サンタ・クルスvsマレス再戦感想。興味なかったけど予想外におもしろかった。ラッセルJr.と統一戦ってマジ? それともバルデス?【結果・感想】

NO IMAGE

ロサンゼルス夜景イメージ
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 
2018年6月9日(日本時間10日)、米・ロサンゼルスで行われたWBA世界フェザー級タイトルマッチ。
同級スーパー王者レオ・サンタ・クルスが正規王者アブネル・マレスと対戦し、3-0(115-113、116-112、117-111)の判定で勝利。防衛を果たすとともに、王座統一に成功した。
 
 
2015年以来の再戦となった今回。
前戦同様、序盤から両者の激しい打ち合いが続く。
 
マレスが鋭い踏み込みからの連打を浴びせ、サンタ・クルスがリーチ差を活かして迎撃。どちらも一歩も引かず、一進一退の攻防が続く。
 
 
中盤以降、やや打ち疲れを見せるマレス。それに伴い、徐々にサンタ・クルスがペースを掴む。
だが、終盤に入ると今度はサンタ・クルスが失速。マレスの出入りに対応しきれず被弾を繰り返す。
 
「ダニエル・ローマン危なげなく勝ったなオイ。フローレスが残したものは体重超過とデカい掛け声だけ…」
 
ともに譲らない消耗戦は最終12Rまで続き、お互いに決定機を作れないまま試合は終了。
大激戦の末に3-0の判定でサンタ・クルスが勝利を収め、前戦に続いての勝利を飾った。
 
なおサンタ・クルスは試合後、WBC王者ゲイリー・ラッセルJr.との統一戦を希望している。
 

サンタ・クルスがラッセル戦希望だ? おいおいマジか。だったら今回のマレス戦も観なきゃだめじゃねえかww

タイソン・フューリーの復活により、盛りだくさんの世界戦にちっとも目がいかなかった先週末。
当然、このサンタ・クルスvsマレスの再戦にも気持ちは向かず。
 
まあ、仮にタイソン・フューリーの試合がなくても興味はわかなかったんじゃねえの? という噂もあるのだが。
 
そんな感じでこの試合はスルーする予定だったのだが、どうやらサンタ・クルスがゲイリー・ラッセルJr.戦を希望したとのこと。
 
おいおいマジか。
サンタ・クルスの口からまさかラッセルの名前が出るとは。
頭文字に「R」のつく単語は使用禁止とか言ってなかったのか?(言ってねえ)
 
そういうことなら観なきゃダメじゃねえかということで、ジャーメル・チャーロvsオースティン・トラウト戦に続いて、急きょDAZNで視聴した次第である。
 
「ジャーメル・チャーロがトラウトに完勝。野性味満載の1発狙いで2度のダウンを奪うも倒しきれず。ハード戦はよ」
 

日本で不人気のサンタ・クルス。不人気というか無関心というか。強い選手に勝ってきてるのに、全然見向きもされないww

しかし毎度思うのだが、レオ・サンタ・クルスという選手はホントに日本で人気がない。
 
長谷川穂積が手も足も出ずに負けたキコ・マルティネスや、山中慎介に挑戦したアルベルト・ゲバラ。ノニト・ドネアを完封したカール・フランプトンに今回のアブネル・マレスなど。対戦相手も普通にいい選手が多いのだが。
 
「ドネアvsフランプトンやっとオワタ(^▽^)/ 退屈過ぎてしんどかった。フランプトンの完勝だけどいろいろキツい」
 
といっても適正階級はバンタム、S・バンタムの選手ばかりで、フェザー級進出後はフランプトン、マレスといちゃいちゃしてるだけ。
 
人気がないというより、ファンはこの選手に興味がないといった方が正解な気がする。
実際、僕も興味なかったしね。
 
ただゲイリー・ラッセルJr.戦が実現するなら話は別。
ラッセルも5月19日に防衛戦をクリアしたばかりだし、試合間隔もちょうどいい。
 
「サンタ・クルスが本気で言っているとは思えない」といった声も聞こえてきたが、ラッセルさんのファンとしてはぜひともビッグマッチを実現してほしい。
 

予想外におもしろい試合だった。2017年のベルチェルトvsバルガス戦に似てる気がしたな

前置きが長くなったが、試合の感想を。
 
表題の通りなのだが、予想外におもしろかった
正直、2015年の初戦の内容をまったく覚えていないのだが、どうやら今回同様の大激戦だったとか。
 
なるほど。
お互いが一歩も引かない打ち合いが約束された両者なら、再戦が決まるのもわかる。
会場の盛り上がりも、セミファイナルのチャーロvsトラウト戦とは段違いだったww
 
