拳四朗vsアルバラード統一戦予想。L・フライ級で唯一拳四朗に勝てる可能性がある選手? 普通に考えれば拳四朗だと思うけど【予想・展望】

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2019年12月23日、神奈川県・横浜アリーナで行われる世界L・フライ級王座統一戦。WBC同級王者拳四朗がIBF同級王者フェリックス・アルバラードと対戦する。
 
 
7度目の防衛戦となる拳四朗がついに統一戦を迎える。
相手はIBF王者フェリックス・アルバラード。2013年に日本の井岡一翔、2014年にファン・カルロス・レベコに敗れはしたが、敗戦はその2つだけ。2014年9月以降、17連勝中と波に乗る王者である。
 
また、2018年10月のタイトルマッチではランディ・ペタルコリンにTKO勝利、前戦では日本の小西伶弥に大差判定勝利を挙げるなど、自慢の強打を発揮して今回の統一戦にたどり着いた選手。
6度の防衛を重ねて安定王者となった拳四朗にとって、現状もっとも危険な相手と言える。
 
 
なお、この試合はWBA世界ミドル級タイトルマッチ、村田諒太vsスティーブン・バトラー戦のアンダーカードとして行われる。
 
「拳四朗vsペタルコリン予想。うん、これは勝てるんじゃないか? ペタルコリンはいい選手だけど、ジョナサン・タコニンよりもやりやすい?」
 

拳四朗vsアルバラード戦はトリプル世界戦の中で一番興味がある

先日、年末のトリプル世界戦が発表されたわけだが、僕が一番興味があるのがこの試合。拳四朗とフェリックス・アルバラードによるL・フライ級王座統一戦である。
 
拳四朗は6度防衛中の安定王者で、個人的に井上尚弥に次ぐ日本人PFP No.2だと思っている選手。前回もサウスポーのジョナサン・タコニンを相手に鮮やかなKO勝利を飾るなど、この階級ではいよいよ相手がいなくなってきた感が強い。
 
「結末は突然に。拳四朗がタコニンを右ショートでKO。今回は相当自信があったんだろうな」
 
そして、その中でも今回のフェリックス・アルバラードは打倒拳四朗を果たす可能性を持った数少ない選手。それこそ「唯一の対抗馬」と言っていいくらいの期待感を感じさせてくれる相手(な気がする)。
 
 
まあ、普通に考えれば拳四朗の勝利は堅いと思う。
だが、あの強フィジカルと無尽蔵のスタミナ、躊躇のないフルスイングを見せられると、ひょっとしたら何かが起きるのでは? という気になったり、ならなかったり。
 

アルバラードの2敗、井岡一翔戦とファン・カルロス・レベコ戦を観直してみた

申し上げたようにアルバラードはこれまでのキャリアで2敗を喫しているのだが、1人は井岡一翔、もう1人はファン・カルロス・レベコである。
 
試しにその2試合を眺めてみたところ、ほほう、なるほど。言われている通り、確かに得手不得手のはっきりした選手という印象が強い。
 
まず2013年12月の井岡一翔戦だが、この試合で井岡が選択したのはインファイト。
 
アルバラードの持ち味は何と言っても左右フックの強振と前に出る圧力。広いスタンスで逃げ場を塞ぎながら距離を詰め、相手をコーナーに詰めて連打を浴びせるのがこの選手の勝ちパターンである。
 
その反面、得意な距離を外されるとやや脆い面があり、特に全力のフックを打つには腕を振り切るためのスペースが必要になる。この試合の井岡はその部分を徹底的に消して見せた。
 
