日本vsジョージアテストマッチ感想。タックルの精度と両翼の決定力が光った試合。そもそもジョージアがダメ過ぎたけど【ラグビー】
2016年11月12日にラグビー日本代表が、トビリシで行われたテストマッチでジョージア代表と対戦。28-22で逆転勝ちを収め、ジョセフHC就任2戦目で初勝利をマークした。
前半を8-12とリードを許して折り返した日本代表。後半に入り、一時13-22まで差を広げられたものの、60分過ぎから立て続けにトライを重ねて逆転。見事にランキング上位のジョージアに勝利を果たす。
「ほら見ろ。今のウェールズはそこまで強くない。日本が勝つタイミングはここしかないというくらいに【結果・感想】」
勝ちはしたけど、不思議な試合ww セットプレーで圧倒されまくってるのになぜか勝つ
日本代表、ジョージアに勝利!!
体格で勝る相手に前に出るタックルを貫き、後半の逆転劇につなげる!!
2015年W杯の喧噪も去り、完全に空気と化したラグビー日本代表。
しかも欧州遠征のテストマッチということで注目度も低い。僕の周りでも話題にしている人は皆無である。昨年までのブームが一過性のものだったことをまざまざと感じさせてくれる状況に寂しさを禁じ得ない。
「ラグビー人気アカンな…。ダン・カーター来日が完全。サッカーで言えばC・ロナウドが来たようなもんだぞ?」
本来この試合もスルーしてもよかったのだが、格上? のジョージアに逆転勝ちしたとのこと。なので、念のためにチェックしておくかと思った次第である。
率直な感想を申し上げると、非常に不思議な試合だった。
うん。
何ですかねこの試合。
ザラザラした肌触りというか、モヤッとした味がするというか。
うまく言えないのだが、誰に焦点を当てているのかわからないドキュメンタリーを80分間見せられた気分というか。
ジョージアにスクラムで圧倒されまくり、ラインアウトの精度も悪い。
セットプレーでのマイボール獲得率は悪く、反則も多い。
おかげでジョージアにたっぷり走られ、密集でも劣勢を強いられる。
ただ、そのたびに早めのタックルでインパクトプレイヤーを潰し、キックで逃げまくる。
前に出るタックルで相手のミスを誘い、素早いフォローでボールをつないで裏に出る。
そして後半、ジョージアの運動量がガクッと落ちたところで大胆に外勝負を仕掛け、颯爽と逆転トライを決める。
セットプレーで完全に遅れをとり相手にいいように走られまくり、なおかつ反則も多い。
だけど勝ったのは日本。
本当に不思議な試合である。
「マジでショック…。日本がフィジーに敗戦。絶対負けちゃいけない試合だった。身体能力にやられたというより自滅」
日本のタックルがサンウルブズのときに比べて相当な改善が見られた。新加入のウィングもすばらしい
今回の試合、日本の勝因は何と言ってもタックル。
早めのプレッシャーと躊躇のないヒット。タックルの基本中の基本をしっかり抑えたディフェンスで、相手がスピードにのる前に動きを止める。
「世界一のフィットネス」を標榜し、W杯を席巻した低いタックルとはちょっと違う。だが、それでもサンウルブズのときに比べればかなりいい。
「サンウルブズがなぜ勝てないかだって? 弱いからでしょ。戦力と準備、全部が不足してる。だから弱い」
やろうとしていることは、どちらかといえば外展開を防ぐディフェンスだろうか。
外側からラインを上げ、ボールキャリアを囲むようなラインディフェンス。インパクトプレイヤーをいち早く見つけ、その選手をなるべく早く潰すことを意識していたように思えたのだが、どうだろうか。
そして、あのスタイルを完成させるにはまだ周りとのタイミングが十分に合っていない印象である。確かにあのディフェンスを高い精度で実行しようと思えば、相当な連携が必要になる。まだまだ新体制になってからの経験値が不足しているのだろう。
この試合を観ただけでは何とも言えないが。
とはいえ、今年6月の天覧試合に比べて大幅な改善が見られたことは確かで、その点についてはちょっと安心した。
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やっぱりラグビーの基本はディフェンス。
タックルで相手の攻撃を止めさえすれば、格上相手でも試合になる。
そういうことだ。
そして、何より忘れてはならないのが快速ウィングの奮闘である。
リオ五輪で躍動したセブンス出身のレメキはなかなかよかった。
ディフェンス面に若干の不安はあるが、逆転トライを連続で奪ってみせた快速ぶりはすばらしい。今後の日本に必要不可欠なものになることは間違いない。
残念ながら次戦のウェールズ戦は負傷欠場とのことだが、ヘスケスや山田、さらに安定感抜群の松島とともに日本の決定力を高めてくれれば最高である。
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ジョージアの出来が悪過ぎた。組織的な統率がまったくできてない
組織的なタックルとウィングの決定力を見せた日本。
だが今回に関して言うと、ジョージアがあまりにもダメ過ぎた。
もちろん日本チームもよかったし、何より勝てたこと自体はすばらしい。
ただ、あのジョージアの出来は何だ?
舐めとんのか? お?
