中谷潤人vs西田凌佑。中谷の野生味、アドリブ力が西田の作戦遂行能力を上回る。西田のプランを力でぶっ壊した中谷。中谷ってもともと草食男子の振りした戦闘民族ですよ?【結果・感想】

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2025年6月8日に東京・有明コロシアムで開催された「Prime Video Boxing 13」。
メインイベントでWBC/IBF世界バンタム級王座統一戦が行われWBC王者中谷潤人とIBF王者西田凌佑が対戦、6R終了TKOで中谷が勝利している。
中谷潤人、西田凌佑にTKO勝利し2団体統一!激闘に西田の肩が脱臼、目は大きく腫れる#中谷潤人 #西田凌佑 #ボクシングhttps://t.co/KFEx2xA0Kr
— eFight(イーファイト)格闘技&フィットネス情報 (@efight_twit) June 8, 2025
毎回足を運んでいるPrime Video Boxingだが、この日は予定があって現地観戦できず。
久しぶりの自宅視聴となっている。
で、今回はメインイベントの中谷潤人vs西田凌佑戦についてである。
全編視聴は下記↓
- 1. 中谷が中盤〜後半KOしそうだけど、勝敗予想は西田。何重にも予防線を張ってやったぞw
- 2. 西田陣営の作戦がめちゃくちゃ楽しみだった。陣営の有能さと西田本人の能力の高さ
- 3. 中谷相手に接近戦では歯が立たないと思っていた時期が僕にもありました
- 4. 5Rあたりから西田の動きが落ち始めて最後は脱臼でギブアップ。やっぱり戦力的には中谷が一枚上だったかな
- 5. 中谷潤人は調子自体はよくなかった。最初の猛ラッシュも勝負を急いでいるように見えた
- 6. やっぱりバンタム級に留まるのが厳しくなってるんだろうな。調子の悪い中で勝ったのはすごいけど
- 7. 中谷のラフファイトが一部で批判? まあアレに嫌悪感を示す人がいてもおかしくないよね
- 8. 中谷潤人はもともと“そっち側”の人間。草食男子の振りをした戦闘民族だから
中谷が中盤〜後半KOしそうだけど、勝敗予想は西田。何重にも予防線を張ってやったぞw
まず試合前の僕の展望はこちら。
中谷潤人vs西田凌佑無事に決定してよかった。西田勝て、絶対勝て。既定路線の井上尚弥vs中谷潤人の東京ドーム構想をひっくり返せ。皮算用してるヤツらを全員絶望させろ
中盤から後半にかけて中谷潤人が西田凌佑をKOしそうだが、僕が応援するのは断然西田。
大手プロモーションの思惑通りにモノゴトが進むのが気に食わないので西田にはそれをぶっ壊してほしい。
というわけで勝敗予想は西田の判定勝ち。
なぜなら僕が西田を応援しているから。
こんな感じで何重にも予防線を張りまくったことをお伝えする笑
西田陣営の作戦がめちゃくちゃ楽しみだった。陣営の有能さと西田本人の能力の高さ
また、僕がこの試合でもっとも楽しみにしていたのが西田陣営がどんな作戦でくるか。
過去の試合を観る限り西田凌佑のブレーンはめちゃくちゃ有能。相手の嫌がる部分を徹底的に調べた上でピンポイントで作戦を立てる。
そして本人は陣営の立てた作戦を忠実に実行する。
地力の高さに加えてメンタルも強いのだと思うが、「これ!!」と決めた作戦を貫く能力はマジでとんでもない。
2021年4月の比嘉大吾戦では身長差を活かしてのしかかるようなクリンチを多用し比嘉の長所を消してみせた。
西田凌佑すげえわ。比嘉大吾対策は堤聖也よりもはるかに上。比嘉はどこを基準にするかだろうな。相手を選んで王座戴冠を狙うか
あの試合を観て「西田は性格の悪さが最高」と思ったが、実はそうではなかった。
試合ごとに変わる立ち回り、相手の特徴に合わせたファイトを目の当たりにするたびに西田の強さ、うまさと陣営のスカウティング能力の高さに気づかされた笑
そんな感じで今回も西田陣営が中谷相手にどんな作戦を立てるか、それを本人がどこまで貫けるかに注目していた。
中谷相手に接近戦では歯が立たないと思っていた時期が僕にもありました
そして、西田凌佑が選択したのはまさかの接近戦という。
開始直後の中谷の猛ラッシュに耐え2、3、4Rと徐々に盛り返す。
ワイルドで大振りな中谷に対して西田は近距離をシャープに打ち抜く。
中谷に力負けせずもう一歩中に入って左ボディ。
中谷がこのボディを嫌がって下がるなど、接近戦では西田の方がやや押していた印象である。
マジな話、これは結構驚いた。
中谷潤人のフルスロットルを真正面から受けても下がらない、逆に押し返す光景に「うおお!! すげえ!!」と。