 
そして試合展開としては、2017年1月のミゲール・ベルチェルトvsフランシスコ・バルガス戦とイメージが近い気がした。
 
ハンドスピードとスピーディな出入りが持ち味のアブネル・マレス。
階級アップによる相対的なフィジカルの目減りを、運動量と手数で補完したことが功を奏した選手である。
 
前戦のグティエレス戦でも、ガードを上げてプレスをかけるグティエレスを前後左右に動きながらの連打で圧倒。10R流血ストップに下している。
 
 
このマレスに対し、サンタ・クルスは手数で対抗する。
 
上背とリーチ差を活かし、マレスのパンチが届かない位置で対峙。
マレスの動き出しに合わせて1発目を出し、同時打ちのタイミングでマレスの連打に連打を返す。
トップスピードに乗る前に回転を抑え込み、必ず最後の1発を打って終わる。
 
相手より先に手を出し、相手より1発多く打つ。
バルガスの高速連打をさらに上回る手数でねじ伏せたベルチェルトと同じパターンである。
 
ベルチェルトはつんのめるようなフォームでパンチの飛距離を稼ぐが、サンタ・クルスは純粋なサイズ差と距離感でマレスを抑え込む。
特に左フックの精度は高く、交錯の中で何度もマレスの顔面を揺らしていた。
 
いくら腕を振っても、リーチと手数で迎撃されるマレスはだんだんと手が出しにくくなる。徐々に手を減らし、中間距離でくぎ付けにされる状況が続く。
 
8、9Rあたりからマレスは接近戦でボディの打ち合いに切り替えるが、そこでもサンタ・クルスは豊富な手数で応戦。疲労困憊の中でもマレスに流れを渡さない。
 
「拳四朗忘れんなよ。ロペスとの再戦をボディ一撃で終わらせる。北斗一烈拳炸裂()でパーヘクツ勝利」
 
長いリーチとマレスに負けないハンドスピード。至近距離でも腕の長さを持てあますことなく連打を打てるのは、この選手の大きな持ち味ではないか。
 

手数重視のパワーレス対決。マレスは仮想ラッセルとして悪くないけど、今回のやり方がラッセル相手にも通用するかと言えば……

なおベルチェルトvsバルガス戦と近いと申し上げたが、あの試合に比べれば今回はめちゃくちゃ平和? だった。
 
お互いが常にフルパワーで腕を振り、命を削るような打撃戦の末にベルチェルトが勝利したのに対し、この試合は両者ともに手数重視。
 
1発の威力を捨てて回転力で勝負する展開で、どちらかがダウンするようなイメージはまったくない。激しい打撃戦ながら、決定的な1発は皆無という流れである。
 
そう考えると、やはり適正階級をオーバーした同士のパワーレス対決だったなと。
 
「ダニー・ガルシアがリオスをKO! はぁ~、すっごい。パワーレスなくせにカウンターはヤバいw」
 
ただ、試合後にサンタ・クルスがゲイリー・ラッセルの名前を出したのはちょっとわかる。
 
マレスのハンドスピードと手数は、確かに仮想ラッセルとしては悪くない。
ラッセル相手にも同じようにリーチ差と手数で対抗できれば、意外と可能性はあるのかもしれない。
 
まあ、マレスをはるかに上回る突進力と強度を兼ね備えたラッセルの連打を、サンタ・クルスが何とかできるかは甚だ疑問なのだが。
 
もしかしたら、打ち終わりに左を返す余裕すらなく吹き飛ばされる可能性もあるのではないか。それこそ2015年のジョニゴンの二の舞というパティーンも……。
 
って、よくよく見たら、アマチュア時代にラッセルに負けてるんですねサンタ・クルスさん。
リベンジの意味を込めての対戦希望かな。
 
 
ラッセル側も統一戦を望んでいるし、マジで実現しないっすかね。
 
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 
 

 
 
【個人出版支援のFrentopia オンライン書店】送料無料で絶賛営業中!!