天才三浦隆司がミゲル・ローマンの努力を牛耳るからまあ見とけ。S・フェザー級トップ戦線生き残りをかけた12回戦【予想】
2017年1月28日(日本時間29日)に米・カリフォルニア州インディオで、WBC世界S・フェザー級1位三浦隆司vs2位ミゲル・ローマンの一戦が行われる。
2015年にフランシスコ・バルガスとの激闘に敗れて王座を失った三浦。
2016年5月の復帰戦を1RKOでクリアし、2016年末にオルランド・サリドとの挑戦者決定戦が予定されていたが、サリドの故障により無念の中止となってしまう。
「三浦隆司が花山薫パンチでミゲール・ローマンを撃墜!! デラホーヤが早くも「年間最高試合」に認定」
そして今回、再び巡ってきた舞台は56勝11敗43KOの戦績を持つミゲル・ローマンとの挑戦者決定戦。この試合の勝者には、同日開催されるフランシスコ・バルガスvsミゲル・ベルチェルト戦の勝者とのタイトルマッチが約束されているだけに、絶対に負けることは許されない。
「フランシスコ・バルガスvsミゲール・ベルチェルト予想。豪打のメキシカン対決勃発。ベルチェルトねえ……」
内山高志陥落後、日本ボクシング界の期待を背負う三浦隆司のアメリカ上陸2戦目に注目である。
なお、試合はS・フェザー級契約の12回戦で行われる。
「内山再戦でコラレスに惜敗!! 2-1の判定でリベンジ失敗で引退か?」
三浦隆司が帰ってくるぞ。豊富なキャリアを誇るミゲル・ローマンとの一騎打ち
三浦再始動!!
歴戦の雄ミゲル・ローマンを相手にボンバーレフト炸裂なるか。
三浦隆司の海外挑戦2戦目にして、トップ戦線への生き残りをかけた試合が迫っている。
相手はミゲル・ローマン。31歳にして、すでに70戦近くの戦績を持つ叩き上げである。
敗戦数は11とやや多いものの、相手はハビエル・フォルトゥナやジョナサン・バロス、フェルナンド・ベルトランなどの実力者ばかり。しかもここ最近は18連勝中で、なおかつKOが17と完全に波に乗っている。
さらに試合間隔が恐ろしく短く2014年が4試合、2015年が5試合、2016年が3試合とコンスタントにリングに上がり続けている選手である。
対する三浦隆司。
こちらはいつの間にか日本ボクシング界を背負うスーパースターの雰囲気を漂わせているが、何のことはない。
実際は2015年にフランシスコ・バルガスに敗れて以来、後楽園ホールで雑魚を一匹ボコっただけ。
内山高志の陥落によって相対的に期待が大きくなっているが、サリド戦の中止を含めてキャリアの停滞感が強い。
「三浦vsバルガス壮絶決着!! 最強挑戦者フランシスコ・バルガスに三浦隆司がTKOで敗れて王座陥落!! 最高の打撃戦に大満足」
常に最前線で戦い続けるミゲル・ローマンと、試合枯れ気味の三浦。
試合勘などを考えると、三浦にとっては決して簡単な試合ではないと思うのだが、どうだろうか。
ミゲル・ローマンいい選手。不器用そうだけど、かなりやるんじゃないの?
とりあえず、今回の対戦相手であるミゲル・ローマンについて。
この選手の過去の試合をざっと観たが、普通にいい選手だと思う。
パンチの振りが大きくスピードもない。165cmと上背もなく、際立ってパワーがあるようにも見えない。一見大味で穴が多い選手である。
そして、実際穴は多いのだろう。
バタバタと足の運びもバランスが悪く、打ち終わりに身体が大きく流れるシーンも目立つ。
だが、何と言うか、やるべきことをコツコツ積み重ねることができるタイプではないだろうか。
自分のことを客観的に把握しているというか、背伸びをせずにできることを地道に続ける。そして、最後に相手を根負けさせる粘り強さを持った選手。そんなイメージである。
恐らくこの選手が得意とするのは至近距離。
とはいえ、頭をくっつけて打ち合うというより、根負けして後退した相手を追い詰めるのが得意と言った方が正確か。
遠い間合いではガードを高く上げて相手のパンチを防ぎ、前後左右に小さく動きながら的を外す。さらに、意外と得意な左右のカウンターで威嚇しながら相手の踏み込みを遮断する。
また2014年のポンセ・デ・レオン戦では、サウスポーのポンセ・デ・レオンに何度踏まれても左足の位置をキープし続け、それ以上の踏み込みを防ぐといった粘り強さも持ち合わせている。
レベルはまったく違うのだろうが、体型や名前などから少しだけローマン・ゴンサレスを思い浮かべてしまった。気のせいかもしれないが。
「ロマゴンvsシーサケット予想。これシーサケット勝利あるぞ? 最強ロマゴンがパワフルな挑戦者に敗れる?」
天才三浦の本領発揮なるか。圧倒的な才能で強敵をなぎ倒せ
そして、日本期待の三浦隆司。
以前にも申し上げたように、この選手は問答無用の天才である。
