


一応言っておくと、ブルペンに足を運んだ山本由伸は文句なしに素晴らしかった。
あの局面で自ら志願してマウンドに上がる、その姿勢を見せたことでチームが一丸となったのは間違いない。
 
ただ、それは采配で防げた(防ぐべきだった)んじゃないの? という話。
 
後先考えずに総力戦で勝ちにいくのがポストシーズン。
その一方で全7戦(+延長戦)を見据えた選手起用をするのが首脳陣の役割。
さすがに18回の長丁場は想定外かもしれないが、もうちょいやりようがあっただろと。
少なくともウィル・クラインが4回も投げる、2日前に完投した山本由伸まで引っ張り出す(未遂)状況は回避できたのではないか。
 
ポストシーズン仕様の山本由伸、リリーフでリミッターを解除した佐々木朗希。ドジャースが2連勝で地区シリーズ進出決定。まっすぐで押しまくる山本由伸すげえ。佐々木朗希はあのくらいはやって当然だよね
 
もっと言うと、28日の大谷翔平の交代も1人遅い。
上述の通りこの日の大谷は初回から飛ばしまくって6回あたりで落ちてきていた。
7回先頭打者のドールトン・バーショに初球をヒットされた場面、代えるとしたらここである。
次のアーニー・クレメントに2塁打を打たれる→ノーアウト2、3塁になってからではダメ。そんなピンチに駆り出されるアンソニー・バンダは気の毒でしかない。
 
立ち上がりはダメダメだったシェーン・ビーバーが3回から立ち直り、後続もナイスピッチングを続ける。
前日の激闘を制した+味方が点が取れない状況で、あそこは絶対に追加点を防がなければいけなかったわけで。


ちなみに阪神vsソフトバンクの日本シリーズ第3戦、6回2アウトから先発才木の後を継いだ及川は当然のように回跨ぎをしている。
僕もそれが当たり前だと思ったし、改めてカーショーを1/3回で降ろしたのは悪手だった。
 

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