中谷と接近戦で渡り合った選手でパッと思いつくのは2022年11月のフランシスコ・ロドリゲスJr.。
あの試合の中谷はロドリゲスの上下の打ち分けに苦労していたが、正直西田が同じことをできるとは思えず。
さらに当時の中谷がS・フライ級初戦だったのに対して今回はバンタム級のタイトルマッチである。
あの頃に比べて一段スケールアップしていることを考えると、いくら西田でも「打たれながら中に入る→ボディで下がらせる」のは難しいのではないか。
でも、アレなんですよね。
西田凌佑は比嘉大吾戦にも近距離で打ち勝っているし、エマヌエル・ロドリゲスをボディでダウンさせてもいる。
アウトボクシングのイメージが先行しがちだが、むしろ近場の差し合いやフィジカル勝負で強さを発揮する選手なのかもしれない。
西田凌佑がエマヌエル・ロドリゲスに勝利。ジャブで圧倒してロドリゲスに中間距離を諦めさせる。そういえば比嘉戦でも接近戦やってたわ
5Rあたりから西田の動きが落ち始めて最後は脱臼でギブアップ。やっぱり戦力的には中谷が一枚上だったかな
ところが5Rあたりから西田の動きが落ち始める。
右目の腫れも酷くなり「ちょっとまずいかも?」という流れに。
結局6R終了時点で西田陣営がギブアップを申し出るわけだが、直接の理由は右肩の脱臼とのこと。
ああ〜、マジか。
脱臼か。
僕はどちらかというと目の腫れの方が気になっていたのでこれはちょっと意外だった。
思い返してみると確かに5、6Rはジャブが減っていたような……。
しかも目の腫れはバッティングが原因だったとか。
西田陣営の「ガードを固めつつ同時打ちのカウンターを出しながら前進→接近戦でボディ」の作戦はうまく機能していたが、中谷の左オーバーハンドには最後まで対応できなかった。
あの左を受けまくったせいで腫れた(たぶんそれもある)&防御で手いっぱいでジャブを出せなくなったと思っていたが、実際はどちらも不可抗力だったのね。
で、異変に気づいた中谷がそこを集中的に攻めて勝負を決めたと。
僕の中では西田に二番底があるのか、このまま落ちていくのかという局面だっただけにこの結末は残念である。
西田もめちゃくちゃ悔しそうだったしね。
中谷潤人vsビンセント・アストロラビオ。今回も中谷がやヴぁいw アストロラビオもいい動きしてたのに。今すぐ階級アップして井上尚弥戦目指すのもアリ?
西田陣営の立てた作戦は的確だった。
それを遂行する能力も兼ね備えていた。
ただ、ギリギリの状態で持ち堪える西田に対して中谷には終始余裕が感じられた。
後半にかけて余力を残していたかは不明だが、やはり純粋な戦力は中谷が一枚上だったのではないか。
中谷潤人は調子自体はよくなかった。最初の猛ラッシュも勝負を急いでいるように見えた
一方の中谷潤人だが、こちらは調子自体はあまりよくなかったと思っている。
いきなりの猛攻には「おお、すげえ」となったが、同時に勝負を急いでいるようにも感じられた。
本人は試合後にアレは作戦だったと明かしたものの、いや、本当か? と。
西田のペースに合わせてしまうとそれこそブラックホールにハマる。減量苦の状態でそこから巻き返すのは至難の業。むしろ少ない燃料を無理やり燃やしている印象を受けたのだが。
で、案の定3Rあたりで失速→接近戦を嫌がって後退するなどペースを奪われかける。
僕もこれ↓と同意見でございます。
中谷が1回から打ち合いを仕掛けたのは意外だった。ただいつもより全体的なスピード感に欠けているように見えた。大振りのパンチも本来はもっと切れとスピードがある。減量がいよいよきつくなり、バンタム級が限界にきているのかもしれない。
「【大橋秀行】中谷潤人バンタム級では限界か 減量から解放され井上尚弥戦が実現すれば怪物同士の戦いに」
やっぱりバンタム級に留まるのが厳しくなってるんだろうな。調子の悪い中で勝ったのはすごいけど
もちろん差し合いや駆け引きが得意な西田のペースを乱すために初っ端から“カマす”作戦はアリだし、流れが変わりそうな局面でラフに立ち回る強引さもよかった。
作戦を忠実に遂行する西田に対して野生的な立ち回りでぶっ壊しにいくアドリブ力、嗅覚を発揮したのも大きい。
さらに序盤のスパークからいったん休む→もう一度ギアを上げるエンジンのデカさ、安定感の西田を瞬間最大風速で飲み込んだのもさすがである。
申し上げたように戦力的にはやはり中谷の方が一枚上手。
それらを踏まえた上で、出来自体はよくなかったと申し上げている。
↓試合直前に自コーナーで中谷がガウンを脱いだときに思ったこと。
中谷潤人これ、そんなに調子よくないんじゃないか?