「ボンバー三浦vsサリドキター!! 好戦的インファイター対決がアメリカで実現。バルガス戦を上回る激闘に期待」
スピードがあるわけじゃない。
華麗なステップを持っているわけでもない。
ご存知のようにディフェンスはユルユル。基本的には上半身の振り子運動でパンチをよけるだけ。
そして、狙うのは右フックを見せつつ左の1発のみ。
本当に大味で、小細工抜きでド正面からの勝負に徹する選手である。
ただ強い。
三浦隆司、本当に強い。
あれだけフルスイングしても、しっかりと左が当たる。
心を折る左が相手のど真ん中に炸裂するのである。
2015年のフランシスコ・バルガス戦。
自分のパンチをいくら当てても構わず向かってくる三浦に対し、バルガスは間違いなく恐怖を感じていた。試合を決めた9Rのラッシュは「勝負を賭けた」とか、そんな生易しいものじゃない。
「ここでいかなきゃ殺られる」
「このチャンスを逃したら選手生命が終わる」
恐怖に駆られたバルガスが、現役生活を賭けて決断した一か八かの特攻である。
以前の記事でも言ったが、僕にはあのラウンドのバルガスからは、断末魔の叫び声が聞こえてくるように思えてならないww
高純度の3択。相手を委縮させる圧力と、致命傷を与えるボンバーレフト
基本的に三浦の攻撃パターンは、
・顔面への左の強打
・ボディへの左の強打
・右フック
の3つ。
これがほぼすべてと言っても過言ではない。
前後の振り子運動でタイミングを測り、強打の威光で相手を後退させる。そして3択の中から1発を選んで全身全霊で打ち込む。
相手は三浦の強打を受け止めるために両腕でガードする必要に迫られ、しかも命がけの3択を瞬時に選ばなくてはならない。
両腕を使ってガードするため、選択を誤ればその瞬間に被弾。しかもその一撃が致命的な破壊力を秘めているのだからシャレにならない。
何度も言うが、特別スピードがあるわけではない。右のリードで防御を崩されているわけでもない。
ただ、致命傷と隣り合わせの3択を常に迫られる展開はどう考えても厳しい。強打への恐怖心も含め、試合の中盤から後半には選択を誤る瞬間が必ず訪れるのである。
ボディか、顔面か。
もしくはフェイント気味の右フックか。
左ジャブの名手である内山高志ですら被弾を許した三浦のボンバーレフト。
2016年末の井上尚弥vs河野公平戦が「天才vs努力」の構図だと言われていたが、正直あんなものは三浦に比べれば凡人同士の小競り合いでしかないw
膨大な努力を踏みにじる無慈悲な天才。それが三浦隆司という男である。
「井上vs河野感想。モンスター井上がタフボーイ河野に勝利。これが井上尚弥」
勝敗予想は三浦の9RKO勝利。ミゲル・ローマンはいい選手だが、三浦にはかなわない
今回の勝敗予想だが、三浦の9RKO勝利でいきたいと思う。
上述の通り、ミゲル・ローマンはいい選手だと思う。
だが、勝つのは三浦だ。
強敵であることに疑いの余地はないが、残念ながら天才三浦には及ばない。
至近距離が得意なミゲル・ローマンに対し、三浦の射程は中間距離。
懐に入られて窮屈そうにするシーンが出てくるとは思うが、それでも三浦の圧力があればどうということはない。いつの間にかミゲル・ローマンを下がらせ、必殺の左をフルスイングするスペースを作り出しているはず。
そして最後はガードの間からボンバーレフトがドカン。
豪快に大の字で横たわるミゲル・ローマンの姿が容易に想像できる。かな?
逆に三浦を慌てさせようと思えば、それこそフランシスコ・バルガスやオルランド・サリドのように肉体を凌駕するほどのメンタルが必要である。
いわゆるスケール感というか、彼らのような分厚い二番底をこのミゲル・ローマンからは感じない。
「ゾンビか!! サリドがバルガスを追いつめ惜しくもドロー!! 三浦を敗ったフランシスコ・バルガスがギリギリで初防衛」
なので、マジで安心していいと思う。
中盤あたりでペースを掴まれるシーンはあるかもしれないが、最終的には三浦のボンバーが炸裂する。小手先の小細工では三浦の突進は止まらない。はず。
あえて懸念材料を挙げるなら、「三浦がディフェンスの練習をしている」「左右のステップワークを向上させている」という報道が出ていたことだろうか。
いやいや。
今さらそんなのいります?
三浦に関しては、もうディフェンスはいいでしょ。
天性の打たれ強さに頼りきったスタイルを貫けばいいんじゃないの?
下手にディフェンスに手を出して、本来の突進力が失われたら元も子もない。
「デービスvsベドラサ感想。どうもピンとこない。新スター候補デービスが7RKOでペドラサを一蹴」
練習するのは自由だが、本番では自分を見失わずにいつも通りのゴリ押しでなぎ倒していただければと思う。
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