渡辺華奈vsイリマレイ・マクファーレン。判定は…わからんな。グランドで優位に立ったと思ったけど。打撃を芯でもらいまくるのは相変わらずだった【Bellator295感想】
2023年4月24日(日本時間25日)に米・ハワイ州で行われたBellator 295。女子フライ級2位の渡辺華奈が同3位イリマレイ・マクファーレンと対戦、2-1の判定でマクファーレンが勝利した試合である。
2022年5月のデニス・キールホルツ戦から約11か月ぶりの試合となった渡辺華奈。対戦相手のマクファーレンは元Bellatorフライ級王者で、この試合に勝利した方が王座戦にコマを進めると目されている。
試合は1Rはマクファーレンが打撃で優位に立つが、2、3Rは得意のグランドで渡辺華奈がコントロール。
ところが判定は2-1でマクファーレンの手が上がる。
本人も試合後のインタビューで「負けたと思った」とコメントするなど、非常に微妙な結果となった。
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渡辺華奈僅差判定負け。グランドで優位に立ったかと思ったけど、ポコポコもらい過ぎかな
2022年5月以来、約11か月ぶりにBellatorに登場した渡辺華奈。
前回はデニス・キーホルツの打撃にいきなりグラつかされたものの、そこから強引に組みつき得意のグランドに移行。その後も粘るキーホルツにモタつきながらも3Rにチョークによる一本勝ちを決めている。
そして今回勝利すれば王座挑戦となる一戦を迎えたわけだが……。
結果は大接戦の末の僅差判定負け。
試合後は渡辺の勝利を主張する声も多く、負けはしたがトップクラスの実力を証明したことは間違いなさそう。
なお僕は結果を知った上で見逃し配信を視聴したのだが、判定についてはよくわからない。
1Rは明確にマクファーレンのラウンドだが、それ以外は……。
相手をコカせた渡辺がグランドでコントロールしていたととるか、くっついているだけで何もしていないととるか。
確かに渡辺は組み付きながらも打撃をポコポコもらっていたし、逆に渡辺の打撃はうまくスカされている。この部分でマクファーレン優位と判断されたのかな? という気はする。
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スタンドでの打撃はあまり向上したようには見えず。でも、それが一番難しいのかな?
なお課題と言われる渡辺の打撃に関してはそこまで変わったようには見えなかった。
試合前に陣営が「別人レベルで成長している」と豪語していたのでそれなりに注目していたのだが……。
相手の打撃を芯でもらうザルっぷりは相変わらず。
今回はあえて左構えで勝負したものの、マクファーレンの右を真正面からもらいまくる。
いや、これはどうなんでしょうね。
パンチやキックどうこうよりもどちらかといえばディフェンス面が……。
相手の攻撃への対応? 反応? の悪さが目立つ気がするのだが。
ここを改善しないと今後も同じことの繰り返しになりそうだが、実はそれが一番難しいのかもしれない。
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ここから改善していくものなんでしょうか。今のままだと“ギリトップに届かない人”で停滞しそうな…
ここから年齢的に反応速度が上がるとは思えないし、正面に立ってボコボコもらう癖が劇的に改善されるのかも疑問。
なので、2021年6月のリズ・カムーシュ戦のように打撃が得意な相手には正直勝てる気がしない。
スタンドが苦手と言っても最低限の強さが必要なのは明らかで、トップに君臨する選手は自分の土俵に持ち込むことすら許してくれない。
最初の1発で「きゅう~」ってなっちゃってますからね。
組みつけないまま棒立ちでパンチを食いまくる→あっという間に試合が終わるパティーン。
アマンダ・ヌネスに返り討ちにされたロンダ・ラウジーとまったく同じ負け方である。
「練習環境が~」とか「指導者が~」といった意見も耳にするが、そこに関してはまったくわからない。
どちらにしろこのままだと「トップクラスの実力者ではあるが、王座には一歩届かない人」で頭打ちになるのかなぁと。
日本の女子MMAは世界のトップとも渡り合える(と思う)。柔道、レスリング大国だからね
ちなみに以前から主張しているのだが、僕は日本の女子MMAはまだまだ世界のトップと渡り合えると思っている。
理由は日本が柔道、レスリング大国だから。
渡辺華奈や村田夏南子がその代表格なのだが、MMAに流用できる競技出身の選手はそれだけで強みになる(と思う)。
しかも女子は選手数も少なく技術レベルも男子ほど発達していない印象。
スタンドで最低限の強ささえ身につければそこそこ勝てるのではないか。
実際、渡辺華奈がそれを証明しているし、村田夏南子もUFC初参戦で勝利を挙げている(2年近く試合が組まれてないけど)。
女子MMAも“何でもできる”ことが大前提になりつつある。渡辺華奈も得意のグランドでコントロールできていたわけではない
そして、その渡辺がリズ・カムーシュに瞬殺されたことを考えると競技的なアドバンテージが徐々に通用しなくなっているのも確かなのだろうと。
今回もグランドでコントロールできていたわけではなく、上述の通り組みの状態で打撃をもらいまくった末に逃げ切りを許している。
「フィジカルのゴリ押しで相手をコカす→腕十字での一本勝ち」を連発したロンダ・ラウジーがホーリー・ホルムにスタンドで敗れ、復帰戦でアマンダ・ヌネスにキャリアにとどめを刺された時点で女子MMAは次の段階に入ったのだと思うが、そこで生き残るにはやはり“何でもできる”ことが大前提になる。
繰り返しになるが、諸々を加味すると渡辺華奈も今のままだと“トップにあと一歩届かない人”状態が続きそう。
しかも、それを打破できるイメージがいまいちわかないという……。
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そう考えるとナチュラルボーンで強さを発揮する中井りんはガチの化け物なんでしょうね。
試合が少ないのが残念だが、個人的にはあの選手の活躍する姿を観たい。
RIZINで村田夏南子を完封した試合はガチで衝撃的でしたからね。