木村悠vsペドロ・ゲバラ予想!! 商社マンボクサーが弁護士チャンピオンに挑む!! 八重樫東を沈めた強打のゲバラを相手にどう戦う?
2015年11月28日、WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ、王者ペドロ・ゲバラvs同級3位木村悠戦が、宮城・ゼビオアリーナ仙台で行われる。
商社マンボクサーとして話題の木村悠と、昨年八重樫東の3階級挑戦を阻んだペドロ・ゲバラ。高度な技術の応酬が期待される注目の試合だ。
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なお、この試合は同日のカルロス・クアドラスvs江藤光喜によるWBC世界S・フライ級タイトルマッチとのダブル世界戦として開催される。
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商社マンボクサーはびっくりするくらいノーパワー
この試合、はっきり言って木村が勝つのは難しいのではないかと思う。ペドロ・ゲバラはべらぼうな強さを持ったチャンピオンというわけではないが、決してやりやすい相手ではない。
挑戦者の木村悠は商社マンボクサーとしてWOWOWがゴリ押ししている選手だが、ボクサーとして何か突出したものを持っているわけではない。
パンチの見切り、ハンドスピードやパンチを避ける勘などはなかなかいいものがあるようだが、だからどうした? といった印象である。はっきり言ってタイトルマッチを戦うレベルの選手ではないようにも思える。
確かにうまい。見切りもいいしスピードもある。それなりに相手を空転させるテクニックは持っていると思う。
ただ、それだけ。
僕にはさしたる特徴もない平凡なボクサーにしか見えなかった。
まあ、見る目のない僕の勝手な見解なのだが。
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とりあえず一つ言えるのは、死ぬほどパワーレスであること。もうびっくりするくらいパワーレス。
接近した状態でパンチをいなすのは確かにうまいのだが、ここまでパワーがないとさすがに厳しいのではないか。どれだけ見切りのテクニックがよかろうと、フットワークが軽快だろうと、単純に力負けして吹き飛ばされるように思えてならない。17勝のうちKO勝ちが3という戦績を見るに、見た目通りパンチ力はないのだろう。
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チャンピオンのゲバラだが、この選手はパンチがとにかく伸びる。
まるで目標物が2m後ろにあるのではないかと思えるくらい、手元での伸びがすごい。対戦相手としては、いきなりゲバラのグローブが大きくなるイメージを持つのではないだろうか。
このパンチは慣れないうちは相当手こずりそうである。木村のガードやディフェンスを見たが、どうもガードの間からジャブがどんどん突き抜けそうに見える。ジャブを当てられまくられ、徐々に距離を詰められた後にとどめの左ボディをズドン。そんなパターンを想像してしまったが、どうだろうか。
木村はリング中央で相手と対峙し、手数と見切りのよさで勝負するのが得意のスタイルのようだが、それがゲバラ相手にどこまで通用するのか。リーチがあり、そのリーチ以上に伸びてくるゲバラのパンチ。そして意外に強い体幹。この圧力に木村は耐えられるのだろうか。
頭を下げてボディと顔面に打ち分ける器用さも持っているようだが、あの距離で頭を下げてしまうとちょうどゲバラの左が突き刺さる位置にボディがくる。これもまた危険な匂いがプンプンする。
勝敗予想は8、9RでゲバラのKO勝ち。序盤はがんばるものの、徐々にペースを掴まれて最後はKO負け?
試合前の木村のインタビューを聞くと、距離を取って足を使うボクシングで対抗しようと考えているように思える。
だが、それをやってしまうと高確率で八重樫の二の舞だ。タッチボクシングで12R逃げきろうと考えているのなら、残念ながら無謀としか言いようがない。
もしかしたら試合序盤は調子よくゲバラをいなすことができるかもしれない。
だが、優勢に進めていたと思っていても、いつの間にか形勢を逆転しているというのがゲバラの持ち味である。
うまくさばいていると思っているうちに、気づかぬまま距離を掴まれてロープを背負わされてストレートを被弾。そんなパターンに陥るのではないだろうか。コーナーに詰められ、最後はラッシュからの左フック、得意のボディにつながれて豪快にKO負けという結末である。
何度も言うが、ゲバラのパンチは尋常でないくらいに伸びる。
長いリーチはもちろんのこと、それ以上に長い足と鋭い踏み込みで相手との距離を一足飛びで無効化するのである。いつの間にか距離を掴まれ、踏み込みの射程内での攻防を強いられるのだ。
あれこれ考えてみたが、やはり木村の不利は動かない。
勝敗予想は8、9RでゲバラのKO勝ち。これでいきたいと思う。
思い切って接近戦に賭けてみればいいんじゃね?