ガードを上げて身体をピッタリくっつけ、近場で細かいパンチの勝負。
これによってアルバラードは渾身のフックを封じられ、広いスタンスを取れずに前に出る力も奪われた。
 
上体のパワーだけで何とか対抗しようとしたが、やはりインファイトの精度では井岡に及ばず。3-0の大差判定で敗れている。
 
「これが井岡一翔じゃゴルァ! って試合だったな。パリクテを10RTKOに下して4階級制覇」
 
そして2014年6月のファン・カルロス・レベコ戦。こちらはレベコのアウトボクシングに完全に空転させられた試合である。
 
アルバラードの射程の半歩外で対峙し、打ち終わりにカウンターを被せる。
レベコは小柄でリーチも短いが、井岡一翔とも距離の奪い合いで互角に渡り合った選手。フィジカル面での物足りなさをアングルの調整と距離感でカバーしてきた実力者である。
 
1発目のジャブを小さなバックステップでかわし、サイドに回り込んでボディ。
右フックをガードし、アルバラードの右側に踏み込みカウンターの左を被せる。
 
リング中央ではアルバラードの手が届かない間合いをキープし、射程内に立ち入る際はアングルを変えてパンチが飛んでこない位置へ。
 
スイングの大きいアルバラードを空転させ、安全圏からひたすら細かいヒットを重ねる。アルバラードも根気よく追いかけたが、この試合に関してはあまりにレベコがお見事だった。
 

拳四朗はミラン・メリンド戦を踏襲できればベストだけど、案外アルバラードのフックが当たりそうなんだよな…

で、今回の試合もどちらかと言えばアルバラードvsレベコ戦に近いものになるのではないかと思っている。
 
拳四朗としては、なるべくアルバラードと正対せずに足を使って遠い位置からジャブを当てたい。
サイドに回りながらアルバラードのフックをよけ、ガードの間からジャブを通す。流れとしては2018年10月のミラン・メリンド戦を踏襲できればベストかなと。
 
「村田vsバトラー予想。ロブ・ブラントVol.2のラッシュでKOを目指せ。「圧力をかけられたら何もできない」のはマジだと思うぞ」
 
ただ、拳四朗は決して相手の打ち終わりにカウンターを合わせるのが得意ではなく、どちらかと言えば自分から手を出して試合を動かすタイプ。レベコがやったような「フックを空振りさせ、身体が流れた瞬間に左を被せる」という動き自体はあまり観たことがない。
 
しかも過去の試合を観ると、どうやらこの両者は得意な距離がかなり近い。
小柄なメリンドのワンツーはバックステップとスウェーでどうにでもなったが、リーチの長いアルバラードのフックは普通に顔面に届きそうに見える。
 
恐らく今回は拳四朗のジャブにアルバラードがフックを被せる流れになると思うが、ひょっとしたらどこかであのフックが当たる? かも?
 
それこそアルバラードのフックによって、拳四朗がダウンを喫する可能性すらあるかもしれない。拳四朗が距離感を掴む前の序盤、4、5Rまでに1発でもアルバラードのフックが当たれば、マジで何かが起きるのではないか。
 

勝敗予想は拳四朗の判定勝利。でも、アルバラードにもひょっとしたら可能性あるんじゃない?

今回の勝敗予想だが、拳四朗の判定勝利でいきたい。
 
繰り返しになるが、普通に考えれば拳四朗がジャブとフットワークを駆使して捌ききる可能性が高い(と思う)。
 
 
だが、申し上げたようにアルバラードはこの階級で拳四朗に対抗できるスペックを持った数少ない選手。
得意な距離が似ていてリーチが長く上背もある。その上途中で試合を投げない根気よさも持ち合わせる。
 
拳四朗としても、これだけ躊躇なく腕を振り回す強フィジカルなタイプとの遭遇は恐らく初めて。割とガチで2017年10月のペドロ・ゲバラ戦以来の大激戦を期待しているのだが、どうだろうか。
 
「クロフォードvsカバロウスカス決定。予想というか、これはクロフォードが勝たなきゃダメなヤツ」
 
逆にこの試合に圧勝するようだと、いよいよ拳四朗はL・フライ級でやることがなくなる。京口紘人との統一戦もいいのだが、今のところ拳四朗の12R当て逃げ判定勝利が濃厚かなと。
 
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