ロドリゲスの評価が下がった? いや、モロニーの評価が上がったんだよ。河野公平化したモロニーがロドリゲスを追い詰める【結果・感想】
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2018年10月20日(日本時間21日)、米・フロリダ州で行われたIBF世界バンタム級タイトルマッチ及びWBSS同級1回戦。
王者エマヌエル・ロドリゲスとランキング3位ジェイソン・モロニーが対戦し、2-1(115-113、115-113、113-115)の判定でロドリゲスが勝利。初防衛に成功するとともに、2019年春に予定されるWBSSトーナメントの2回戦でWBA王者井上尚弥と対戦することが決定した。
井上尚弥にとって最大の難関と言われるロドリゲスが、無敗の挑戦者モロニーと対戦したこの試合。
サイドに回りながら距離を詰めるモロニーに対し、ロドリゲスも鋭いジャブで応戦。序盤から一進一退の攻防が続く。
中盤以降もモロニーの動きは落ちず、常にインファイトでロドリゲスを追い詰める展開が続く。
ロドリゲスも得意のコンビネーションを打ち込むものの、モロニーの激しい出入りを捉えきれず。
終盤2Rは、両者が頭をつけての激しい打ち合いに。
会場が大きく盛り上がる中、試合終了のゴングが鳴らされる。
辛くも2-1の判定で勝利したロドリゲスだが、中にはモロニーが勝っていたという意見も。
会場で観戦した日本の井上尚弥も「期待していたファイトには到達していなかったというのが率直な感想」とコメントするなど、ロドリゲスにとってはやや物足りない内容となってしまった。
モロニー(マロニー)がんがれ。井上尚弥相手にどこまで粘れるかの試合かなぁ。モロニー好きだし、井上の苦戦も観たいけど
ロドリゲスvsモロニー最高だったなw 山ほど試合があった中で厳選した甲斐があった
日本の村田諒太がラスベガスのリングでロブ・ブラントに敗れた同日、フロリダ州で行われたWBSSバンタム級トーナメント1回戦。IBF王者エマヌエル・ロドリゲスvs同級3位ジェイソン・モロニーの一戦である。
そして、個人的に1回戦の中でもっとも白熱するのでは? と思っていた試合でもある。
「エマヌエル・ロドリゲスvsジェイソン・モロニー予想。井上の難関ロドリゲスと期待のモロニー」
で、実際の感想だが、「もう最高だったww」
この日は村田vsブラント戦を含め、各地でさまざまな興行が開催された。
S・フェザー級のテビン・ファーマーやミドル級のデメトリアス・アンドラーデなど。
日本人選手との絡みも期待される選手も多数出場し、ボクシングファンにとっても大忙しの1日だったのではないか。
ただ、全体的には低調な試合が多く、KO決着どころかダウンシーンすらもほとんどなかったとか。
がんばって観戦した割に満足度が低いという感想もちらほら見えたし、試合が多いだけでちょっと微妙だったのかな? という気もしないでもない。
モロニーvsバエズ感想。僕はジェイソン・モロニーが好きなんですよね。井上尚弥とはロドリゲスではなくvsモロニーが観たかった
そんな中、上述の村田vsロブ・ブラント戦と今回のロドリゲスvsモロニー戦に絞った僕の充実度ww
こういうチョイスはなかなか難しいのだが、我ながらうまく引き当てた感が強い。
いやまあ、時間がなくてこれが手いっぱいだったという噂もありますがww
今回は両者の左の精度と威力の勝負になる。そして、ロドリゲスが少しだけ上回って勝利すると予想していた。でもモロニーがよかった
前置きが長くなったが、試合の感想を。
表題の通りなのだが、ジェイソン・モロニーがめちゃくちゃよかった。
僕は今回の試合、ロドリゲスとモロニーの真正面からのどつき合いになると思っていた。
両者ともに鋭い左ジャブの持ち主で、下がりながらのカウンターも打てる。
射程はロドリゲスよりもモロニーの方が近く、手数はモロニーの方が上。
1発の威力はロドリゲスが勝るだろうが、モロニーが自分の得意な距離を作ればペースを掴める。
要は、左の精度と威力でどちらが上回るかの勝負。
ジャブの差し合いで勝った方が自分の距離で対峙し、試合を支配することができる。
逆にこの部分で負けた方は地獄。もしかしたらKO負けもあり得る? かも?