木村にとってはかなり不利な試合になるであろう今回の試合。
パンチ力のない木村がゲバラに勝つには間違いなく判定しかない。「自分の手が上がる姿を想像している」といったコメントからもわかるように、本人も12R勝負を想定している様子だ。
とはいうものの、テクニックでゲバラに勝利するというのも相当難しい。
理由は申し上げたようにパワーの違いと距離の違い。木村がフットワークで距離をとろうとしても、いつか捉えられてしまうだろう。
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つまり、木村が狙うべきは僅差判定。
ポイントがどちらに流れるかわからないラウンドを重ねていき、最終的にホームタウン・デシジョンで勝つ。そんな展開に持ち込むのだ。
では、木村が接戦に持ち込むにはどうすればいいだろうか。
先ほども言ったように、フットワークを駆使したタッチボクシングでポイントアウトを狙うのは止めた方がいい。序盤はよくても、どこかで必ずつかまる。
それならいっそのこと、思い切って接近戦を挑むのもアリではないかと思っている。
理由は両者の距離の違いだ。
遠い位置から一足飛びで距離を詰めてワンツーを叩き込むゲバラに対し、木村はショートレンジでの駆け引きが得意である。
ゲバラの長いワンツーには抜群の迫力があるものの、至近距離での打ち合いにはやや難がある。距離が近づくと自分のリーチを持て余すところがあるのだ。踏み込んで打てるスペースがあるときはいいが、至近距離になると窮屈そうに腕を折り曲げるシーンが目立つのである。
逆に、至近距離は木村の得意な距離だ。
ゲバラのパンチは一発一発のフォームが大きく、フックがやや外旋回の軌道を描く。この瞬間を狙って、コンパクトな左をカウンターで当てるのだ。大振りのフックを打つ瞬間にがら空きになる顔面に、コンパクトな左を打ち込むのである。
そのためには、とにかく木村は下がらないことである。常に至近距離に立ち、細かいフットワークでかく乱するのだ。アングルを変え、サイドに回ってコンパクトなパンチを打ち続けるのである。
下がってスペースがあけば、その瞬間にゲバラのストレートが飛んでくる。そして得意の左ボディにつながれて壮絶KO。この必勝パターンを防ぐためにも、木村は何が何でも下がってはいけないのだ。絶対にゲバラに腕を思いきり振り回せるスペースを与えてはならないのだ。
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もちろんリスクが高い作戦であることは重々承知している。
パワーで劣る木村が接近戦を挑めば、一つ間違えばあっという間にKO負けである。
だが普通に真正面からぶつかっていたのでは、木村が勝てる可能性は限りなくゼロに近い。それならリスクを冒して勝利の扉をこじ開ける可能性に賭けてみるべきだと思うのだ。接近戦であればゲバラのあのおかしなリズムに巻き込まれる心配もない。
体力を必要とする作戦であることは間違いないし、小さなミスが命取りにもなりかねない。それでも勝負に出ないことには何も始まらないのだ。
「何か違う。こいつ、やりにくい」そう思わせることが大事だ
もしかすると、試合中にスタイルを変えるのもありかもしれない。
1、2Rまでは足を使ったアウトボクシング。それ以降は接近戦に切り替えるのである。これならずっと至近距離で打ち合うよりもはるかに体力の低下も抑えられる。
とにかく木村がしなくてはいけないのはゲバラに距離を掴ませないこと、リーチの長さを活かせるスペースを与えないことである。
「こいつ、やりにくいな」
いつもの相手とは違うと思わせ、ゲバラを混乱させるのである。
くれぐれも「テクニックで勝負だ」などとイキった考えを持ってはいけない。そんなことをしても、ゲバラにちゃぶ台ごとひっくり返されるのがオチだ。泥臭く泥臭く、地道にいくのだ。それしか木村が勝利の扉を開ける道はない。
う〜〜ん……。
これは厳しい世界戦になりそうだ。
商社マンボクサーが世界チャンピオンになれば相当話題になるだろうが、現実的にはかなり難しいと思う。
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