割と西田凌佑にもチャンスあるかもしれん。
ホントにがんばれ西田凌佑。
全部ぶっ壊せ。— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) June 8, 2025
ゲッソリとコケた頬、身体つきもどことなく頼りない。
肌にハリがないというか、ガサガサしているというか。
いつも申し上げているようにこういう初見の印象はバカにできない。
前回のダビド・クエジャル戦以上のコンディションの悪さを感じた次第である。
僕の気のせいかもしれないけど今日の中谷潤人、ちょっとだけのっそりしてたかもしれん。
ストップ&ゴーのブレーキが利かないというか、打ったあとの復元が遅いというか。頬のコケ具合を見ると早くも減量がキツいのかな? という印象も受けた。
単純にダビド・クエジャルが強かったのかもしれん。 https://t.co/XbxQexweMp
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) February 24, 2025
中谷潤人vsダビド・クエジャル現地観戦。いつも通り中谷の無慈悲なKO勝利。でも出来はよくなかった? 若干もっさりして身体が重そうだった。そろそろ減量苦がきてるのかも?
調子が悪い中で西田陣営の作戦をぶっ壊しての勝利は文句なしにすごいし、バンタム級最強決定戦にふさわしいファイトだったとも思う。
その反面、コンディションが悪すぎて現状ではvs井上尚弥を考えるまでに至っていない(僕の中で)。
S・バンタム級初戦は調整試合になると思うが、そこでバンタム級に上げた直後のようなスケールアップがあるのか、「あれ? そうでもねえぞ?」となるのかに注目している。
ちなみに井上尚弥の場合は後者だった。
中谷のラフファイトが一部で批判? まあアレに嫌悪感を示す人がいてもおかしくないよね
中谷潤人のラフファイトが一部で批判されているようだが、へえ〜、そうなんですね。
確かにこの日の中谷はだいぶ荒っぽかった上に頭が当たる(中谷が頭を下げて近づく)シーンも目についた。指摘されているクリンチでの投げ飛ばし? などは「あ、危ねえ」と声が出たほど。
要は、これまであまり見られなかった(浸透していなかった)中谷の野生味が悪い意味で意外だったと想像する。
え? あの中谷潤人がこんなことするの?
普段から荒々しい空気がまったくない中谷潤人が?
みたいな。
僕は「今日は飛ばしてるな〜」「怪我すんなよ〜」程度だったのだが、アレに嫌悪感を示す人がいてもおかしくないとも思う。
中谷潤人はもともと“そっち側”の人間。草食男子の振りをした戦闘民族だから
一応言っておくと、もともと中谷潤人って“そっち側”の人ですからね?
「草食系男子がたまたまボクシングの才能がありました」みたいな雰囲気ですけど、ちゃんと戦闘民族ですよOK?
僕がそれをはっきりと感じたのは2022年4月の山内涼太戦。
8RTKOで中谷が勝利したものの、山内の粘りに手を焼いた試合である。
試合後の記事が下記。
フィニッシュまでやや長引いたのは、パンチ力とタフさを併せ持つ山内を相手に「リスクを冒したくなかった」と説明した。
【ボクシング】”ネクスト・モンスター” 中谷潤人が圧勝TKOでV2 | BBMスポーツ | ベースボール・マガジン社
いや、嘘つけw
明らかにモタついとったやんけ。
この「倒そうと思えば倒せたけどあえてやらなかった」という言い回しに本人の負けず嫌いっぷりが滲み出ている。
今回も試合後の会見で「効いたパンチはなかった」と豪語しているが、またまた〜、ボディ効いてましたよね? と。
これは中谷を批判しているわけではない。
いいか悪いかではなく中谷潤人も負けるのが大嫌いな格闘家ですよという話。
草食男子の皮を被っちゃいるけど、根っこの部分は純正のファイター。
井上尚弥とは別ベクトルの俺様野郎である。
そういう意味でもあのラフさにそこまで驚きはない。
むしろしっかりと“俺様”をやってくれたことに安心すらしている(違
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