そして、結果的にロドリゲスがすべての面でモロニーを少しだけ上回るのではないか。
これが、両者の過去の試合を観た上での印象(予想)である。
モロニーの動きが想定をはるかに超えていた。まさか河野公平化でロドリゲスを追い詰めるとはね
ところが、実際にはまったくそうはならず。
「ロドリゲスの判定勝利」という結末だけは当たったが、そこまでの経緯は似ても似つかない。
というより、モロニーの動きが僕の想定をはるかに超えていたと言った方が正解か。
絶えず身体を振って左右に動き、ロドリゲスのプレッシャーを散らす。
徐々に半径を狭めるように、アングルをつけて接近。
そして、ロドリゲスの左の戻りに合わせて鋭く踏み込み、懐に侵入して連打を浴びせる。
強力な左とコンビネーションが得意なロドリゲスだが、動き自体はやや直線的。
これだけモロニーに動かれると、どうしても反応がワンテンポ遅れてしまう。
その瞬間をうまく突かれて侵入を許し、そのつど窮屈な至近距離での差し合いを強いられる。
「エマヌエル・ロドリゲスなかなかいいっすね!! ポール・バトラーを寄せつけず。井上尚弥vsペッチバンボーンだったな」
なるほど。
これできたかモロニー。
過去の試合を観る限り、この選手はもっと直線的に攻め込むタイプだと思っていたのだが。
こういう動きもできるヤツなのか。
似たような試合展開でパッと思いつくのは、エイドリアン・ブローナーやハビエル・フォルトゥナ戦でのアドリアン・グラナドス。パッキャオやクロフォード戦でのジェフ・ホーン。
そして、代表的なのが我らがMr.雑草魂、河野公平。
左右に動きながら徐々に回転半径を狭めて距離を詰める動き。
カウンター狙いで待ち構えている相手を崩す方法としては、めちゃくちゃ有効に思える。
というか、モロニーも河野公平戦で散々これをやられてたからな。
もしかしたら、それで学習したのかもしれませんね。
あ、一応申し上げておくと、僕はアドリアン・グラナドスさんのインファイトが大好きな人間ですww
勝利のために自分の得意分野を捨て、全力で勝機を見出したモロニーすばらしい。今後もチャンスがくるといいね
いや、ジェイソン・モロニー本当にすばらしい。
申し上げたように、この試合はどちらが自分の距離で対峙できるかの勝負になるはず。
お互いの左ジャブがどれだけ機能するかが勝敗を分けると考えていた。
腕が伸びる位置で思いきりコンビネーションを打ちたいロドリゲスと、もう1歩近づいて連打を浴びせたいモロニー。
そして、恐らく正面衝突で上回るのはロドリゲスの方。
各ラウンドでわずかずつ上を行ったロドリゲスが、中差で判定勝利すると予想していた。
ただ、そんなことはモロニー陣営は重々承知。
正面突破は難しいと判断し、最初から真っ向勝負は放棄する。
ロドリゲスとの正面衝突で上回る確率より、河野公平直伝(かどうかは知らんが)のプレスで追い回す方が勝利の確率は高い。接近戦にさえ持ち込めば、ロドリゲスのコンビネーションを封じつつ得意の連打でペースを掴めるはず。
正面からの打ち合いで何とかできると考えたロドリゲスに対し、サイドへの動きを織り交ぜて勝機を見出したモロニー。
「自分の全力は通用しない」と認め、勝利のための第2手を用意する潔さ。
しかも、それを動きを落とさずに10Rまでやり続けたのがすごい。
ラスト2Rで突然打ち合いに移行したが、仮にそれまでのペースを継続していれば、結果がどうなっていたかはマジでわからない。
というか、ここまでできるなら今後もチャンスはあるでしょ。
それこそ井上拓真になら勝てるんじゃないの?
知らんけど。
井上尚弥vsエマヌエル・ロドリゲス? やっぱりキツいんじゃない? バーネットもテテに勝てるかどうかわからんし。ん? ドネア? さすがにそれは……
なお期待される井上尚弥との準決勝だが、やはりエマヌエル・ロドリゲスでは井上に対抗するのはキツいかな? という僕の印象は変わらない。
一応言っておくと、この試合でロドリゲスが苦戦したからというわけではない。
何度も申し上げているように、今回のジェイソン・モロニーはすばらしかった。
恐らく相手がロドリゲスでなくても苦戦していたはずだし、この試合のモロニーならゾラニ・テテにも勝てるのではないか。
なので、今回の苦戦でロドリゲスが評価を落としたのではなく、今回の善戦でモロニーが評価を上げたというのが僕の中でのファイナルアンサーだったりする。
それを踏まえた上で、ロドリゲスでは井上尚弥には敵わないかなぁと思っている。
じゃあ誰ならいけるの? という話だが、やはり一番はライアン・バーネット。
先日も言ったように、井上を慌てさせる可能性があるとしたらこの選手ではないか。
だが、困ったことに準決勝でバーネットがゾラニ・テテに勝てる保証がない。というより、負けるかもしれない。
トーナメントなので仕方ないが、この辺の絶望感はマジで半端ない。
ノニト・ドネアの幻想に縋るという手もあるが、こちらはさらに期待感が薄い。
正直、今のドネアは井上どころかバーネットやテテに1発当てるだけでも奇跡ちゃうか? というレベル。
衰え云々はともかく、これだけ長所短所がはっきりしているのはキツいよねと。
しかも、ドネアの最後のKO勝利は2016年4月。
丸2年も不発弾のまま燻っている奇跡が、いきなり3連続で起きてたまるかという思いもある。
てか、相変わらずとんでもねえ上半身してやがんな。
そして、すげえジャケットだなオイ。
A mouth-watering #WBSS2 ? Bantamweight Semi-Final awaits ?
A unification bout between two undefeated champions ?? @naoyainoue_410 ? @ERodriguezManny ??#InoueRodriguez #DorticosMasternak #AliTrophy pic.twitter.com/Gg0KhCKjHb
— World Boxing Super Series (@WBSuperSeries) October 21, 2018
このセンスが似合うのって、井上尚弥を除けば真島の兄さんくらいじゃねえか?
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鈴木悟という漢。元ボクシング日本ミドル級王者/元シュートボクシングS・ウェルター級王者。TAKE IT EASY.気楽にいこうぜ 2018.10.23