FWはボールを持ったら正面から当たるだけ。
アングルをつけて裏に出る、ディフェンスの間を狙うという意識も薄い。
「トップスピードでボールを受けて勢いよく当たる」基本プレーすらもおろそかにし、浅い位置からのっそり走り込む。ただただ真正面からぶつかり、力勝負で前進あるのみ。
いや、お前ら全員ブルドーザーか。
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相手とコンタクトし、何も考えずにフォローのプレイヤーにボールを渡す。それもただボールをつなぐだけ。
チームプレーに徹するわけでもなく、横にいる味方に漫然とパスを出す。
フォローのプレイヤーにも「ボールをもらう」意識は感じられず、突然自分の前に飛んできたパスに戸惑うばかり。中途半端な姿勢で相手とコンタクトし、ゴチャゴチャの密集からターンオーバーを許す。
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うん、それはアカンですよ。
確かにスクラムも強いしラインアウトも安定している。
1人1人のフィットネスは相当高いものがあるのだろう。
だが、さすがにアレでは止められる。
いくら突進力があっても関係ない。あそこまで単調な攻めを繰り返していれば、誰が突っ込んでくるかはすぐにわかる。必然的にディフェンス側のタックルは積極的になり、自分に不利なタイミングでコンタクトが発生することになる。
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ハンドリングミスも多い。セットプレーでチャンスを作り、接点で流れを手放す
さらに、この日のジョージアはとにかくハンドリングミスが多過ぎた。
基本的に僕はハンドリングミスというのはディフェンス側が引き起こすものだと思っている。
早めのプレッシャー。
低いタックル。
的確なヒット。
これらの精度が高ければ高いほど、攻撃側は余裕を奪われる。そして、より素早い対応を強いられミスが誘発される。
これがハンドリングミスが起きる原因だと思っている。
「また負け…。サンウルブズ11敗目で日本での開催試合を終える…。どうにもなりませんでしたな今日は」
だが、それを踏まえても今回のジョージアのハンドリングはひどかった。
セットプレーであれだけ圧倒し、あれだけ走り回っているのに。
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ことごとく接点でボールを落とし、自ら流れを手放す。
うまくボールを出してもチームとしてのプランがなく、そこからの展開が弱い。
プランがないので周りのプレイヤーにも準備不足が目立つ。浅い位置でボールを受け、十分な姿勢でコンタクトすることができず、接点で再びボールを落とす。
結果的に無駄な走りが増え、後半の勝負どころでガス欠を起こす。
案の定、最後は痛恨の連続トライを許して連続負け。
「ラグビー舐めるとこういうことが起きるんだぞ」という典型的な負け方である。
ラグビーは金満スポーツ。チームプレーなんぞクソ食らえ。いい選手を札束でかき集めてこい
これは僕の持論だが、ラグビーというスポーツは「個の集合体」だと思っている。
何を当たり前のことを言っているんだと思うかもしれないが、それでも言わせていただきたい。
以前にも申し上げたが、ラグビーというのは金満スポーツである。
高い金を出していい選手を集めてくれば、勝手にチームは強くなる。
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たとえば有名なスタンドオフを高額の給料で連れてきたとする。
だが、その選手のプレースタイルがどうもチームになじまない。特にスクラムハーフとの連携がうまくいかない。
この場合の最善の策は何だろうか?
どうすれば新加入のメンバーがチームにフィットすることができるだろうか。
新加入のスタンドオフを説得してチームプレーに徹してもらう?
それともスタンドオフのプレースタイルに合わせてチームの方針を変える?
思いきってそのスタンドオフを干す?
どれも間違いである。
正解は「さらに高い金を出して新しいスクラムハーフを獲得する」である。
一番望ましいのはスタンドオフと同じチームでプレーしていたスクラムハーフを獲得すること。
つまり、より多くのお金を出してチーム自体を彼らの色に変えてしまうのである。
チームプレー?
規律?
アホか。
うまいヤツ、強いヤツをごっそり連れてくりゃ勝てるんだよ。
ごちゃごちゃ言わずに、黙って札束積めばいいんだよ。
これこそ「強くなるためのチームづくり」。
ラグビーとは、まごうことなき金満スポーツである。
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金満スポーツラグビー。でも最低限の組織力は必要ですよ。その基準にすら達してないジョージアにならさすがに勝てる
ラグビーは金満スポーツ。
金をかければかけるほどチームは強くなる。
ただ!!
それを踏まえた上で、今回のジョージアはダメダメだった。
いい選手をかき集めれば勝てる。
寄せ集めでも個々の能力が高ければチームは強くなる。
これはあくまで僕の持論だが、ある意味でチームスポーツにおいての真理だとも思っている。
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とはいえ、最低限のチームプレーは必要であることは間違いなく、この日のジョージアにはそれすら見当たらなかった。
恐らくジョージアはまだチームとしての方針が固まっていないのだろう。もしかしたらベストメンバーすら招集できていないのかもしれない。
能力の高い選手はいるのだが、それをまったく活かせていない。
各自が好きなことをやろうとして、しかもそれがうまくいかずにフラストレーションが溜まる。
おかげで相対的に日本チームがよかったように見えてしまう。
「タックルがいい」「決定力を見せた」とは言ったものの、実際はこれがファイナルアンサーである。
さすがにこの日のジョージアに負けたらヤバい。
まあ、勝ったからいいけどね。
でも、次のウェールズ戦はかなり厳しい試合になるんじゃないかな。
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